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工場建設サンドボックス『Satisfactory』をレビュー。工場網の整備に時間を忘れる傑作【海外ゲーム名作案内】

柏又
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 海外ゲーム大好きな担当ライターが実際にプレイして気に入ったタイトルを紹介する“海外ゲーム名作案内”コーナー。今回は、Coffee Stain Publisingよりアーリーアクセス中のWindowsソフト『Satisfactory』をとりあげます。

 開発を担当するCoffee Stain Studioは『Goat Simulator』などで知られるスウェーデンのソフトメーカーです。

 プレイヤーは、FCSIT社の開拓者となって未開の惑星におりたち、鉄や銅といった資源を採掘。これらを精錬・加工することでさまざまな工業製品を生産し、シャトルや軌道エレベーターを利用して宇宙へ打ち上げることが目的となります。

 最初のうちは採掘もノミを使った手掘りですが、設備が整うと電力がある限り自動で鉱石を掘りだす採鉱機を建設可能となります。最終的には、資源の埋蔵ポイントをキーに、採掘から精錬、各種製品への加工までを自動で実行する一大工業地帯を建設できるのが本作のだいご味です。

 時間を忘れて没頭できる本作の魅力について解説します。

未開の大地に建設された巨大な工場が心をくすぐる

 ゲームを開始してしばらくのうちは、惑星内で取れる資源を使って工業製品を作り、HUBと呼ばれる中枢施設をアップグレードしていくことになります。アップグレードの過程は一種のチュートリアルとなっていて、進めるごとに“採鉱機”や“製作機”といった自動で稼働する機械が建設可能になります。

 最初は手掘りや“携帯型採鉱機”で採集した資源を、HUBにある工作台に持ち込んで加工しますが、アップグレードで各種機械がアンロックされると採鉱機から鉱石をインゴットにする“製錬炉”、そして製作機の間をベルトコンベアーでつないですべてを自動で行えるように。さらに、製作機で作った製品同士を組み合わせて別の製品を作る“組立機”を導入すれば、複雑な製品の生産も不可能ではありません。

 そこまでゲームを見渡してみれば、周りを見渡してみればそこらじゅうに機械が立ち並び、その間をベルトコンベアーと電線が走る一大工業地帯となっていることでしょう。大地の中に広がる工場を作り出していくだいご味は本作の大きな魅力です。

 操作性は非常に良好で、ベルトコンベアーや工場などをスムーズに建てていけるあたりも時間を忘れて没頭できるポイントだと思います。

機械を並べてベルトコンベアー引き直す効率化にハマる

 最初のうちは資源の埋蔵ポイントからなんとなくベルトコンベアーをつなげて工場地帯を作っていきますが、作れるものが増えていくと次第にベルトコンベアーが絡まってきて資源のつながりがわかりづらくなってきます。また、長すぎるベルトコンベアーはそれだけで生産効率を落とす原因です。

 本作では先に金属製の土台を建設し、その上に機械を設置することで並びを整然とさせることが可能です。また、工業地帯を建設したい場所にまず展望タワーを建て、その上から下を見下ろしつつ建設を行えば機械同士のつながりがわかりやすくなります。

 ゲームが進んで生産に余裕がでてきたら、一帯に土台を敷いてより効率的な生産ラインを作り出していくのも本作の楽しみ方のひとつです。解体時に建設に使った資材がほぼ戻ってくるのもうれしいところですね。

 さらに、本作ではトラックなどを使った輸送網を作ることも可能で、さらにバリエーションの豊富な工業地帯を目指すこともできます。こうなると時間がいくらあっても足りないですね。本作は2年ほどアーリーアクセスが続いていますが、すでに150時間以上遊べるボリュームがあるそうです。

未開の大地を探索する要素も〇

 本作のフィールドは30キロ平方メートルもある広大なオープンワールドとなっていて、各種資源を集めるためにはもちろん探索しなくてはなりません。序盤の発電には葉や木といったバイオ素材が必要となるので工場を動かすために人間が走り回る、というわりと奇妙な状況になるのも本作ならではですね。惑星にいる原生生物の中にはプレイヤーを攻撃してくるものもいるので命がけです。

 工場による生産以外に、こういった探索で入手したものを“MAM”と呼ばれる分析機にかけて新たな装備などを開発していく要素も本作には用意されています。工場で必要なものを生産している間に探索で燃料や分析できそうなアイテムを探していく、というのが本作のサイクルになる感じですね。

 敵対する原生生物は一度に複数に襲われることもあり、結構な緊張感が楽しめると思います。

優れたUIとチュートリアルで遊びやすい

 サンドボックス系のゲームにもいろいろありますが、本作で特筆すべきなのはその“遊びやすさ”にあると筆者は思います。まだ、アーリーアクセス中ということもあり、ストーリー的なセリフのやりとりなどはありませんが、序盤の研修を通して各種機械の使い方を教えてくれるので、初めてプレイする人でも広大な工業地帯を建設可能です。

 また、なにかを作る時に素材が足りない場合、製作画面やOキーで開くコーデックスのレシピから“やることリスト”に追加することで、必要な素材を常時表示できるなど、細かい部分もユーザーフレンドリーにできています。

 サンドボックスゲームというとできることが多いぶん、始める前から身構えてしまう印象がつきものなのですが、本作はそのあたりが非常にマイルドで遊びやすく好印象ですね。先に書いたとおり遊びやすいからこそ没頭できるのだと筆者は思います。

機械をベルトコンベアーでつなげているだけで時間が消し飛ぶ傑作!

 ここまで紹介してきた『Satisfactory』。すでにアーリーアクセスの開始から2年以上経過しているだけにかゆいところに手届く内容となっていて、多数の機械をつなげていく複雑なゲームであるのに面倒くささをあまり感じないのは正直にすごいと思いました。

 今後もかなりのアップデートが予定されており、まだまだこれから遊べる要素が増えるかと思うと期待で胸がいっぱいになります。登場から2年経っているのでサンドボックスゲーム好きならすでに遊んでいることかと思いますが、まだであれば絶対に遊ぶべき1本だと思います。

 また、工作機械がずらっと並ぶ絵面から難しい印象を受けるかもしれませんが、ゲーム自体は遊びやすいので初心者でもオススメできる内容ですね。筆者のようにベルトコンベアーと工作機械がグチャグチャに配置された工場になってしまうのもまた一興です。

 登場から2年経った今から遊んでも遅くない、むしろこれからが楽しみな1本です!

© 2020 Coffee Stain Studios. Developed by Coffee Stain Studios. Published by Coffee Stain Publishing. All rights reserved.

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