君たちの目の前にはゲームブックのようなRPG『いのちのつかいかた』のレビューがある。読んでみようか?【電撃インディー#278】

カワチ
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 電撃オンラインが注目するインディーゲームを紹介する電撃インディー。今回は日本の個人開発者だらねこ氏が開発、PLAYISMが発売する『いのちのつかいかた』レビューをお届けします。

 なお、電撃オンラインは、尖っていてオリジナリティがあったり、作り手が作りたいゲームを形にしていたりと、インディースピリットを感じるゲームをインディーゲームと呼び、愛を持ってプッシュしていきます!

懐かしのゲームブック風のRPGが楽しめる!

 自分のようなおっさん世代にとっては懐かしいゲームブック風のRPGが今回、紹介する『いのちのつかいかた』です。

 ゲームブックは読者が主人公になって、行動を選ぶことができる本。ペース数の順番通りに本を読むのではなく、自分の行動した文章に書かれた番号を確認して、その番号に書かれた結果を確認して次の行動を選ぶというものでした。

 ページを行ったり来たりをするのは大変でしたが、コンピューターゲームを買うよりも安いので遊んでいた人は多いハズ。

 『ドルアーガの塔』や『ドラゴンクエスト』『桃太郎伝説』など、もともとコンピューターゲームだったものをゲームブックにしたものもあり、ゲームブック自体が大きなブームでした。

 現在はアプリで遊べるものが配信されているので調べてみるといいかもしれません。また、近年では名作『ルパン三世ゲームブック』シリーズが復刻されており、ゲームブックファンを歓喜させています。もしかしたら時代が巡ってふたたびブームがやってくるかもしれません。

 そんなゲームブックの雰囲気がたっぷり詰まった『いのちのつかいかた』はプレイヤーの選択やダイスロールによって物語の流れや結果が変わるRPG。プレイヤーは突如現れた巨大な竜に家族や同胞たちを殺されてしまった主人公の“ゴーシュ”となって旅をすることになります。



 ゴーシュは“命への執着”と“力への執着”というふたつのパラメーターを持っており、発言や行動によって値が変化。最終的なエンディングが変わります。

 プレイした感じだと、相手に話を合わせるなどの慎重な行動をすると命への執着が上がり、物を壊したり相手を倒したりと本能のままに行動すると“力への執着”が上がるイメージでした。ただ、選ぶ前にどのパラメーターが上がるのかがわかるので、じっくり考えて選ぶことができます。


 戦闘をして勝利すると経験値が上がりますが、逃走に成功したときなども経験値は得られるので、報酬の差はあまりないと感じました。そのため、戦闘に参加しないから後半に詰んでしまうという経験もなく、自分の好きなようなロールプレイができます。



 経験値を消費してプレイヤーが自由に好きな能力を上げることが出来るほか、クラスごとに覚えるスキルも異なるため、戦略の幅も広いです。

 最初から選べるクラスは多彩な剣技を覚える物理攻撃に特化したクラス・ファイター、納刀状態で強力な”居合”を放つことができるサムライ、攻撃魔法に特化しており、相手の弱点属性を攻める攻撃ができるメイジ、毒やHP吸収といった特殊な魔法を使うことができるソーサラーの4種類が存在。




 さらに上位クラスとして、強力なコンボスキルと回避からの強烈なカウンターを放つことができる剣聖、詠唱魔法を連続で放つことができる賢者、剣技と魔法を組み合わせた戦いができる魔剣士、納刀中にガードすることで居合が強化される禍ツ武者が存在します。

 なお、アーリーアクセス版ではこれらの上位クラスは、まだ未実装でした。




ランダム要素があるからおもしろい!

 ゲームは全体像の見えないマップを1マスずつ進んでいくことになりますが、イベントのなかにはルーレットやダイスロールで結果が変わるものがあり、ランダム性が高いです。毎回、同じ結果になるとは限らないので周回プレイも新鮮に楽しめます。





 戦闘は1ターンに3つの行動を選択して実行する形式。敵の攻撃はタイミングよくボタンを押すことでダメージを軽減したりかわすことが可能です。



 敵にダメージを与え続けると怒り状態になり、攻撃力がアップし、ボタンのタイミングもシビアに。最後まで気が抜けないバトルが楽しめます。

 レベル差があって余裕だと思っても油断していて負けてしまったり、勝てそうにもないボスに勝てることもあるので、スリリングで面白いです。

 難易度は3種類あり、ノーマルでは戦闘中に致命傷を受けても一度だけ50%の確率で復活することが可能。イージーに下げれば100%復活することができるほか、復活時に敵の攻撃力が下がり、攻撃もかわしやすくなります。

 ゲーム自体がすごく簡単になるというわけではないですが、ちょうどいい塩梅に調整してくれるので遊びやすくなります。普段、ゲームを遊ばない人などはイージーで遊んでみるのもいいかもしれません。




 本作は懐かしのゲームブックの雰囲気を味わえる作品ですが、現代向けのRPGとして完成されておりストレス無く遊ぶことができます。気になった人はぜひプレイしてみてくださいね。



カワチ:RPGとビジュアルノベルが好きなゲーマーで、誰にも気付かれないようなマニアックな小ネタを記事に織り込むのが好き。深みのあるゲームが好きかと思えば、本当は肌色が多ければなんでもいいビンビン♂ライター。


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