ターン制バトルは死んだ。いや、死んでいなかった。良質なバトルって、パズル的で楽しい!【オクトラ大陸の覇者 神ゲー説】

そみん
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 2020年10月28日に配信が始まった、スクウェア・エニックスのiOS/Android用RPG『OCTOPATH TRAVELER(オクトパストラベラー) 大陸の覇者』

 運営型アプリの側面もありつつ、配信直後からエンディングが用意され、ガチでプレイ時間100時間以上クラスのコンシューマゲーム1本を丸ごと無料で配信してしまったという衝撃的なデビューを果たした本作が、2022年4月28日で1.5周年を迎えました。

 今なお進化が続く本作について、ぜひ体験してほしい神ゲーポイントを力説させていただきます! ……今回、ちょっとおっさんゲーマーの思い出トークが多めですと、あらかじめお断りしておきます。

ターン制バトルは死んだ。いや、死んでいなかった。良質なバトルって、パズル的で楽しい!

 いきなりですが、みなさんはターン制コマンドバトルってどう思います? パーティメンバー全員のコマンドを一度に入力して、敵味方がそれぞれ行動するというアレです。

 わかりやすくて王道でクラシカルだけど、ちょっと古いと感じる人もいるのではないでしょうか。

 あ、自分はターン制コマンドバトルはファミコン時代から遊んできたので、大好きです。しっくり来ます。いい意味で“たたかう”コマンドを連打するザコ戦のプレイフィールとか大好きです。魂と肉体に刻み込まれています。

 ただ、そんな自分でさえ、ターン制コマンドバトルはファミコン時代の時点でややマンネリ感を覚えることがありました。例外はあるけど、基本的には全体HP回復を中心にしたHPのリソース管理が中心となり、あとは素早さなどを考えた行動順序の管理とか、バフ・デバフによる効率化とか、ゲームバランスに応じたセオリーがあって、そのパターンを見切ることが攻略につながるという。

 よく言えば安心して遊べる。悪く言えば、ワンパターン。まあ、定番の美学、あるいは偉大なるマンネリがあることも間違いないと思ってますけど。

 『ドラゴンクエスト』や『ウィザードリィ』などでRPGの代表的なシステムとなったターン制コマンドバトルは、長らく進化が止まってたように感じます。一部、シミュレーションゲームとの融合を果たしていき、マップでユニットを動かすバトルとか、位置取りが重要になるバトルシステムなども誕生していきました。そのなかでもさらに一部はアクションゲームとの融合を果たしていき、これはこれで別の進化をとげていった印象です。

 で、ターン制コマンドバトルについて作品ごとの特色、+αが目立ち始めたのは、スーパーファミコンあたりだった気がします。ターン頭に一括で全パーティメンバーのコマンドを入力する形から、素早さに応じて敵味方が入り混じる形でコマンド入力タイミングが回ってくるコマンドバトルなんかはファミコン時代からも散見できましたが、なんといってもSFCの『ファイナルファンタジーIV(FF4)』のアクティブタイムバトル(ATB)が1つの進化到達点だったと思います。

 コマンドバトルを基本としながら、コマンドを選んでいる間も時間が経過するというリアルタイムでアクティブなプレイ感覚。キャラの行動順番もある程度視覚化されているので、それらを見て状況を判断しながら戦況を見てコマンドを選んでいくというのは、ちょっとアクションゲーム的な反射神経も要求され、刺激的で楽しかったです。

 ……と、偉そうに言いながら、ゲームが苦手な自分は、コマンド選択中は時間が止まる“ウェイト”で遊ぶことが多かったんですけどね(苦笑)。

 そんな流れで、ターン制コマンドバトルにリアルタイム性が加わったものが出てきました。まあ、ある意味で“ターン制”じゃなくなった部分もありますが、例えば『MOTHER2』のように、システムはターン制コマンドバトルとしかいいようがないのに、HPが減る部分がドラムロール的にリアルタイムで減っていく形で、急いで回復を行えば戦闘不能にならずにリカバリーできるというめっちゃ不思議なリアルタイムバトルなんてものも生まれました。いやあ、ゲームってほんと、アイデア次第ですよね。

 ATBといえば、アクティブタイムバトル Ver.2 (ATB Ver.2) を搭載した『クロノ・トリガー』を思い浮かべる人も多いのではないでしょうか。位置取りが大事なバトルとなっていて、“ターン制”とは言えませんが、しっかりとコマンドバトルではありました。

 余談ですが、ATBを継承したRPGとしてスクウェア・エニックス(開発はTokyo RPG Factory)から『いけにえと雪のセツナ』、『LOST SPHEAR(ロストスフィア)』といった良作も生まれていたりします。ATBにボタンでのタイミング入力が加わったシステムとなっており、個人的にはとても楽しく遊べました!

