恐怖で満ちた世界観を生み出すために苦労したこととは? 『ザ・パーシステンス』開発者の想い【電撃インディー#282】

セスタス原川
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※『ザ・パーシステンス Enhanced』は、CERO Z(18歳以上のみ対象)のソフトです。
※18歳未満の方は購入できません。

 電撃オンラインが注目するインディーゲームを紹介する電撃インディー。今回はオーイズミ・アミュージオが5月26日より発売するSFサバイバルホラー『ザ・パーシステンス Enhanced』の開発者インタビューをお届けします。

 本作は、一人称視点で探索やバトルを行うサバイバルホラーゲーム。舞台は26世紀のとある宇宙船内で、1人取り残されたプレイヤーが、艦内にうごめくミュータントたちに対処しつつ、遭難の原因究明や現状の打開を目指していきます。

 本記事では、デベロッパーである“Firesprite Limited”のスタジオゲームディレクターStuart Tilley(スチュアート・ティリー)氏にお話を伺いました。

 なお、電撃オンラインは尖っていてオリジナリティがあったり、作り手が作りたいゲームを形にしていたりと、インディースピリットを感じるゲームをインディーゲームと呼び、愛を持ってプッシュしていきます!

“Firesprite Limited”のStuart Tilley(スチュアート・ティリー)氏インタビュー

――『ザ・パーシステンス Enhanced』の注目点を教えてください。

 “ザ・パーシステンス Enhanced”は、2018年にPS VR専用にリリースされた自社IPタイトル、『ザ・パーシステンス』を次世代ゲーム機向けに改良した作品です。PS5でのプレイに対応した本作は、多くの視覚的な改善と没入感の向上を実現させています。

 『ザ・パーシステンス』はステルスホラーのローグライクゲームであり、物語の舞台となるのは遠い未来、2521年の宇宙です。故障に見舞われ、ブラックホールの引力に飲み込まれたコロニー船“パーシステンス”は、凶悪で恐ろしいミュータントへと変貌した乗組員で溢れ返っています。

 プレイヤーはクローン警備員の“ジムリ・エダー”として船内を探索し、修理を施さなければなりません。船の崩落を防ぐ事がプレイヤーの使命です。

――開発で苦労していたところを教えてください。

 ゲーム製作はどんな時も楽しく、チャレンジしがいのあるプロセスです! 中でも複雑だった工程の1つとして、“Unreal Engine 4”におけるレイトレーシングのサポートを利用したライティングが挙げられます。

 PS5版の『ザ・パーシステンス』の開発にあたって、優秀な技術チームがいたことは幸運でした。彼らが作成したダイナミックライティングソリューションは、手続きでのレベル作成と組み合わせることで非常に上手く機能しました。

 レイトレーシングの実装によって、今作『ザ・パーシステンス Enhanced』をさらなる高みへ引き上げようと考えていましたが、この作業は決して単純でも簡単でもありませんでした(この作業で苦労しなかったことなどありません)。

 非常に高度な技術が要求される工程であり、スタジオアートディレクターのLee Carus(リー・カルス)と密接に協力しながら、新たな実装がアートディレクションの本来の構想に忠実であることを確認しました。

 絶望に満ちた宇宙船を舞台にした、不気味な雰囲気の漂う没入感たっぷりのホラーゲームにするには、ライティングが重要な役割を果たすのです。

――開発をするうえで、特に気を付けている点などを教えてください。

 『ザ・パーシステンス Enhanced』で最初に集中したのは、視覚的な改善でした。先ほど言及したレイトレーシングサポートを使ったライティングは、暗闇に潜む脅威についての手がかりをプレイヤーに与えると同時に、作品の雰囲気と緊張感を高めます。

 他にもパーティクルと視覚効果の再検討に加え、環境マテリアルがより緻密に表現されるよう時間を費やしました。従来の物と並べて比較すると、違いが一目でわかると思います。動作や戦闘での操作感の向上と並んで、もう1つの重要な焦点は“DualSense”を活用することでした。コントローラーのハプティクス機能は素晴らしいもので、これを利用して様々な武器の違いを強調することで、ゲームへの没入感を高めました。

