『シン・クロニクル』開発者インタビュー。今後の改修点や第4界層の注目ポイント、『チェンクロ』コラボについて聞きました!

ライターM
公開日時

 セガのiOS/Android用RPG『シン・クロニクル(シンクロ)』の開発者インタビューをお届けします。

 今回、総合ディレクターの松永純さんにお話を伺いました。ユーザーから寄せられている反響や要望、課題点をはじめ、今後予定されている改修点や7月29日に開催が決まった『チェインクロニクル』コラボについてなど、かなり踏み込んだ内容でお届けします。

第1章~第3章メインストーリーの反応は?

――まずは第1章~第3章のストーリーや各章エンディングの選択に対するユーザーさんの反応はいかがですか?

 メインストーリーについては非常によい反響をいただいていますね。まず第1章、ギュンターとアンネふたりの隊員を巡る物語は、最初の大きな選択ということで、運命の選択そのものの葛藤について、本当にたくさんの声をいただきました。

 運命の扉の前ですごく迷いましたとか、選んだ後の物語に衝撃を受けたなど、シン・クロニクルでしか味わえない物語のおもしろさを多くの方に受け取ってもらえたと感じています。

 第2章や第3章についても同様ですね。ストーリーについての反響も多いですし、第2章では運命選択のシーンで提示される“選択後に仲間になるキャラクター”が、「えっ!?」と驚く内容になっています。第3章では、運命選択の後にさらなる展開が待っています。こうしたストーリー上の仕掛けの部分についても多くの反響をいただきました。

 また最近ですと、外伝ストーリーに、メインストーリーの選択によって仲間になった隊員がドラマにしっかり登場する点なども、いい反応をいただけていますね。

――外伝ストーリーに関しては、運命の選択でどちらを選んだ場合でも基本的な流れは同じなのでしょうか?

 はい、メインストーリーのように大きく結末が変わるようなことはないですが、選んでいただいたキャラごとに、シーンや細かな会話内容は変わってきます。たとえば最初の外伝だと、仲間と一緒にアイテムを作るシーンがあるのですが、その作るものが変わったり。

――そうだとしても、ストーリー制作にかかる労力はかなりのものですよね?

 そうですね、そのキャラを出すだけで単純作業で考えても労力は倍になりますし、ドラマをきれいにつなげるための検討や、チェックなども含めるとものすごく労力が増えます。

 ですがメインストーリーで選択をして仲間に迎えたら、そこでお終いという形ではなく、その先も冒険がつながっているという部分をユーザーさんに感じてもらうためにも、そこは今後もやっていきたいと思っています。

――運命の選択とか各章終盤の意外な展開など、驚きを感じさせる仕掛けは今後も続いていく感じでしょうか?

 運命の選択はもちろん、今後も章のクライマックスで登場します。それ以外のシステム的な仕掛けは必ずしも必須のモノではないと思っていますが、毎回ドキドキできるよう、ストーリー展開も含めて、様々な形でのクライマックスをお届けしていくつもりです。

――ちなみに……第3章のラストではどちらを選んでも■■■をめぐる戦いに発展するのでしょうか?

 はい、どちらを選んでも発展します。ですが、第3章だけでなく、第1章からの選択の内容によって、その戦いの展開は大きく変わるようになっています。「おおっ!?」と思える展開になっていますので、未プレイの方はぜひ進めてみてほしいです。

――以前開発レターの中で、「獲得しなかったキャラクター」について触れられていましたが、たとえば選ばなかったほうのキャラクターを入手できる可能性はあるのでしょうか?

 生放送などでも告知しましたが、それはしません。大前提として、我々としてはユーザーさんが大きな葛藤を感じながらも選んだ物語を、大きく覆すようなコンテンツを提供するつもりはないです。

 一方で選択はこのゲームの超重要な要素ですから、選んだ運命を変えるとか、選ばなかったはずのキャラがしれっとパーティに入るというのはNGという前提で、もう一方の物語をなにかしら見たいという要望は余地があるかもしれないとか、キャラクターを選んだことによるゲーム的な有利不利を埋めるような対応は必要かもしれないとか、フォロー的な補完については慎重に検討をしていました。

 この件については、アンケートのほうも取らせていただいて。潜在的な声もふくめて、きちんと要望の大きさを受け取らせてもらって、判断をさせていただきました。

 アンケートでは、そもそもNGと考える踏み込んだ対応ふくめて、物語面・ゲーム面での様々な補完パターンについて挙げさせてもらったのですが、結果としてはそもそもNGと考える項目以外は、一定の要望があったものの、かなり票がばらける結果となりました。

――確かに、ゲームバランスで見るか、物語の魅力として尊重するかというところでもプレイヤーの意見が分かれそうですね。

 はい。また、本当にありがたいなと感じたのは、アンケートのフリー意見欄に、「私たちはプレイした物語を大切にしたいから、絶対にそれに反する対応はしないでほしい」という旨の声を多くいただいたことです。

 そこで結論として、一部アビリティの覚醒について差が出てしまう点についてのみ、先のアップデートで対応することを決めさせていただきました。今後も、本作の要であるストーリーについては、プレイした方が選んだ物語をより強く感じてもらえる方向で、よりよいお届けをしていきたいと思っています。

7月29日から開催される『チェインクロニクル』コラボについて

――個人的に非常に楽しみにしている『チェインクロニクル』コラボについて伺います。フィーナと主人公、それぞれにストーリーは用意されるのでしょうか?

