『Wo Long(ウォーロン)』体験版レビュー。攻守が一瞬で逆転する流麗な剣戟がスゴイ!!

シュー
公開日時
最終更新

 コーエーテクモゲームスから2023年初頭に発売予定のアクションRPG『Wo Long: Fallen Dynasty(ウォーロン フォールン ダイナスティ)』の体験版を先行プレイした様子をお届けします。

 本作は『仁王』シリーズを手掛けるTeam NINJAの最新作であり、ダーク三國死にゲーと表し、三国志の物語を舞台にしたタイトルとなっています。

 『仁王』シリーズの要素を受け継ぎながらも、中国武術らしい激しい攻守の切り替えを再現した新しい戦闘システムにより、これまでとは異なる体験ができる本作の魅力を『仁王』シリーズを担当したライターのシューがお届けします。

 また体験版の実況プレイ(システム解説、ステージ攻略)も電撃オンラインのチャンネルで公開しているので、そちらも併せてご確認ください。文字だけの説明ではわかりにくいところもあるので、本動画を見てみることをオススメします!

妖魔の彷徨う三国乱世を戦い抜く

 プレイヤーは激動の三国志時代に、名もなき義勇兵として戦いに身を投じるという設定。

 どのように各国を動くのか、義勇兵としてどんな立場で有名武将と接するのかは、今回の体験版では明らかになりませんでしたが、後漢末期の三国志をベースに妖魔がはびこるなど、『仁王』を思わせるテイストの史実+ファンタジーの要素を感じました。

 まだ選択できない項目がいくつかありましたが、『仁王』シリーズのときのようにステージ最奥のボスを倒すとクリアとなるミッションクリア型でゲームが進行していく様子。拠点などもあるようで、そこで装備を整えたり、アイテムを購入するのも変わらずのようです。

 キャラクターメイキングはベースの種類から髪型はもちろんのこと、髪先のうねり具合や色合いなど、非常に細かく設定できるようでした。

 三国志時代にはいないような派手な髪色のキャラももちろん作成できるので、オリジナル設定のあるキャラを作るのが楽しそうでした。

「氣勢」の状況が戦局を左右する

 本作は"氣勢(きせい)"と呼ばれる要素が戦闘をつかさどる重要な点。自身と敵に存在するこの"氣勢"はお互いに±0からスタートし、攻撃を当てるとプラスに動き、反対に被弾やガード、回避などでマイナスに動いていきます。

 基本攻撃とは別に氣勢攻撃という手段も存在します。これは基本攻撃よりもダメージが高いだけでなく、"氣勢"がプラスの際に発動するとプラス分の数値を攻撃に上乗せしてダメージを底上げできるというもの。

 "氣勢"が下限値に達すると"氣勢挫かれ状態"となり、敵は体勢を崩してしばらく動けなくなります。この時、"絶脈(ぜつみゃく)"という強力な一撃を繰り出すことが可能なため、各行動を通して相手の"氣勢"をマイナスに持っていくかがいかに重要か分かると思います。

 もちろんこれは敵に対してだけでなく、自分が“気勢挫かれ状態”になってよろけてしまい、無防備な姿をさらすこともあります。なので、”氣勢”の管理は重要なのです。


 この"氣勢"の増減を行ううえで、攻撃以外の面で重要となるのが"化剄(かけい)"という要素。これは受け流しのことで、"化剄"に成功すると相手は受け流した方向によろめきながら体勢を崩すため追撃が確実なものとなります。

 ただし"化剄"に成功しても体勢の崩れない強敵も存在しています。連続攻撃をしてくる敵もいるので、敵に応じて"化剄"によるチャンスを掴むことも大切だなと感じました。

 また"化剄"による受け流し(回避と同じ◎ボタンで発動※Xbox Series X|SではBボタン)は"氣勢"を消費して行うため、やみくもに連打すると"氣勢"がひたすらマイナスに傾いてしまいます。連打による受け流しではなく、適切なタイミングで"化剄"による見極めが重要です。

 そして"化剄"に成功すると"氣勢"が一定量プラスに動くため、マイナス分に傾いた状態でも攻勢に転じられるのでリターンも大きめ。おまけに"化剄"に成功すると相手の"氣勢"の下限値を削ることができるため、より"氣勢挫かれ状態"に持っていきやすい利点もありました。

 この”化勁”は、成功したときの気持ちよさはもちろん、一気に反転攻勢に持っていけるところも、気持ちいいプレイ感でした。

氣勢は体勢を表すゲージであり、MPゲージでもある!

