ドMプレイヤーへの挑戦。『Abyss Memory』は線を引くだけなのにめっちゃ難しい!?【電撃インディー#259】

カワチ
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 電撃オンラインが注目するインディーゲームを紹介する電撃インディー。今回はバイキングのドローイングアドベンチャー『Abyss Memory -飛べない天使と魔法の線-』のレビューをお届けします。

 なお、電撃オンラインは、尖っていてオリジナリティがあったり、作り手が作りたいゲームを形にしていたりと、インディースピリットを感じるゲームをインディーゲームと呼び、愛を持ってプッシュしていきます!

有名アクションを多数手掛けるバイキングの新作!

 本作はバイキングによるドローイングアドベンチャー。電撃オンラインをチェックしている濃いゲーマーならバイキングと聞いただけでピンと来るかもしれませんが、『ガンスリンガー ストラトス』や『星と翼のパラドクス』といったアーケードゲームを開発したことで有名な会社。また、近年ではコンシューマー『僕のヒーローアカデミア One's Justice』を手掛けたことでも知られています。

 本作はそんな多彩なアクションゲームを手掛けているバイキングの若手チームによる新作ドローイングゲームです。

 舞台となるのは天空と地上に分かれた世界で、主人公は天空世界に住む好奇心旺盛な天使の少女・マリィ。

 天空世界で一番大きな蔵書庫へと通い、本を読み漁っていたマリィですが、ある日、彼女は表紙にアビスと書かれた白紙の本を発見。

 本をきっかけにもう一つの世界へ興味をもち、天空世界の端から雲の下を覗こうとしたマリィ。彼女は身を乗り出した瞬間に足を滑らせて、天空世界から落ちてしまいます。


 そして、マリィはもう一つの世界“アビス”を探索することに……というのがプロローグになります。

操作は簡単だけどゲームの難易度は高い!

 マリィはアビスに落ちたときに受けたダメージによってによって、まっすぐ進むことしかできなくなり、立ち止まることができなくなってしまっています。

 そこで、もうひとりの主人公でありプレイヤーでもあるライラの出番。ライラは空中に線を書くことができ、世界に干渉が可能。マリィを導いてあげることになります。

 具体的にはマリィの前や斜めに線を作って足場を作ったり、レーザーや敵の進行を遮ったりしてマリィをサポートすることになります。


 描いた線は一定時間が経過すると消えてしまいますが、わりとすぐに消えてしまうため、事前にセットしておくことは難しい。咄嗟の判断が重要になります。

 さらに線を書くには時間経過で回復するゲージが必要なので、やみくもに線を引くことはできません。

 序盤の難易度は比較的ゆるやかなので余裕を持って線を引いてクリアすることもできますが、クリア後のスコアには線を引いた量もかかわってくるので、できるだけ最小限の線だけでクリアしたいところ。

 最初こそ目の前にあることに対処するだけなのでそれほど難しくないですが、ステージが進むごとに足場を作りながら敵への対処が必要になったりと同時にやらなければいけないタスクが増えてきます。

 タイミングもシビアで難しいのですが、ひとつひとつのステージは短めで区切りがいいところはうれしい。次々とパズルを解くような感覚でゲームが楽しめます。高難度ゲームが好きだけど、複雑な操作にはついていけない人などにもオススメします。

 今回はSteam版をプレイしましたが、操作自体はマウスだけでプレイするので簡単。基本は左クリックを押しながらドラックで線を引くだけ。また、右クリックでダッシュをすることもできるので安全な場所で使用して時間を短縮することもできます。

 あとは中央のホイールでカーソル位置をリセット、キーボードのESCキーで一時停止ができることを覚えておけばOK。あとは実際に操作をしてトラップを掻い潜っていきましょう。

 また、本作を語る上で欠かせないのが世界観。トコトコと歩いたり高いところから落ちて悲しい顔をするマリィはかわいいですし、背景のグラフィックも淡くて美しいです。

 レーザーやトゲに当たったときにマリィがやられるモーションはありますが、表現は控えめで痛々しさはないので安心してプレイできるのもうれしいポイントです。

 『龍が如く』シリーズや『ポケモン不思議のダンジョン』シリーズ、『428 ~封鎖された渋谷で~』など多彩な作品を手掛けている坂本英城さんの音楽も作品の雰囲気にピッタリなので、ぜひ曲を聴きながら遊んでみて欲しいですね。

 覚えること自体は少なく操作も直感的なので、幅広い層にオススメできる作品。本レビューを読んで気になったらぜひゲームをプレイしてみてください!



カワチ:RPGとビジュアルノベルが好きなゲーマーで、誰にも気付かれないようなマニアックな小ネタを記事に織り込むのが好き。深みのあるゲームが好きかと思えば、本当は肌色が多ければなんでもいいビンビン♂ライター。


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