男性恐怖症の修道騎士“アイリス”がポンコツかわいい!!【ドラキュラやきん!キャラ解説】

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 コンビニの夜勤で働く吸血鬼“虎木由良”を主人公に、日常と非日常が交錯する物語を描いた和ヶ原聡司先生の人気小説『ドラキュラやきん!』(著者:和ヶ原聡司、イラスト:有坂あこ)。

  最新刊の5巻の発売を記念し、4巻までの主要キャラクターたちの行動を一挙解説!

 今回は、主人公の吸血鬼“虎木由良”をパートナーにする闇十字騎士団の修道騎士“アイリス・イェレイ”をピックアップします。

以下の内容には、本編のネタバレが含まれています。

アイリス・イェレイについて

 本作のヒロインの一人。イングランド出身の人間の女性。ファントム退治を生業とする闇十字騎士団の修道騎士で、吸血鬼との戦いで危機に陥っているところを虎木に助けられた。

 騎士見習い時代はヴェアウルフとゴーストを専攻し、座学も実技も主席だった。しかし現場で成果を出せず、比較的平和なために窓際的なポジションとされている日本支部へと飛ばされてきた。

 かなりの美貌の持ち主で日本語も堪能だが、上野駅から池袋駅に行こうとして宇都宮駅に行ってしまうようなポンコツで、極度の男性恐怖症。ただし、男性ファントムが相手の場合は、いざとなれば暴力的な手段に訴えても職責上許されるという発想が心理的な逃げ道となっており、生理的な恐怖感を抱くことはないらしい。

 イングランド人らしく紅茶が好きだが、甘い紅茶は好きではないらしい。

作中での主な行動

虎木との出会い【第1巻】

 闇十字騎士団の聖務で吸血鬼である小此木嘉治郎を捕えようとしたが、彼に催眠術で操られた男性を前に男性恐怖症で足が震えてしまい、ピンチに陥ったところを虎木に助けられる。

 その直後、日の出の光で灰になった虎木を自宅マンションに送り届けたことがきっかけで、住むところがなかったアイリスはそのまま彼の家に厄介になることにした。

Crimson Moonでの出来事【第1巻】

 吸血鬼の家に仮住まいしたことを隠したまま東京支部に着任し、そこで夜の繁華街のライブハウスに潜む吸血鬼・網村勝世を調査するという、男性恐怖症のアイリスが単独で遂行することが不可能な任務を受ける。

 虎木を拝み倒して任務に同行させ、ライブハウス”Crimson Moon”のイベントに客として潜入すると、虎木の勤め先のオーナーの娘、村岡灯里と出会う。

 家庭環境の悪化から逃避先を求めていた灯里に対し、迷える子羊を導くシスター本来の使命を発揮して深夜のライブハウスから連れ出し、勝手に押しかけている虎木の部屋を自分の部屋と偽って灯里の心理的な避難所を作る。

 その過程で灯里から”Crimson Moon”のイベントについて客としての視点を聞き出し、その手腕を虎木に評価されるが、このときの出来事が元で、灯里からはアイリスと虎木は恋人同士であるという誤解が続くこととなった。

 翌日、Crimson Moonに警察の手が入る前に網村を確保する指令が下り、虎木とともにCrimson Moonにボヤ騒ぎを起こし、網村を討伐、或いは確保する作戦を決行する。