 ……わかっています。『オクトパストラベラー』の話ですよね。もうちょっとだけ、おっさんの昔話をさせてください。

 そんなこんなでRPGのバトルは、コマンドバトルという部分は残りつつも、ターン制という部分は素早さ順やリアルタイムといった方向性へと変化していきました。

 その一方で、ターン制でありながら、別の形での戦術性を加えたシステムが増えていきました。それは、プレイステーションで発売された『ゼノギアス』などで知られる行動ポイントによる複数行動&リソース管理という進化です。

 『ゼノギアス』が特に例に出されやすいのは、行動ポイントに加えて、弱中強攻撃という格闘アクション的なわりふりとかがめちゃくちゃキレイにシステムにはまっているからだと思うんですよね。行動ポイントが5あるとして、弱(1)弱(1)強(3)で5とか、中(2)強(3)で5とか、同じリソースを使い分ける考え方が直感的にわかりやすいという。

 こういった行動ポイントによるバトルシステムの進化も、大きな発明として多くのRPGで見るようになっていきました。

 その後、長い間ターン制コマンドバトルの大きな進化はありませんでした。もちろん、ところどころでユニークなシステムは見受けられましたが、なんというか、古くから遊んでいるとマイナーチェンジ感がいなめなく、新鮮味が感じられないといいますか……。

 そんなある日、3DSで革命的なターン制コマンドバトルRPGが生まれます。その名は『ブレイブリーデフォルト フライングフェアリー』。そう、『オクトパストラベラー』にも携わる浅野智也さんや髙橋真志さんが携わったゲームですね。いよいよ、この記事で言いたい本題につながってきました!(寄り道が長かった……)

 『ブレイブリーデフォルト』が画期的だったのは、防御=デフォルトで行動ポイント的なものをため、そのポイントをブレイブで使うことで、1ターンに複数回行動が可能になること。攻撃×3とかもアリですし、攻撃+回復+アイテム使用なんて立ち回りもアリ!

 行動ポイント制の流れでありながら、行動ポイントの“前借り”ができるのが大きなポイント。前借りをすると、その後は行動できなくなるデメリットはあるものの、従来のゲームよりも状況に応じた臨機応変な対応が可能となり、従来のターン制コマンドRPGと似て非なるプレイ感覚を生み出すことに成功しました。

 いやあ、個人的には、好きは好きだけど、その一方で進化の袋小路的な閉塞感さえ感じていたターン制コマンドRPGが、ちょっとした工夫で新たな楽しさにつながるなんて……本気で感心&感動したものです。

 さて、そんな流れで登場したのがSwitch版『オクトパストラベラー』。こちらも、ターンごとにたまる行動ポイント的なもの(BP)を使ってブーストすることで、通常攻撃の回数を増やしたり、アビリティの威力を増大させたりと、さまざまなメリットにつなげることができます。

  • ▲ブーストやブレイクの仕組みはSwitch版で登場し、スマホ版にも踏襲されています。

 最初にシステムを見たときは『ブレイブリー』シリーズの延長かと思いましたが、実際に遊ぶと、単純に行動回数を増やすわけではないので、かなり別物でした。

 特に大きなポイントとなるのが、敵の弱点(武器の種類や火・氷などの属性)を突くことでシールドポイントを減らし、それをゼロにすることで敵をブレイクさせ、大ダメージを与えられること。

 ブーストで通常攻撃の回数を増やしてシールドを削ってブレイクを狙うのか。それともBPを温存して、敵がブレイクしたときに一気にブーストで攻撃アビリティを強化して大ダメージを狙うのか。そんな風に行動ポイント的なBPを使うタイミングが重要になるわけですな。

 「良質なバトルシステムは、良質なパズルに似ている」とは、僕の友人が学生時代に適当にそれっぽく言った言葉ですが、一面では真実かと。

 いろいろな要素……『オクトパストラベラー』で言えば、BPを管理しながら攻撃や防御、バフ・デバフの使い方を考え、敵の弱点を突いてシールドを削り、大ダメージを狙うための道筋を考えていくことはパズル的な部分もあり、最適解を考えながら戦うバトルは本当に楽しいものです。

 で、そんなSwitch版が4人パーティだったのに対し、スマホ版は前衛4人+後衛4人の8人パーティバトルとなっておりまして……これがもう、めっちゃ楽しいわけですよ!

