『機動戦士ガンダム アーセナルベース』の魅力と奥深さをレポート。イラストの美麗さと白熱する対戦が特徴

たく坊
公開日時

 現在稼働中のアミューズメント向けカードゲーム『機動戦士ガンダム アーセナルベース』。本作のプレイレポートをお届けします。

 2月に稼働が開始されて以来、巷で「想像以上におもしろい」と噂の本作。数々の店舗で盛り上がりを見せており、店舗によっては稼働直後にカード切れが発生してしまったほどの評判となっています。

 それを聞いた筆者は「実際におもしろいの?」という密かな疑問を持っていました。実際に触ってみましたが、その疑問はすっかり晴れました。先に言ってしまうと、正直、おもしろいです。

 本稿では、まだゲームを触っていない人に向けて、ゲームの流れとプレイしておもしろさを感じた部分のインプレッションをお届けします。

予想以上に深い!? 戦略性に富んだ対戦型カードゲーム

 まずは、本作がどういったゲームなのかを紹介します。

 おおまかな流れは、カードを使用して(使用しなくてもプレイは可能)編成を作り、バトルを開始。時間の経過とともに蓄積されていくコストを消費して機体&パイロットを繰り出し、相手の戦艦を撃墜したら勝利となります。


 お互いの拠点は戦艦を含めて開幕時点で3つあり、もっとも後ろに配置されているのが戦艦です。落として勝利となるのは戦艦のみで、2つの拠点は破壊しても勝利とはなりません。

 出撃させると、機体&パイロットの特性に基づいてオートで攻撃。例えば機体が“遠距離”でパイロットが“制圧”なら、“遠距離”から“目標の拠点にのみ”攻撃を行います。これらの特性は、後ほど紹介します。

 どの位置に、どのタイミングで機体&パイロットのユニットを出すかが非常に重要で、例えば「敵がいないから拠点を攻めよう」と拠点攻撃に特化した“制圧”を出しても、その瞬間に拠点を守る“防衛”を出されてしまい、結局“制圧”1機分のコストを失った結果、状況が不利になってしまうことも。

 ちなみに、機体が撃破されると再び出撃可能になるまで、修復時間がかかります。そのため、低コストの機体をずっと出し続けるという行動はできず、敵機を撃破した時は、攻めのチャンスとなります。

 この読み合いがとにかく楽しい! 「相手は何を出してくる?」、「有利な状況を取れたから攻めるぞ!」、「この場面を凌げればうちのエース機を出せる!」など、戦況に応じてさまざまな“やりたいこと”が増えていくのです。

 そして、本作の目玉である“MSアビリティ”と“戦術技(スペシャルアタック)”という2つの要素も、戦況に大きくかかわってきます。

 “MSアビリティ”とは、MSごとに設定されている、いわば“スキル”のようなもの。コストを消費しますが、攻撃力を上げるものや別の機体を呼び出すものなど、効果はさまざまです。


 “戦術技”とは、MSごとに設定されている、いわば“必殺技”のようなもの。機体ごとに記載されている武装で、攻撃対象に大きなダメージを与えます。

 上記の2つは、戦況が動く大きなポイント。敵を倒して有利になったタイミング、拮抗している状況から有利にする、敵の機体が厄介でこちらの部隊が機能しにくい時など、どこで使うかはプレイヤー次第。プレイヤーの仕事は、ただ機体を出撃させるだけではなく、これらの発動のタイミングを見極めることも深くかかわってきます。

 “出撃”、“MSアビリティ”や“戦術技”の操作はタッチパネルで行います。実際に遊んでみると、ゲームに慣れていない段階では、ボタンが1つしかないゲームにもかかわらず「意外とやることが多く、ただ見ているだけの時間がない」と感じました。ゲームに関与しない時間が少ないのは、プレイしていてストレスが少なくていいですね。

 試合終盤には、特定の条件で起こる“クライマックスブースト”という状態に。コストが増える速度が上がり、“MSアビリティ”や“戦術技”の応酬で試合は大盛りあがりとなります。