 イベントスタッフの中にバーテンダーとして潜んでいた狼男の相良の妨害を受けるが、虎木の協力で辛くも撃退。

 だが網村は比企未晴に確保されてしまい、この初対面以降、虎木を挟んで未晴とは常に犬猿の仲となる。

メアリ一世号での出来事【第1巻】

 未晴から虎木や日本のファントムの状況を教えられ、虎木が人間に戻ろうとしていることとその方法を知る。

 自分が男性恐怖症を克服するためにも、虎木のその目的に協力することを決意すると、虎木に人間に戻ってほしくない未晴に事実上の宣戦布告をする。

 倒すべき吸血鬼の『親』室井愛花に単身挑もうとする虎木を押し切り、未晴とともに虎木の戦いに協力するべく横浜港に寄港した豪華客船『メアリ一世号』に乗船。

 2人とともに室井愛花に接触し、彼女の正体である古妖『ストリゴイ』の心臓に銀の弾丸を撃ち込むところまで追い込むも逃亡を許す。

 虎木を人間に戻すことは出来なかったが、結果的に未晴や虎木の家族とのつながりを得、アイリスは虎木の住むマンションの隣の部屋に正式に住居を得る。

メアリ一世号での事件後【第2巻】

 メアリ一世号の戦いの後、虎木の生活に無遠慮に踏み入りながら、通常の聖十字教徒としての活動を続けていた。

 ある日、虎木の新しい同僚が虎木を慕ってアルバイトに応募した女性だと知り、虎木からその女性、梁詩澪(リァン・シーリン)の正体を調査するよう依頼される。

コンビニ強盗事件後【第2巻】

 詩澪に対し得体の知れない感情を抱いたアイリスは、虎木を慕う未晴を呼んで2人で詩澪の様子を監視する。

 だが監視中に東池袋5丁目店に強盗が入り、監視は中断。強盗を制圧後、警察の捜査からアイリスと詩澪だけが解放される。

 詩澪の帰宅を見届け、虎木の懸念が杞憂であると判断するが、自身の帰路に謎のファントムの襲撃を受ける。辛うじて退けるも、同種と思われるファントムが日本支部の騎士たちを襲撃しているとの一報を受ける。

 詩澪の調査報告を虎木にする過程で謎のファントムが闇十字を襲撃したことを話すと、虎木は元警察庁長官の弟、和楽から件の襲撃について警察側の情報を得られることになる。

 男性恐怖症を押して和楽と交流を持ち歓迎する意味も兼ねてイングランドの家庭料理を振る舞い、謎のファントム調査に有用な情報を得る。

 翌日、一旦は白と判断した詩澪が、ファントム”僵尸(キョンシー)”の術で虎木を誘惑する場面に出くわし、詩澪を拘束。

 都内を騒がせる強盗事件や修道騎士襲撃事件の重要参考人として身柄を未晴に引き渡す。

関越道での出来事【第2巻】

 闇十字の懸案は解決したのも束の間、アイリスは都内に潜伏した僵尸たちの長、梁雪神(リァン・シュエシェン)と彼女の手引きで国外脱出を図る愛花に誘拐されてしまう。

 虎木と未晴と詩澪の活躍で救出されるもまたも愛花を取り逃がす。

クリスマス・イヴの出来事【第2巻】

 誘拐されている間、母ユーニス・イェレイの死に愛花が関わっていることを愛花本人から聞かされたため、これまで以上に虎木の目的に寄り添う決意を固める。

縁談騒動以前の出来事【第3巻】

 詩澪がフロントマート東池袋5丁目店に復帰してからしばらくした頃、虎木が未晴の恋人として未晴の実家のある京都に連れて行かれることになったのを知る。

 闇十字と比企家の協定を破って単独で虎木と未晴を追い、京都へ向かう新幹線の中で未晴の本当の許嫁であるのっぺらぼうの六科七雲と席が隣り合う。

 七雲の誘導で、自身の京都行きの理由が虎木に対する好意であると自覚。同じように未晴に対し真剣な思いを抱く七雲に協力を要請され、七雲の手引きで京都入りを果たす。

縁談騒動の出来事・1【第3巻】

 京都入り直後、未晴の執事である烏丸鷹志に捕捉され、逃げ回った末に橋の下で一夜を過ごす羽目になる。

 翌朝遭遇した比企家の追手を、京都入り直前に詩澪から教わった僵尸の道術を用いて振り切り七雲を感心させた。

 その後、七雲の提案で京都に来た外国人観光客に変装するため着物に着替えさせられ、その姿のまま七雲の父興春が何者かによって殺害され、そのことが京都のファントムたちの大きな動揺をもたらしていることと、のっぺらぼうが死後に遺す相魂石が、ファントムから魔性を奪うことを知る。

