【電撃清アター】話題沸騰の『ジョーカー』……を観る前に必要なこと

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 皆さんこんにちは! 声優の清水彩香です。

 皆さんはヒーローといえば誰を思い浮かべますか? 映画やテレビ、アニメや本、沢山の世界に私たちを勇気づけ、救ってくれるヒーローたちがいますよね! それでは反対に悪役と言えば誰を思い浮かべるでしょうか?

 そう、ヒーローと切っても切り離せないもの、それが悪役(ヴィラン)たちです! 光と闇は表裏一体、面白いヒーロー作品は得てして悪役たちが魅力的なんです!

 そんな悪役たちの中でも世界的に有名なあのキャラクターの単独映画が10月4日に公開されましたね! 白い皮膚に緑の髪、裂けた赤い口元がトレードマーク、アメコミヒーロー“バットマン”の最大の敵であり、最狂にクレイジーなヴィランといえば……

 “ジョーカー”

 というわけで! 今回は数々の俳優が演じてきた歴代ジョーカーたちをご紹介しますよ! ほぼすべての作品がPlayStation Videでも配信中です。名だたる名優たちによるジョーカーはどれも個性的で面白い! 必見です!

最凶のヴィラン“ジョーカー”を演じた俳優たち

初代ジョーカー!
●シーザー・ロメロ


 1966~1968年にかけて放送されたTVドラマと初の長編映画の『バットマン』にてジョーカーを演じました!

 DCコミックがシリアス路線に変わったのは80年代のことで、当時はまだコメディ路線が強かった頃。ロメロ演じるジョーカーは恐怖や狂気より、コミカルな面が強くでているキャラクターになりました。

 ロメロは髭を剃ることを拒んだため、髭の上から白塗りのメイクというなんとも奇妙な見た目になったことも有名。そんなところも見どころかも?

現代のジョーカー像の原点
●ジャック・ニコルソン

 1989年公開『バットマン』にて宿敵ジョーカーを演じました。ジョーカーといえばこの方を思い浮かべる方も多いんではないでしょうか?

 マフィアの一員であるジャックは、ボスの愛人に手を出したことから怒りを買い、罠にはめられてしまいます。バットマンや警察に追い詰められ、窮地に立たされるジャック。その戦いの最中、彼は化学薬品で満たされた槽の中へ落ちてしまいます。なんとか命は取り留めましたが、薬品の影響で肌は真っ白に漂白され、神経も損傷したことから笑い顔のまま表情が固定されることに。その姿はトランプのジョーカーそのものなのでした。

 頭脳明晰で残虐性も併せ持つジャック。でもまだこの時点ではただのマフィアでした。しかし元々精神的に不安定だった彼は狂気に飲み込まれ、ジョーカーになったことによって更に鮮烈に、苛烈になっていきます。
 
 そのジョーカーを演じるのがハリウッドを代表する名優ジャック・ニコルソン。『カッコーの巣の上で』『シャイニング』『最高の人生の見つけ方』など数々の作品での名演で知られています。なんと彼、アカデミー賞だけでもノミネート12回、受賞3回という凄まじい経歴の持ち主! すごすぎる……!

 彼が演じるジョーカーは残虐でポップで哀愁漂う不気味なアーティスト。ど派手な紫色のスーツを着て、愉快な音楽に合わせて踊り、その一方で人の顔に酸をかけたりもする。その陽と陰のバランスが絶秒に混ざり合って恐怖が倍増するのです。ジャック・ニコルソンのジョーカーはまさに怪演! あの笑い声はしばらく耳から離れません。

 見た人の心をざわつかせ、虜にしてしまうジョーカー。ぜひ名優の演技に浸ってみてはいかがでしょうか。

伝説のジョーカー
●ヒース・レジャー

 2008年公開『ダークナイト』で圧倒的存在感を見せ、新たなジョーカー像を確立しました。

 彼が演じるジョーカーは狂気そのもの。人間が本能的に感じる恐怖や目を背けているものを形にしたら、このジョーカーになるのかもしれません。

 どこから来たのか、なにを考えているのか、なにが目的なのか……その裂けた口の傷すらも「父親にDVの末つけられた」「自らつけた」と全く別のことを言い出したりとすべてが謎。

 決して肉体が屈強なわけでもありません。実際、劇中でも何度もボコボコにされています。しかしその恐ろしさが失われることはないんです。なぜなら彼の武器は目に見える力ではなく、その狂気だから。ルールやモラルを壊し、じわじわと人の心を蝕み、操っていく姿は恐ろしいの一言。得体の知れなさでこのジョーカーに叶うものはないと思います。

 そんなジョーカーを生み出したのがヒース・レジャーの演技力! 笑い方、話し方、目つき、特徴的な口元の仕草……そのひとつひとつがすごい。あの特徴的なメイクもヒース本人が始めたものだそう。「この狂ったサイコパスは本当にいるんじゃないか?」と思わせられる人間臭さ、その見事なリアリティで最高のジョーカーを作り上げました。

 他のどの悪役とも比べられない、唯一無二の存在。このジョーカーでしか味わえない感覚をぜひ!