  • ▲自分はパーティメンバーが多いほどバトルでワクワクする派です。

 わかりやすいところとして、前衛がBPを使ってシールドを削ってブレイクさせた後に、BPを温存していた後衛がフルブーストで強力な攻撃を叩き込む! といった役割分担の戦術性=楽しさが加わっています。

 また、後衛にいるキャラクターはターン開始時にHPやMPが自動回復するのもポイント。効率的なローテーションを考えることが大事になるわけで……スマホ版は、Switch版とはまた違ったプレイ感覚を生み出すことに成功しています。いやあ、すごい!

 てなわけで、『オクトパストラベラー 大陸の覇者』が神ゲーたる理由の1つである“バトルシステムの奥深さ”について語らせていただきました。寄り道が長かったのはご愛敬ということで。

  • ▲強力な攻撃を行う前に予備動作を行うことが多いので、そこで猛攻をかけてシールドを減らしてブレイクさせる、というのは本作のセオリーの1つ。

 ちなみに、そんな通好みなバトルシステムが採用されていることからも察することができますが、本作の難易度は高めです。いわゆる“たたかう”連打みたいな適当プレイだと、格下の相手にも平気で負けちゃいます。(逆に言えば、ちゃんと考えれば格上の敵にも勝てるわけですが。彼を知り己を知れば百戦殆からずってやつですな)

 ただ……メインストーリーについては負けてもコンティニュー(ガチャなどにも使うルビーが必要)で全回復できるので、ある程度の力押しは可能。なので、ストーリーを楽しみたい人はご安心を。

 もちろん、ゲーマーならノーコンティニューでの勝利を目指すことをおすすめしますし、苦労を超えた先の達成感は何物にも代えがたいものです。

 ……でもまあ、コンティニューをしてでも先を見るだけの価値があるストーリーなので、こういう形でのユーザーフォローはアリだと思います。

 逆に、育成したキャラクター+自分の知恵と工夫を発揮する場が欲しい人に対しては、いくつかの高難度コンテンツが用意されています。コンティニュー不可で強敵と戦う闘技大会や、条件付きのバトルや複数パーティでクリアを目指していく試煉の塔など、腕の見せ場がちゃんとあります。


 『オクトラ 大陸の覇者』はストーリーの面白さが取り沙汰されて目立つことが多い印象ですが、実際はバトルが楽しいRPGとしても非常に高い完成度となっています。ぶっちゃけ、自分では歯が立たないコンテンツもちらほらありますが(苦笑)、やり込み派ゲーマーの方はぜひ挑戦して、達成感を得てもらえればと思います!


今がデビューチャンス! 1.5周年で特別なキャラが参戦&無料ガチャが実施!!

 4月28日からは1.5周年を記念した各種キャンペーンが実施中。ルビー888個がプレゼントされるほか、無料10連の導きが最大5回=50連無料、豪華な1.5周年祭特別任務など、お得なイベントだらけです!

 また、すごろくのような新ミニゲームコンテンツ“天運の遊技盤”が追加されたほか、メインストーリーのボスとして圧倒的な存在感を示したタイタス、ヘルミニア、アーギュストが“追憶の覇者”として期間限定で登場! かなり強いキャラクターとなっているので、この機会にぜひ!

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OCTOPATH TRAVELER 大陸の覇者

  • メーカー: スクウェア・エニックス
  • 対応端末: iOS
  • ジャンル: RPG
  • 配信日: 2020年10月28日
  • 価格: 基本無料/アイテム課金

OCTOPATH TRAVELER 大陸の覇者

  • メーカー: スクウェア・エニックス
  • 対応端末: Android
  • ジャンル: RPG
  • 配信日: 2020年10月28日
  • 価格: 基本無料/アイテム課金

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