《裏解決屋》の流儀とは?『黎の軌跡』の物語をプレイバック【序章~2章】
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9月29日に日本ファルコムよりストーリーRPG『英雄伝説 黎の軌跡II』が発売されることを記念して、前作『黎の軌跡』のストーリーを全3回で振り返っていきます。今回は序章~第2章までのプレイバックとなります。
※本記事内には物語のネタバレを含む表現がありますので、ご注意ください。
序章_旧市街の裏解決屋
●曾祖父の形見が運命の出会いを導く
物語の舞台はゼムリア大陸の中央部に位置するカルバード共和国(以下、共和国)。前シリーズ『閃の軌跡』の舞台であるエレボニア帝国(以下、帝国)と並び、大陸西部では二大国として知られている。
前シリーズで起きた世界大戦から約2年が経過し、帝国から支払われた天文学的な賠償金によって共和国はかつてない好景気に見舞われ、もはや大陸随一の大国と呼べるほどに国力を充実させていた。
そんな共和国の首都・イーディスにある旧市街の一角で、表沙汰にはできないが筋の通った依頼なら何でも引き受ける《裏解決屋》を営むヴァン・アークライドのもとを、アラミス高等学校の女生徒アニエス・クローデルが訪れるところから物語は始まる。
依頼の内容は“曾祖父が遺した古い《導力器(オーブメント)》の捜索”というもの。
ヴァンはアニエスとともに情報屋や裏仲介屋などのツテを当たって調査に乗り出すも、その過程で殺人事件が発生。事態を重く見たヴァンは単独で調査するため、学生であるアニエスを帰そうと促すが……。
そしてたどり着いた地下遺跡にて、ヴァンたちは同じく《導力器》を探していたマフィア組織《アルマータ》の構成員と戦闘になる。薬物強化された彼らの猛攻をしのぎ切れずピンチに陥ったそのとき、アニエスと発見したばかりの《導力器》が共鳴し、時が止まる謎の現象が起こる。
危機一髪のところを謎の現象に救われた2人。ヴァンの端末にインストールされたホロウAI《メア》が突如“自我”を持って喋り出し、彼女の「悪夢を纏う、纏わない?」という質問に、ヴァンは「纏う」と選択する。
霊子装片《シャード》という特殊な力場を高密度に“纏う”ことで、《魔装鬼グレンデル》へと変身するヴァン。薬物強化されたマフィアすら、子どものようになぎ倒す圧倒的な戦闘力を見せた。
戦闘後、ヴァンとアニエスは解決事務所へ帰還。そこで例の《導力器》が、半世紀前に起きた《導力革命》の立役者、C・エプスタイン博士によるものであると答え合わせを行なう。
アニエスが母から受け継いだ曾祖父の手記にはこう書かれていた。「《オクト=ゲネシス》を120*年までに取り戻してほしい。さもなければ全てが終わる」と(ちなみに作中は現在1208年)。
その言葉が頭から離れず、自分が動くことを決意したというアニエス。今回取り戻した《導力器》あらため《ゲネシス》は、曾祖父曰く“実験観測”に使う原型導力器であり、全部で8つあるという。
その話を聞いたヴァンは「興味が出てきた」と言って、残り7つある《ゲネシス》捜索を手伝うことに。アニエスもそういうことならと、自分を解決事務所のバイトとして雇うよう提案。
こうして、アニエスはアークライド解決事務所の助手1号に収まることになる。
第一章_いとけなき焔~旅立ち~
●猟兵の少女から受けた人探しの依頼
“猟兵”――それはミラ(お金)で雇われて戦闘を行なうプロフェッショナル。一般的な“傭兵”よりも高い戦闘力を持つものをそう呼び、貴族や軍の兵隊となったり、汚れ仕事を引き受けたりしている。
とある代理戦争を行なっていた高位猟兵団《アイゼンシルト》と《クルガ戦士団》。戦場では敵としてまみえても、戦場以外では禍根を残さず付き合う価値観を持っており、この2人の猟兵も敵ながら姉妹分のような関係を築いていた。
ある日、ヴァンのもとを訪れた猟兵の少女フェリーダ・アルファイド(フェリ)は、消息不明となった猟兵アイーダの捜索を依頼する。
フェリの話を聞いている最中に光り出したアニエスの持つ《ゲネシス》。これが決定打となり、ヴァンたちは共和国の北西部にある農村・クレイユ村へと出張することを決めた。
クレイユ村は中世の建物や風車が立っている、自然豊かでのどかな農村。蕎麦が名物で、ガレットや採れたて野菜の美味しさはアニエスたちも絶賛するほど。
そこでは《アルマータ》の幹部メルキオルによる第2の《ゲネシス》を用いた実験が行なわれており、猟兵アイーダとその仲間たちは人を襲う《屍鬼(グール)》と化していた。それを救おうと、ヴァンたちは丘陵地帯の奥深くまでたどり着くが……。
一度死につつも《屍鬼》として蘇ったアイーダ。本来意識は保てないはずだったが、彼女だけは超人的な精神力のおかげか、なぜか意識を維持できていた。
メルキオルが“生命活動”をつかさどる《ゲネシス》を使い、ほかの《屍鬼》とアイーダを融合。ヴァンやフェリを襲う化け物に変えてしまった。
