『中二病でも恋がしたい!』虎虎の最新小説『推しの認知欲しいの?←あげない』タイアップ楽曲公開記念! WaMi×虎虎の対談をお届け!
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4月8日に電撃文庫より発売された『推しの認知欲しいの?←あげない』の作者・虎虎さんと、本作とのタイアップ楽曲の作詞/歌唱を担当したWaMiさんのスペシャル対談が実現!
作者自身も推し活をする『推しにん』誕生のきっかけ
――それではよろしくお願いいたします。
虎虎さん(以下虎虎)・WaMiさん(以下WaMi):よろしくお願いいたします。
――まずはそれぞれ簡単な自己紹介をお願いします。
虎虎:虎虎です。よろしくお願いします。
WaMi:歌を歌ったり、歌詞を書いたりして音楽活動をしているWaMiといいます。よろしくお願いします。
虎虎:こちらこそよろしくお願いします。
――お二人のこれまでの経歴を簡単にお聞かせいただきたく思います。まずは虎虎さんに質問ですが、小説家になろうと思ったきっかけを教えてください。
虎虎:私はもともとアニメが好きだったのですが、自分の作品をアニメ化することが夢でした。私が応募した「京都アニメーション大賞」はアニメの原作募集をしている賞で、自分の小説をアニメにできると思ったことがきっかけです。
――『推しの認知欲しいの?←あげない』(以下『推しにん』)が生まれた経緯を教えてください。
虎虎:『推しにん』が『中二病でも恋がしたい!』に続くデビューから2作目、通算5冊目の作品です。
ストレートエッジさんがTwitterで募集していた『ソードアート・オンライン』のゲームライターに募集してたことがきっかけで、ストレートエッジの方と知り合ったのですが、別件でご一緒した後に今回の小説執筆の打診があり、企画内容を確認すると「推しの企画なんてとても素晴らしい!」と思い、「是非やらせてください」と伝えて『推しにん』を書くことになりました。
――実は虎虎さんにはいわゆる『推し活』(ファン活動)をしているかどうかを知らず、企画を打診させていただきました。
虎虎:私、スパチャガンガン投げてます(笑)
WaMi:そうなんですね!
虎虎:もちろんスパチャ投げる=推し活するということではなく、推し方も人それぞれあると思います。
作品のヒロイン手毬とWaMiさんの共通点
――WaMiさんに質問です。今回のタイアップの経緯を教えてください。
WaMi:私のマネージャーさんから、ストレートエッジの方がライトノベル作品で、タイアップできそうなSNSで活動しいるアーティストを探していると聞いて、虎虎さんの書かれた『推しにん』の企画内容を教えていただいたところ「是非やりたい」と思い、参加させていただきました。
――WaMiさんが『推しにん』を読んだときの感想はいかがでしょうか。
WaMi:普段あまりライトノベルを読む機会がないんですが、楽しく読ませていただきました。お話の登場人物たちと自分との似ている部分や共通点が多かったこともあり、自然と感情移入して読むことができ、私にとって「大事な一冊」になったと思います。
虎虎:ありがとうございます!めちゃくちゃ嬉しいです。
――登場人物と自分との似ている部分や共通点というのは具体的にはどういったことでしょうか。
WaMi:特に手毬は似ているなと思いました。性格的なところでは奥手なところや負けず嫌いで春永の事になると嫉妬してしまうような重い部分(笑)。
音楽的には、作詞の仕方が似ていると感じていて、私は喋るのがあまり得意ではない分、気持ちを歌詞にのせるタイプなんですが、例えば手毬も作中歌の「春は永(なが)く」の歌詞に彼女自身の気持ちを込めていて、私と同じだなと感じました。
虎虎:そういっていただけるとすごく嬉しいです。
推し活をする人の悩みに寄り添えるような作品になるように執筆した
――『推しにん』の執筆過程で、難しかったことや大切にしたことはありますか?
虎虎:自由に書くことができた作品なので難しかったことは特にないです。
大切にしたことは、推しがいる読者に向けて、推し活での不安な気持ちや悩みの解決を後押しできるような作品にできればと考えながら書きました。
推し活をしていていると、例えば推しが自分の行動を喜んでくれるかな?と心配するような悩みを持つことも多いと思うんです。そんな悩みを主人公の春永も抱えていて、物語が進むことで「解決」したり「答え」を見つけたりしていくのですが、推しのことで悩んでいる読者も春永と一緒に成長してくれると嬉しいなと思っています。
春永は自分の気持ちを無理矢理に推しに対して押し付けるタイプではなく、推される側の視点から見たときに「健気で応援してくれるファンがいると安心できるよね」という存在として考えています。対称的に作中では春永の親友・初巳のように「全ての握手会に参加しないと嫌だ!」というファンも登場します。
じっくり応援するファンと、ガツガツいくファンを差別化しつつどちらのファンも大切にして書くように意識しました。
――虎虎さんも推し活(ファン活動)をさせるとおっしゃっていましたが、ご自身はどんなタイプでしょうか。
虎虎:推し活はいつも難しいなと思っていて、私は春永のように悩んでしまうタイプです。
WaMi:春永はとてもいいファンだなと思って、ファンはこういう気持ちなんだと納得感がありました。
虎虎:「ファンは一体どうしたら正解なんだ」と葛藤しながら書いたので、そう言っていただくと嬉しいです!
