『ソニック・ザ・ムービー/ソニック VS ナックルズ』視聴レポ。新たなソニックと見慣れた2匹の物語があった!
- 文
- たく坊
- 公開日時
8月19日に全国で公開予定の映画『ソニック・ザ・ムービー/ソニック VS ナックルズ』のレポートを掲載します。
本作は、世界中で人気のゲーム『ソニック』シリーズを原作としたハリウッド実写映画『ソニック・ザ・ムービー』の続編。新たなキャラクター“テイルス”や“ナックルズ”が登場します。
海外ではすでに公開されており、興行収入が前作の3億1,971万ドルを超える3億3,164万ドルを達成。全米でゲーム原作映画史上最高の興行収入を記録しており、大ヒットとなっています。
以下では、試写会で観賞した感想を交えつつ、見どころや注目のポイントを紹介していきます。
新作でソニックが成長していくさまがより鮮明に描かれる
原作であるゲームシリーズとはまったく違うストーリーとなっている映画『ソニック・ザ・ムービー』。前作では、ソニックの幼少期から現在に至るまでが描かれました。
映画のソニックを一言で表すなら“お調子者”。ものごとがうまくいきそうな時も、いかなさそうな時も、軽口を叩き続けるところがあります。
空気の読めていない発言や、周囲の影響を考えていない行動を取る中で、カッコいいところや頼りになる一面も見せます。また、つねにユーモアを忘れず、いざという時は決めるという特徴は、ゲームも映画も変わりません。ただし映画のソニックは、“クール”というポジションからは少し離れていました。
それでも周囲の人に認められて、ドクター・ロボトニック(エッグマン)を撃退するという偉業を果たし、立派に物事を結末へと導きました。エンディング後には、保安官“トーマス・マイケル・ワカウスキー(通称・トム)”の家で生活することになります。
映画『ソニック・ザ・ムービー』では少し独特なソニック像が描かれましたが、今作『ソニック・ザ・ムービー/ソニック VS ナックルズ』では、カッコよさがパワーアップしていました。個人的にはこの部分はかなり好印象ですね。
冒頭でのソニックは、街のヒーローを目指しているのですが、前作から引き続き“お調子者”。周囲の迷惑を考えずに街全体を巻き込み、悪党をド派手に成敗します。
しかし、誰からも街のヒーローとは認めてもらえません。それどころか、「ヒーロー失格」とまで言われてしまう始末。ソニックファンが憧れる“クールでカッコいいソニック”は、この時点では存在していません。
ソニックを説教するトムは、「いつか本当にその力が必要な時が来る」と一家に伝わる格言を伝え、ソニックは“本当のヒーローとはなにか、ヒーローは何をするべきなのか”を考えます。そこから徐々に成長していく姿が、本作の注目のポイントと言えるでしょう。
加えて、新キャラクター“マイルス“テイルス”パウアー”と“ナックルズ・ザ・エキドゥナ”が登場したことにより、ソニックの立場はさまざまな変化を遂げていきます。
トムと一緒にいる時のお調子者なソニック、テイルスと同行している時の頼りになるソニック。ナックルズと敵対した時の焦りを覚えたソニック。いろいろな一面を見せつつ、立場が変わっていくことでソニックは前作以上の成長を遂げていきます。
クールさがアップしたことでカッコいいソニックを見られるようになりつつ、ユーモアとお調子者という点は変わらずにあるという、彼を彼たらしめる要素を十分に味わえるでしょう。
前作で「自分の思っているソニックと少し違う」と思った人も、本作は納得できることでしょう。前作を見た人は、本作を見ることでより楽しめること間違いなしです!
テイルス、ナックルズが展開をさらに盛り上げる
これまでにもふれてきたように、テイルスとナックルズが大きな見どころとなっているのは間違いありません。
先ほどの内容とも少しかぶるのですが、前作『ソニック・ザ・ムービー』のソニックを観た時、ゲームのソニックを好きなファンは少し拍子抜けしたのではないかと筆者は思っています。というのも、ゲームシリーズのように物語全体を通してソニックのカッコよさがみられるわけではなく、情けない一面や敵にやられてしまうところ、さらにお調子者な部分も見せ、全体的に“子どもっぽさ”を感じるためです。
しかし、本作のテイルスとナックルズに関しては、ゲームファンの目線から見ても、ゲームの時に感じた魅力をそのまま味わえるキャラクター像になっていると感じました。
テイルスは相変わらず弱気ですが、好奇心とメカ好きの性格からソニックをサポートする相棒として活躍します。ナックルズはパワフルで男らしく、ソニックを圧倒するほどの力を発揮しますが、どこか抜けている天然ぶりを見せてくれます。
もし前作で「映画のソニックは思っていたキャラ像と違ったな」という感想を抱いた人でも、安心してテイルスとナックルズを見届けられると思います。なにより、筆者もその1人でした。
そんな2匹が、オリジナリティあふれるソニックと共演することで、作品全体の盛り上がりを補助します。映画のソニックをテイルスが見てどう思ったか、ソニックに敵対するナックルズが、どのようにソニックと絡んでいくのか……本作では、それが注目のポイントとなっています。
テイルスのメカに対する聡明ぶりは感心しますし、ナックルズのパワーからあふれ出るパワーは、見ていて気持ちがいいものです。加えて、今回は吹き替え版を鑑賞しましたが、テイルス役の広橋涼さんの演技はアニメ『ソニックX』から変わらず魅力的ですし、ナックルズ役の木村昴さんの演技はとても力強く迫力がありました。
個人的に好きだったのは、ソニック同様、ナックルズにも走るシーンや壁張り付きなどのゲームで見られるアクションシーンが用意されていたことです。“拳で殴る”イメージが先行しがちですが、『ソニック』シリーズでは、ナックルズもステージを走り回っていることを忘れてはなりません。もちろんテイルスの方も、独特なアクションを披露しますよ。
そんな“らしさ”を前面に出して作品を盛り上げる2匹のキャラクターがどのように活躍するのか。ぜひスクリーンでチェックしてみてください。
映画オリジナルキャラクターもしっかり活躍!