セクシーな魅力満点
●ジャレット・レト

 2016年公開『スーサイド・スクワッド』にていままでのジョーカーとはまたひと味違うセクシーなジョーカーを演じました!

 この作品だけVSバットマンの作品ではなく、スーパーヴィランたちが主役となった作品なんです! ですのでバットマンとの対比ではなく、恋人ハーレイクインとの歪んだ愛を通じて表現されたジョーカーを観ることができます。

 ジャレットが演じるジョーカーは口も裂けておらず、髪の毛はオールバック、タトゥーやアクセサリーをじゃらじゃらと付けているなど、どこか今風な感じ。しかし溢れ出る狂気はジョーカーそのもの!

 オスカー俳優でもあるジャレット。徹底した役作りのため周囲との関わりを避け、撮影中は常にジョーカーとしてあり続けたそう。役にのめり込むあまりハーレイクインを演じたマーゴット・ロビーにはラブレターと生きたネズミを。その他の共演者にも銃弾や死んだ動物の死体などを送り付けたとか……。怖すぎる……。

 そんなジャレットが演じるジョーカー、悲しいことに大幅な出演シーンがカットされてしまったため、出番は少なめ……。しかしその魅力は褪せない! いつかカットされたシーンも日の目を見ることを切に願います!

最新作では“ジョーカー”が主役!
主演はホアキン・フェニックス

 そしてついに先日冒頭でもご紹介しましたジョーカーの単独映画が公開されました! 本当に楽しみで、指折り公開日をお待ちしておりました……!

 なぜ一人の青年はジョーカーになったのか、ジョーカー誕生までの物語を描いた今作! 主演は名優ホアキン・フェニックス。ホアキンのジョーカーは絶賛されており、アカデミー賞受賞有力候補であるともいわれています!

 映画『ジョーカー』絶賛公開中です! ぜひお見逃しなく!

今回の清アター推しアクター

 今回の推しアクターは『ダークナイト』でジョーカーを演じたこの方!

【ヒース・レジャー】

 1979年にオーストラリアに生まれた彼は10歳の頃から地元の劇団に所属し、子役として活躍。1996年にレギュラー出演したテレビドラマがきっかけでその演技力が業界に知れ渡ります。

 ハリウッドデビューは1999年公開の『恋のからさわぎ』。この作品でそのルックスも相まってアイドル的な人気に! ジョーカー役しか知らないとびっくりすると思うんですが、素顔はものすっごいイケメンなのよ。しかしアイドル路線を拒否したヒース。オファーを断り、チャンスが来るのを待ちます。

 そんなヒースの転機となったのが2005年公開の映画『ブロークバック・マウンテン』。その確かな演技力で主人公イニスを演じ、史上9番目の若さでアカデミー賞主演男優賞にノミネートされました。この作品の繊細で大胆な彼の演技は本当にいい……私も大好きな作品です。

 その後いくつかの作品に出演し、その未来を不動のものとしていたヒース。しかし別れは突然にやってきました。2008年、ヒースは自宅で亡くなっているのを発見されます。死因は睡眠薬と風邪薬の併用による薬物中毒の事故死でした。『ダークナイト』の完成を待たずして、28歳の若さで急逝してしまったのです。その死は世界中の人々に衝撃を与えました。

 素晴らしい才能の持ち主だったヒース。彼が経験を重ね、どのような俳優になっていくのかが見られないのかと思うと本当に残念でなりません。ですが作品の中にヒースは生き続けています。彼が与えてくれたものはいつまでも褪せることはないでしょう。

 今回の電撃清アターはここまで! 次回は10月22日(火)公開予定です。お楽しみに〜!

 そして 大事なお知らせ! 徳島で開催されるエンタメイベント“マチアソビ”にて、電撃清アターのトークイベントが決定しました! 10月12日(土)の14時から、ufotableCINEMAにて開催予定です。コラムでは書ききれないことをたっぷりお話させていただこうと思います。マチアソビにいらっしゃる方は、ぜひご参加ください!

 清水彩香
 AIR AGENCY所属の女性声優。
 好きなものは猫。趣味は映画鑑賞、麻雀。
 代表作は『スカーレッドライダーゼクス』麻黄アキラ、『ハイスクール・フリート』若狭麗緒、『Tokyo 7th シスターズ』臼田スミレなど。

【告知】
 TVアニメ『戦×恋(ヴァルラヴ)』に早乙女三沙役での出演が決定! 2019年10月5日(土)より、AT-X、TOKYO MX、サンテレビ、BS11にて放送開始です。

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