【おすすめDLゲーム】『シャドーコリドー』はホラーゲームの魅力を詰め込んだ一人称視点の探索型タイトル
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- sexy隊長
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ダウンロード用ゲームから佳作・良作を紹介する“おすすめDLゲーム”連載。今回はNintendo Switchでリリースされている『シャドーコリドー 影の回廊』をお届けします。
本作は、フリーゲームで話題となった日本産のホラーアクションゲーム『影廊-ShadowCorridor-』にさなざまな要素を追加し、調整されたNintendo Switch用ソフトになります。
そんな配信中の本作『シャドーコリドー 影の回廊』の魅力を紹介していきます。
魅力はホラー×探索×アクション
『シャドーコリドー』は、懐かしい匂いが感じられる日本が舞台となっている、一人称視点の探索型和風ホラーゲームです。物語は、さびれた路地へと足を踏み入れた主人公が、1匹の黒猫と出会うところから始まります。誘われるようにその黒猫についていくと……いつの間にか古びた薄暗い回廊に迷い込んでしまった……という流れ。
主人公の目的はただひとつ、この迷い込んでしまった回廊から抜け出し、もとの世界に戻ることです。抜け出す方法は、回廊のあらゆるところに置いてある勾玉を集めて、出口を目指すというシンプルな条件です。
ただし回廊には、主人公を探し追いかけてくる能面をつけた“徘徊者”という敵が存在。徘徊者に捕まると即ゲームオーバーになるので、それらから逃げつつ回廊を探索し、勾玉を集めなければならないというステルスゲーム的な要素もあり、一筋縄ではいかないホラーゲームです。
迷い込んでしまった回廊は、和が基調となった雰囲気。それこそ子どものころ、祖父母の家の夜に感じた、なんとも言えない恐怖心のような空気感が本作に漂っています。まったく知らない異世界とかであれば、自分と乖離してプレイできるのですが、どこか見たことのあるような雰囲気で、さらに一人称視点のホラーゲームということで、自分がそこに迷い込んでしまったような感覚に陥り、臨場感あふれるゲームになっています。
ホラーゲームにおける恐怖の三大要素とは?
個人的にはホラーゲームにおいて “ビジュアル”、“音”、“非殺傷”という3つの要素が重要だと思っています。これらの要素がしっかり作り込まれているとホラーゲームの魅力がより引き立ち、恐怖かつおもしろさを感じられるゲームになります。
ここでは、本作をこの3つの要素に沿って見ていきたいと思います。
ビジュアル
本作の魅力であり、恐怖でもある“徘徊者”のビジュアル。
和装に能面をつけて鈴を鳴らしながら歩いている徘徊者や、その場でうずくまって泣いている徘徊者のように、パッと見が人間に近い敵が登場します。異形のクリーチャーではなく日本人形のような見た目であることがより恐怖を増大させ、この徘徊者に追われるだけで身の毛がよだつ思いをします。
しかし、異形のクリーチャーも登場します。“日本人形のような見た目のほうが怖い”と記しましたが、不自然に能面をつけた異形のクリーチャーというかなりおぞましいビジュアルになっているので必見です。
この他にもさまざまな“徘徊者”が登場。どの徘徊者も不気味な雰囲気を醸し出しており、恐怖とともにホラーゲームとしての魅力を感じました。
音
本作には、マップがありません。最近のゲームであれば、マップにレーダーが表示されていて、敵の位置まで教えてくれることもありますが、『シャドーコリドー』においては自分の目で見て確認するか、徘徊者の音を聞いて判断するかしかありません。
徘徊者と目が合うと追いかけてくるので、基本的には音での判断が重要となります。この“音での判断”ですが、徘徊者との距離によって音の大きさが変わり、遠ければ無音か小さい音、近ければ大きい音になります。
