【電撃神ゲー特集】古典的RPGの魅力が詰まった『オクトパストラベラー』。レトロではなくHD-2Dというスタイル

まさん
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 全ゲーマーに自信を持ってオススメする名作、いわゆる“神ゲー”タイトルを掲載する企画“電撃神ゲー特集”を展開中です。

 今回紹介するのは、スクウェア・エニックスから2018年7月13日に発売された『OCTOPATH TRAVELER(オクトパストラベラー)』です。

 なお、2023年2月24日には『オクトパストラベラーII』が発売となります。新作では新たな大地で、新たな時代に、新たな8人の旅が描かれます。引き継がれたシステムがあれば、新システムもあるそうです。

 『オクトパストラベラーII』は舞台も主人公も時代も異なるので前作を知っていなくても問題なく楽しめますが、新作に向けて前作が気になっている人、そもそも前作が好きだった人はぜひ以下の紹介をご確認ください。

古さと新しさが融合した“今の時代だからこそできる”JRPG

 近年、海外のインディーゲームなどを中心に再評価されている“JRPG”。これは日本で作ったRPGという意味にとどまらず、今では“日本のコンシューマRPGを意識したスタイルのRPG”という1つのジャンルにまで発展しており、いわゆるファミコン、スーパーファミコン時代に流行したような見下ろし型の2D・RPGが再び受け入れられる土壌ができています。

 しかし、昔懐かしいレトロチックや懐古的な2D・RPGの形をそのまま持ってきたのでは、過去の名作に勝てません。当時のRPGはその当時の最新技術やセンスで磨かれており、今の時代で超えるのは想い出補正や懐かしさに対して+αのおもしろさや新しさも必要なのです。これから紹介する『オクトパストラベラー』は、そうした意味でまさに「現代で、新作の2D・RPGとして出す意味がある」懐かしさを越えた作品。レトロチックや懐古的な2Dに留まらず、グラフィックや遊びやすさの面で旧き良きRPGのイメージを保ちながら現代的な技術で“今のRPG”になっています。

 最大の特徴は、本作が生み出した“HD-2D”と呼ばれるグラフィックでしょう。高精細なキャラクターの2Dドット絵と、3Dポリゴンの背景を組み合わせたHD-2Dは、2D・RPGのイメージを保ちつつも立体的な世界を歩き回る感覚があり、懐かしいのに新しいという不思議な遊び心地を生み出しています。当時のRPGをプレイしていた人たちの想像を出力したような映像表現は、逆にリアルな3Dグラフィックスだと味わえないもの。今の時代だからこそ、遊びたい2D・RPGです。

 温かみのある2D・RPGのプレイ感覚なのに、背景はとても立体的。キャラクターのモーションも多く、ボイスによる演出が入っても違和感がありません。今の時代にピッタリな映像表現です。

 これがどれだけ革命的だったかと言えば、本作に留まらず同じ表現を使った作品が好評なことからもわかります。同じく“HD-2D”を初採用した『トライアングルストラテジー』では、立体構造のあるタクティクスRPG(SRPG)との相性がバツグンだと判明。伝説のRPG『ライブアライブ』でリメイクにも最適だとわかり、さらに可能性が広がりました。まさに、2D・RPGのための表現なのです。

  • ▲画像は、当時のイメージはそのままに、HD-2Dとしてグラフィックがイチからリメイクされた『ライブアライブ』。ファンが当時欲しかった演出やバランスを補足していく調整も見事で、すべてのリメイクがこうあって欲しいと思える理想的なリメイクだと個人的に思います。

8人の物語が交差し、気ままで自由な冒険を楽しめる

 本作は、出身地も旅の目的も異なる8人の旅人を主人公にしたファンタジーRPG。8人の中から好きなキャラクターを選び、広大な世界を冒険できます。主人公に選んだキャラクター以外はパーティメンバーとして加入しますが、誰を主人公にしても全員分のメインストーリーが見られるのでご安心を。

 周回するのではなく、1周目のプレイですべての主人公のシナリオを遊ぶ形になっています。好きなキャラクターのメインシナリオを、好きな順番で、好きなタイミングで遊べて、強制はされません。酒場に行けば、いつでもメインシナリオを中断できますし再開もできます。

