『黎の軌跡』の物語をプレイバック。頭脳派な仲間たちが加入し、裏解決屋が更に賑やかに【三章~間章】

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 日本ファルコムのストーリーRPG『黎の軌跡II』の発売を記念して、前作『黎の軌跡』のストーリーを全3回で振り返っていきます。今回は第三章~間章までのプレイバックとなります。

『黎の軌跡』プレイバック記事

※本記事内には物語のネタバレを含む表現がありますので、ご注意ください。

第三章_サルバッド狂想曲

●華やかな祭りの裏で侵食する悪意

 とある依頼の流れで今をときめく映画女優ニナ・フェンリィ、およびB級遊撃士フィー・クラウゼルと出会った《裏解決屋》一行は、その縁で《サルバッド映画祭》の調査を依頼され、出張することになる。


 映画女優のニナ、帝国の遊撃士フィーとはこのあとの出張先でもたびたび顔を合わせることに。

 サルバッドは共和国南東部にあり、中東の同盟国《エルザイム公国》との関係が深いとされている、砂漠のなかの遊興都市。そこでヴァンたちは依頼人であるニナおよびジュディスと顔合わせをしたのち、裏解決業務4spgを開始。見事な演舞を見せた踊り子姉妹サァラ&シャヒーナとも出会う。

  • ▲成金の観光客に絡まれているところを助けて知り合う。互いを想い合っている仲良し姉妹だ。

 調査の一環で地下水路をせき止めている魔獣を討伐することになり、4つ目の《ゲネシス》を発見。しかし突如現れた“天使”に横取りされてしまったため、《グレンデル》化して対抗しようとするヴァン。

 が、そのとき謎の声が響き、普段の蒼い光ではなく、紅い光を纏い《グレンデル》化した結果倒れてしまう。

  • ▲サポートAIであるメアも何が起こったのかわからない様子だが、心当たりはあるようだ。

 その後、ヴァンが契約している《マルドゥック総合警備保障》のサービスコンシェルジュ(SC)であるリゼット・トワイニングが現れ、謎の天使は撤退。ヴァンも元に戻るが《ゲネシス》は持ち去られてしまう。

  • ▲リゼットはこのまま《裏解決屋》へ出向するという名目で、ヴァンの仕事をサポートしてくれることに。

 再び街の様子を探る一行。すると少しずつ街の人の様子がおかしくなっていることに気付く。原因は急速に流行が広まっていた《導力シーシャ》(※シーシャ:水たばこ)で、服用すると理性のタガが外れるような違法ドラッグが混入されていた。

 犯人は映画祭を取り仕切る《ベガスフィルム》の社長だった。マフィア《アルマータ》に脅され、犯行に及んでいたとのこと。遊撃士フィーの協力を得て決定的証拠となりうる現場を押さえるも、社長はアルマータ幹部・メルキオルの手で無惨にも殺害されてしまう。

 そして映画祭当日、社長の死を悼みつつも“セクシー&スペクタクル”をテーマとした雌狐パレード(フォクシーパレード)が開催。しかしその最中、姉の代わりにパレードに出ていたシャヒーナが“仮面”を装着し“洗脳の舞”を踊り始める。「姉に負担をかけないくらい自分も輝けたら」という純粋な想いを、黒幕に利用された形だ。



 黒幕が持つ4つ目の《ゲネシス》を使うと、《導力シーシャ》を服用していた人が強制ドラッグ状態に。それをシャヒーナが仮面と踊りの力で増幅し、狂乱の渦に巻き込んでいる、という仕組みだった。

 ジュディ――怪盗グリムキャッツと一時的に手を組みつつ、黒幕の待つホテル最上階を目指す一行。そこで事件の黒幕である《アルマータ》の首領ジェラールと相まみえ、今回の一連の流れは“実験”であったことが語られる。


