『Eyes in the Dark』をレビュー。モノクロの映像が印象的な秀作ローグライク!【海外ゲーム名作案内】

柏又
公開日時

 海外ゲーム大好きな担当ライターが実際にプレイして気に入ったタイトルを紹介する“海外ゲーム名作案内”コーナー。今回は、Gearbox Publisingより好評発売中の『Eyes in the Dark』をとり上げます。

 本作は、モノトーンで統一された絵本調のグラフィックが印象的な横視点のアクションゲームです。プレイヤーは、代々続くブルーム家の末裔である主人公のヴィクトリア・ブルームを操作して、化け物にさらわれた祖父を救うために暗闇にとらわれたブルーム家の屋敷を探索します。

 本作は主人公が倒されると、それまで獲得したパワーアップを失ってスタート地点からやり直しとなるローグライクなシステムを搭載したアクションゲームです。プレイ中にランダムで獲得できる武器やパワーアップを取捨選択し、自分なりに使いこなしていくローグライクならではのゲームプレイが楽しめます。

 それでは、モノクロのグラフィックで表現される不気味な世界と、2種類の武器を使いこなすアクションが特徴な本作について解説していきます。ちなみに筆者はXboxタイプのゲームパッドで本作をプレイしているので、ボタンの名前や配置などはXboxコントローラーが基準となります。

闇に包まれた屋敷にふさわしいモノクロのグラフィックが印象的

 本作は、屋敷のところどころをおおう暗闇を、ヴィクトリアが持つ懐中電灯とスリングショット(パチンコ)を使って切りひらいていきます。グラフィックはすべて白と黒のモノトーンで構成されていて、敵となる化け物は黒、ヴィクトリアとその味方となる武器は白を貴重として描かれています。

 白と黒の2色で統一されたグラフィックは、ちょっと不気味だけど可愛げのある絵本のようなキャラクターデザインによく似合っていて、独特な世界観をプレイヤーに印象付けてくれるでしょう。

 またこのグラフィックは、小さな主人公が底知れない暗闇を自分の力で突き進んでいく本作のゲームプレイと非常にマッチしていると個人的に思いました。

懐中電灯とスリングショットを使い分けて戦うのが楽しい!

 主人公ヴィクトリアが化け物と戦う武器は、懐中電灯とスリングショットです。

 筒先から光りを放つ懐中電灯は、通常なら日用品に過ぎないのですが光を苦手とする化け物にとっては立派な武器となります。初期状態ではみなさんが想像する懐中電灯と同じく光の帯が出るだけですが、道中で手に入る“電球”を交換すると放たれる光で化け物を撃つ本当の武器に変ぼうします。

 続いてスリングショットは、LTボタンを押しながら右スティックで狙いをつけ、LTボタンを放すと光の弾を放つ武器です。攻撃範囲、威力ともに懐中電灯より強力ですが、弾数には限りがあります。スリングショットの弾は、懐中電灯の光を化け物に当てると回復します。

 入手できるアップグレードにもよりますが、懐中電灯を併用していればスリングショットも比較的積極的に使える感じで戦えると筆者は思いました。ちょっと通常は懐中電灯中心でザコを倒しつつ、ちょっと手強い敵はスリングショットを多用して速攻で倒す、といった感じで2つの武器の使い分けがかなりおもしろいバランスになっています。

アップグレードの組み合わせを見つけるものも楽しい!

 また、懐中電灯やスリングショットのパワーアップには幻惑や炎上などの状態異常を付与できることも、さらに状態異常の化け物にダメージを与えたり攻撃を回避すると、体力回復や倒した化け物が爆発させる効果のあるパワーアップもあり、これらの組み合わせを狙っていくおもしろさがあるのも見逃せませないポインドですね。

コンパクトで無駄がないダンジョンの構成も好印象

 本作で主人公が探索するブルーム家の屋敷は、挑戦するたびにマップが変化します。マップは最大で9つのエリアが存在し、各エリアのボスである“守護者”を撃破すると鍵が使用可能となって隣のエリアへ行けます。

 エリアの構成は単純で探索はそれほど手間がかかりません。重要なのは守護者のいる部屋のほか、カラスのエドガーから買い物ができる商店とマップ内のギミックを解くと新たな装備が入手できる部屋くらいでしょうか。倒した敵は復活しないので、倒した敵から使となるスパークを入手し、必要な買い物を済ませればあとはボスと戦うだけのシンプルなゲーム構成といえます。

 ローグライク系ゲームのなかには、マップの探索に重点をおくものもありますが、本作はボスを倒してどんどん先に進める手軽さが魅力だと筆者は感じました。

4章以降が本格的なゲームの始まり

 本作のストーリーは章立てとなっていて、1章が3エリア、2章が6エリアをクリアすると次の章へ進み、3章は9エリア攻略に加えて最終守護者を倒す必要があります。

 4章では、先祖の記憶を探してブルーム家の謎を解くという新たな目的が加わります。プレイヤーは記憶を探したい先祖を選び、先祖ごとに設定された“アノマリー”と呼ばれる特殊条件のもとでゲームを開始します。

 3章までとは異なりゲームの難易度はグッと上がりクリアはかなり厳しいものになります。本作は一撃あたりのダメージは大きくないのですが、回復手段が限られるため回避を的確に行わなければクリアはおぼつきません。ローグライクゲームとしての本作は、ここからが本番と言えるかもしれませんね。

 逆に3章をクリアして祖父を助けるまでの内容は、筆者がプレイした限りでは比較的やさしめに感じました。プレイヤーに与える難易度の上がり方としては、開発サイドのやさしさを感じるけっこう興味深いゲームバランスだと思いました。

見た目は地味ながらしっかりとした手ごたえの感じられる秀作

 ここまで紹介してきた『Eyes in the Dark』。グラフィックがモノクロであるため、スクリーンショットを見る限りは地味な印象を受けるかもしれませんが、雰囲気は非常にいい感じでしっかりとした世界観を感じられます。また、ちょっとホラーテイストではあるものの、敵のデザインがちょっと不気味なところを除けば残酷な描写もほとんどないので、そのあたりが苦手な人でも楽しめることでしょう。

 ローグライクなアクションゲームを求めているならストライクなゲームだと思いますが、探索要素は薄めなのでそこは念頭に入れたほうがいいかもしれません。3章まではかんばればなんとかなると筆者は思うので、見た目の印象にひかれただけの人でも挑戦してみる価値はあるでしょう。価格もお手頃で手を出しやすいと思います。

 ホラーテイストなローグライクアクションに興味のある人はぜひチェックしてほしいですね。

© Under the Stairs Limited 2022. Developed by Under the Stairs Limited. "EYES IN THE DARK" is a registered trademark of Under the Stairs Limited. All rights reserved. Published and distributed by Gearbox Publishing. Gearbox and the Gearbox Software logo are registered trademarks, and the Gearbox Publishing logo is a trademark, of Gearbox Enterprises, LLC.

本記事はアフィリエイトプログラムによる収益を得ている場合があります

関連する記事一覧はこちら