――ゲームタイトルにこめた想いを教えてください。

 『ザ・パーシステンス』というタイトルは、救い出そうしている宇宙船の名前である以外にも、サバイバルホラーやローグライクゲームの難しさ、何度も倒れながらも挑戦し続ける必要性をプレイヤーへ伝える意味合いがあります。倒れてしまっても、集めた資源を使用してキャラクターを強化できるため、次回に備えてよりパワーアップしたクローンを作成することが可能なのです。

 これらの強化は持続するので、回数を重ねるごとに船の奥深くへと潜り込み、危機に直面し、目標に近づくことができます。

――最初のステージから苦労してしまう人は、どのようなことを意識すれば良いでしょうか?

 ステルスが効果的です。特に、まだ強化レベルが上がっていない序盤は、敵を回避することがゲームを進める便利な武器となるかもしれません。

 “幹細胞ハーベスター”も役立ちます。静かに敵の後ろに忍び寄って倒すのは強力な戦略であり、重要な幹細胞を集めるための最良の方法です。別の敵の注意を引いてしまう場合があるため、こちらに気づいていない相手に対しては、銃で撃ちたい衝動は抑えるといいでしょう。

 第1デッキであれば、この戦略でほとんどの敵に対処できるはずです。そして、武器をすべて開放しましょう。“エレバストークン”を見つけると武器を開放できるので、まずは強化する前にそれらを使用して武器を開放することをおすすめします。

 お気に入りの武器に集中する前に、プレイスタイルに合ったものを見つけた方がいい。ただし、強化後の武器は作成により多くの費用が掛かる点に注意してください。“兵器製造”でR1、L1ボタンを使うと、強化モードと作成モードの切り替えが可能です。

 強化は不可欠です。敵は非常に強く、プレイヤーはあっさりと死亡してしまう可能性があります。“DNAシーケンサー”において、HPと戦闘力を早い段階で強化するのは良いことですが、上級者は“ダークマター”を強化して追加の転送を可能にするのが賢明です。これは、ゲームの後半で敵を回避またはステルス攻撃するための優れた手段になります。

 また、スーツはプレイスタイルに合ったものを使うのが一番です。設計図で作ることができる特別なスーツは6つあり、一度に身に着けられるのは1つだけ。プレイヤーのプレイスタイルによって、使いやすいスーツは異なります。私たちFirespriteのメンバーは、“戦利品スーツ”を使ってお金持ちになってから、“吸血鬼スーツ”や“武器スーツ”に切り替えることが多いです。

※“戦利品スーツ”……アイテムのドロップ率やレベルの上昇
※“吸血鬼スーツ”……敵を倒した際にHPが回復する
※“武器スーツ”……与えるダメージの増加

――今後、実現したい野望などありますでしょうか?

 私たちは最近、ファーストパーティーのゲームスタジオとしてPlayStationに参入しましたので、大きな影響を与えることを楽しみにしています。ぜひ応援してください!

――ここ数年でもっとも感銘を受けた、おすすめのゲームを教えてください。

 たくさんありすぎて決めにくいですが、ファンとして、そして新たなパートナーとして、PlayStationのタイトルから選びたいと思います。例えば『The Last of Us Part II』『ラチェット&クランク THE GAM』『Ghost of Tsushima』『Returnal』などは、私たちが大好きな作品です。これらの製作スタジオはゲーム業界を牽引していると言っても過言ではないでしょう。

――最後に日本のユーザーに一言お願いします。

 スタジオの公式ロゴにカタカナを取り入れるほど、私たちにとって日本は特別な国です! 日本にはゲーム業界に素晴らしいクリエイターや開発者がいて、今まで彼らと協力してきたことは私たちにとって誇りです。

 日本にいるPS5のプレイヤーに『ザ・パーシステンス Enhanced』をお届けできることを嬉しく思います!


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