富野監督が劇場版『Gのレコンギスタ IV』で“見抜けたら面白い”部分を明かす

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 7月23日に開催された、劇場版『Gのレコンギスタ IV』“激闘に叫ぶ愛”公開記念舞台挨拶のオフィシャルレポートが公開されました。

 以下、リリース原文を掲載します。

公開記念舞台挨拶開催! メインキャスト&富野由悠季監督大集合で激闘の裏側を大告白

 7月22日(金)より公開の劇場版『Gのレコンギスタ IV』「激闘に叫ぶ愛」の公開記念舞台挨拶が本日、新宿ピカデリーにて実施されました! 

 舞台挨拶には主演の石井マーク(ベルリ・ゼナム役)のほか、嶋村侑(アイーダ・スルガン役)、佐藤拓也(マスク役)、逢坂良太(クリム・ニック役)、に加え、総監督の富野由悠季が登壇し、第4部への熱い想いを披露!

 マスク役の佐藤拓也は、作品の見どころについて「劇場でしか感じることができない奥行きやスケール感みたいなものを全身で浴びて欲しいです」と劇場版ならではの楽しみ方を熱く語りました!

 また、富野由悠季総監督は鑑賞前のお客さんに対し、「ネタバレというのが、僕の年代では全く分かりませんが、ネタバレをしても面白いのが『G-レコ』なんだから」と自信満々に語り、会場が大いに盛り上がりました!!

【イベント名】劇場版『Gのレコンギスタ IV』「激闘に叫ぶ愛」公開記念舞台挨拶
【開催日】2022年7月23日(土)12:10-12:40
【場所】新宿ピカデリー シアター1
【登壇者】石井マーク(ベルリ・ゼナム役)、嶋村侑(アイーダ・スルガン役)、佐藤拓也(マスク役)、逢坂良太(クリム・ニック役)、富野由悠季総監督 MC:綾見優希

 富野由悠季監督最新作となる、『Gのレコンギスタ IV』「激闘に叫ぶ愛」が7月22日(金)から公開がスタート。翌7月23日(土)に本作の公開記念舞台挨拶が新宿ピカデリーにて行われた。

 舞台挨拶には、富野由悠季総監督、ベルリ・ゼナム役の石井マークさん、アイーダ・スルガン役の嶋村侑さん、マスク役の佐藤拓也さん、クリム・ニック役の逢坂良太さんの5名が登壇。

 まずは、それぞれがひと言ずつ挨拶。石井さんが冒頭で、来場者に「すでに第4部を見た方」と聞いたところ、約半数が挙手。そのファンの熱量の高さに登壇者も驚かされていた。

 嶋村さんは「第3部も盛り上がっていたと思ったのですが、第4部はもっとすごい『G-レコ』になっていますので、ぜひ楽しんでください」と語り、佐藤さんは「見る度に印象が変わり、目の数が足りないほどの情報量なので、宇宙酔いに気をつけてください」と第4部の始まりに向けて挨拶。

 上映開始前の舞台挨拶ということで、キャスト陣がネタバレを気にする中、富野監督は「ネタバレというのが、僕の年代では全く分かりませんが、ネタバレをしても面白いのが『G-レコ』なんだから」と、ネタバレを気にせずにトークを楽しんで欲しいという意味を込めて挨拶。

 キャスト陣も「そうだ!」と呼応して、多少のネタバレは気にせずトークがスタート。

 まずは、本日の登壇者のファッションをチェック。キャスト陣も石井さんと嶋村さんは劇中にも登場するGメタルのネックレスを着用。

 佐藤さんと逢坂さんは自身の演じるキャラクターが搭乗するモビルスーツがプリントされたTシャツを着用。

 富野監督はGキャップにジャケット姿で「『G-レコ』はガンダムじゃないって言っているけど、ジャケットはガンダムです」とコメントし、観客の笑いを誘いつつ全員がこだわりの衣装で登壇していることが語られた。

 最初の問いは、ついに第4部が公開されたことについて。

 石井さんは「やはり予告編でも一部公開されているマスクとの戦闘シーン。その表現がすごいと思ったので、ぜひそこに注目して欲しいなと。それ以外にも見所はたくさんあるので、皆さんが思うように見ていただければと思います」と名シーンへの思い入れを語った。

 続いて嶋村さんは「実は、昨日劇場でお客さんとして観たんです。すごい迫力でした。これをたくさんの人に見てもらえるんだなと、今はすごくワクワクしています。みなさんの感想をSNSで読みたいので、ぜひ発信してください!」と興奮冷めやらぬ様子で感想を語ってくれた。

 佐藤さんは「いろんな映像がウェブやサブスクで見ることができる中で、チケットを買ってこうして映画館に足を運んでもらえて、すごく幸せな作品だなと思っています。能動的に劇場に来てもらったからこそ残るものがある作品なので、最後までお楽しみください!」と来場したファンたちに感謝の気持ちを述べた。