 その際、ジェラールは《ゲネシス》を「いずれ正当な所有者の元に集まる代物」であると言及。これがどういう意味なのかはいまだわかっていない。

 ジェラールは《ゲネシス》を用いて高位次元に棲む“黄金の雷獣王ウルスラグナ”を召喚。ヴァンは以前暴走したことをリゼットに相談し、対策を講じたうえで安全に《グレンデル》化することに成功する。


  • ▲原理不明の《グレンデル》化に介入できるマルドゥック社の技術力は、底が知れない……。

 ヴァンたちは雷獣王を倒し、仮面の力で操られたシャヒーナは姉のサァラが“踊りの力”で呪縛を打ち破った。黒幕は最新鋭のステルス艇で悠々と去っていったが、被害は最小限。裏解決業務としては「及第点」だとヴァンは締めくくる。


  • ▲1年前の《クロスベル再事変》で起きた《宵闇の舞姫》と《月の姫》による舞の決闘の再現。呪縛から解放された姉妹は、踊りの力でメチャクチャになりかけた映画祭を盛り上げ、いっときの熱狂を生み出す。

 後日、アークライド解決事務所の“現地SC”としてリゼットが長期出向することが決まり、またもやその話を秘密にされていたヴァンは頭を抱えることになるのだった。

第四章_災厄のプロトコル

●技術の発展は人類への福音か災いか

 共和国首都イーディスの地下に広がる《黒芒街》。清濁併せ呑むアウトローなこの地で、遊撃士協会、CID、黒月、結社、七耀教会そして裏解決屋のメンバーが顔合わせをし、マフィア《アルマータ》へ対抗するため一時休戦する協定を結んだ。

 その帰り道、ヴァンたちはエルザイム公国のシェリド公太子とCIDのキンケイドより、バーゼル市への出張を依頼される。内容は、《アルマータ》が関与しているかもしれない、“導力ネットおよび導力供給網の不安定化”に関する調査というもの。

 バーゼル市は共和国の巨大メーカー《ヴェルヌ社》の本拠地でもある学術工業都市。かのC・エプスタイン博士の直弟子《三高弟》の1人ラトーヤ・ハミルトン博士がいた《バーゼル理科大学》もこの地にある。

 現地に到着した一行は《ヴェルヌ社》のCEOと面会。露骨に厄介者な扱いを受けるも「かえって動きやすい」と調査に乗り気に。いっぽう、アラミス高等学校の《視察研修》の一環としてやって来たアニエスはハミルトン博士の秘蔵っ子カトル・サリシオンに案内され、ヴァンたちと合流する。

  • ▲カトルを“君”付けか“ちゃん”付けかで迷うヴァン。本人は男だと言っているが、スキンシップに過剰反応したり、サウナには1人で入ったりと、気になる描写は確かに多い(いまだ未確定)。

 4spgをこなしつつ状況を把握していくと、カトルが採掘道で音信不通となる事件が発生。交換したばかりの“魔獣除けの導力灯”が不安定になっているのが気になり、1人で調査していたという。

 無事にカトルを助け、職人組合の信頼を勝ち取ったヴァンたちは認証カードのランクを引き上げてもらい、理科大学への立ち入りが可能に。そこで“パワハラ教授の告発”という4spgのため聞き込みをし、該当する人物の特定に成功。“落としどころ”を見つけるために直談判するが、あろうことか開き直って突っぱねられてしまう。

 助手へのパワハラが問題となっていたキャラハン教授。「昔はこんな人ではなかった」と周囲の誰もが言っており、彼を変えてしまった“何か”があることは明白だった。

 導力網が危険と判断したリゼットはマルドゥック本社へ報告することに。地上900セルジュに浮かぶ超低高度通信衛星を通じて、従来の導力網を用いることによる傍受のリスクなく通信を可能にする技術がお披露目された。

 夜の大学に忍び込んでいたCIDのカエラ特務少尉と出会い、情報をまとめているところで事件が発生。キャラハン教授の研究室に賊が入り、教授がさらわれてしまう。翌日《ヴェルヌ社》のCEOから教授が変貌した動機が明かされ、ここでもマフィア《アルマータ》が関わっていることが判明。