 戦況を見て機体を出すタイミングを考えるのが楽しいですし、自分の考えた戦略が通った時は非常に気持ちいいです。機体の演出はカッコいいうえに、クライマックスブースト中にはBGMが変わり、熱の入る展開になります。

 確かに「見ているだけじゃわからない、遊んでみたらわかる楽しさ」だと感じました。上記の加えて戦況に変化を起こす”作戦カード”も最大2枚編成することができ、こちらによって戦略がさらに広がっていきます。

勝負は編成から始まっている!? 5つの機体と5人のパイロット

 対戦中で使う戦略は、編成時点から始まっているといっても過言ではありません。どういう方向で攻める、相手にどう対応するのかを編成しつつ決めておくことで、プレイ中の方向性が明確になります。

 機体&パイロットの編成には、“カード”を使用します。カードには、“MSカード”と“PLカード”の2種類(デジタルカードである作戦カードも加えると3種類)あり、それぞれ使い方が異なります。

 対戦時の編成に使うカードの最大数は、MSカード5枚とPLカード5枚。それぞれ見た目はもちろん、性能やコスト、攻撃方法などあらゆるものが異なります。

 MSカードは、“近距離”、“遠距離”、“機動”の3種類に振り分けられています。また、“MSアビリティ”、“戦術技”の他、“WEAPON”による射程距離や、“リンクアビリティ”という常時反映される効果も持っています。

 PLカードは“殲滅”、“制圧”、“防衛”の3種類に振り分けられ、それぞれ異なる思考のAIにより、オートで動きます。また、“PLスキル”と“リンクアビリティ”という常時反映される効果も設定されています。

近距離タイプ(MS)

 近距離タイプは、射程が短いメイン武装を持ち、攻撃目標に接近するまで、攻撃を行えません。

 “近距離”は“遠距離”に対して機能しにくく、近づくまでの間にハチの巣になりがちです。“機動”は機動パラメータが高く、メインが近距離武装でも“遠距離”との間を詰めやすいため、優勢に持ち込みやすいです。

 拠点を攻撃したり、防衛に配備したり、強力な近接攻撃をいかせるポジションに配置すると活躍しやすい種類となっています。

遠距離タイプ(MS)

 遠距離タイプは、攻撃の範囲が広い武装を持ち、範囲に攻撃目標が入れば攻撃を開始します。

 “遠距離”は使いやすく、MS同士の攻撃で先に攻撃できるうえに、拠点を遠くから攻撃を行うため、使いどころを選びません。

 ただ、拠点を攻撃中に“近距離”に接近されてしまうと、優勢を取られがちです。相手が対応して“遠距離”の性能を生かせない距離でMSを出してくると、活躍させられないまま撃墜されてしまうでしょう。

 とはいえ攻撃と防御、どちらでも使いやすく汎用性が高いのが、遠距離タイプです。

機動タイプ(MS)

 機動タイプは、“近距離”と“遠距離”の中間とも言える攻撃範囲で、機動力が高いことが特徴です。

 機動力とは、移動速度のこと。目標地点への到達するまでの時間、戦場を行ったり来たりする時間後などに影響するため、意外に重要な要素となっています。

 火力は“近距離”、“遠距離”に比べて控えめなカードも多いですが、スピーディな展開を狙いやすいタイプになります。

殲滅タイプ(パイロット)

 殲滅タイプは、敵MSを攻撃するタイプです。

 能動的にMSに攻撃できる唯一のタイプ。例えば“遠距離”のMSに搭乗させることで、接近してくるMSを一定期間一方的に攻撃できます。

 もっとも自由度が高く、迎撃して防衛するもよし、敵MSを撃破してから攻めに使うもよしという性能となっています。殲滅タイプの使い方が、本作の戦いを大きく分けるといっても過言ではないでしょう。

制圧タイプ(パイロット)

