逢縁奇演先生が『運命の人は嫁の妹でした。』を書いたのは人生をかけた重要な3択の結果だった!?
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電撃文庫で活躍する作家陣のメールインタビューをお届けする“Spot the 電撃文庫”。今回は、『運命の人は嫁の妹でした。』を執筆した逢縁奇演先生のインタビューを掲載します。
“ブラインド婚活”で顔の知らない相手と結婚した“御堂大吾”が、実は嫁の妹“獅子乃”が前世で運命を誓い合った恋人同士だったことが判明したことから始まる、予測不可能なラブコメディです。
ゲームのシナリオライターとしても活躍する逢縁先生が、“Spot the 電撃文庫”に登場。人生のターニングポイントで「タジキスタンで暮らす・エミューを飼う・電撃文庫刊行」の3択から選んだのは…?
──この作品を書いたキッカケを教えてください。
3年前にフリーランスのシナリオライターとして余裕が出てきたので、何か新しい事をしたいと思ったんです。それが電撃文庫刊行を目指す事でした。
“タジキスタンで3年暮らす”、“エミューを飼う”というのもあったんですけど。
僕はお話づくりが好きだったので、電撃文庫に作品を送ることにしました。
結果ありがたいことに編集さんの目に留まって、今の僕があるという感じです。
作品としては、
“もしも前世と今世で愛する人が違ったら?”
という疑問が、今作のテーマになっています。
前世とかセカイ系とか昔から好きでよく読んでいました。
要は、単純に好きなものを詰め込んだだけですね・笑
──作品の特徴やセールスポイントを教えてください。
一番は、恋愛のドキドキ感……ですかね。
今作は所謂オーソドックスな三角関係の恋愛物なのですが、それだけに丁寧に心情を描写する事を心がけました。
どこにでもいる男女がどこにでもある恋をする。
読者さん自身がそこに居るような気持ちになれるよう、丁寧に、優しくて暖かい作品を作り上げたつもりです。
女子中学生と実嫁の三角関係ですが・笑
──作品を書くうえで悩んだところは?
編集さんから死人は出さないでくれと言われていたので、死や滅亡の描写をマイルドに表現するのに苦心しました。
──執筆にかかった期間はどれくらいですか?
構想含めると3年ほどです。
実際に書いた時間は1年ほどだと思います。
──執筆中のエピソードはありますか?
海外の怪しいエロサイトに課金しました。
クレジットカード番号が抜かれそうで怖かったです。
Paypal最高! と思って課金したのですが、でもほら、Paypalって利用者の住所とかの情報が、課金元に送られるじゃないですか? もう戦々恐々ですよね。
似たような事例で、クレジットカード2枚ダメにしました。
DLsite最強! DLsite最強!!
──本作の主人公やヒロインについて、生まれた経緯や思うところをお聞かせください。
子供の頃から銀河英雄伝説のオーベルシュタインが好きで、彼のように合理的で非道徳的な思考を持つ女子中学生がおれの事好きだったら嬉しいな。
と言う経緯で、今作のメインヒロイン(冷徹な捕食者・主人公ガチ恋勢)が生まれました。
──特にお気に入りのシーンはどこですか?
全長40mの全裸の老婆が空から襲ってくるシーンが本当にあるのですが、個人的にはそこが大好きです。編集さんの指示でかなり削りました。
冷静な判断をして下さった編集さんには感謝しかありません。
──今後の予定について簡単に教えてください。
80歳ぐらいになったら、竹林にクオリアのあるAIと2人で隠居する予定です。
死ぬ前に神経をネットワークに移行してデジタルになれれば良いなと考えています。
手段は問わないのですが不老不死にはなりたいですね。
──小説を書く時に、特にこだわっているところは?
読者さんが『楽しい』と思ってくれる事。それだけを意識しています。
こだわりや、作家性や、思想や、目的など。
そういう物はなるだけ持たないように出来たら良いな、と思います。
──アイデアを出したり、集中力を高めたりするためにやっていることは?
編集さんの顔写真を心霊スポットにばら撒いています。
──学生時代に影響を受けた人物・作品は?
タカヒロさん。王雀孫さん。丸戸史明さん。田中ロミオさん。
学生の頃から憧れていた人たちです。この方々の作品に影響受けまくってきました。
特にタカヒロさんには社会人になってから弟子入りし、たくさんの事を学びました。
師匠のおかげで今の僕があります。
──今現在注目している作家・作品は?
『声優ラジオのウラオモテ』は早くアニメ化してくれ~~! と思ってます。
『わたし、二番目の彼女でいいから。』などの作品が最近だとめちゃ好きでした。
──その他に今熱中しているものはありますか?
闇の黒魔術です。
編集さんには感謝しかありません。
──最近熱中しているゲームはありますか?
めちゃめちゃめちゃめちゃありますよ!
『ブルーアーカイブ』! 『ウマ娘 プリティーダービー』! 『V-Rising』!
『OMORI』! 『NEON WHITE』! 『CoreKeeper』! 『Grift lands』!
『ヘンタイプリズン』! 『ハミダシクリエイティブ』! 『 AMBITIOUS MISSION』!
『WORLD OF HORROR』の日本語版はいつ出るんですか……? 楽しみすぎ。
──それでは最後に、電撃オンライン読者へメッセージをお願いします。
『運命の人は、嫁の妹でした。』はポップなラブコメディです。
前世から続く少女への愛と、現世で抱いた妻への愛。
その2つの間で揺れる、王道三角恋愛物語です。
ただほんの少しだけ、地球が滅んだり、多次元世界を冒険したり、宇宙の深奥の化物と対峙したり、巨大な蝸牛に肉を溶かされたり、愛と勇気を信じてみたりする事があるかもしれません。
あなたがもしもこの作品を手に取った時、騙された。と感じてしまう事があるかもしれません。
期待した内容とは違う時があるかもしれません。
けれどその驚きは、決して悪い物では無い筈です。
『運命の人は、嫁の妹でした。』はポップなラブコメディです。
それだけは間違いではありません。お約束します。
丁寧にラッピングされたびっくり箱のような作品ですが、ほんの少しの好奇心と、ほんの少しの期待と一緒に、僕たちのお話を読んでくれたら嬉しいです。
今日は最後まで付き合ってくれてありがとう! それじゃばいばい!
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『運命の人は、嫁の妹でした。』
- 著者:逢縁奇演
- イラスト:ちひろ綺華
- 発行:電撃文庫(KADOKAWA)
- 発売日:2022年7月8日
- ページ数:328ページ
- 定価:726円(税込)