“厦門国際ゲームコンテスト”『RPGタイム!』など前回受賞者たちの賞金の使い道は?【電撃PS】

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 毎年中国で行われている“厦門国際アニメマンガフェスティバルゲームコンテスト”が今年も開催が決定。すでに応募は開始されており、2019年10月31日が締め切りとなっています。

 今年は“最優秀ゲーム賞”“最優秀ゲームプラン賞”“海峡の星ゲーム賞”の3つの賞を設けてゲームを審査。テーマやジャンルの制限はなく、日本語でのエントリーも可能な、誰でも自由に応募できるコンテストであることが最大の特徴で、その賞金総額は日本円で約650万円という大規模なコンテストとなっています。

 入賞できれば、賞金を開発資金にしたり、日本だけではなく中国での宣伝のチャンスにもなるなど、非常に意義のあるコンテストとなっています。

 昨年は、日本から出展された『RPGタイム!~ライトの伝説~』が最優秀ゲーム金賞を受賞したのを始め、数々の日本のタイトルが入賞を果たしたことでも話題になりました。


 そこで今回、昨年の大会で受賞したクリエイターのなかから3名にインタビューをし、彼らがどのようにコンテストに応募したのか、そして受賞したことでどれだけ開発環境がよくなっていったのかなどを伺った。コンテストに参加しようと考えているクリエイターは参考にしてみてはいかがでしょうか。

 なお、コンテストの開催概要や応募条件は本記事の後半に掲載しているので、合わせてチェックしてみましょう。

最優秀ゲーム金賞『RPGタイム!~ライトの伝説~』 DESKWORKS 藤井トム氏

  • ▲小学生がノートに書いたRPGを再現している、というコンセプトの本作。ほかにも数々の賞を受賞している。

――厦門国際アニメマンガフェスティバルゲームコンテストに応募した理由をお聞かせください。

藤井トム氏(以下、敬称略):『RPGタイム!~ライトの伝説~』を発表後の1年間は、行けるかぎりのイベントやコンテストに参加しようと決めていました。

 海外のイベントには金銭や時間のことを考えるとなかなか手が届きませんでしたが、厦門は手軽に行ける距離だと分かったことと、賞金で渡航費が賄えることも応募の大きな理由です。また、中国語にローカライズするきっかけの1つにもなりました。

――受賞したときの感想を教えてください。

藤井:受賞発表前に作品をプレゼンテーションをする機会があり、その際に好意的に受け取っていただけた感触はありましたが、最高賞をいただけるとは思ってもみなかったので驚きました。

――受賞して変化のあったことはありますか?

藤井:日本国外のプレイヤー様にも面白さが通じる手応えを感じましたので、中国、アジア、全世界に届けたい気持ちが強くなり、ローカライズ/カルチャライズに力を入れるようになりました。

――副賞の賞金はどんなことに使いましたか?

藤井:すべて『RPGタイム!~ライトの伝説~』の開発と広報に使用しました。賞金のおかげで機材の購入や、手が届かなかった海外のイベントへの参加費用、新たな言語へのローカライズにも対応できました。その結果、さらに可能性が広がりました。

――賞金額について、どんな感想ですか?

藤井:私たちのような小規模なチームにとって、とても助かる金額です。目に見てとれるクオリティアップが出来る賞金額だと思います。

――受賞作品の状況について、ゲームのアピールをお願いします。

藤井:『RPGタイム!~ライトの伝説~』は2020年のリリースに向けて、開発がずんずん進んでおります! 日に日に面白くなっていますので早く皆様にお届けしたいです。ぜひぜひご期待くださいませ!

最優秀ゲーム銀賞『Olija(オリヤ)』 スケルトン・クルー・スタジオ 村上雅彦氏

  • ▲伝説の銛を使った爽快なアクションが魅力的な、アクションアドベンチャーだ。

――厦門国際アニメマンガフェスティバルゲームコンテストに応募した理由をお聞かせください。

村上雅彦氏(以下、敬称略):受賞タイトルの『Olija』は、アジアの文化やカルチャーから多くのインスピレーションを得ており、中国のプレイヤーやゲーム関係者からどのような反応や評価を得られるかを知りたかったので、応募しました。

――受賞したときの感想を教えてください。

村上:中国のイベントで作品が評価されたことは、非常に嬉しかったです。少し煮詰まっていた時期でもあったので、ゲームを仕上げるための励みになりました。

――受賞して変化のあったことはありますか?

村上:評価を受けた事で自分たちの作品に対して、自信を持つ事ができました。おかげで、尖った演出やストーリー展開を追加する事ができました。認知も少し高まった気がします。とくに中国のゲーム関係者の方からお声がけを受ける事が増えました。

――副賞の賞金はどんなことに使いましたか?

村上:2019年3月に開催された世界最大のゲーム開発者イベントである"GDC(Game Developers Conference)"に参加するために使いました。世界中の多くのゲーム開発者と出会うことができ、得るものが非常に大きかったと思います。

――賞金額について、どんな感想ですか? 