はじまりは「憧れ」、今は「誰かの心を動かす存在」に
――WaMiさんが自分の歌った動画を投稿しようと思ったきっかけは何だったんでしょうか。
WaMi:実は春永に近いところがあるんですが、もともとボカロ動画が好きだった姉に教えてもらったことがきっかけで動画を見るようになり、色々な動画を見ていくうちに私も投稿してみたいなと思うようになりました。
WaMi:特に私が沢山ボカロ動画を聴いていた時期は、supercellのnagiさんがボーカルをされていたのですが、女性の歌い手さんのなかで一番好きで、歌い方や声に憧れていて、今も自分の目標のような存在です。
虎虎:いまお話を聞いていて雰囲気が似ていて、なるほどそうか!と思いました。
WaMi:そうなりたいなと思っているので嬉しいです。
――そんな憧れを経てWaMiさんとしての活動で、初めて作詞をしたときのきっかけや気持ちはどうだったでしょうか。
WaMi:今回のタイアップ楽曲も作曲くださった雄之助さんに「一緒に曲をやらない?」と声をかけていただいたのがWaMiとして初めて作詞した曲でした。
恋愛に関する歌詞を書いたんですが、ちょうど失恋中だったこともあり、私のなかに書きたい気持ちがたくさんあって、その気持ちを歌詞としてかたちにしたのが最初の作詞でした。
それからも作詞をするときは自分が体験したことや、心の中にある気持ちを文字にすることを意識しています。
――歌うときに大切にしていることはどんなことでしょうか。
WaMi:最初は「nagiさんのようになりたい」という憧れと「沢山のひとに聴いてもらいたい」という気持ちでした。
次第に、有難いことに多くのひとに聴いてもらえるようになり、自分の歌を聴いてくれたひとの役に立ったり元気づけられたり、「誰かの心を動かせたらいいな」と思うようになりました。私が歌えるのは、応援してくださったり支えてくれる皆さんのおかげなのでいつも感謝の気持ちを込めて歌っています。
WaMiさん=手毬の繋がりを感じるタイアップ
――『推しにん』のタイアップが決まったときの心境をそれぞれお聞かせてください。
WaMi:お話をいただいたとき恐れ多くて……有難かったです。作品の企画書を先に読ませていただき「自分ならば書けるかもしれない」という気持ちから次第に「自分にしかできない歌詞を書いてやるぞ」と思うようになり、受けさせていただきました。
虎虎:さすが負けず嫌い! いいですね!
――WaMiさんがそう思われたのは手毬というキャラクターがいたからこそでしょうか。
WaMi:そうですね。手毬と私は顔を出さずに活動しているという点で、WaMiという存在と共通する部分があり、企画の打診がきたときは、嬉しかったのと同時に驚きがありました。
虎虎:今度からWaMiさんを意識して書きます(笑)
WaMi:嬉しいですが複雑です(笑)
――虎虎さんはいかがでしょうか。
虎虎:私は「ハッピーハッピー、こんなに歌が上手い人がやってくれるような有難い話がこの世にあるんだ!」と思って、さらに作詞までしていただけるということで感謝でいっぱいでした。改めてありがとうございます……!
WaMi:こちらこそありがとうございます!
虎虎:『推しにん』作中では、手毬もWaMiさんと同じように恋愛の作詞をしているんですが裏設定で手毬が作詞したものはオシャレな曲調、お父さんのhatさんが作詞したものはアイドルソングだったのだけど、手毬作詞のオシャレソングのほうが人気があったというものがあったんです。
WaMi:そんな設定まで作ってあるんですね!すごい!
虎虎:でも、WaMiさんとの共通点を活かして、今後もその路線で行くことにしようと思います!
――WaMiさんが『推しにん』を読んでみて一番好きなキャラクターは誰でしょうか?
WaMi:誰目線なんだという感じですが、作品にでてくる子たちがみんな「いい子」過ぎて迷います……!
虎虎:キャラクターの感想で「いい子」と言ってもらえるのが一番嬉しいです!