 逢坂さんは「アフレコをしたのがつい最近なので、正直熱も冷めやらぬまま公開を迎えてビックリしています」と、まさに完成したばかりである本作の感想を語った。

 富野監督は「アニメの仕事をやっていて、ライブ感覚を持つとは思ってもいなかった。でもこの作品をやってきて4本目の公開を迎えてつくづく思うのは、やはり作品は観客がいて、劇場に来てくれて、それをみんなで一緒に観る、そういうものを作れることが芸能の仕事であり、アニメも芸能の一部なんだということを実感させてもらっています」と、観客と共にライブ感覚を味わえるこの場を迎えられた嬉しさを滲ませた。

 次の質問は劇中でのキャラクター同士のドラマや戦闘など、注目して欲しいシーンについて。

 佐藤さんは「劇場でしか感じることができない奥行きやスケール感みたいなものを全身で浴びて欲しいです。追加シーンもたくさんあるんですが、そこも新しさだけじゃなく“馴染む”仕上がりになっているので楽しんでください」と映画全体から味わえる雰囲気に注目。

 石井さんはマスクとベルリの戦闘シーンに加え、「『G-レコ』は全体的にモビルスーツの目の表現が追加されていて、キア隊長の乗っていた巨大な電子レンジみたいな機体(コンキュデベヌス)の目が潤っとなる感じを見ていて、なんだかちょっと寂しくなりました」と語ると、富野監督がその発言に反応。

 「寂しくなるという表現にびっくりしたんだけど、その言い方はよくわかるの。僕はその単語が浮かばなかったけれど、すごくいいシーンになったんだよね」と石井さんの想いに同意した。

 それに続けて石井さんは「シーンの見せ方が変わって新しくなった結果、今までとは違う感じ方ができる表現がたくさんあるので、何度も見て発見して欲しいです」と語った。

 嶋村さんは「私は昨日劇場で見ていて、ノレドのセリフがいろんなヒントになっているなと思ったんです。本筋の物語だけじゃなく、物語にちりばめられたヒントをノレドが言ってくれている気がするので、そこを聞いて欲しいですね」と作品世界をより深く理解できるポイントとしてノレドというキャラクターの名前を挙げてくれた。

 逢坂さんは「モビルスーツに感情が見えるようなシーンがあって。フォトン・トルピードというすごい兵器を使った後、G-セルフの瞳がベルリの感情と重なるように震えているんです。機械なのに感情があるように見えるのはテレビシリーズではなかったので、そこがとても印象に残りました」と、より密度が増したモビルスーツ描写について関心したことをコメント。

 続いての質問は富野監督に向けて、劇中で描かれる人間の身体性と世界観の描き方について。

 富野監督は「モビルスーツの操縦席で、イスに座ったまま半日もいられるか? ということを想像した結果です」という言葉を皮切りに、モビルスーツのコックピットの大きさやトイレの存在、そしてそこから導き出されるモビルスーツの大きさにまでこだわっていることを語ってくれた。

 また、劇中では戦闘しながら台詞を言うのは「本当はおかしい」と指摘しつつも、「説明せず映像で描くこともできるけど、それは映画にならない。だから台詞を入れて尺を伸ばしている魂胆もあります。でも“そういうところも見抜けたら面白いぞ”という作り方をしているので、第4部に続いて第5部も見てください」とさらなる楽しみ方を示してくれた。

 続いて、メカニカルデザインを務める安田朗氏とのやり取りや、DREAMS COME TRUEの楽曲の完成度に嫉妬するなど、「スタッフとのやり取りが原動力になったのか?」と問いかけられ、

 「原動力になっているかというよりも、安田朗からケンカを売られ、ドリカムの中村正人さんからもケンカを売られ、それに応えなければならないとなったわけです。

 彼らとは年齢が30も違うんです。30の年齢差を乗り越えるためにどうするかというと、80のジジイの理屈をそのままぶつけて総監督権限で黙らせることもできますが、それをやってしまうと年寄りの戯言のアニメができてしまうんです。

 それをしたくないために、全部言うことを聞くし、売られたケンカは買う」と仕事の姿勢を披露。

 自身より、若いスタッフとのやり取りさえも作品のクオリティアップに繋がっていることを語ってくれた。

 ここで楽しいトークの時間も終了。フォトセッションを挟んで、富野監督の挨拶で舞台挨拶が締めくくられた。

 「本当に皆さんのご協力をいただけて、ようやく昨日公開となった第4部、そして2週間後には第5部が公開され、『Gのレコンギスタ』は完結させていただきます。本当に長い間ご支援いただきましてありがとうございました。末永く記憶の中に留めていただけたら嬉しく思います」

 富野監督によるファンへの感謝の言葉に大きな拍手が贈られ、舞台挨拶は終始和やかな空気のまま終了した。


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