電撃文庫『妹はカノジョにできないのに』鏡遊先生が執筆で大変だったことは?

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 電撃文庫で活躍する作家陣のメールインタビューをお届けする“Spot the 電撃文庫”。今回は、『妹はカノジョにできないのに』を執筆した鏡遊先生のインタビューを掲載します。

 本作は、世界一かわいい妹“桜羽雪季”を持つ主人公が、ある日、妹と実の兄妹ではないことを知ってしまうことから始まる、何があっても最後には“絶対に”妹と結ばれるラブコメです。

 本作の生みの親、鏡遊先生に妹・雪季のかわいらしさをたっぷり語っていただきました。

──この作品を書いたキッカケを教えてください。

 長く書いていた『僕のカノジョ先生』というラノベシリーズを完結させて、ぼんやりしてた時期になにか好きに書いてやろうと思い立ちました。

 元はネット小説サイト『カクヨム』さんに投稿した作品なのですが、ふと「妹モノ」って書いたことなかったなあと気づきまして。

 やはり長い人生、一度くらいは妹をメインヒロインにするべきだろうと書き始めました。

──作品の特徴やセールスポイントを教えてください。

 もちろん、妹の可愛さをメインに据えています。「なんぼなんでも兄貴に都合良すぎやろ」というくらい、妹ちゃんには可愛くなってもらっています。

 カクヨムは文庫10P程度の文章を連載一回分で見せていったので、その一回に一つ以上の“引き”になる要素が必要だろうと考えてました。

 妹とのイチャイチャだったり、ちょっとえっちなシーンだったり、サプライズを仕込んだりと。文庫一冊通して楽しませる書き下ろし作品とは違う面白さを狙いましたね。

 書籍化での加筆で、ピンポイントでの面白さは維持しつつ、一冊通しての楽しさも盛り込みました(死ぬほど大変でした)。

──作品を書くうえで悩んだところは?

 売り上げが気になって血ヘドを吐く商業作品ではなかったので、割と悩まずに書いてました。

 強いて言うなら、途中で妹の出番が減るパートがあり、妹が好きで読んでる方々を振り落としてしまうのでは? と悩みましたね。妹をメインにした番外編を挟んだりしました。「妹が中学の制服でランドセルを背負う話」とか。頭悪いですね。書籍版には収録してませんが。

──執筆にかかった期間はどれくらいですか?

 カクヨム版を書いていたのは3週間くらいでしょうか。書籍化作業での書き直しのほうが長くて、1ヶ月以上かかったような……。

──執筆中のエピソードはありますか?

 カクヨムは毎日更新の連載形式だったのでリアルタイムで感想をいただけるのが新鮮でしたね。投稿を続けるモチベーションにもなって、ありがたかったです。

 一方で、ストックを作成してからの連載だったので、「この先の展開は、こうなるんじゃないか?」という予想コメントが来てそれが的中したらどうしよう、とビクビクしてました。書き直しはしたくないし。幸い、的中はありませんでしたけど。

──本作の主人公やヒロインについて、生まれた経緯や思うところをお聞かせください。

 主人公はお兄ちゃんとして頼り甲斐があるように、勉強も運動もできて身長も高いと、ラブコメらしからぬ、どこに出しても恥ずかしくないキャラになりました。重度のシスコンですが、欠点ではありませんし。

 妹の雪季は、とにかく可愛く。妹キャラは小さいほうが無難ですが、ためらいなく個人的な好みを盛り込んだ長身ヒロインにしました。

 キラキラした清楚な美少女だけど、実は人見知りでお馬鹿なところもお気に入りです。

 もう一人のヒロインの晶穂は逆に小柄で、これも文句なく可愛いですね。

 ロック好きな設定ですが、小さい身体で大きなギターを担いでる、という絵ヅラにしたかったんですよ。

 書籍化で三九呂先生の可愛すぎるイラストがついて、もう最高です。是非見ていただきたいですね!

──特にお気に入りのシーンはどこですか?

 お兄ちゃんと妹で夜の公園に出かけるシーンですね。このあたりの展開は王道中の王道なのですけど、ベタな展開でも雰囲気を上手く描けば良いシーンになるな、と自画自賛してました。

──今後の予定について簡単に教えてください。

 実は2ヶ月連続刊行予定でして、6月に2巻が出ます。

 原稿もだいたいできてるので、たぶん出るんじゃないかと。

 ちなみにカクヨム版はこの2巻のさらに先に進んでいます。当たり前ですが。

 書籍版の読者さんにも2巻の先を楽しんでほしいので、是非応援していただきたいですね!

──小説を書く時に、特にこだわっているところは?

 こだわるポイントは時期によって違いますが、最近は「プロットに縛られない」ですね。

 面白いことが思いつけば、どんどんプロットから逸れています。編集さんには嫌がられます。

──アイデアを出したり、集中力を高めたりするためにやっていることは?

 読みたい本や、遊びたいゲームがあったら我慢しないこと。気になって仕事に集中できないほうがトータルで害が大きいので(見事な理論武装)。

──学生時代に影響を受けた人物・作品は?

 『イリヤの空、UFOの夏』の影響は大きいですね。決して長期シリーズではない全4巻、だけど過不足なく一つの夏を駆け抜けた名作です。

 ヒロインの二人が大食い合戦するお話が大好きで。コミカルなエピソードなんですけど、ラストまで読んだあとであらためて読むと、そんな楽しいお話すら、じーんと染みてくるんですよ。

 というか、この回答を書いてて気づいたんですけど、“晶穂”って『イリヤ』のヒロインの名前ですね。マジで今気づきました(笑)。

──今現在注目している作家・作品は?

 少年サンデーで連載中の『龍と苺』です。

 将棋を始めたばかりの女子中学生がプロ棋士を次々と打ち倒していくというとんでもない漫画なんですが、期待に応えて予想を裏切る素晴らしい展開が続くんですよ。

──その他に今熱中しているものはありますか?

 YouTubeはよく観てますね。この作品内でも、動画配信を描いていて、趣味が執筆に活かされました。

 最近は、自作PCの動画を観てます。無駄にピカピカ光ってたり、無駄にハイスペックだったりするPCの組み立てを観てるとワクワクします。別に自作はしないんですけど。

──最近熱中しているゲームはありますか?

『エルデンリング』……と言いたいですが、熱中する前にやられてしまうというか。このゲームが難易度高いのはありますが、自分のプレイ技術が落ちたのかと少々凹んでます。

──それでは最後に、電撃オンライン読者へメッセージをお願いします。

 カクヨムで読んでくださった方も、書籍で初めて触れる方も、どちらにも楽しんでいただける内容になっているかと思います!

 実はシンプルなラブコメとは言えない作品で――まあ、そこが売りでもあるのですが、突き刺さるお話になっていると思います。応援していただけたら嬉しいです!

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