衝撃価格の8,000円台! 強力ノイズキャンセリング&音質カスタマイズ機能付きワイヤレスイヤホンの実力は?

澤田真一
公開日時

 EarFun Technologyがワイヤレスイヤホン『EarFun Air Pro SV』という製品を発売しています。

 これは1万円以下でありながら、強力なノイズキャンセリング機能や音質調節機能が搭載された製品。ワイヤレスイヤホンは低価格化・高性能化が著しい分野でもありますが、『EarFun Air Pro SV』はそのような現状を象徴しているかのようなガジェットです。

 今回は『EarFun Air Pro SV』が筆者の手元に届いたので、早速試してみましょう。

最大40dBの騒音軽減

 『EarFun Air Pro SV』は、充電ケース付きの左右独立型ワイヤレスイヤホン。左右それぞれが接続機器との通信を行い、高レベルの安定性を確保するという仕組みです。そしてこの製品は、両耳分のみならず片耳分の利用も可能。オンライン会議の時に用いるイヤホンとしても大いに役立ちます(この部分は後述)。

 しかし、この『EarFun Air Pro SV』の持ち味は何と言っても「音楽視聴」。たった一人で誰にも邪魔されずに音楽を聞きたい時、『EarFun Air Pro SV』はその性能を十二分に発揮します。

 EarFun Technology独自のハイブリッド型アクティブノイズキャンセリング(ANC)技術により、最大40dBの騒音軽減を実現させています。このあたりを実際に試してみると、まるで別世界に飛び込んだかのような感覚に陥ってしまいます。たとえばカフェやコワーキングスペースでこれを使うと、空調の音や他のお客さんが立てる物音が殆どカットされます。街歩きの際に使用してはいけないくらいのレベルです!

 そのような具合ですから、「周りの音が完全に遮断されるのは困る」ということも想定されます。しかし、心配御無用。『EarFun Air Pro SV』には「外音取り込みモード」も搭載されています。これを使えば音楽を聴きつつも、突然の物音や呼びかけの声に対応することができます。

「稀代の問題児」の名盤を聴く

 さらにこの『EarFun Air Pro SV』、専用アプリ『EarFun Audio』と連携させることにより、「音のカスタマイズ」ができます。

 高音、中音、低音をそれぞれ調整できる仕組みで、曲に合わせて最適の音質を探すことも可能。今回はジャズサックスの名手スタン・ゲッツの名盤『Stan Getz Plays』を聴きながら、あれこれ操作してみましょう。

 スタン・ゲッツはユダヤ系のテナーサックス奏者で、粗というものが全く見受けられない極めて洗練された音を奏でることで知られています。ところが彼の私生活は荒廃そのものでした。当時のジャズミュージシャンに麻薬は付きものでしたが、ゲッツもまた麻薬にどっぷり浸かっていたのです。

 アルトサックス奏者のチャーリー・パーカーは、麻薬を買う費用欲しさに自分の楽器はおろか、友人から借りた楽器まで質に入れてしまいます。そしてゲッツの場合は、何と薬局へ強盗に入りました。モルヒネが目当ての犯行ですが、無論彼は刑務所に収監されました。

 その後も麻薬がやめられず、家庭では暴力を振るい、さらにはアルコール依存にもなってしまいます。ところがそんな問題だらけの人物が、ブラジルのマイナージャンルに過ぎなかった「ボサノバ」を世界的人気ジャンルにするのですから、世の中は不思議なものです。

 「稀代の問題児」スタン・ゲッツの繊細かつ伸びのある音を最適な音質で視聴するには、「音のカスタマイズ」が必要不可欠。低音と中音を豊かにし、高音を少し抑えてみます。すると、まるで1952年のスタジオ(『Stan Getz Plays』の収録はこの年)にいるような感覚に陥るほどのリアルな音が実現します。

オンライン会議でも大活躍!

 また、『EarFun Air Pro SV』は音声通話やオンライン会議で大活躍必至の製品です。こちらも実際に試してみました。

 筆者は週1回のペースでとあるメディアの編集部と会議をします。もちろんこれはオンライン。Zoomを使って複数人で会話します。

 『EarFun Air Pro SV』を片側だけはめて、そのままオンライン会議を実施。上に書いた通り、この製品は片耳イヤホンとしても活用できます。片側3基のマイクアレイを搭載しているおかげか、こちらの声がいつもより鮮明に伝わっていたようです。

 ちなみにこの時、筆者は敢えて右耳にイヤホンをつけていました。実は若い頃にコンバットレスリングという格闘技に打ち込み過ぎていたせいで、筆者の右耳はいわゆる「餃子耳」になっています。このような耳にも上手く入るのか、という実証も兼ねていたわけです。

 もちろん「このイヤホンがフィットするかそうでないか」ということは人それぞれですが、筆者の場合は特に問題なく『EarFun Air Pro SV』を利用することができました。

ワイヤレス充電にも対応

 『EarFun Air Pro SV』の連続稼働時間は、ANCを有効にしている場合は約4.5時間。それを使わない場合は約6時間とあります。充電ケースを加味すると、最大24時間です。

 イヤホン単体で約6時間というのは、恐らく水準程度ではないでしょうか。ただ、いろいろな製品に触れている筆者から見ればいささか短い気が……。最近ではイヤホン単体で10時間以上稼働できるというものも珍しくありません。

 しかし『EarFun Air Pro SV』の場合は、イヤホンを1時間で満充電にできるという急速性があります。さらに充電ケースをワイヤレス充電できる機能も備えているため、スタミナの物足りなさは十分に補えていると見るべきでしょう。

 『EarFun Air Pro SV』はAmazonで販売中です。価格は8,990円。

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