 はい、もちろんご用意しています。これは『チェンクロ』を遊んでくださっている方々はぜひ期待していただければと!

 今回、あえて9年前のチェンクロ第1部の頃のビジュアルを使用しているのですが、思わずハッとあの頃を思い出すような、凝った仕掛けのドラマも用意していますので、ぜひプレイしてみていただきたいです。今プレイしてくれている方も、かつてプレイしてくれていた方も、楽しめる内容になっています。

 それと、3Dモデルの頭身が結構大きく変わるので、バトルシーンも見どころとしては大きいですよ!

――大きい頭身の3D化は初じゃないですか?

 そうですね。必殺技シーンでは、チェンクロを知る方にはおなじみの技を、ド派手に繰り出してくれるので、ぜひふたりを使ってバトルを楽しんでもらえればと思います。

 またキャラクターはどちらもプレイで入手できるのですが、キャラを獲得してキャラストーリーを見たら終わりではなく、フィーナ&主人公と冒険するとメインストーリー中にキャンプシーンが発生したり、運営イベントの随所でチェンクロにちなんだ報酬が手に入ったりと、楽しめる要素がたくさん入ったコラボになっておりますので、ご期待いただければと思います!

――ヴェルナーやシュザ、ヨシツグといった他のキャラクターも実装される可能性はありますか?

 そうですね、今回のコラボでご好評をいただければ、両タイトルをクロスしたコラボはぜひやっていきたいと思います。

7月22日『チェンクロ』コラボ特番生放送をCHECK!

第4章の注目ポイントを教えてください!

――6月末に配信された第4章のストーリーの見どころを改めて教えてください。

 一番の見どころは、新たな騎士団『西方大騎士団』が登場するところです。第3章でもソフィアたち北方大騎士団が登場したストーリーで好評をいただきましたが、今回も主人公たちとはまったく異なる信念・信条のキャラクターたちがたくさん登場し、新たなドラマを繰り広げます。

 今回は、カーヴァルとウルナという2人のゲストキャラを中心に物語が進んでいきます。ふたりとも、これまで出会った騎士とは全く異なる魅力をもっているので、ぜひともに冒険を進めて、ふたりのドラマを感じてみてほしいです。

 そして奈落探査もいよいよ深くなってきたところで物語も大きく動いていきます。予告PVでもクロエを呼ぶ謎の魔人が登場していますが、戦いも激化する中、クロエを中心にさまざまな秘密も明かされていきます。ぜひ楽しんでいただけたらと思います。

――“呪印システム”という新要素も追加されましたね。

 そうですね、新武器種の『符』を装備できるキャラが使用できます。ゲストキャラのウルナが所持していて、ストーリーの途中からバトルに参加しますので、そこから使えるようになっています。あとは第4界層ガチャのクンツァイトというキャラクターも使用できます。

 画面に呪印を描くアクションをすると、バトル中にボーナスが発生するという遊びになっています。

――ゲストキャラのウルナとカーヴァルの魅力についてお聞かせください。

 本当に対照的な2人で、カーヴァルは復讐に燃える魔導士で、ここまで出てきた男性キャラクターの中では圧倒的なアウトローの魅力を持っています。アウトローでダークヒーローという彼の生き様をどう感じるかはプレイヤー次第だと思いますが、ダークな部分も強い魅力になっているので、ぜひ彼と一緒に旅をしてもらえばと思います。まあ困ったヤツなんですけど(笑)。

――第一印象で『チェンクロ』のヴェルナーとちょっと似ているなと思ったんですよ(笑)。

 そうですね、刻印者という設定を背負ったキャラクターでもあるので、『チェンクロ』をプレイされている方にとっては「お!?」っと引っかかる部分もあるかも。アウトロー具合はヴェルナーに勝るとも劣らず、さらにひとまわりダークな男です。

 逆にウルナのほうは、無茶苦茶けなげでいい子です。アンネもステンノもリザもみんないい子だったと思いますが、さらに突き抜けた善人で、そのひたむきさに対して思わず応えたくなってしまうようなキャラクターです。

 ちなみにウルナは精霊使いで、ミュトスとすごく深く絡むのですが、ふたりのやりとりはとにかくキュンときます。切なくて、そしてかわいいです。

 そんな対照的な2人が、クライマックスでどんな運命を提示するのか。ぜひドキドキしながら、物語を進めていただけたらと思います。

――では、システム面での見どころなどはいかがでしょうか?