 制圧タイプは、MSを攻撃せず、拠点のみを攻撃するタイプです。

 拠点のみを攻撃する特性上、MS同士で戦うことはありません。中には、拠点へのダメージをアップさせる“PL SKILL”を持っているものもあります。

 その特性のために“殲滅”に狙われると、一方的に攻撃されてしまいます。片方の拠点に戦力が集中している間に逆側を攻めるためや、敵のMSを倒して有利になったら拠点を攻撃するために使用するなどが、わかりやすい使いどころです。

 拠点を破壊するという目的にはもっとも有効なタイプと言えるでしょう。

防衛タイプ(パイロット)

 防衛タイプは、拠点を守るタイプ。自分の拠点の近くにしか移動できないため、攻めるために機体を動かすことはできません。

 相手の制圧タイプが攻めてきた時に、強力な防衛性能を発揮します。

 敵の1枚目のカードが見えてから、とりあえず防衛で対処するという流れは単純ながら強力です。前線がやられてしまう可能性を考えて、防御面を強くしたいのであれば、採用したい1枚です。

 上記で紹介したこれらのカードを編成して、自分だけの組み合わせを考えることこそ、本作のおもしろさの1つ。強いかどうかは別ですが、防衛タイプを3枚にしたり制圧タイプを4枚にしたりなど、尖った編成だとどうなるのか、自分でプレイして確かめてみようかと思います。

 ゲームセンターで遊んで家に帰った後は、手に入れたカードとにらめっこして、自分なりの編成を考えて、またゲームセンターに向かう。一度ハマってしまうと、このループから抜け出せなくなりそうです。

豊富なカードプールと豪華な仕様で所有欲が高まる!

 ゲームを遊ぶだけではなく、実際に手に取ってカードを眺められるところも、本作のいいところです。



 本作で使う機体やパイロットは、カードを読み込ませることで使用可能になります。ゲームデータの保存されたアミューズメントICカードと連携されるわけではないので、毎回カードを読み込ませる必要がある点は注意。

 カードを眺めてみると、イラストは凝っていてカッコいいし、レアリティが上がれば上がるほど光りかたが変わり、最高レアになるとイラストに“掘り”がちりばめられ、並べて見ているだけでも思わず「かっけぇ……」とつぶやいてしまうような豪華仕様であることがわかります。


 カードは、ゲーム開始時に1枚(プレイ料金200円)、追加で4回まで(カード購入のみ100円)と、1PLAYあたり最大5枚まで払い出し可能です。

 また、これは筐体が設置されている店舗によりますが、他のプレイヤーが不要なカードを提供する“不要BOX”のようなものが配置されているところも。なお、こちらのBOXは公式で用意されているものではないため、店舗ごとのルールに従って利用するようにしましょう。

 本作のカードの大きな特徴として、“アーセナルレア”というレアリティが存在することが挙がります。

 “アーセナルレア”とは、通常カードとはコンセプトが異なるイラストが採用された特別なカード。SEASON:01では、大河原邦男さんやときた洸一さんといった、メカデザイナー/キャラクターデザイナー本人が手掛けるイラストも多数収録されました。

 “アーセナルレア”のカードは、ゲーム内の課題をクリアする“ミッション”の報酬などで、購入権利のあるチケットを入手できます。チケットを20枚集めれば、“アーセナルレア”のカードを1枚、200円で必ず購入できる仕組みとなっています。

 ちなみに、チュートリアルを初回クリアすると、アーセナルレア1枚分を購入するチケットがもらえます。まずはチュートリアルをクリアし、“アーセナルレア”を入手することをオススメします。

 遊んで楽しい、考えて楽しい、集めて楽しい、そんなカードゲームであると筆者は感じました。


 プレイヤー間では、流行の戦略などが存在していますが、“自分の考えた最強の編成”が対戦で通用した時は、格別の気持ちよさを味わえるでしょう。

 「興味はあるけど遊んだことはない」や「実際おもしろいの?」と感じている人には、ぜひ遊んでほしいタイトルです。今からプレイをはじめて、これからの盛り上がりを一緒に味わいましょう。


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