 1回のプレイで、8人全員の物語をすべて遊べる作り。始めるタイミングも自由なので、ひたすらさ迷って育成してから挑んでもいいのです。

 メインストーリーが進行していない状態なら好きな町まで気ままに冒険できます。後半の章で舞台になる町まで足を伸ばしてから、強力な武具を手に入れて挑むことも可能。いわゆるオープンワールドのようなゲーム感覚で、好き勝手に遊べるのが魅力です。

 キャラクターごとに持っている“フィールドコマンド”で、町の人に勝負を挑んだり、アイテムを買い取ったり、はたまた盗んだりと、何をどうするかはプレイヤー次第。“ロールプレイ”を重視したシステムで、懐かしくも新しい遊びが提供されています。

 フィールドコマンドを使って、NPCのお悩みを解決するサブストーリーも充実。好きなタイミングで人々を救い、自分だけの冒険を楽しみましょう。

 古きよきRPGをそのまま現代に持ってきたわけではなく、今の時代に出して見劣りしない技術や遊びやすさが導入されており、中身は最新のRPG。だからこそ、今のRPGしか遊んでいないユーザーにも、昔のRPGが好きな人にもオススメできます。町から町へのファストトラベルもあり、昔風のRPGでありながら移動の面倒くささは皆無。往年の雰囲気や空気感のいい部分だけを、現代の最新技術やシステムで楽しめるのです。

ジョブチェンジの楽しさにブーストを駆使した戦略的なバトル

 2D・RPGの楽しさと言えば、キャラクターの自由な育成とバトル。本作には、“ジョブチェンジ”の要素があり、メインとなるベースジョブに加えて自由に変更できる“バトルジョブ”が存在しています。好きなキャラクターを好きなジョブにしてから育成できるので、プレイヤーによってパーティ構成や育成の順番も大きく変化。バトルジョブは各地にある祠を冒険すると見つけられるので、どのジョブが最初に手に入るのか異なります。育成を含めて、冒険の自由度が非常に高い!

 バトルジョブは全員で共通。違うキャラ同士で重複して装備できず、誰かがそのジョブを装備している場合は外す必要があります。強いジョブを全員が装備して、ごり押しするといったことはできません。

 戦闘はオーソドックスなターン性のコマンドバトルに、昨今のRPGではおなじみの弱点を重視した戦略を組み込んだバランスのいい仕上がり。単純でわかりやすく、熱い戦闘が繰り広げられます。敵の弱点をついてシールドを削り、気絶させる“ブレイク”。BPを消費して強力なダメージを与えたり、回復量を上げたりといった恩恵を得る“ブースト”。2つの要素が絡み合い、ザコ戦は力押しで一気に、ボス戦は猛攻を凌ぎながら反撃のチャンスに大ダメージを与えていく戦略と気持ちよさの合わさった戦いが可能です。

 ブーストは『ブレイブリー』シリーズのブレイブコマンドとデフォルトコマンドをシンプルにしたようなシステム。取るべき戦略がわかりやすく、耐えた後に強い行動を放つ爽快感もあります。

 どのキャラをどのように育て、誰と組んで冒険するのか。どこから攻略していくか。手強いボスに対して、どんなジョブを用意していくか。プレイヤーの戦略や考えること。ロールプレイ。いろいろな遊びを許容した昔のRPGの楽しさを提供しつつ、今時の作品としてしっかり楽しめる。この作品が単体のRPGとして高い完成度を持っていたからこそ、ここから続くHD-2D作品がどれも受け入れられ、そして高い評価を受けている現状に繋がっていると思います。

 最近のRPGもおもしろいけれど、昔遊んだような2DのRPGが遊びたい。でも、昔の大変さまでは再現してほしくない。そんな人には快適さと新しさ、そして懐かしさと冒険のわくわく感、すべてがHD-2Dでブーストされた本作『オクトパストラベラー』をオススメします。

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Gosho Aoyama, Yoshihide Fujiwara, Osamu Ishiwata, Yoshinori Kobayashi, Ryouji Minagawa, Kazuhiko Shimamoto, Yumi Tamura

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