村上:インディー開発をしてると、高額でなかなか難しかった"GDC"への参加が出来たので、自分たちにとっては十分な額だと思いました。

――受賞作品の状況について、ゲームのアピールをお願いします。

村上:『Olija』は現在リリースに向けて最終調整をしており、もうすぐリリース予定です。このゲームは、オリヤ姫とファラディの純愛冒険活劇であり、とくに音楽とストーリーに力を入れています。

 また、銛を使ったユニークなアクション性や、アジアンフュージョンな世界観にも是非注目して頂きたいです。ゲーム画面の隅々まで愛を込めてデザインしておりますので、ぜひ沢山の方に『Olija』の世界を冒険していただきたいです。

最優秀ゲームアプリ賞『DioramaKnight』 澤 達郎氏

  • ▲地下のダンジョンを探索してボスを倒したら勝ちとなる、オセロをベースにした箱庭型対戦アプリゲーム。

――厦門国際アニメマンガフェスティバルゲームコンテストに応募した理由をお聞かせください。

澤 達郎氏(以下、敬称略):Twitterで情報を見かけたのがきっかけでした。その後、運営の方からも直接DMをいただいて「どうですか?」と言われたので「じゃあ……」と。

 あと、なぜか“今回イケる!”という確信めいたものがあったので応募しました。なぜかは分かりません(笑)。

――受賞したときの感想をお聞かせください。

澤:とても嬉しかったですし、やはり海外のコンテストで認められたという事で、いっそう自信に繋がりました。

 プレゼンまでの準備期間が短かったのと、初めての中国で色々緊張もあったのですが、今となっては楽しい思い出です(笑)。受賞できて本当に良かったと思います。

――受賞して変化のあったことはありますか?

澤:直接のきっかけではないですが、今年に入ってチームの2人とも会社を辞めて制作に集中できる環境を整えました。コンテストで賞を獲った事で、ゲームに詳しくない人にも説明しやすくなったのはあります。つまり、会社を辞める際に家族を説得しやすくなったという事です(笑)。

――副賞の賞金はどんなことに使う予定ですか?

澤:中国でゲームをパブリッシュする際に支援してくださるという事なので、ゲームがリリースされるときになったら、ぜひ中国に進出してその出費に充てたいと考えています。

――賞金額について、どんな感想ですか? 

澤:僕たちは2人で授賞式に行ったので、渡航費でほとんど使いきりました(笑)。余裕がほしいなら、やはり金賞を狙うべきです(笑)。

 ただ、やはり魅力的なのは副賞の部分なので、その恩恵を得るためにも、ぜひ中国進出のプランを練って望んでほしいと思います。

――受賞作品の状況について、ゲームのアピールをお願いします。

澤:つい先日"東京ゲームショウ2019"に出展し、初めて一般のお客さんからフィードバックを得る事ができました。現在それを整理して、より魅力的なゲームにするため磨いている最中です。

 対戦ゲームなので、たくさんの人が楽しめる競技に仕上げて行きたいと思います。リリースはまだもう少し先ですが、楽しみに待っていていただけると嬉しいです!

第12回コンテストの賞と賞金額、応募概要

【最優秀ゲーム賞】
"最優秀ゲーム金賞" 賞金: 9万中国人民元(約130万円)
"最優秀ゲーム銀賞" 賞金: 7万中国人民元(約100万円)
"最優秀ゲーム銅賞" 賞金: 4万中国人民元(約59万円)
"最優秀ゲームアプリ賞" 賞金: 2万中国人民元(約29万円)×3本
"最優秀ゲームアート賞" 賞金: 2万中国人民元(約29万円)×3本

【最優秀ゲームプラン賞】
"最優秀ゲームプラン賞" 賞金:2万中国人民元(約29万円)×3本

【海峡の星ゲーム賞】
"海峡の星ゲーム賞" 賞金:2万中国人民元(約29万円)×3本

・受賞者は"ゴールディンドルフィン"の優勝カップ、証明書、賞金を獲得する。賞金にかかわる所得税については、廈門国際アニメフェスティバル組織委員会が受賞者に代わって税金を納める。
・"海峡の星ゲーム賞"の開発チームの登録地または経営所在地は福建と台湾に限る。
・"廈門市人民政府のソフトウェアと情報技術サービス業の発展の推進に関する意見提起"(廈府[2018]374号)によれば、廈門国際アニメフェスティバルで受賞したチームが廈門市で独立法人企業を新たに立ち上げ、且つ主な業務の所得がCNY200万元以上に達する場合、政府よりCNY50万元の起業補助金が提供される。

