『アーテリーギア』メカ×美少女たちのシリアスな物語とオートバトルの作り込みが魅力【電撃bilibili】

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 メカ少女×ターン制戦略RPG『アーテリーギア-機動戦姫-』

 ハーフアニバーサリーを迎えた本作をプレイして感じた魅力をお届けします。 

少女であり機械でもあるAGの持つ悲壮感

 本作では“傀儡”という生命体と、人類の戦いが描かれています。傀儡の侵略によって存亡の危機に立たされた人類は、国家の枠組みを越えた組織“フロンティア”を結成。フロンティアとは別途に行動する組織はあるものの、おおむね人類はひとつにまとまっています。

 タイトルになっている“アーテリーギア(AG)”は、傀儡との戦いのために人類が開発した兵器。このAGを主力にすることで、戦況は盛り返し始めています。

 そんな舞台背景のなか、とくに生かされていると感じたのが“多くのAGは人間の少女を素体としている”という設定。言ってしまえば、傀儡との戦いのために作られたサイボーグです。

 プレイヤー視点で見ると、AGは機械を身にまとった女の子といったところ。主人公に必ず従うわけではなく、はっきりとした意思もあると、あくまで人間として映ります。

 一方で、登場人物はそうとは限らず、AGは人間のためなら犠牲になっても問題ないという立場を取るキャラクターも。

 AGは人間なのか、機械なのかという問題は物語中随所に形を変えながら登場しており、そのたびに読み手を悩ませてくれます。

 さらに、人間としての過去があるなか、なぜAGになったのか。そもそも望んでAGになったのか? といった深掘りもあり、かなり読ませるシナリオになっています。

 決して明るい物語ではなく、どちらかと言えばシリアスでダーク。けれども、暗いなかでAGたちはそれぞれ自分なりの光を目指しています。そんな、かわいそうだけどカワイイ、かわいそうだからカッコいいという物語は本作の大きな魅力でしょう。

1人のキャラクターとして独立した主人公に安心できる

 そんなAGたちをプレイヤーは“ユニオン”という、独立した組織の“指揮官”として率いていくことになります。AGたちはゲーム開始時に設定したプレイヤー名で“〇〇指揮官”と呼んでくれるため、間違いなくシステム的にも物語的にもプレイヤー=指揮官です。

 ただ、物語は意図的に指揮官=プレイヤーという自己投影をしにくく作られている印象。

 というのも、主人公にはAGとそん色なくセリフが用意されており、独白も豊富。一方で、秘密裏に用意した作戦は独白などでプレイヤー側に開示せず、その作戦を実行するシーンで初めてプレイヤーが理解するといった具合なんです。

 しかも、過去に何かしらの優れた戦績を挙げているという描写があるものの詳細は不明。フロンティアのトップとの交渉もお手の物で、さまざまな組織から頼れる人物、排除すべき敵といった高い評価を受けています。

 とにかく万能で、1人のキャラクターとして動く指揮官に対して、プレイヤーが感情移入できるわけがありません。

 システム的にはプレイヤーが指揮官となってAGとともに戦うゲームですが、物語は指揮官やAGたちユニオンの面々を外部から鑑賞するという印象が強いですね。

 ただ、それが不快というわけではなく得られるのは安心感。

 上記の通りAGの戦いは悲劇と隣り合わせ。一歩間違えばユニオンが壊滅するような作戦が取られることもあります。

 ですが、万能感あふれる指揮官が采配を取っているために、極限状態でもなんとかなりそうという感覚が強め。失敗が描かれてAGが被害にあっても、「この指揮官が失敗したなら誰の作戦でも失敗しただろう」という納得感を持って受け入れられます。

 スマホ向けゲームのシナリオというよりも、独立した主人公のいるADVのシナリオを読んでいる感覚に近いですね。

メカ×美少女が好きなら刺さる、カワイイAGがいっぱい!

 上記のとおり、重厚な物語が描かれる本作ですが兵器であり少女でもあるAGたちがとにかくカワイイのも特徴。

 “メカ少女”などと呼ばれる、機械をまとった少女というビジュアルが好きな人にはきっと刺さるはずです。


 しかも、AGにはどれだけ機械化されているかを示す“義肢化率”というステータスが存在。システム的にも意味のあるステータスなのですが、ビジュアル面も義肢化率によってしっかりと差別化されています。

 機械化というよりもSFチックなスーツを身にまとっているようなAGから、全身ほとんど機械のAGまでさまざま。なかには、どこが機械なの? と疑問に思うようなAGもいます。

 遊んでみればきっと琴線に触れるAGに出会えることでしょう。


オートバトルの作りこみがすごい

 そんなAGたちを中心にしたバトルは、個々のキャラクターごとに行動順が訪れるターン制。

 AGにはいくつかのアクションがあり、強力なアクションは一度使うと次に使えるまでに一定ターン経過する必要があります。

 強力なスキルを序盤に使えば、強敵との戦いまでにHPを維持しやすい一方で強敵との戦いのためにスキルを温存するという作戦もあり。

 ストーリーだけを進めていくと、レベルなどの育成不足で詰まったりギリギリの戦いになったりするバランスなので、使用するAGやスキルの使用タイミングを悩める遊びがいのあるバトルになっています。

 このバトルに大きく影響するのが、敵味方に“焼夷”、“疾風”、“電撃”の3種の属性があること。これらは、焼夷は疾風に有利、 疾風は電撃に有利、電撃は焼夷に有利と三すくみの関係にあります。

 ただ、疾風属性のボスの取り巻きとして、攻撃を引き付ける“挑発”を持つ電撃属性の敵が配置されているなど、序盤から編成に悩むこともあり。

 属性ごとに1つずつ編成を作ればOKとはならないのは、おもしろいところです。

 また、本作は戦闘のオート機能が非常に充実しています。

 戦闘中はボスと取り巻きのどちらを優先して攻撃するかを選ぶことができ、AGごとにアクションの使用順や“HP80%以下の味方がいるときだけ回復スキルを使用する”などの条件設定も可能。

 さらに、スキルをボス戦のみで使用するという設定も行えるため、手動でのプレイに近い行動をオートで再現可能。動力源(=スタミナ)の限り同じクエストを周回する機能ももちろん用意されています。

 これらの機能を組み合わせると、より難易度の高い(=素材などの効率がよい)クエストをオートで周回可能。

 オート機能が用意されているスマホゲームにありがちな、「オートで周回したいけれども、より効率のよいクエストは手動でしか周回できない」という、手動とオートでクリアできるクエストの差をかなり軽減できています。

 

 AGの育成も、経験値によるレベルアップに素材を使ったスキルの性能の強化や、条件にあった任意のAGを素材にした限界突破など充実。

 シリアスな物語と、じっくりとした育成を楽しめるタイトルです。

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