将棋を知らなくても楽しめる名作ミステリー『千里の棋譜』。物語、ボリューム、価格とも文句なし！【ADVレビュー】

助手（アルバイト）のkbjです。所長、今、暇ですか？

どうせ適当にサボってたくせに。というわけで、事件をもってきました。

今回扱う事件は『千里の棋譜』です！

おっ、さすがに知っていましたか。今回はこちらについて話していきましょう。

ノープロブレム！

本作は将棋を打てない人、知らない人でも楽しめるんです

尾行経験がなくても探偵ゲームを楽しめるし、法律を知らなくても裁判を題材にしたゲームを楽しめる！　それがゲームのいいところ。

なので、将棋を題材にしていますが、知らなくてもプレイできるのです。

実は、本作のメインキャラである一ノ瀬歩未も将棋に明るくない。フリーの記者として、事件を追っていきます。

んで幼なじみにして、プロ棋士を目指している長野くんが、将棋を知らない彼女をナビします。

Yes。将棋の用語が出てきても、彼が教えてくれるわけです。

出てきますね。

ほう？　ちなみに何を知っているんですか？

惜しい！　敵陣（奥の三段目）までいくと一部のコマは裏返して、成ることもできますね。

それっぽく将棋用語を混ぜるなよ。実は詰将棋ですが、飛ばせます。

横にいる長野くんに「詰将棋を解いて」とお任せもできるのです。だから、コマの動かし方を知らなくても平気です。

んで、肝心のストーリーなんですが、これがすごくいいんです。

一部と二部があって、一部はプロとAIによる対局をテーマにしています。さらにその裏で、賭博を行う真剣師一族の存在が見え隠れするんです。

ある事件をきっかけにして、過去から続いてきた歴史や因縁がボロボロ出てきて、それらの謎を追いかけていく流れになっています。

二部は、棋士がいなくなる神隠しと、棋譜が残っていない幻の名人戦がテーマです。が！

その裏で、“門下生同士の戦い”が描かれるのです。

簡単に言うとプロ入りをかけて、勝ち星をとりあうリーグ戦が行われるんですね。『ヒカ●の碁』の“院生編”をイメージしてください。

プロを目指すもの同士がぶつかりあう様子がクソ熱くていいんですよ。二部は本筋もおもしろいけど、こちらの展開が気になりすぎて一気にプレイしました。

仕事してたわりに、フットワーク軽くね？

展開早くね？

そうでしょうそうでしょう！

そうでしょうそうでしょう!!

二部もおもしろいですよ。プロ入りをかけて、全身全霊で戦う様子に何度か泣きましたね。ここで二部構成が生きてくるんですよ。

惜しい。キャラへの思い入れですね。一部でキャラを見てきたからこそ、感情移入しやすいんですよ。でもその上で新キャラを推してもいいわけです。

俺はメガネイケメンの翔田名人か、ちょっとミステリアスな遠峰杏樹さんかなあ。実在のプロもいい味出てましたね。

イケメンに集中力持っていかれすぎじゃね？

ほほう？

ああ、言われてみればそうかも。

確かに。将棋を知らなくてもいいんですが、こだわっているから、のめり込めるんでしょうね。

そうでしょうそうでしょう!!!

もともとアプリで一部が配信され、その時から評判がよかったんですが、コンシューマ移植された際に、二部やボイスが追加されています。

一部、二部ともに10時間くらいあったと思いますね。ダウンロード版は3000円ですが、やりごたえがあるうえに、物語もいいので、ぶっちゃけ買いです。

……所長、実は将棋知ってませんか？

アドベンチャーゲームとしてはオーソドックスなシステムで、遊びやすいです。あと、実在のプロ棋士がゲーム内に登場するんですよね。

将棋界の謎を解き明かすのに、プロ棋士がからんでくるという展開で、よりリアリティが増しているかと。

ちなみに、メニューから将棋教室や詰将棋を楽しむこともできます。

吉祥寺 将棋の森もいいですぞ！