縁談騒動の出来事・2【第3巻】

 事態解決の暁には虎木を人間に戻すため、興春の相魂石を借り受ける約束をして、正式に七雲に協力することになる。

縁談騒動の出来事・3【第3巻】

 ヴァプンアーットホテルで虎木と未晴に合流したところで、鬼と烏天狗の襲撃を受け、ここでも詩澪の道術で難を逃れる。

 比企家と六科家、京都のファントムたちの混乱の原因を知った後、興春殺害の実行犯であり混乱の首謀者である烏丸と対峙。

 烏丸の目を再び道術で欺き、傷ついた比企天道の回復の時間を稼ぎ撃退に貢献。

烏丸の乱の事件後【第3巻】

 僵尸の道術を用いたことと、烏丸の撃退に貢献したことから、修道騎士ではなく僵尸として京都入りしたことになり、天道に協定違反をもみ消してもらう。

 烏丸との戦いで興春の相魂石は失われたため、虎木を人間に戻すことは出来なくなったが、自らの気持ちを自覚した上で、改めて虎木に寄り添うことを決意する。

縁談騒動の事件後【第4巻】

 京都の動乱の後、虎木への想いを自覚したことで、逆に虎木の生活に無遠慮に踏み込む行動を控えるようになる。

 一方でこれまで利用していた『虎木と恋人同士である』という周囲の誤解を異様に恐れるようになる。

ZACH騒動以前の出来事・1【第4巻】

 虎木との関係性を誤解されることを恐れるあまり、修道騎士の後輩で新人である百万石優璃に、虎木を部屋に上げているのを隠そうとする。

ZACH騒動以前の出来事・2【第4巻】

 虎木や優璃から不自然な態度を不審に思われつつも通常の任務に従事していたが、ある日、両親の離婚争議を機にアイリスに助けを求めて来ていた灯里に『虎木と恋人同士であり同じ部屋で同棲している』と誤った確信を与えてしまう。その誤解を過剰に恐れ、その姿を虎木や詩澪からは不審がられる。灯里の誤解を解くことができないまま、イングランド本国の討伐対象ファントムであり、事実上の継父である吸血鬼のザーカリー・ヒルと再会する。

 ザーカリーと本国騎士団長ジェーン・オールポートの戦いを目の当たりにし、ザーカリーを討伐させるわけにはいかないと判断し、虎木たちに、母ユーニスとザーカリーと自分の過去を明かす。

 そしてザーカリーが率いるジャズバンドとその日本公演が、灯里と両親の心の平穏に繋がることから、Crimson Moonの事件に発した『灯里の心の闇を払う』という聖務が未達であるとし、ザーカリー討伐任務を阻止する計画を立てる。

ZACH騒動以前の出来事・3【第4巻】

 未晴や和楽、優璃に網村の協力まで得たアイリスは、青山のライブハウス”ブルーブック”でザーカリーと正式に再会。

 アイリス達の動きを牽制しにきたオールポートに、母ユーニスの死の真相と、自身の男性恐怖症の原因を明かした結果、オールポートの判断を覆すことに成功し、ザーカリー討伐任務を中止に追い込んだ。

ZACH騒動の事件後【第4巻】

 無事開催されたライブの終演後、自身の秘めた気持ちを言葉と態度で虎木に伝える。

関連動画

 PVでは、虎木由良を逢坂良太さんが、アイリスを日笠陽子さんが演じています。また、朗読劇は日笠陽子さんが担当しています。

『ドラキュラやきん!』PV(逢坂良太×日笠陽子)

『ドラキュラやきん!』(朗読/日笠陽子)【電撃文庫朗読してみた】

イラスト:有坂あこ

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『ドラキュラやきん!』

  • 発行:電撃文庫(KADOKAWA)
  • 発売日:2020年9月10日
  • ページ数:344ページ
  • 定価:630円+税


『ドラキュラやきん!2』

  • 発行:電撃文庫(KADOKAWA)
  • 発売日:2021年2月10日
  • ページ数:312ページ
  • 定価:630円+税


『ドラキュラやきん!3』

  • 発行:電撃文庫(KADOKAWA)
  • 発売日:2021年7月9日
  • ページ数:344ページ
  • 定価:715円(税込)


『ドラキュラやきん!4』

  • 発行:電撃文庫(KADOKAWA)
  • 発売日:2021年11月10日
  • ページ数:340ページ
  • 定価:792円(税込)


『ドラキュラやきん!5』

  • 発行:電撃文庫(KADOKAWA)
  • 発売日:2022年6月10日
  • ページ数:340ページ
  • 定価: 792円(税込)

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