加えて、徘徊者ごとに個性豊かな音を出してきます。鈴を持っている徘徊者であれば鈴の音、泣いている徘徊者であれば泣き声とヒソヒソと喋るような声、異形のクリーチャーであれば走り回っているので足音。徘徊者ごとに音が異なるので、プレイしているとどの徘徊者が近くにいるのかを耳から把握できるようになってきます。
説明だけを読むと分かりやすくて便利のように見えますが、この音が本作にてもっとも恐怖心を煽ってくる部分です。
しかも、音がシンプルに不気味でメチャクチャ怖いのです! 鈴の音がずっと聞こえているだけでホラーゲームが苦手な人であればコントローラを投げ出してしまうと思います。「ならば音を小さくすればいいのでは?」と思うかもしれませんが、小さくすると今度は徘徊者との距離感がわからなくなってしまいます。
徘徊者が近くに何人かいると鈴の音と泣き声と大きい足音が同時に鳴ることもよくあります。その場合、恐怖で一歩も動けない……という気分に陥ります。
しかも徘徊者との距離が近ければ近いほど鳴る音が大きくて、ヘッドホンでプレイしていると「実際に回りにいるのでは!?」と錯覚し、ゲーム内だけではなく家の中ですら怖くなってくるほどの感覚を味わえます。
非殺傷
徘徊者を殺すことはできません。武器がなく、相手の興味を逸らせたり、怯ませたりする爆竹やカメラのストロボといったアイテムはありますが、徘徊者に直接ダメージを与えるようなものはありません。
個人的に敵を倒せるか否かという部分はホラーゲームを語るうえで一番重要なファクターになります。どんなにビジュアルや音が怖くても倒せると思うと気持ちが楽になり、恐怖心が減ってしまうためです。
本作は逃げるか隠れるしかできないので、心の拠り所がなく永遠に恐怖を味わうことになるのですが、ホラーゲーム好きには堪らない部分だと思います!
回廊はランダム生成!? ただし初心者にうれしいモードも
探索型のゲームはマップを覚えると難易度はグッと下がります。先ほど記したように、本作は勾玉を集めて出口を目指す探索ゲームですが簡単にはクリアさせてくれません。
なぜなら本作のマップはランダム生成されるため、マップだけでなくアイテムや徘徊者の配置などプレイするたびに“違う回廊”が現れます。そのため、決まった攻略ルートは存在せず、臨機応変に状況を判断してプレイしなければならないのが本作の特徴になっています。
“ホラーゲームが好きだけど……難しいのは苦手”という方も安心してください。
本作にはアクションゲーム初心者も気軽に遊べるよう“初心者モード”が用意されています。このモードは、画面にミニマップが表示されていたり、ランダム生成のマップではなく固定マップであったり、徘徊者の数が減って移動速度が低下していたりと、遊びやすい難易度に調整されています。
ホラーゲーム好きにプレイしてほしい作品
なぜ主人公は迷い込んでしまったのか? この世界はなんなのか? といったストーリー的な部分はプレイ中に入手できるアイテムや、“とある人物”との出会いなどで語られていきます。はたして主人公はもとの世界に戻ることができるのか? ぜひプレイしていただき、恐怖とともにストーリーを楽しんでもらいたいです。
筆者が今までプレイしてきたホラーゲームの中でもトップクラスに恐ろしく、ゲームとしても楽しくプレイできた『シャドーコリドー 影の回廊』。クリエイターの城間一樹さんが1人で3Dモデリングやプログラミングやストーリーなどといった開発を行っていると知り、驚きました。
最後に、プレイヤーが徘徊者となり勾玉を取りに来た人間を倒していくという、普段のプレイとは逆の立場でプレイする“徘徊者でGO!”を紹介。このように一風変わったモードが実装されているのですが、このモードが実におもしろい!
プレイ中のBGMや徘徊者を操作する感覚など普段のプレイからは想像できない世界観を味わうことができるので、ぜひこちらもプレイしてもらいたいです。
(C)城間一樹/Regista
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『シャドーコリドー 影の回廊』
- メーカー:レジスタ
- 対応端末:Nintendo Switch
- ジャンル:アクション
- 配信日:2019年8月8日
- 価格:1,980円