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主人公は勇者じゃない。ゲームアーツの超大作『ルナ』は粗削りながらワクワクが詰まった傑作でした

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 10月27日に発売される『メガドライブミニ2』に収録されているタイトルについてレビューしていきます。

 『メガドライブミニ2』は、令和初のゲーム機として話題を呼んだ、ミニハードの決定版『メガドライブミニ』から、内容を一新し、『メガドライブ2』を再現した新デザインでさらなる小型化を実現しつつ、大きくパワーアップした新ハードです。

 特別企画では、さまざまなライターがソフトの特徴や魅力を語っていきます。今回掲載するのは『ルナ ザ・シルバースター』です。

『ルナ ザ・シルバースター』 文:そみん

 メガCDの超大作として登場した『LUNAR(ルナ) ザ・シルバースター』は……個人的には粗削りな部分も目立つ作品でした。もちろん、とても丁寧に作られており、当時のクオリティとして悪かったわけではありませんが、なんというか「もっと、もっと『ルナ』はおもしろくなった気がする!」というゲームアーツへの期待も含めて。

 ちょっとネガティブな感想からで恐縮ですが、『ルナ』自体はとてもオーソドックスなRPGです。バトル時にキャラクターが移動し、位置取りの概念が多少存在するところはユニークですが、基本的にはストーリー重視のRPGであり、いわゆるレールにそったJRPGタイプ。

 ただ、大きな宿命を背負った少女ルナと、その逆に英雄や冒険にあこがれる単なる村人である少年アレスが紡ぐ物語が、本当にワクワクする作品です。当時、RPGといえば選ばれし勇者が主人公をつとめる中、『ルナ』が描いたのは、どこにでもいる少年が、自分の好きな女の子を守る物語。

 それが、ひいては人間と神というテーマにつながっていくわけで……熱いんです。

 また、物語上で大きな役割を果たす“歌”という要素がCDという媒体とマッチしていたのも大きなポイント。

 個人的には、『ルナ ザ・シルバースター』という物語を今楽しむなら、セガサターン版やPS版を遊ぶことをおすすめしますが、その原点となるメガCD版も、ぜひ遊んでほしい作品です。粗削りな部分はありつつも、冒険のわくわくを味わえる傑作ですので。

 そして願わくば、『ルナ』のテーマを継承する正統続編『ルナ エターナルブルー』(神ゲー)も収録されているので遊んでください。さらにいえば、収録はされていないのですがゲームアーツのRPGとしての進化を遂げた『グランディア』シリーズ(神ゲー)も体験してほしいのですが……話が長くなるので、まずはぜひ『ルナ』をお楽しみください!

タイトル説明(公式サイトより)

 ゲームアーツがおくる、メガCDを代表するRPGシリーズの第1作。伝説の四英雄のひとりドラゴンマスター・ダインに憧れる少年アレスは、幼なじみの少女ルーナ、羽の生えたネコのような謎の生物ナルと共に冒険に旅立ちます。

(C)1992 GAME ARTS
キャラクターデザイン/窪岡 俊之

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