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やること盛りだくさんな採掘サンドボックス『Core Keeper』をレビュー!【海外ゲーム名作案内】

柏又
公開日時

 海外ゲーム大好きな担当ライターが実際にプレイして気に入ったタイトルを紹介する“海外ゲーム名作案内”コーナー。今回は、スウェーデンの開発会社Pugstormが開発、イギリスのFireshine Gamesが発売するWindowsソフト『Core Keeper』をとり上げます。

 本作は、謎のレリックの力によって地底世界へいざなわれた主人公が洞窟を掘り進めて生活に必要なものを整えながら探索範囲を広げていくサンドボックスアクションゲームです。

 3月8日にSteamでアーリーアクセス版が発売開始されましたが、ゲームとしては充分遊べるクオリティとボリュームがあり、6月30日には100万本セールを記録するヒット作となりました。

 今回は、素材から設備や装備を作ってプレイヤーなりの生活圏を構築していくサンドボックスならではのコツコツ感と、広大な迷宮でボスを追い求める探索性に優れる本作の魅力をより詳しく解説します。

サンドボックスとしてはほぼ完成されたゲームシステム

 サンドボックスゲームと呼ばれるゲームは『マインクラフト』や『テラリア』など数多く発売されていますが、本作は、これらサンドボックスゲームに必要と思われている要素をひと通り実装していて大きな不満点がないのが特徴と言えます。

 序盤は、まずスタート地点であるレリックの周辺で木の根から木材を調達して“木のツルハシ”と“基本の作業台”をクラフトします。続いてツルハシで周囲の壁を掘り進めて銅の鉱石を集め、作業台で作れる“かまど”で“銅のインゴット”に精製し、銅の武器・防具や道具を充実させてさらに探索範囲を広げていきます。

 プレイヤーがレリックよりさらに遠い場所まで探索範囲を広げると、“バイオーム”と呼ばれるマップの環境が変化。より強力なモンスターが出現する他、ブリキや鉄といった上位の素材が採集可能となります。壁も硬くなるので探索範囲を広げることがより強力な装備を入手するモチベーションとなるのです。

 また、洞窟内にはスライムや歩くキノコといったモンスターのほか、食用となる植物が生えています。主人公には食料の概念があり、空腹をこれで補います。さらに採集の際、手に入る種を畑を作って植えれば再び植物を採集可能。食用となるアイテムを2つ“調理なべ”に入れると食材が持つバフ(強化)効果を生かした料理にできます。

 システムに突出したものがあまりないが不満点がなく、サンドボックスゲームに慣れた人ならすんなりゲームに入り込める分かりやすさがいい感じだと筆者は感じました。

 なお、本作の地形は壁のほかに足元の地面を掘ってアイテムとして再配置可能なのですが、基本となる地面の上にキャラクターに影響を与える地面を重ねられるところがポイントだと思いました。例えば“スライムの地面”はのっているキャラクターの移動剃度を低下させる効果があります。プレイヤーは“スコップ”を使って地面からスライムの部分だけを取り除いて一帯を歩きやすくすることが可能です。

 さらにこれらの地面は、その地域のモンスターを生み出す効果もあります。たとえば密閉した空間に特定の地面をしけば、狙ったの地域のモンスターを近場で養殖して狩り、ドロップアイテムを集めることも可能です。

 レリックを中心とした拠点の他、探索先への移動経路の構築などを多岐にわたって行えるのも本作が優れたサンドボックスゲームであるといえる要素のひとつでしょう。

キャラクターをコツコツ鍛える楽しさも

 本作のセーブデータはマップとキャラクターでそれぞれ独立していて、最大8人で同じマップを開拓するマルチプレイヤーも可能です。それに加えて、本作のキャラクターには、スキルの概念があります。スキルは9種類あり、プレイヤーの行動に応じて少しずつレベルアップ。スキルごとにステータスが上昇するほか、5レベルごとにスキルポイントを入手して特殊能力を獲得可能です。

 スキルの成長はゆっくりで効果の上昇も少しずつのため、すぐには実感しずらいものの積み上げていくことでいつも間にか強くなっている感じですね。装備などの物体だけではなく、遊ぶことに見返りがある成長要素は筆者的に好みです。

マップ内にこもるボスを追い求める目的のあるゲーム内容

 サンドボックスゲームといえば、よりよい素材などを求めて行動範囲を広げていくのがモチベーションで、ストーリー的なものはなく自由に遊べるものが多い印象があると思います。自由に遊べることはサンドボックス最大の魅力ではあるのですが、一方でなにか目的がないと飽きてしまう、という人もいるのではないでしょうか。