 教授の行方を捜索するとともに、天才科学者と話題のクロンカイト教授にも話を聞く一行。そこで《ゲネシス》の存在を開示すると、それがC・エプスタイン博士が作り出した導力技術の確立を導いた実験装置《オクト=ゲネシス》と呼ばれるものであると明かされたほか、キャラハン教授の研究が《反応兵器》という悪魔の仮想兵器だとカトルは推測する。

  • ▲理論的にあらゆることを看破するクロンカイト教授。一を聞いて百を知るかのごとく、推測だけで現在起きている事件の真相にほぼ迫っていた。ある意味、本作で最も底知れない人物の1人。

 キャラハン教授が隠れて実験を行なっていた野外実験棟を調べ、目的が《反応兵器》である裏付けが取れる。同時に、沼の底から溺死させられたキャラハン教授が発見。CID、遊撃士も集まる騒動となるが、これらは目くらましに過ぎなかった。

 《アルマータ》はキャラハン教授を殺害したのち、高速艇でバーゼル市へ移動。人形兵器を街に放って混乱を誘い、理科大学の天文台にある高性能端末に第5の《ゲネシス》を付け、とあるプログラムを実行。結果、人格と知性を残したままAIとして変換されたキャラハン教授が誕生する。

 さらに後始末のため《アルマータ》が残した爆弾からカトルをかばい、リゼットが負傷。その身体は機械だったことが判明する。

 AIになったキャラハン教授。人としての“枷”を外し、クロスベル事変で偶然発生した《技術的特異点》そのものになることが目的だったという。

  • ▲機械の身体ながら“人”として活動していたリゼット。ある意味でキャラハン教授と対比的だ。

 その後、マルドゥック社のソーンダイクGMとカシム警備主任が現れ、街の守護を託される。情報を集めた一行は、敵がバーゼル近郊にある《オールト廃工場》にいることを突き止めて突撃。そこにはAI化したキャラハン教授と《アルマータ》が最後の計算を行なっており、いままさに《反応兵器》が生み出されようとしていた。

  • ▲共和国が進める次世代汎用人型機動兵器・AF(アサルトフレーム)を手足として操るキャラハン教授。圧倒的な火力がヴァンたちを襲う。

 駆け付けたレンの助力やグレンデル化のおかげでAFから《ゲネシス》を奪取することに成功。《反応兵器》の計算は99.7%で停止し《アルマータ》は撤退する。

 キャラハン教授は《ゲネシス》停止により自己崩壊し、彼の遺した計算式は急きょ帰国した《三高弟》の1人ハミルトン博士や、クロンカイト教授などの手で解析、あくまでも平和のために活用されるという形で決着した。

 後日、カトルは技術顧問として手伝うため《裏解決屋》に正式加入。《ゲネシス》や《メア》に関する分析も進めるという。

 一方、バーゼル市を離れたクロンカイト教授はグラムハート大統領と面会し、彼が進める「世界に変革を促していく計画」こと《ゼクー宇宙軍基地》の完成と運用に本腰を入れることになるのだった

間章_龍來温泉郷奇譚

●共同招待による慰安旅行

 Z1レーサー・マクシムから、昔逃げられた彼女と子どもを探してほしいと依頼される《裏解決屋》。なんとその女性は事務所の1階でお世話になっているポーレットとユメのことだと判明。当然ポーレットもマクシムのことに気付くが、“初対面”からやり直すことで彼の誠意を試すこととなった。

 それはともかく、これまでの裏解決業務で関わってきたお偉方からの共同招待として、二泊三日の慰安旅行へと出かけることになったヴァン一行。行き先は共和国東部の温泉郷《龍來(ロンライ)》で、仕事ではないためユメを一緒に連れていくことに(その間に、ポーレットは彼女の父ビクトルとマクシムのことについて話していた模様)。

