花江夏樹さんらがお笑いに挑戦した『GETUP! GETLIVE!(ゲラゲラ)』で令和の笑い初め! 

ガルスタオンライン 、ichico
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 【声優×お笑い】という試みを掲げたプロジェクトとして、制作発表以来多くの注目を集めてきた『GETUP! GETLIVE!(ゲラゲラ)』。5月18日にプロジェクト第1弾として行われた1stLIVEには、キャパ750席に対し5000件超のチケット申し込みが殺到。多くの視線が注がれる中、【お笑い】という文化にガチンコで向き合った本公演は、新たな良コンテンツ誕生への喜びと、今後の展開への期待に満ち溢れた公演となりました。


 ここでは、そんな新プロジェクトの一歩目となる昼公演の様子を、詳細レポートで紹介していきます。

<公演概要>

■公演名:GETUP! GETLIVE!
■日時:2019年5月18日 【昼の部】開演 15:00 【夜の部】開演 18:30
■会場:日本教育会館 一ツ橋ホール
■【CAST】上原淳也役・花江夏樹、東沢楓役・西山宏太朗、町田瀬那役・豊永利行、大野虎之助役・石川界人、喜多見蓮役・阿座上洋平、狛江一馬役・熊谷健太郎 ※特別出演:服部潤
■【STAFF】企画:天津向、演出:伊福部崇、脚本:渡航、キャラクターデザイン:由良、音楽:TAKA(狂奏カルマ)、企画プロデュース:MBS

若手お笑い芸人の苦悩と奮闘を、6人の声優陣がドラマパートとお笑いパートで表現!

 昼・夜ともにトラブルに見舞われ、昼公演の開演が30分押しという事態からのスタートとなった『GETUP! GETLIVE!(ゲラゲラ)』1stLIVE。しかしそんな悪条件もなんのその。企画発案者であるお笑い芸人・天津向さんの「GET UP!」「GET LIVE!」のコール&レスポンスで会場が温められると、“笑う”準備は万端。ステージには6本のマイクが立てられ、笑いの戦場へと身を投じる6人の若きお笑いソルジャーたちの物語がスタートしていくことに。

 公演は、3組のお笑い芸人のキャラクター性や関係性を見せる“ドラマパート”と、漫才&コントで笑いを作品として見せる“お笑いパート”の2つで構成。まずは、それぞれの人物像がうかがえるドラマパートが披露されました。

 花江夏樹さん演じる上原と西山宏太朗さん演じる東沢の幼なじみ2人による<スターダスト>は、3組中もっとも後輩のコンビ。なんでも無難にこなすツッコミの上原に対し、ボケの東沢はネガティブ思考でちょっぴり気弱。お笑いライブのオーディションにも後ろ向きで、「死にたい」とよく口にします。


 2組目の<菊一文字>は、豊永利行さん演じる飄々としていて的確なツッコミをする町田と、石川界人さん演じるオラオラ系のボケ・大野による凸凹コンビ。


 3組目は、阿座上洋平さん演じるクールな技巧派ツッコミ・喜多見と、熊谷健太郎さん演じるチャラ系太鼓持ちボケの狛江によるイマドキ関東芸人の<6 -シックス->。


 彼ら6人は、お笑い芸人を目指す者たちが集まる養成所“SSS”に通う養成所生。3年間という限られた期間の中、寮で生活をともにしながらネタ作りをし、お笑いライブとオーディションを繰り返す日々を過ごしていきます。

 ドラマパート冒頭では、そんな3組が挑む定期ライブに人気TV番組のプロデューサーが番組のオーディションを兼ねて観に来ることが明かされます。しかし、ネタ番組で若手に与えられる時間など3分程度。いつも行っているライブとは違うTVというメディアならではの見せ方を求められ……。その後、それぞれのコンビによるネタ見せ授業が行われていくことに。

漫才、コント──クオリティの高いネタを舞台で魅せる!

 ステージ上に居酒屋風のセットが設置されると、まずは<6 -シックス->のコントからスタートです。世界観に引きずり込む出ばやしとともに始まったコントは、きっちりと作り込まれたお笑いライブさながらの本格的なもの。「誤変換する男」と題され、「講義と抗議」「復習と復讐」「紫外線と市街戦」など言葉の意味を片方が履き違え、その会話の噛み合わなさが楽しめるいわゆる“すれ違いコント”が披露されました。

 台本片手にという状態ではありますが、“舞台でコントをする芸人”を何の違和感もなく演じきる阿座上さんと熊谷さん。ツッコミやボケの間は、時間をかけて合わせたのだろうことが見終わった後にひしひしと感じられる絶妙な仕上がりに! 関東芸人というキャラクター性もあり、映像を用いながら“ひねり”で笑わせる巧みな構成となっていました。

