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秋アニメのダークホースか。『このすば』暁なつめさん原作の『旗揚!けものみち』の残念ハーレム感がおもしろい

そみん
公開日時

 こんばんは、そみんです。多くの人気作がしのぎをけずる秋アニメに殴り込みをかけるTVアニメ『旗揚!けものみち』。そのカオスな魅力について語るため、マイクを握らせてください。アニキー!

初見最悪。0話切りをする予定だったアニメが……『このすば』の暁なつめさん原作だと!?

 みなさんは、10月2日から放送されるTVアニメ『旗揚!けものみち』をご存じでしょうか?

 異世界に召喚されたプロレスラーがペットショップを営むという理解不能なあらすじと、ツッコミどころ満載のメインビジュアル、挙句の果てには謎の実写PVと、正直、0話切りをしようかと思っていた秋アニメです。

●動画:TVアニメ『旗揚!けものみち』PV第1弾

 ……おそらく、このPVを見た時の感想は、今のみなさんと同じ気持ちです(苦笑)。

 と、初見最悪な出会いだった『旗揚!けものみち』ですが、なんとなく原作漫画『けものみち』を読んでみたところ……なんなんだコレは!?

●あらすじ(原作漫画版)

 プロレスラー×ケモノ×美少女の織りなす異世界ペットショップライフ始まります!

 異常なほどにケモノ好きの青年・柴田源蔵は異色のプロレスラー「ケモナーマスク」として活躍していたが、大事な一戦を前にした控室で突如、異世界に召喚されてしまう。

 召喚した姫は、王国に仇なす魔獣を退治してほしい、と源蔵に頼むのだが、「ケモノを倒すだと!? そんな事は断じて許さん!!」 …姫に必殺のジャーマンスープレックスをキメた源蔵は一転、追われる身となってしまうのだが!?

 どうですか、このあらすじの疾走感! 短い文章の中に“が”とか“だが”とか、逆接が何回も出てくるところが、一筋縄ではいかない本作のカオスっぷりを表わしていますね。

 そんな本作ですが、よく見ると漫画原作を手掛けるのは『この素晴らしい世界に祝福を!』の原作者・暁なつめさんでした。

 ……道理で、このお互いがお互いの言いたいことしか言わないマイペース同士のスレ違い感覚、覚えがあると思いました(笑)。

  • ▲ケモナーマスク(柴田源蔵)(声優:小西克幸)。最強の覆面レスラー“ケモナーマスク”として世界タイトルマッチの大一番の最中、突如として異世界に召喚された青年。動物に深すぎる愛情を持ち、動物を傷つけるものは何人たりとも許さない熱い男。得意技はジャーマンスープレックス。

 このキャラクター性と小西克幸さんの組み合わせも大正解の予感。ほら、小西克幸さんのTwitterでも自信満々……。

 あ、あれ? たぶんって(笑)。まあ、そういうところも含めて、目が離せない作品と言えるのではないかと。

思わず二度見。“姫に必殺のジャーマンスープレックスをキメた源蔵は~”…は?

 さて、まずは原作漫画『けものみち』のヤバさを語りたいと思いますが、勘がいい人なら、先ほど掲載したあらすじに違和感があったかと思います。

 そう、“…姫に必殺のジャーマンスープレックスをキメた源蔵は一転、追われる身となってしまうのだが!?”ですねー。こういうパワーワードが多すぎ!

  • ▲原作漫画の冒頭のワンシーンから。尻姫様~! なお、息子(小1)に見せたら「パンツ姫だねー」と見たまんまの感想をいただきました。

●動画:TVアニメ『旗揚!けものみち』PV第2弾

 ぜひ実際に原作漫画も読んで欲しいのですが、“このあらすじに何1つウソがないという絶望感”は、なかなか他では味わいがたいものがあります(苦笑)。

 ちなみに、実写PVのせいで『けものみち』=プロレス漫画という先入観があるかもしれませんが、実際は……あれ? この漫画、大枠ではギャグだけど、(残念な)バトル要素あり、(残念な)ハーレム要素あり、(残念な)ハートフルな異種族交流要素あり、(残念な)ペットショップ要素ありと、結局はカオスでよくわかりません(混乱)。

  • ▲『けものみち』(原作:暁なつめ/漫画:まったくモー助・夢唄)は2019年9月時点で4巻まで発売中。

美少女相手でも容赦なしでジャーマン&ラリアット! なんて残念なハーレム展開

 主人公は獣が大好きな覆面プロレスラーで、ファンタジー世界の魔獣のお世話をするペットショップ“けものみち”のオーナーとして、身体をはって魔獣の保護などをすることに。

 そのペットショップはなんだかんだ美少女ばかりで、外見だけで言えば、そっち系の作品が好きな人(主に僕)も満足できるのですが……とにかくクセがすごい(苦笑)。

 くわえて、主人公の源蔵がまた、人間というかヒューマンタイプには興味がない変態、もとい変質者、もとい特殊な趣味嗜好を持つ存在で、セクシーな女性を前にしても「俺の興味を引きたくば獣耳か尻尾の一つも生やしてこい。俺にとってはこんなもんよりオークの複乳の方が魅力的なんだよ(1巻第2話より)」と断言し、コボルトの人妻をナンパするようなヤツなので、ハーレム的な状況がまったく生かされない残念っぷり。