 本作では、プレイヤーの活動範囲を広げるほかに、マップに点在するボスを倒すという目的が設定されています。

 ボスのうち、巨大なスライム“奇怪生命体グラーチ”は比較的スタート地点の近くに存在し、活動範囲を広げるうえでまず確実に遭遇します。グラーチがドロップするアイテム“グラーチの目”をレリックの近くにある石像にはめ込むと、次の2体のボスの居場所がわかるアイテムがクラフト可能に。

 次の2体のボスもレリックの周囲の石像にはめ込むアイテムをドロップ。これをはめ込むことで物語はゲームのステップへ進み、新たなバイオームの道が開かれます。このように、本作はマップの探索とボスの撃破がワンセットとなっていて、プレイヤーの行動を縛りすぎない程度の目的を与えてくれるのです。

 正直なところ、この辺りの流れはもう少しプレイヤーに分かりやすく誘導してほしいと、ほかの人のプレイ動画を見るまでグラーチを倒した後の流れがわからなかった筆者は思うのですが、そこは早期アクセスならではということなのでしょう。

バリエーション豊かなボス戦はちょい厳しめで歯ごたえあり

 本作では現状のところ8体のボスが実装されていて、そのうち5体とゲーム目的で戦うことになります。ボスが登場するバイオームの特色もあるのですが、いずれもバリエーションの豊かな攻撃を回避しながら戦うことになります。

 こちらはローリングのような回避アクションがないので、ひたすら移動で敵の攻撃を回避しなくてはなりません。装備のなかにはBボタンで短距離ダッシュや防御が可能なものもあるので、立ち回りが厳しいなら使ってみるのも手です。

 また、ほとんどのボスはこちらから攻撃を仕掛けるなど一定条件で戦闘が開始されるため、戦闘前に地面から行動の邪魔になるものを取り除いたり、よそから掘ってきた地面で穴を埋めておくなどプレイヤー側に有利になるよう準備することも重要だったりします。アイテムのなかには、敵が上を通った時のみダメージを与える“スパイクトラップ”もあるので活用したいところです。

 ボスは攻撃力が高く、攻撃によっては踏みつぶされて即死してしまうこともある厳しいバトルとなります。しかし、プレイヤー側も立ち回り以外に装備や戦場の整備など工夫できる要素が多く、指先だけではなく頭を使った戦いが求められるのです。入念な準備をしてから行うギリギリのバトルは本作の魅力といえるでしょう。

ボスの報酬で地下生活も豊かに

 ボスを撃破すると新しいバイオームの道が開けるということは先に書きましたが、ボスのドロップ品も見逃せないポイントです。ボスを撃破すると、通常の宝箱の倍の大きさと容量をもつ便利な宝箱が出現します。

 ドロップ品のなかでも見逃せないのは、特定のNPCを引きつけるアイテムでしょう。そのアイテムを持っていると、対応するNPCが近づいてくるほか、個室を用意して明かりとベッドといっしょに設置すると、その部屋にNPCが移住してきます。

 NPCとは通貨“古代のコイン”を使って取引が可能です。彼らは素材や武器、釣り餌などNPCごとに特色のあるアイテムを売ってくれますが、とくに重要なのがボスとの再戦を可能とするアイテムですね。連続では使えませんが、一度戦ったボスとは再戦が可能で、目当てのドロップ品を求めて何度でも戦えるのはうれしいところです。

アーリーアクセスでもボリュームは十分。日本語にも対応!

 ここまで紹介してきた『Core Keeper』。サンドボックスとしては新しい要素はそこまでありませんが、逆に不足しているところはあまりなく、操作やUIが快適なのでサクサクあそべます。ゲームの流れを把握すれば時間を忘れて没頭できるおもしろさがあると筆者は感じました。

 それでいて、プレイヤーにはボスを探し出して倒すという目的があり、プレイがだれてしまわないあたりもいい感じにできていると思います。たぶん持っているかもしれないですがサンドボックス好きなら間違いなく買いですし、サンドボックスゲームは建設の途中で飽きちゃう人にもオススメできますね。

 アーリーアクセスのゲームにはさまざまなものがありますが、本作は数十時間遊べるだけのボリュームがあり、なおかつ価格設定もかなりリーズナブルなため今の時点で購入してもたっぷり遊べることは間違いなしです。本作は、リリースされて最初の大型アップデートを終えた段階であり、これからの拡張にも期待が持てます。

 また、Steamなどで海外のゲームを遊ぶのに障壁になるのはやはり言葉の壁。本作も配信当初は日本語に非対応でしたが、6月15日に行われた大型アップデートに合わせて日本語が実装されたので問題なく遊べます。

 なお、本作はセール中で7月8日まで10%オフで購入できます。ぜひこの機会に遊んでほしいですね。

© 2021. Core KeeperはPugstorm ABの商標または登録商標であり、Fireshine Gamesにより出版されています。

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