私は完全な「わるい子」がいないように、悪いように見えても良いところがあるように心がけて書いています。
WaMi:手毬の親友・マドカルちゃんは春永君からしたら意地悪なんですけど、芯の部分はめっちゃいい子だなと思いました。手毬ちゃんのことが好きだからそういう態度をしてしまっているだけだと思います。
虎虎:その感想をいただけて、私はもう「にっこり」です。
WaMi:手毬ちゃんがいい子だから、周りにもいい子が集まっているんだろうなと思います。一番好きなキャラは、え……選べないですね……難しい。
虎虎:私も誰が一番好きかといわれると選べないですね。
WaMi:また考えておきますね。
虎虎:是非また今度「推し」を教えてください(笑)。私も決めておくようにします。
タイアップ曲の歌詞は作品全体をイメージ
――ではWaMiさんが作中で印象に残っているシーンはありますか?
WaMi:手毬ちゃんが「好きに正解なんてない」と言うんですが、私がタイアップ曲の作詞でテーマにした部分で、そこが一番印象に残っています。
私が作詞するときは最も大事なテーマを決めたら、それを曲の大事なサビに持ってくるように書くんですが、タイアップ曲の歌詞では「好きに正解なんてない」「片思い」「バレちゃいけない気持ち」という内容をサビ部分になるように書いています。
虎虎:曲を作った側の視点での意見で、とても新鮮です。
WaMi:そこが私に刺さるシーンでした。
――1曲分の作詞をする際にはどれくらい時間がかかるものなんでしょうか。
WaMi:私の作詞方法は、サビ部分を考えた後に、他の部分をそこに繋げて物語を書くようなイメージで考えます。サビに一番時間をかけて1日かかるか、かからないかくらいで他の部分はサラッと書けるときもあれば、逆に数日かかることもあります。
今回のタイアップ曲で最初にご提案いただいたのは、作中で登場する曲名だけの歌の詞を私が書くという依頼だったのですが、自分が作詞していいのものか、と責任を感じてました。
実際に作詞してみようと考えてみるとイメージを膨らませるのがやや難しく、私から「作品全体をイメージした歌詞を考えてもいいですか?」という提案をさせていただき、快く許可していただけたので、書き始めてみたところサラっと書けた印象です。
虎虎:WaMiさんから「手毬の気持ちが自分に通ずるものがあるので書きやすいです」と言われた際にはそちらの方が難しいのでは?と驚きましたが、実際に届いた歌詞をみて私では書けない「手毬の歌詞だ!」と思いました。WaMiさん、私より手毬の理解度が上ですよ。
WaMi:そんなことないですよ(笑)
虎虎:女性らしいワードセンスが印象的な歌詞だと思います。
WaMi:作詞のときは、できるだけ「綺麗な言葉遣い」を意識していて、読んだひとにやわらかい印象を持ってほしくて、心にスッと入ってくるような言葉遣いができていたら良いなと思っているのでそう言っていただけて嬉しいです。
――タイアップ曲の作詞について虎虎さんからのオーダーがあったかと思うのですが、何か印象に残ることがあれば教えてください。
WaMi:歌詞で「韻を踏むように」という相談をいただいたことです。
歌詞を考えるときには、この発音ならば自分が歌う際にここまで高音が出そうだなといった、歌いやすさを考慮することは多いです。韻を踏むことで流れが良い感じになると思うので、もちろん考えることもあるのですが、強く意識することはあまりなかったため、今回オーダーされたことが印象的でした。
虎虎:考えていただいたタイアップ曲の歌詞がとても嬉しくて、まだ登場シーンは考え中なんですが『推しにん』2巻の作中に是非に歌詞を使わせていただきたいと思っています!今後も何か新しい歌詞が生まれることがあればそれも絶対に入れたいと思っています。
WaMi:とても嬉しいです。是非お願いします!
――タイアップ曲の歌詞が手元にとどいたときの虎虎さんの感想を教えてください。
虎虎:とても綺麗な歌詞で、小説を読んでから歌詞をみると、しっかりと手毬の気持ちが反映されていて、曲を聴いてから小説を読んでも手毬の理解度があがって読むことができるような、どちらが先でも楽しめるものだと思いました。
――歌詞やデモを受け取った際の印象的なエピソードはありますか?
