電撃文庫『学園の聖女が俺の隣で黒魔術をしています』は和泉弐式先生が“青春”を詰め込んだ物語

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 電撃文庫で活躍する作家陣のメールインタビューをお届けする“Spot the 電撃文庫”。今回は、『学園の聖女が俺の隣で黒魔術をしています』を執筆した和泉弐式先生のインタビューを掲載します。

 本作は友達も恋人もおらず、青春とは無縁だった主人公が、学園の聖女と崇められる“冥先輩”のとある秘密を知ってしまったことで始まる青春ストーリーです。

 『VS!!』や『セブンサーガ』の著者・和泉弐式先生が、最新作『学園の聖女が俺の隣で黒魔術をしています』について、ヒロイン2人の誕生の裏話などを教えてくれました。

──この作品を書いたキッカケを教えてください。

 電撃文庫で新作を書こうとなったとき、最初にヒロインを考えることになりました。

 『沙倉冥』と『氷堂凛』は、もともと別々の作品のヒロインとして考えたのですが、担当編集者にお見せしたときに「この二人が同じ学校にいたら面白いかも」とコメントいただき、それがキッカケになりました。

──作品の特徴やセールスポイントを教えてください。

 「呪いから始まる青春」です。

 学園で聖女と崇められている先輩の素顔を知ったことをきっかけに、主人公はそれまで無縁だった青春を送ることになります。

 空気のように生きたい主人公、黒魔術を愛する無邪気な先輩、クールな天才少女……友達から始まった彼らの関係が、一緒の時間を過ごす中でどのように変わっていくのか、楽しんでいただければと思います。

──作品を書くうえで悩んだところは?

 学園生活の描写です。高校生の頃の記憶を掘り起こしながら書きました。

──執筆にかかった期間はどれくらいですか?

 企画から一年ほどです。

──執筆中のエピソードはありますか?

 ヒロインの名字が途中で変わりました。

 最初は『黒釜』という名字(理由:魔女っぽいから)でしたが、編集者から「可愛くないです」と言われてしまいました……。

 現在の『沙倉』は、サクラメントから取っています(理由:聖女っぽいから)。

──本作の主人公やヒロインについて、生まれた経緯や思うところをお聞かせください。

 学園の聖女・沙倉冥は、教会の娘でありながら、こっそり黒魔術の練習をしています。ファンタジーではない学園もので黒魔術をするヒロインは、たぶん冥先輩だけです。

 クールな天才少女・氷堂凛は、スポーツやバトルものに出てくる「〇〇の確率――XXパーセント」と分析するキャラがヒロインだったら?というアイディアから生まれました。そんな彼女が「そんなのデータにありません……!」と追い詰められるのは、もはや必然です。

 主人公の上賀茂京四郎は影が薄く、家族以外の誰にも顔と名前を覚えられていません。クラスメイトから名前を間違えられるシーンは書いていて楽しかったです。

──特にお気に入りのシーンはどこですか?

 冥先輩が凛に呪いをかけると言い出すシーンです。最初は相手にしていなかった凛ですが、冥先輩がかけようとしているのが「胸が大きくなる呪い」だと知ると様子が変わって……。

──今後の予定について簡単に教えてください。

 2巻の準備をしています。もちろん1巻で終わってもいいようにしているので、安心して読んでください。

──小説を書く時に、特にこだわっているところは?

 読みやすさです。すっと入ってくる自然な文章が好きなので、自分の書く文章もそうありたいと思っています。

──アイデアを出したり、集中力を高めたりするためにやっていることは?

 一人でブツブツ呟きながら、近くの散歩道を歩きます。人が少ない早朝か夜にやるのがコツです。

──学生時代に影響を受けた人物・作品は?

 伊坂幸太郎さんの『陽気なギャングが地球を回す』です。

──今現在注目している作家・作品は?

 『すべての人類を破壊する。それらは再生できない。』です。

 「MTG」を「ミーティング」ではなく「マジック・ザ・ギャザリング」と読んでしまうすべての人類にオススメします。

──その他に今熱中しているものはありますか?

 謎解きや脱出ゲームが大好きです。このご時勢なのでリアルの店舗で遊べずにいるのですが、最近良いものを見つけました。「アンロック!」というボードゲームです。自宅にいながら脱出ゲームを味わえますよ!

──最近熱中しているゲームはありますか?

 『ブレイブリーデフォルトⅡ』を少しずつやっています。シンプルなのに戦略性のあるバトルシステムが楽しいです。

──それでは最後に、電撃オンライン読者へメッセージをお願いします。

 全296ページに青春を詰め込みました。

 はなこさんが描いてくださったイラストもとても素晴らしいので、ぜひ見てください!

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