【開催日程】
作品応募期間
2019年08月10日~2019年10月31日まで

作品審査期間
2019年10月16日~2019年11月05日まで

2019年11月13日 国際フォーラム

2019年11月14日 アワードセレモニー

【応募条件】
1:テーマ、ジャンル、プレイスタイルの制限はなし。ただし、オリジナルの作品に限る。複数人のチームで制作した作品は、創作リーダーの同意を得なければならない。
2:応募作品の名称、テーマ、画面、文字、プレイスタイルなどは中国の法律・法規・道徳を遵守しなければならない。性描写、暴力描写、残虐描写、犯罪の誘導、政治的な隠喩などは禁止。

エントリー方法及び必要なエントリー資料

【エントリー資料】
1:エントリーシート:エントリーシートをダウンロード(PDF版 /WORD版)して、記入・捺印・サインした後、スキャンデータを作成する。
2:ゲームのインストールパッケージ:正常に動作・体験できること。少なくともゲームの主な部分は遊べる状態で完成していること。
3:ゲームの動画:ゲームの主な遊び方と対話形式が十分に表示されること。
4:ゲームの画像:原画、スクリーンショット等の素材で、ゲームのテーマをはっきり表現できること。
5:ゲームの企画書:ある場合。
6:エントリー言語。
エントリー資料は中国語、日本語または英語で作成すること。

【エントリー資料の提出】
クラウドストレージサービスやファイル便にアップロードし、そのURLとパスワードをメールでxiamengamecontest@hotmail.comに送信すること。メールの件名には"ゲームコンテスト応募+作品名称"を記入すること。

【注意事項】
1:全ての必要事項を記入し、サイン(または捺印)されたエントリーシートのみ受け付ける。エントリー締め切り:2019年10月31日23時59分。
2:申込者はその参加作品の作者或は合法的な所有者でなければならない。団体で創作した作品の場合は、申込者がその作品に対して合法的な保有権を持つ必要がある。書面による保証を提供できない場合、当該作品は作者全員の名義で参加しなければならない。
3:申込者は廈門国際アニメフェスティバル組織委員会に授権したものとみなされる。また、組織委員会は非商業的な目的でその参加作品(全部或は一部)を展示・宣伝することができる。
4:ロードショーと授賞式は2019年11月14日に開催される予定で、受賞作品の作者が個人の場合、作者本人がロードショーと授賞式に出席しなければならない。受賞作品の作者がグループ・チームの場合、グループ・チームのリーダーが代表してロードショーと授賞式に出席しなければならない。受賞作品の作者が企業の場合、企業の開発リーダーや副社長またはそれ以上の職務を担当する人がロードショーと授賞式に出席しなければならない。入賞者の同意を得た上で、組織委員会はマスメディアのインタビューを手配する。

【法律事項】
1:全ての応募者は応募作品の所有者であり、著作権を有し、同時に相応の法律責任を負う。応募者の作品が他人から盗用したものであった場合、これに起因する一切の損失は応募者が負担する。また、これによりコンテスト組織委員会或いは今回のコンテストに悪影響と損失がもたらされた場合、応募者は損害賠償責任を負う。
2:すべての作品の著作権は作者が所有する。コンテスト期間中、組織委員会は応募作品をマスコミで展示・放送する権利を持つ。
3:応募者が今回のコンテスト期間外に、当該作品を用いて他の同系のコンテスト或いは関連商業活動に参加することについて、コンテスト組織委員会はこれを制限しない。但し、他のコンテスト主催者或いは関連機関の規定と衝突した場合、これに起因する一切の結果は応募者本人が負担する。
4:エントリーシートを提供したすべての応募者は、コンテスト組織委員会の制定した規則を無条件に了承したものとする。紛争が生じた場合、廈門市仲裁委員会に仲裁を依頼する。
5:廈門国際アニメフェスティバルに関する全ての事項の最終解釈権は廈門国際アニメフェスティバル組織委員会に属する。

各賞の審査ルール

"最優秀ゲーム賞"の審査ルール
1:選考委員会は独創性、プレイスタイル、画面の美術性、物語の展開、総合的なプレイ体験などから参加作品を評価・選考する。
2:金賞、銀賞、銅賞は作品の合計点数によって順位を決める。点数が同じだった場合、審査員の投票により順位を決める。
3:最優秀ゲームアート、最優秀ゲームアプリ賞は作品に関する点数の考慮を優先させる。また、作品の総合的なプレイ体験も判断基準に含めて作品を評価し、点数で順位を決める。審査員の投票により最終順位を決める。

"最優秀ゲーム企画賞"の審査ルール 1:選考委員会は斬新さ、プレイスタイル、ターゲット・セグメント分析、ビジネスモードなどの点から参加作品を評価・選考する。
2:作品の合計点数によって順位を決める。点数が同じだった場合、審査員の投票により順位を決める。

"海峡の星ゲーム賞"の審査ルール
1:選考委員会は斬新さ、プレイスタイル、ターゲット・セグメント分析、ビジネスモードなどの点から参加作品を評価・選考する。
2:作品の合計点数によって順位を決める。点数が同じだった場合、審査員の投票により順位を決める。

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