映画のオリジナルキャラクターとして、ソニックとともにドクター・ロボトニックを撃退したトム、その妻である“マディ・ワカウスキー”、トムの友人の“ウェイド・ウィップル”、ドクター・ロボトニックの助手である“エージェント・ストーン”が登場します。
彼らの存在は、物語に深くかかわってくるため、『ソニック・ザ・ムービー』を語るうえで欠かせません。もちろん、『ソニック・ザ・ムービー/ソニック VS ナックルズ』でも、物語に大きく関係しています。
ドクター・ロボトニック(エッグマン)がオリジナルキャラクターであるかどうかは難しいところではありますが、前作でキノコの星に飛ばされた彼も、本作で見事に復活し、ソニックへの復讐を狙っています。
人間とソニックのドラマも見どころの1つ。例えばトムとマディの場合、大きな力を持ったお調子者のソニックと一緒に生活するということで、生活があわただしくなってしまうことに。
また成長できないソニックを見て、トム、マディ、そして街の人たちはどう思っているのか。宇宙から来たと思われているソニックとどう接していくのか。このあたりのドラマはとても興味を惹かれます。
筆者がオススメするシーンで言うと、サブキャラクターの同士のウェイドとエージェントの会話のシーン。メインキャラのやり取りを差し置いて、非常にユニークなものになっていて、お気に入りです。
また、前作で“災難に見舞われた”マディの姉・レイチェルは、本作で重要な立ち位置のキャラクターになっています。彼女のパワフルな一面がより強くなっているのですが、どのように物語にかかわってくることになるのか、注目です。
ちなみに、本編以外の楽しみとして、『ソニック』シリーズとなじみの深いDREAMS COME TRUEの中村正人さんや、登録者数180万人を超えるYouTubeチャンネルを持つVTuber・戌神ころねさんがゲストとして声優に挑戦しています。
中村さんは、ソニックとテイルスが冒険の途中で出会い、ダンスバトルを繰り広げることになるコサックダンスの達人“チャンプ”役を務めています。戌神ころねさんの出演は……ぜひ劇場で確認してください。
見ごたえ十分なアクションシーンに注目!
原作のゲームがアクションタイトルであるならば、映画のアクション要素が多いのは当然と言えば当然ですが、本作でのアクションシーンは迫力満点です。
特に、音速で走ることができるソニックと、圧倒的なパワーを持つナックルズがぶつかることもあり、戦闘シーンは原作以上に注目ポイントと言っても過言ではありません。
閃光をほとばしらせ、スピンアタックを仕掛けるソニックの力は、果たしてナックルズに通用するのか。対するナックルズの力はどれほどのものなのか。スクリーンにかぶりついて見ていた筆者は、アクションシーンになるるたびに「きたきた!」と目を光らせていました。
ソニックやナックルズの戦闘シーンはもちろんですが、街をハイスピードで駆け巡るソニックのアクションも見ていて気持ちがいいですし、プロモーション映像などで注目されていたダンスシーンも、一見の価値ありです。
本作を見る際には、ソニックの成長、テイルスとナックルズの登場、オリジナルキャラクターの活躍に注目して、楽しんでみてはいかがでしょうか。
ちなみにゲームをプレイしていなくても楽しめる作品ですが、映画『ソニック・ザ・ムービー』から登場人物などの世界観や設定を引き継いでいるため、BDや配信などで前作を見ておくと最高に楽しめるかと。ぜひ公開前に音速でチェックして、そのまま映画館に足を運んでください。
(C)2022 PARAMOUNT PICTURES AND SEGA OF AMERICA, INC.
(C)2020 PARAMOUNT PICTURES AND SEGA OF AMERICA, INC. ALL RIGHTS RESERVED.
本記事はアフィリエイトプログラムによる収益を得ている場合があります
『ソニック・ザ・ムービー/ソニック VS ナックルズ』公式サイトはこちら