その後、ピンチに陥って再び発現したメアの導きにより《グレンデル》へと変身したヴァンは、アニエス、フェリとも協力し、アイーダを元に戻すことに成功する。
しかし、彼女はすでに一度死んだ身。《ゲネシス》の力の供給も途絶えたことで、二度目の死を迎えようとしていた。アイーダはフェリの成長を願って自分にトドメを刺すように言うが、フェリは大切な人を手にかけることができず泣きじゃくるばかり。
それを見かねたヴァンは「子どもに背負わせてんじゃねえよ。こういうのは大人の役割だろ?」と、代わりにアイーダを介錯。アイーダは人の心を保ったまま、光の粒子となって消滅した。今は亡き、《西風の旅団》の団長ルトガーを想いながら。
後日、解決事務所にてヴァンとアニエスが今後のことを話していると、フェリが“恩”を返すためにやって来る。すでに空き部屋も契約済みという手回しの良さで、なし崩し的に助手2号が解決事務所に加わることとなった。
まっすぐな目で「恩返しをさせてください!」と押しかけるフェリと、「成長の機会を与えるために思う存分コキ使って構わないが、万が一手を出したら“全クルガ”をもって死を与える」など、頼みとも脅しとも取れる手紙を読んだヴァン。心なしか、顔色が悪い。
第二章_宿星~煌都の麒麟児~
●才気あふれる若者の未来は光か、闇か
とある手配魔獣を討伐した際、ちまたで話題の《怪盗グリムキャッツ》と遭遇するヴァン一行。その正体にうすうす感づきつつも、面倒事になるからと沈黙を守ることに。
そんなある日、共和国最大の勢力を誇るシンジケート《黒月》の幹部ツァオに依頼され、煌都ラングポートに出張することが決まる。
依頼は進出してきているマフィア《アルマータ》の動きを牽制してほしいというもの。ちなみに決め手は、《ヴァリス市国》から取り寄せた秘伝の“生ドライフルーツ”だった。
ヴァンがカスタマイズした愛車でラングポートに移動後、《ゲネシス》関連の聞き込みをしていると、半グレがヴァンたちに絡んで来る事件が発生。
半グレを撃退すると、この街の若者たちのリーダー的存在であるアーロン・ウェイが登場。よそ者がこの街の問題に首を突っ込んでいることが気に食わない様子で、ヴァンと一戦交えることに。
その後、アーロンとヴァンが協力して詐欺師を捕まえた夜、ラングポートを深い霧が覆った。それは自然に発生したものではなく人為的な霧であり、霧に乗じて現れた《アルマータ》の幹部がアーロンの仲間を皆殺しにしてしまう。
やがて情報を集め、《アルマータ》は禁忌の地《黒龍城砦》に潜み、《黒月》との全面戦争の準備をしていると判明。ボロボロになりながらも、アーロンは友の仇を取るため、決戦の地へと向かう。
《アルマータ》の幹部たち曰く、この地には時代の節目に絶大なカリスマの持ち主《大君(タイクン)》が現れるとのこと。半世紀前に現れた《大君》は《黒月》の裏切りによって投獄され息絶えたが、今代の《大君》ことアーロンにその魂は受け継がれているという。
この地に封じられていた先代《大君》の《ゲネシス》を投げ渡す幹部たち。それを受け取ってしまったアーロンは、“場の記憶”を喰らった《ゲネシス》の力で魔人《大君》へとなり果ててしまう。
彼らの目的は《大君》を目覚めさせ、《黒月》とぶつけることで戦力を削ぎ、《黒月》の長老を仕留めようというものだった。事実その力は圧倒的で、《グレンデル》と化したヴァンの力をもってしても抑えきれないほど強かった。
そこでヴァンは《大君》のなかに残っているであろう“アーロン”の意識に呼びかけることに。「甘ったれんな!」と一喝し、彼自身の誓いを思い出させ、「ずいぶんとぬるいじゃねぇか!」と煽る。
《大君》に呑み込まれつつあったアーロンの意識は心の中で目覚め、《大君》に一対一の勝負を挑む。これに勝利したことで、アーロンは体の主導権を取り戻すことに成功した。
そしてアーロンは今回の一件で自分を見つめ直すため、煌都を離れることを決意。余計なお節介をしてきた代償として、ヴァンに厄介にならせてもらうと、解決事務所へ乗り込んでくる。
こうして、3人目の助手が加わり、ヴァンのハードボイルドな日々(自称)は賑やかで騒々しい日々へと変わっていくのだった。
第2回以降も近日公開予定です。
『黎の軌跡II』電撃スペシャルパックが登場!
『黎の軌跡II』電撃スペシャルパックでは、“グレンデル”がプラキットになって付属! 更に学生時代のヴァン・エレイン・キンケイドを描いたタペストリーや、ピクニック隊の缶バッジ&ポストカードセット、新久保先生の描き下ろし4コマにエレインのDLC衣装など盛りだくさんです。
また、シズナEDITIONでは“シズナの黒太刀”のメタルウェポンも同梱されます。豪華グッズが詰まった電撃スペシャルパックをお見逃しなく!
※“グレンデル”のプラキットは後送で12月以降のお届けとなります。
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