 元気いっぱいのユメ(6歳)を連れた温泉旅行。加わったばかりのカトルを含め、《裏解決屋》メンバーの親睦を深める旅行でもある。




 風鈴づくり、温泉卵づくり、釣り大会、龍來茶を楽しむ一行。






 手相占いではメンバーそれぞれの占い結果を楽しめる。

 のんびり観光していると、新たに貼られた4spgのメモを発見。話を聞いてみると、女性の湯治客が魔獣が出て危険な龍來瀑布へ行ってしまったので連れ戻してほしいという依頼だった。その女性の特徴からヴァンたちの脳裏にはある知り合いの姿がチラついていたが、ともかく捜索を開始する。


 滝行をするジュディスを発見。そこへ魔獣が襲い掛かって滝行は中断してしまう。




 この期に及んで“グリムキャッツ=ジュディス”を隠そうとする彼女と言い合いをしているところで彼女の白装束がはだけ、ヴァンは渾身の平手打ちを甘んじて受け入れることに。

 その後、露天風呂で裸の付き合いをしたり、ジュディスと夕食を同席したり、入り直した風呂でカトルと遭遇して狼狽されたりとサービスシーン多め(?)の時間を過ごしたのち、5年前にヴァンが一時期過ごしていたという元《泰斗流》の道場を訪れる。

 そこには共和国の前大統領ロックスミスが隠居しており、ヴァンの師や現在のカルバードで顕在化する“歪み”などについて情報交換を行なった。

 その夜、ユメの目が紅く光り出す現象が発生。そのままユメはどこかへいなくなり、翌朝にはヴァンの専用AI《メア》も無反応となる。聞き込みをしてユメがイシュガル山脈へ向かったと聞き、追いかける。


 追いつくとユメは《メア》に身体を乗っ取られているという異常事態になっていた。グレンデル化も成し遂げる《メア》のシャード制御能力は群を抜いており、空中に足場を作ったり実体を伴った幻影を作ったりしてヴァンたちを翻弄、鬼ごっこを楽しむ。

 すると山脈に居座る《白銀の剣聖》シズナに捕まった《メア》。なし崩し的にシズナの退屈しのぎにヴァンたちは付き合わされることとなる。


 侍衆《斑鳩(いかるが)》の副長を務めるシズナ。その実力はかつて帝国の英雄リィンをあしらったほどであり、彼の得意技《神気合一》を模倣するなどいろいろと規格外の能力を持っている。

 一戦交えたあと、ジュディスの(意外にも常識的な)一喝によってシズナは矛を収める。

 すると、マフィア《アルマータ》に協力している組織《庭園(ガーデン)》の1つ、《錆》の管理人をしている《鏖殺》のアリオッチが姿を現し、名乗りを上げる。

 今回は挨拶だけと言い、次は《謝肉祭》で会おうと告げ去っていくアリオッチ。

 乱入者のせいで騒然としたものの、これにて一件落着。シズナたちは去り、《メア》は身体をユメに返してヴァンの端末へと戻った。




  • ▲その際、イシュガル山脈に来た理由を語っていた《メア》だが、“喪われた言葉”なのか部分的に聞き取ることができなかった。今後の大きな伏線となっている。

 そして旅行2日目はマッサージを受けたり美味しいものを食べたりと旅行らしい1日を過ごし、無事に首都へ帰還する一行。

 しかし道中の道はやけに混んでおり、導力ネットも繋がりにくくなるなど、何かしらの異常事態が起きているという空気だけは伝わっていた。

 その後、マフィア《アルマータ》がクレイユ村を訪れ、未知の兵器による爆発を発生させたという事実が判明。爆発によりクレイユ村周辺は壊滅、住民の生存は絶望的であるという。

 そしてそのとき、クレイユ村にはヴァンとも親交のあった記者ディンゴが訪れていたと、彼を慕う記者マリエルが泣きながらヴァンに告げるのだった。


▲ディンゴが死んだかもしれない――それを裏付けるかのように、ヴァンの元には彼からのメッセージも届いていた。

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