 攻撃には五行の力で「炎を放つ」「姿を消す」などさまざまな効果を発動する"仙術"、武器ごとに異なる技を繰り出せる"武技"もあります。これらのアクションは"氣勢"を消費して繰り出すため、強力である一方で、連続で行うとドンドン"氣勢"を消費してしまいます。

 しかし"氣勢"がマイナス状態でも"仙術"や"武技"を使用できるのは新鮮でした。元々スタミナの概念がなくMPのようなゲージもないため、複数のゲージ管理をせずに各種攻撃を行えるのも本作ならではの感覚です。

 もちろん使いすぎて"氣勢"が下限値に到達していると"氣勢"を消費するアクションが行えないですし、"氣勢挫かれ状態"になりやすくなるため注意が必要でした。このジレンマがまた面白さにつながっているのでしょう。

 ちなみに"仙術"は五行相克、つまり木火土金水に沿った属性の術が使えます。例えば火なら火炎弾を放ち、木なら雷や風に関する術を使えます。それぞれ攻撃型の"仙術"のほか、能力上昇効果や武器に属性を付与する支援型があるなど多彩。体験版でも選択肢の多い"仙術"でしたが、製品版ではもっと多くの術が使えるのではないかと思います。

 また五行相克に対応した"神獣"も存在します。武器や防具のように装備でき、特殊効果でステータスアップの効果を得られるだけでなく、"神獣招来"を召喚することで一緒に戦ってもらえたり、回復エリアを設置してもらうといった強力な支援も可能です。

 自身と周囲の味方に効果のある"神獣共鳴"では、ステータス効果アップや武器に属性を付与するといった有利効果を発揮しました。主にオンラインプレイで効果を発揮する印象ですね。

「士気ランク」で戦闘力が変わる斬新な強さの指標!

 敵の頭上に書かれた数字は"士気ランク"と呼ばれるもので、簡単に言えば戦闘力を表す数値。この数字は自身にも存在し、敵との"士気ランク"に差があるほど被ダメージが増加したり、与ダメージが低下したりします。

 基本的には敵を倒すことで"士気ランク"が増加していき、とくに自分よりも高い"士気ランク"の敵を倒すとランクが大きく増加します。死亡すると"士気ランク"は0になりますが、それを防ぐ"不屈ランク"というものも存在していました。

 死亡しても"不屈ランク"以下の数値にはならないため、"士気ランク"をイチから貯めるといった行動を省くことができます。道中に存在する軍旗や標旗を立てることで"不屈ランク"は増加していくので、休息できる軍旗を起点に探索の足を広げていくのがセオリーになりそうでした。

 道中にはルートには似つかわしくない明らかに高い"士気ランク"を持った敵も存在しています。しかし"士気ランク"が同じであれば、ある程度は対等に戦えるなど、武器や防具を揃える手間がないのもありがたい面です。

 反対に敵の"士気ランク"の高さに応じて探索する方角を決める道標でとしても使えました。自分の士気ランクが10とかのときに、20の見た目強そうな敵とであったときの絶望感たるや……。ただし、自分より士気の高い強敵を倒すと、自身の士気が大きく上がったり、レアなアイテムを入手できるというメリットもあるため、これまた悩みどころなのです。

 敵はたまに赤く光った後にガード不可能な秘技を繰り出してきます。この秘技でダメージを負うと"士気ランク"が低下してしまうため、しっかり"化剄"で受け流す必要があります。

 とくに強敵は"士気ランク"最大の20であることが多いので、秘技でダメージを受けると戦闘力に差が出てきてしまうためしっかり回避するか"化剄"することが重要になってきます。

流れるような攻防の切り替えが気持ちいい!

 攻守のすべてが"氣勢"を中心とした新感覚の戦闘のシステム。防戦一方になるとかなり厳しいですが、崖っぷちの状態から"化剄"による受け流しで一転攻勢に転じられる流れの爽快感が最高でした!

 はじめのうちは回避やガードを主体にして敵の攻撃をよく観察し、"氣勢"の増減の仕方や"化剄"の特徴が作用するようになってからが、本作の戦闘の本番かなと。

 また、どんな強敵が相手でも"士気ランク"さえ整えばイーブンの戦いができるのも良いですね。戦いの指標が可視化されてるのは嬉しいですし、"士気ランク"は20までと上限値が決まっているので、まんべんなく探索していればどんな敵とも対等以上に戦えるように設計されています。

 システムへの理解、感覚に馴染むまでの壁こそ高いですが、ゲームに慣れると体力と氣勢にさえ注意すれば十分戦えるので、ある意味で管理するゲージが少ないのもアクションゲームとして良点だと思います。

 同チームが制作している『仁王』シリーズとはゲームシステムが違うので、未プレイの人でも触りやすいかなと。また敵が落とす装備品は、特殊効果がランダムに付加します。お好みの装備品を収集するハクスラ要素もあるので、自分のプレイスタイルに沿ったビルドを構築していく楽しみもあります。

 この手のジャンルをやり尽くしている人も、死にゲー未プレイの方も、現在体験版が配信中ですので、この機会に触れてみてがいかがでしょうか。

©コーエーテクモゲームスAll rights reserved.

本記事はアフィリエイトプログラムによる収益を得ている場合があります

関連する記事一覧はこちら