 新たな要素として第4界層のキーキャラクター4名全員に“SPECIAL FIRST ATTACK”というものを実装しています。

 これは、ダンジョン探索中にFIRST ATTACKを成功させると、キャラクターごとに固有の効果が追加されるという内容になっています。新しいキーキャラクターをパーティに入れた際の、楽しみのひとつになればと思います。

ゲームバランスについて気になったことを直撃!

――ストーリー中、あえてシールド値を設定していないことで手強く感じる敵も登場しますが、この辺りの戦闘バランスはどのような基準で設定されているのでしょうか?

 そうですね、シールドは割るのに苦労しますが、逆に割ればチャンスが大きく攻略がしやすいので、シールドの性質にあわせて手数や1発のダメージが大きいキャラの活躍の場になっています。シールドのない強敵は、純粋に総合力の勝負になりますし、複数いる場合は範囲攻撃が有効など、ある程度の攻略の幅が出るようにしてもらっています。

 ただ、一部のボスキャラは、攻略がうまくいかないとかなり苦戦するバランスにもなっていました。このあたりは、第4章のタイミングで、第3章までの難所はすべてバランス調整がされていますので、苦戦して止まっていた方はぜひ再チャレンジいただければと思います。

――リーハンの外伝ストーリーの“上級試練”が結構難しいと感じたのですが、SNSで調べてみるとみなさんいろいろとパーティの組み合わせを工夫されているなと。

 はい、各クエストで工夫を楽しんでくださっている方が多くおり、ありがたいですね。

 ただ、リーハンの外伝はちょっと難易度が高すぎたので反省しております。攻略法を見出すのもかなり難しいのですが、それを見つけてもプレイですこしミスすると勝てないバランスになってしまっていたので、やりすぎだったなと。

 それと、報酬が誰しも欲しいものだったので、上級者でない方も挑む形になったのもよくなかったです。今後も、攻略の楽しさは各所に置きつつも、バランス設定の適正化を進めていきたいです。

――現状、敵もプレイヤーもそこまで強さのインフレを感じることなく楽しめているのですが、このあたりの難易度バランスはどのような感じで設計されているのでしょうか?

 メインストーリーの本編を攻略するには、すべて★3以下のキャラクターでもレベルを上げて、武器を強化してもらえればクリアできるバランスを目指しています。その先のやりこみコンテンツについては、キャラクターを覚醒させたり、武器も高レアリティのものを入手しつつ、攻略法を見つけることで倒せるというバランスにしております。

 インフレについては、まだキャラクター数もこれから増えていく段階ですので、さまざまなキャラクター同士での組み合わせを楽しんでもらうためにも、インフレは抑えて、いろんなパーティで攻略する楽しさを味わっていただけるようにしたいと考えています。

――例えば救出イベントなどは、現状のレベルキャップに合わせて相対的に敵の強さが上がっているのでしょうか?

 はい、レベルキャップが上がる分は、新しいコンテンツの敵の強さは上がっていますね。深層に関しては、メインストーリーの最新のところまで遊んでいる方たちを対象にした難易度に設計されています。逆に、表層はシン・クロニクルを始めたばかりの方でもある程度報酬を獲得できるというポリシーで設計してもらっています。

――とくに脱出イベントでは、羽を集めることでレベル云々よりも強力なバフを得て戦力が底上げされているところが絶妙だなと感じます。

 ありがとうございます。ただ、ちょっと難しいという意見もありました。脱出イベントについては、時間内に脱出できるかというところと、その上でタイム記録が出せるかという2段階あります。脱出自体はもっと手前の章を遊んでくださっているユーザーさんでもクリアできるようにという方針で、バランス設計をしていきます。

イベント内容とプレイサイクルについて

――これまでにもさまざまな改修を行われている印象ですが、イベントの内容やプレイサイクルに関して、今後どのような改修を予定されているのかお聞かせください。

 まずは蝕イベントにおいて、ランキングのシステムを一新させていただきました。これまではMVPをめぐって手柄の奪い合いといった、ひと昔前のレイドイベントのようなところが強かったのですが、ユーザーのみなさんから本作のゲーム体験としては好ましくないというご意見を多くいただき、大きく変更をさせていただきました。

 また、大きな課題としてあったのが、せっかく育てたパーティの育成成果を感じづらいゲームバランスになっていたことです。

 そこで、パーティを鍛えたことが、わかりやすくダメージ量に反映されるようバランス調整を行いつつ、レイドボスに対して1回のバトルでどれだけのダメージを出せるかを競うダメージランキングという形を軸に、イベントを再構築しています。