  • ▲シグレ(声優:関根明良)。悪徳商人によって売り飛ばされそうになっていたところを源蔵に助けられて、一緒にパーティを組むことになった狼の獣人です。いつも振り回されてパーティの経営難に悩まされていますが、ちゃっかりした一面も。獣人を差別しない源蔵には感謝し慕っています。
  • ▲花子(声優:八木侑紀)。鱗のついた尻尾と角を持つドラゴンハーフの少女。実は魔族の名家・ファフニール家のお嬢様ですが、食べることが大好きで世界の美食を求めて家出してきました。食べ物に見境がなく、ペットフードをも喰らいつくす食い意地の張った悪食娘です。
  • ▲カーミラ(声優:櫻庭有紗)。花子の従者であるヴァンパイア。花子に忠誠を尽くしており、花子を見守るため源蔵のもとに居候しては酒と惰眠をむさぼる毎日を送っている駄目女です。花子に対する忠誠心がゆえに軽率で行き過ぎた行動に出ることが多々あります。

 原作漫画の印象としては、常識人タイプの狼少女シグレは普通にかわいくて◎。ドラゴンハーフの花子も、まあ、ちょっと大食いで変わったところはありますが、きちんとかわいいです。

 問題は……ヴァンパイアでお色気担当(?)のカーミラですな。オフィシャルな紹介文章で“駄目女”と断言されるほどの駄目ニート系で、よく源蔵にプロレス技をかけられて、女性とは思えぬ顔芸を披露してくれる存在です。

 漫画2巻の番外編“正しいニートの飼い方”では、朝から源蔵に恥ずかし固めをかけられたカーミラのセクシーポーズ(お股パッカァー)を堪能できるのですが……なんだろう、まったくムラムラしないのは(苦笑)。

 ちなみに本作の真のヒロインはひろゆき様なので、ぜひ覚えておきましょう。

  • ▲ひろゆき(声優:末柄里恵)。源蔵の愛くるしく由緒ある雑種犬。源蔵とともに試合中に異世界へ召喚された。異世界では唯一無二の存在であり珍しがられている。

まとめ:原作漫画の疾走感をどこまで再現できるのか、アニメ版が楽しみ!

 ネタバレになるので詳細は伏せましたが、本作の狂気の片鱗を感じ取っていただけますと幸いです。

 基本的には頭を空っぽにした脳筋と脊髄反射だけで楽しめる良作漫画なので、アニメについても肩ひじをはらずに楽しめるものになっているはずです。

●動画:TVアニメ『旗揚!けものみち』PV第1弾

 ここまで作品世界を把握した上で実写PVを見ると、ようやく笑えます。てか、“ペット禁止”の張り紙とか実写ひろゆきとか、ケモナーマスクの集大成宣言とか、小ネタが満載だったんですねーってそんなネタ初見でわかるかー!

 なんて言うんだろう。コブラツイストをかけられると、暴れれば暴れるほど余計痛くなるように、アホらしいアホらしいと顔をそむけようとすればするほど、なんかハマっちゃう漫画です。アニメにも期待!

 では、原作漫画冒頭の尻姫様へのケモナージャーマンがアニメでどう再現されるのか、10月2日の夜は家族にバレないようにこっそり第1話を視聴しようと思います。
(なお、AT-Xでは、9月29日(日)22:00~22:30に第1話先行放送が行われます。BS放送を視聴できる環境がある方は無料で視聴できるので、こちらもお楽しみに!)

アニメ『旗揚!けものみち』放送情報

AT‐X:10月2日から毎週水曜22:00~
リピート放送:毎週金曜14:00~/毎週日曜25:30~/毎週火曜6:00~
※週1話ずつ4回放送。
TOKYO MX:10月2日から毎週水曜25:05~
テレビ愛知:10月2日から毎週水曜26:35~
KBS京都:10月2日から毎週水曜25:05~
サンテレビ:10月2日毎週水曜25:30~
BS11:10月2日から毎週水曜25:30~
※放送日時は編成の都合により変更となる場合があります。
配信情報
AbemaTV:10月2日水曜から毎週水曜23:30~
スタッフ(敬称略)
原作:暁なつめ
漫画:まったくモー助・夢唄
監督:三浦和也
シリーズ構成:待田堂子
キャラクターデザイン:能海知佳
アニメーション制作:ENGI
製作:けものみち製作委員会
キャスト(敬称略)
ケモナーマスク(柴田源蔵):小西克幸
シグレ:関根明良
花子:八木侑紀
カーミラ:櫻庭有紗
MAO(マカデミアンオーガ):稲田徹
ひろゆき:末柄里恵
ミーシャ:集貝はな
ヴォルフガング:松田健一郎
エドガー:武虎

(C)2019 暁なつめ/まったくモー助/夢唄/KADOKAWA/けものみち製作委員会

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