人間を許せなくなる怪獣の物語が新鮮! 対戦アクションゲーム『GIGABASH』レビュー【電撃インディー#316】

セスタス原川
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 電撃オンラインが注目するインディーゲームを紹介する電撃インディー。今回は、Passion Republic Gamesが発売しているPS5/PS4/PC(Steam、Epic Games Store)用ゲーム『GIGABASH(ギガバッシュ)』のレビューをお届けします。

 本作は、怪獣を操作して戦うバトルアクションゲーム。複数人で遊べる対戦モードから、1人で楽しめるストーリーモードまで用意されています。

 その中でも特筆すべきは対戦モードで、戦略性のある奥深さもありつつ、最大4人まで戦えるパーティープレイも可能。さまざまな遊び方が楽しめます。

 なお、電撃オンラインでは尖っていてオリジナリティがあったり、作り手が作りたいゲームを形にしていたりと、インディースピリットを感じるゲームをインディーゲームと呼び、愛を持ってプッシュしていきます!

主人公は怪獣たちで敵は人間!?

 本作の主役は人間たちではなく、彼らと戦うことになる怪獣たちです。物語は、人類が禁断のエネルギーに手を出したことで、長く地中で眠りについていた巨大怪獣“タイタン”が目覚めたことで始まります。

 「つまり、プレイヤーは悪役?」と思ってしまうかもしれませんが、一概にそうは言えないのが本作のストーリーの面白いところ。

 怪獣たちは、人間たちに自分たちの大切なモノや土地に手を出されたことが原因で暴れており、物語上では人間たちの身勝手な振る舞いが目立つシーンが多いです。

 印象的だったのは、怒る怪獣“ゴロゴン”を相手に、人間たちが同じ怪獣である“ピピジュラス”を洗脳して戦わせるシーン。実は、ピピジュラスも人間に奪われたとあるモノを取り戻すために活動しており、そんなピピジュラスを人間たちは操って、自分たちの悪事の尻ぬぐいをさせているわけです。

  • ▲こちらは“ゴロゴン”。怪獣たちのデザインは、恐ろしさの中に少しの可愛らしさが見える独特のデザインです。


 プレイをすればするほど「人間たち、許すまじ!」と、怪獣たちに感情移入してしまうはず。普段は悪役になることが多い怪獣視点物語は、新鮮な気持ちで楽しめました。

 また、ストーリーで描かれる絵柄も、海外漫画のような味のあるイラストと3Dの組み合わせで、見ていて飽きない面白さがあります。


 ストーリーは操作するキャラクターごとに用意されており、全部で4種類。どれも5ステージで完結というコンパクトな作りなので、サクサクとプレイできるのも良いところです。

  • ▲ストーリーには難易度もあり、高難易度はしっかり難しいのでプレイし甲斐があります。

大迫力の怪獣同士のバトル!

 怪獣たちの物語ストーリーも魅力的ですが、本作は怪獣同士によるバトルアクションも注目ポイントの1つです。チュートリアルやストーリーで操作に慣れたら、対戦に挑戦してみましょう。

 バトルでは、2種類の攻撃にジャンプやダッシュを組み合わせることで、多彩な攻撃を繰り出せます。


 さらに、攻撃は怪獣ごとによって異なります。“ゴロゴン”は近接の攻撃力重視なのに対して、“ピピジュラス”は遠距離攻撃や攻撃反射など絡め手が多め。それらに加えて、移動攻撃を得意とする“ロハナ”や、最初は人間側(のキャラクター)として登場する巨大ロボット“サンダトロス”など、全10種類のプレイアブルキャラクターが登場します。

 それぞれ全く違う戦い方ができるので、いろいろなキャラクターを使って好きなスタイルを探してみるのも面白そうです。

 戦う様子は怪獣あり、それに対抗する巨大ロボットありの、まさに文字通り“怪獣バトル”。少年の頃に特撮モノを見て心を躍らせていた当時の記憶が蘇ってきます。


 バトルではただ攻撃するだけでなく、掴み攻撃やガード、移動による攻撃回避の概念があり、プレイしている感覚は3D格闘ゲームに近いです。

 通常の攻撃はガードで防げますが、掴みは防げません。しかし、掴みは超至近距離まで近づくリスクもあります。こうした読み合いが戦略性を高めており、対戦ゲームとしての面白さを広げています。

 バトル中には、ビルをなぎ倒したり、建物や木を武器として使ったりと、怪獣同士ならではのダイナミックな要素も満載。地面には逃げ回っている人々が描かれたり、ビルがちょっとずつ壊れていく様子だったり、細かい部分の演出も凝っています。

  • ▲周りに落ちているオブジェクトを活用するのもバトルのコツの1つです。

 攻撃や落ちているギガエネルギーボールを回収するなどで“ギガエネルギー”が溜まっていき、溜めたゲージを消費して巨大化が可能。ただでさえ派手なバトルがさらに迫力を増します。

 本作のバトルは、1vs1だけでなく、最大4体までが当時に戦う乱戦も可能。じっくりと戦略的な戦いだけでなく、ハチャメチャなパーティープレイも楽しめます。

 格闘ゲームが好きな筆者的は、攻撃の読み合いをして戦うジリジリとした1vs1が好きなのですが、4人対戦はアクションゲームや格闘ゲームが得意でない人でも馴染みやすいカジュアルな遊び方なので、いろいろなタイプの人にオススメしやすいのが良いところですね。

 怪獣たちのストーリーから、その設定を活かしたド迫力のバトルまで、遊びどころ満載な本作。パーティーゲームとしての側面がありつつも、対戦のバランスや内容がしっかり作られているのが好印象です。

 特撮系の怪獣が好きな方はもちろん、対戦ゲーム、パーティーゲーム好きまで、多くの方にプレイしていただきたい作品です。


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