 続いて登場したのは<スターダスト>。こちらは牛丼店「吉野家(きちのや)」を舞台に繰り広げられるコントで、とぼけたボケとそれに巻き込まれる怒れるツッコミという分かりやすい構図で王道の内容となっていました。

 おっとりした雰囲気を放ちつつも開き直りでボケ押しする西山さんに対し、声を張ってツッコミまくる花江さんという普段は見られない光景に、客席は爆笑の嵐! 素のお2人の仲の良さも垣間見られたコントに、大いに笑わせていただきました。

 ラストは、豊永さん演じる町田と石川さん演じる大野による<菊一文字>! こちらはなんとセンターマイクを挟んで漫才に挑戦です!! 町田の真っ当な進行をぶち壊し、マイペースにボケを紡ぎまくる大野。そのオラオラ系の見た目に反する漫才中のキャラとも相まって、客席からは二重の笑いが! 

 時に真顔でちょいちょいアドリブだろうボケを入れ込んでくる石川さんと、それを柔軟に対処しながら冷静にツッコむ“舞台”を知り尽くした豊永さん。その秀逸なやりとりに、涙を流して大爆笑するお客さんの姿も見られました。

芸人たちが抱える悩みや葛藤──その先で描かれるお笑いライブで3組の勝負が決する!

 3組によるネタ見せのお笑いパートが終わると、再びドラマパートへ。養成所の講師にそれぞれダメ出しされ、落ち込んだり奮起したり。「お笑いはマーケティングだ」という喜多見に対し、「俺ら芸人はネタがすべて」という大野。バチバチと火花を散らす2人に、おどおどと困り果てる<スターダスト>ーーと、それぞれの置かれている立場やお笑いに対する考え方の違いなどが浮き彫りになります。

 また、「ライブ用のネタをTVで流すには、ネタを削らなければいけない」「コンプライアンスに引っかからないネタを」といった作り手側の悩みもチラリ。「“玄人受け”は褒め言葉じゃない」と悩む町田や、「芸人は通過点」としてTV番組のプロデューサーとディレクターを目指す<6 -シックス->の2人など、芸人としての“笑い”に対する向き合い方も違っていて……。

 そんな中<スターダスト>上原の親がライブを見に来ることになり、2人の間には衝突が。なんでもこなす上原の足を引っ張りたくない東沢は、さらに消極的に。そんな東沢を見て、上原はイライラが募り……。幼なじみとして一緒に過ごす時間が長かった2人は、互いをわかりきっているが故に“ぶつかる”こともしなくなっていました。しかし夢を掴むためには、避けて通れぬ道。東沢は、これまで上原に頼りきりだった“ネタを書く”という、一歩を踏み出します。

 それぞれに葛藤しながら、絆を深めながら、やがてやってきた定期ライブ当日。3組は、自分たちの“答え”をネタに込め、ステージ上で披露します。2本目のお笑いパートとなるライブシーン、<6 -シックス->は好きなアニメで意気投合するヒーローと怪人のコントを。<菊一文字>は、1本目をさらに超えるオーバーアクションでボケを畳み掛ける漫才を。<スターダスト>は、東沢がネタを書き2人で仕上げた「彼女の実家に結婚の許可を取りに行く」漫才を用意し、いざ勝負!


 3組のネタ見せが終わると、ここで新たな試みが。3組の中でどのコンビが一番面白かったか、なんと客席のみなさんの投票で優勝が決められることに。入場の際に配られた各コンビのクリアファイルを掲げ、スタッフさんらの集計により決まった勝利コンビは……<菊一文字>! 2本の漫才で、安定したボケとツッコミを見せた<菊一文字>が昼の回を制することとなりました。

 ライブ後にTV番組への出演決定が報告されるドラマシーンは、3組それぞれが選ばれた3種の台本が用意されていたとのことで、その熱量の高さからもスタッフ陣のコンテンツにかける意気込みが伝わりました。そして何より、エンディングにて本気で悔しがる姿を見せた<6 -シックス->、「こんなに笑ってもらえて気持ち良かった」と晴れやかな笑顔をのぞかせた<スターダスト>、そして袖でガッツポーズをしたという満面の笑みの<菊一文字>、それぞれの表情を見たことにより、お笑いというジャンルに挑戦した6名のキャスト陣の本気度が伝わり今後の展開がますます楽しみに!

 来年2月には2ndLIVEが、そしてドラマCD化の発表などもなされ、プロジェクトとして新たな挑戦の軌跡が見え、胸躍る公演となった1stLIVE。笑い、さらに笑い、時に胸がグッと締め付けられた『GETUP! GETLIVE!(ゲラゲラ)』の歩みを、今後も期待したいと思います!!

(C) GETUP! GETLIVE!

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