虎虎:歌詞をいただいた際に何かの参考になればと思い、小説1巻では語り切れなかった手毬の気持ちをお伝えしたのですが、WaMiさんがすぐにその内容を歌詞に反映していただき、内容が完璧なことはもちろんなのですが「そんなにすぐに変更できるの!天才か!!」と思ったことが印象的です。
WaMi:ありがとうございます。作詞するときは、直接的な表現をせずに聴いた人が自由に解釈して共感できる幅を持てるように意識するんです。
なので虎虎さんから作中エピソードをいただいて、私なりの解釈を込めてこんな歌詞どうですか?と戻させていただきました。普段は歌詞について誰かとやり取りすることは少ないので、みんなで作り上げていく体験がとても新鮮で楽しかったです。
今回のタイアップのお話をいただいて、最初からテーマが決まっているものを作詞するということは私にとって挑戦で、はじめは私に書けるか不安だったのですが、実際にやってみると無理がなく自然と言葉が紡ぐことができ書きやすかったです。
WaMiさんは手毬の「お姉さん」
――こうましろさんが描かれた「WaMiさんと手毬のサムネイルイラスト」について感想をお聞かせください。
WaMi:シミラールックのような、手毬ちゃんとのお揃いが嬉しかったです! 最初に手毬のイラスト(口絵イラスト①)でこんなタッチで描きたいですと言われたのですが、こうましろさんのイラストがとても可愛くて楽しみしています! と伝えたのを覚えてます。
完成イラストを見せていただいたら、色違いの衣装がポイント高くて、ネコも可愛くて感動しました!
虎虎:こうましろさんからは、WaMiさんは手毬よりも「お姉さん」なのでそこを意識して描いたという話を聞きました。お姉さんなのでWaMiさんが少し手毬に寄りかかっている感じと言われて「なるほど!」と思いました。
WaMi:すごい……! 確かにそうですね。いつものWaMiのイラストよりもスポーティーでラフな格好で描いていただけて嬉しいです。
――作中で虎虎さんが特に気に入っているイラストはありますか?
虎虎:全部が大好きですが、特に好きなのは口絵の動画風デザインになっているイラストがピンク色で可愛くて好きです。
WaMi:私も好きです。可愛いですよね。
作詞のお供はお風呂と音楽
――WaMiへの質問です。作詞するときのお気に入りのお供はありますか?
WaMi:モノではないんですが作詞するときに悩んだり詰まったときには、お風呂に入ってゆっくりしていると降ってくることがあります。お風呂に入りながら、水に濡れてもいいスピーカーで音楽を流しながらゆっくりするんです。
虎虎:私もそういうときあります。リラックスできていいですよね。
推す立場と推される立場、一方通行ではない関係
――虎虎さんから「推し活」を頑張っているひとに向けて何かいただければと思います。
虎虎:推し活する人、される人に向けてということになるかもしれないんですが……私自身が推し活をしていると、好きだったコンテンツが終わってしまい自分の熱量の行き場に困ってしまうことがあるんです。
そんなときに思うのがファンはいつでも待っているので、コンテンツを届けてくださる方は大変かもしれないけど、自分のペースで諦めずに続けてほしいということです。
推し活をする人はずっと応援し続けてほしいし、される人には無理のない範囲で活動を続けられるのが理想だと考えています。そんな双方からの関係で推し活は成り立っていると思うので、どちらかだけが頑張るのではなくそれぞれの立場から(おこがましいですが)支え合ってほしいなと思っています。
WaMi:素敵な話を聞けて、私も頑張ろう!と思いました。
虎虎:それならとても嬉しいです(笑)私もWaMiさんを推し続けます。
WaMi:ありがとうございます。
――最後に、それぞれファンに向けてひとこといただけるでしょうか。
WaMi:まず、こんなに大きなタイアップの機会をいたただいてありがとうございます。
作品を読まれた方はもちろん、そうでない方でも共感できるような歌詞になるよう心がけて作詞をしましたので是非タイアップ曲を聴いてみてください。
虎虎:私の作品を読まなくても、曲はすぐ聴けますので、最高の曲を何度でも聴いてください!!
WaMi:皆さん、作品も買ってください(笑)
虎虎:すみません、WaMiさんありがとうございます。
――ありがとうございました!
『推しの認知欲しいの?←あげない』
著者:虎虎
イラスト:こうましろ
『中二病でも恋がしたい!』の虎虎が贈るすれ違いガチ恋ラブコメ!
謎の覆面系音楽ユニット『たぶん、きっと、月の下』のボーカルであるderella(デレラ)の正体は、あたし、有真手毬(ありさだ てまり)。
普段は、どこにでもいる女子高生で、しいて挙げるとすれば、あたしには好きな人……うそ、大好きな人、星地春永(せいち はるなが)がいる。彼は、あたしの幼馴染であり、大切な『家族』でもあるんだけど――
「derella大好きだよ~~~~~~!!」
そう……何故かハルはあたしではなく――derellaを好きに。いや、ガチ恋になっていた。もうホントに……どうしてこんなことになっちゃったんだろう。……でも頑張る!!
絶対ハルに――有真手毬を好きになってもらうんだから。
すれ違いまくりのガチ恋ラブコメ、ミュージックスタート♪
タイアップ楽曲『グラスヒール』
Singing/Lyrics:WaMi
Music:雄之助(Yunosuke)
VocalMix&Mastering:Ejina
Artwork:こうましろ
Movie:よしだなすび
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