記憶を消して何度も遊びたい。『OneShot: World Machine Edition』は「やられた~!」という感覚を味わえるゲーム【電撃インディー#333】
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- カワチ
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電撃オンラインが注目するインディーゲームを紹介する電撃インディー。今回はDANGEN Entertainmentより9月22日に発売のPS4/Nintendo Switch/Xbox One用パズルアドベンチャーゲーム『OneShot: World Machine Edition』のレビューをお届けします。
なお、電撃オンラインは、尖っていてオリジナリティがあったり、作り手が作りたいゲームを形にしていたりと、インディースピリットを感じるゲームをインディーゲームと呼び、愛を持ってプッシュしていきます!
なにも情報を見ずに遊んで欲しい作品
突然ですが、“記憶を消してもう一度はじめから遊びたいゲーム”ってありますよね。最初に受けた感動をもういちど体験したいというパターンもありますが、多くはミステリー的な謎解きだったり、ゲームならではのギミックに驚かされるものが多いです。
そのため、“記憶を消して遊びたい”と言ってる時点で“なにか仕掛けがある”とネタバレしちゃってるようなものなんですよね。そういった仕掛けがあるものに限って、より多くの人にプレイしてもらいたい感動も詰め込まれていたりもするので、クリアした人はどうやって布教しようか迷って身悶えるわけです。
なぜこんな話をしたのか。……はい。本作『OneShot: World Machine Edition』も、そんな「やられた~!」という感覚を味わえるゲームだからです。そのため、“記憶を消して遊びたい”系の作品をやりたい人は、ここまでの情報で十分なので、本作を買いに行きましょう(笑)。未知の体験が満載のゲームなので、情報を集めずに遊ぶことがオススメです……!
逆に最初のRPGツクール版やSteam版をプレイして内容を知っている人もぜひプレイしてほしいです。“フレンド”の項目でPC版にはなかったキャラクターの設定と画像が見られるので、ファンはこれだけでも買う価値はあると思います!
プレイヤーは救世主のニコを導く神様
さて、ここからは本作の内容について具体的に触れていきましょう。本作は太陽が失われ、徐々に崩壊する世界を救う“救世主”として目覚めたニコを導いていくパズルアドベンチャーです。プレイヤーはニコから“神様”として認識されており、話しかけられることも。そのため、メタ要素を含んだ作品になっています。
また、メタ要素としてゲーム画面だけでなくプレイヤー自身が使っているPCに謎が仕掛けられていることもあります。そのため、「どうやってコンシューマに移植するのだろう?」と思ったファンも多いと思いますが、仮想PCの画面が用意されており、そこでプレイすることになります。
仮想PCからゲームを起動したあとはフルスクリーンにすることで通常のゲームのように遊ぶことができますが、このフルスクリーンで遊んでいるときに、PCの操作が必要な場面になるとウインドウモードに戻ります。そのため、「ここでPCを操作すればいいのか」ということが明確に分かり、難易度はやや易しくなっているかもしれません。
マウスの操作はZRの長押しとRスティックで移動、ZRを2回素早く押すことで決定。すぐに慣れることができます。
また、前述のフレンドやPCの壁紙などはゲームに落ちている“作品”をクリックすることで入手可能。もともとのPC版にはなかった要素なので新鮮です。
感情移入できる愛すべきキャラクターたち
舞台となるのは、毒ガスが噴出する荒野の“不毛の地”と、自然豊かな小さな島で、ぼんやりと発光するコケに覆われた“峡谷”、人々が身を寄せ合って暮らす都市の“避難所”。
住人たちは、光源となる蛍光植物などを細々と消費しながら、来る崩壊の日にむけてこの暗闇の世界で静かに暮らしています。
ニコは、この3つのエリアを進み、電球の形をしたこの世界の太陽を中央の塔の頂上へ置くのが目的。ファストトラベルはPC版にもありましたが、本作はミニマップも表示できるようになり、マップの繋がりが分かりやすくなりました。
道中はバトルなどはありませんが、パズルを解いたりアイテムを組み合わせたりして進むことになるので、達成感があります。
ニコはプレイヤーである神様を頼っており、ことあるごとに話しかけてくれるため愛着が湧いてきます。久しぶりにゲームを立ち上げると不安そうに声をかけてくることもあるので、予想外の出来事に驚かされることも。
また、ニコがかわいらしいのはもちろん、道中で出会う人々も素敵。自然の精霊で慈悲深いメイズや避難所にあるカフェの気さくなマスターであるリンなど、個性的ないいキャラクターばかりで好きになります。
ただ、だからこそプレイヤーは大きな決断を迫られることになります。「ゲームだからやり直して別の展開を見ればいいや」と思うかもしれませんが、それは不可能。『OneShot』のタイトル通り、チャンスは1度きりです。
ゲームが第四の壁を越えてプレイヤーの世界を侵食するように、プレイヤー自身もゲームの世界に入り込み、真剣に悩むことになるはず。これは唯一無二の体験なので、ぜひプレイしてみてほしいです。
なお、クリア後はその展開に放心すると思いますが、本作はこれで終わりではありません。1周クリアしたあとも別の展開がありますので、ぜひ探してみてください。
カワチ:RPGとビジュアルノベルが好きなゲーマーで、誰にも気付かれないようなマニアックな小ネタを記事に織り込むのが好き。深みのあるゲームが好きかと思えば、本当は肌色が多ければなんでもいいビンビン♂ライター。
© Team OneShot
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