 改修した今回のイベントについては、一定の好評を頂けたかと思っています。ですが一新して初回ということもあり、ハイスコアに運要素が強いですとか、イベント中に記録を伸ばしていく余地が少ないなど、バランス面で改善すべき点がいくつもありますので、きちんと調整し、次回以降さらに楽しめるイベントとして実施していければと思っています。

 また、イベント報酬やガチャで獲得したキャラクターが活躍するイベント期間が短いというところも、改善を進めています。現在は、脱出や救助イベントのガチャで獲得したキャラクターも、その後の蝕イベントで活躍してもらえるようにバランス設計をしてもらっています。

 今後は、新しく常設型のエンドコンテンツも実装を予定しており、そこでもきちんと活躍できるようにすることで、育てたキャラが長く・様々なタイミングで活躍できるプレイサイクルを目指していきます。

――前回の生放送でストーリーイベントについても発表されていましたね。サマーイベント、楽しみです!!

 はい。メインストーリー以外のストーリー要素は、現在は外伝のみですが、ここから先は季節に合わせたイベントストーリーを提供させていただいたり、各種イベントや施策と連動する形で、ストーリーが展開するような運営を行っていきます。

 サマーイベントでは、脱出・救助・蝕イベントとつながる形でストーリーが展開し、イベント内でも砂浜マップが登場するイベントが用意したりします。シン・クロニクルはストーリーのシリアス要素がかなり強いですが、今回はヘルドラの夏休みという感じで、かなりポップなストーリーが展開します。いつもとちがう雰囲気を楽しんでいただければと!

――非常に個人的かつ具体的には……水着ビスケの実装をぜひ……!

 ピンポイントですね(笑)。

新機能や改修予定のシステムなどは?

――今後実装予定の新機能であったり便利機能、改修予定のシステムなどありましたらお聞かせください。

 はい、さきほども触れましたが、常設型のエンドコンテンツとして、よりバトルに特化して楽しんでもらえるシステムを用意できればと進めています。

――イメージ的には未踏域みたいな感じですか?

 一人用のやりこみコンテンツという意味ではそうですね。ですが完全な常設ではなく、シーズンで更新されていくタイプの運営要素もあるバトルコンテンツになる予定です。様々なボスキャラが登場し、シーズンごとに育てたキャラクターを使って攻略パーティを考えるのが楽しいコンテンツになればと思っています。

 また今後の改修については、よりキャラクターを育てることの楽しさを強めることを意識して、進めていくつもりです。

 直近ですと、育成素材が獲得できる、デイリークエストの実装を予定しています。これまで入手しづらかった素材なども入手できるコンテンツになる予定です。

――個人的には“モノリス”の入手難易度もあって、“精霊”の有り難みが今ひとつ感じづらいといいますか……。精霊の育成はやはり、エンドコンテンツ扱いなのでしょうか?

 そうですね、ここも正直もったいない運営になっていたので、変更してもらいました。先日の蝕イベントでは、ランキング報酬などを中心に、モノリスの獲得数を増やして覚醒が体験できるようにバランス変更してもらっています。

 また、まずは覚醒の効果を体験してもらえるようにということで、先日ワールドクエストで、★6に精霊を覚醒できる体験クエストを配信しています。★6精霊は攻撃スキルを専用スキルに付け替える能力というのを持っていて、パーティの戦略の幅もさらに広がります。未獲得のかたはぜひプレイして、精霊とモノリスをゲットしてもらえればと思います。

――ありがとうございました。それでは最後に、『シンクロ』ユーザーに向けてメッセージをお願いします!

 第4章も配信して、メインストーリーはますますボリュームアップし、熱いストーリーが進んでいっております。どの章の運命選択も、どっぷり入り込んで、ドキドキできるものになっておりますので、まだ未プレイの方、ぜひ主人公たち境界騎士たちの物語を体験していただけたらうれしいです!

 そして運営のほうでは、改修と新コンテンツを進めつつ、新しいヘルドラのストーリーの物語、メインストーリーからさらに広がっていく地上の物語を描いていきますので、夏以降の展開もぜひご期待いただければと思います!


©SEGA

本記事はアフィリエイトプログラムによる収益を得ている場合があります

シン・クロニクル

  • メーカー: セガ
  • 対応端末: iOS
  • ジャンル: RPG
  • 配信日: 2022年3月23日
  • 価格: 基本無料/アイテム課金

シン・クロニクル

  • メーカー: セガ
  • 対応端末: Android
  • ジャンル: RPG
  • 配信日: 2022年3月23日
  • 価格: 基本無料/アイテム課金

関連する記事一覧はこちら