PSVR2を先行体験。ビジュアル、ゲームプレイともに間違いなく新時代を提供してくれる!
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PS5向け次世代バーチャルリアリティシステム『PlayStation VR2(以下、PSVR2)』。
本デバイスをいち早く体験した感想をPSVR2版『バイオハザード ヴィレッジ』と『Horizon Call of the Mountain』のプレイレポートとともにお届けします。
PSVR2はヘッドセットをかぶったままコントローラーを探せる!
PSVR2は主に、PlayStation VR2ヘッドセットと2つのPlayStation VR2 Senseコントローラーで構成。
本体周りの設定を行う際のPS VRとの大きな差が3つあります。
まずプレイヤーの視線をPSVR2に認識させる“視線トラッキング”。
こちらは、トラッキングによってプレイヤーが視線を合わせている場所を高解像度で描写する機能ですが、トラッキングを設定する際に“自分が正しくPSVR2を通して画面を見ているか”を確認できるので、実際にゲームをプレイした際にヘッドセットを正しくかぶっていないことによる見えづらさを感じませんでした。
次に、ボタンひとつで目の前に映る映像を現実の光景に切り替えられる“シースルービュー”。
通常VRヘッドセットを被っている間は、周囲を見られないのが当たり前です。PSVRを使ったことがある人のなかには、せっかくかぶったヘッドセットを頭の上に押し上げてコントローラーを探した経験がある人もいるでしょう。
ですが、シースルービューに切り替えればヘッドセットをかぶったままコントローラーを探すことが可能。
ヘッドセットの右下という、ヘッドセットをかぶったままでも手探りで触れる位置にシースルービューに切り替えるボタンがあるので、PSVR2では事前に決まった場所にコントローラーを置いておくという準備は必要なさそうですね。
さらに、部屋のスペースや障害物に合わせた“プレイエリアのカスタマイズ”も可能です。
こちらは、ゲームを安全にプレイできるプレイエリアを自分の部屋のサイズや家具などの障害物に合わせて調整できる機能。
全体としてPSVR2は個人個人のプレイ環境に合わせた調整が充実している印象です。
VRで遊ぶ『バイオハザード ヴィレッジ』は、まさかの普通?
今回プレイしたのは2タイトル。最初にプレイしたのは『バイオハザード ヴィレッジ』でした。
体験したのは、怪しげな洋館に立ち入り、内部を探索しているとドミトレスク夫人やベイラたち三姉妹と遭遇して逃げることになるというシーン。
『バイオハザード ヴィレッジ』と言えば美麗なビジュアルが特徴のひとつ。それがVRで見られることでより美しく……と書くのが筋なのでしょうが、最初に抱いた印象を正直に書くなら“普通”。
最新のVRデバイスを使った感想が普通とはどういうことか! とお叱りを受けそうですが、これにはれっきとした理由があります。
『バイオハザード ヴィレッジ』で描かれる風景はまるで実写かと見まごうような高精細なものが多々見られますよね。そして、VRデバイスはゲーム画面が視界いっぱいに広がっているような体験をさせてくれます。
この両者が融合、つまり実写と見まごうような光景をハイクオリティなVRで体験した結果“現実の光景として目の前に洋館の壁がある”と一瞬脳が誤解したんですよ。これが最初に“普通”と感じた理由です。
そこから“これはゲーム。どこまできれいでもゲーム画面”と思いなおして、改めて目の前に広がる光景のリアリティを認識するといった具合。目の前に普通の光景が広がっていることが普通ではないという、映像の説得力が一線を越えた感覚を受けました。
そんな現実と誤解するような洋館を探索するのは、モニターを通して見る『バイオハザード ヴィレッジ』の世界とはまた違った怖さ。
扉を開けたらなにかがいるかもしれない、なにかがいるとしても自分がそちらを向くまでは気が付くことさえできない。一方で周りを見るのもなんとなく怖い。
終始、本作のクリエイターの怖がらせてやろうという考えに踊らされた気がしましたね(笑)。
また、印象的だったのはイーサン(=プレイヤー)がフックで吊り下げられて、ドミトレスク夫人やベイラたち三姉妹と邂逅するシーン。
彼女たちはプレイヤーにとって恐怖の対象ではあるのですが、それと同時に妖艶さを感じさせるキャラクターでもあります。
あの背徳感とセクシーさがVRを通すことで、さらに向上! あまり深掘りすると怒られそうですが、なんというか“よかった”ですね。
見ようと思えば、ベイラたちの大きく開いた胸元を鑑賞することもできたと思うのですが、今回のプレイは自分が見ている映像が近くのモニターにも映される仕組み。つまり……見るとバレるんですよ(笑)。せっかくなのでじっくり見ておけばよかったと少し後悔しています。
また、アクション面ではナイフと銃を使った戦闘が特徴です。ナイフは左上腕にセットされており、それを右手で掴めば使用可能。
右手を横に振ったり、前に突き出したり、そしてタイミングよく離してナイフを投げたりと直感的な操作で扱うことができます。
そして、銃は右太ももにセットされており、こちらも手に取れば使用可能。普通にコントローラーを握れば人差し指がかかっているだろうR2ボタンで引き金を引くことができます。
ただ、リロードの操作はVRならではの独特のもの。
まず、〇ボタンor△ボタンを押して弾倉を排出。次に左ふとももにセットされている新しい弾倉を掴み、銃に装填。最後に銃を持った手に反対の手をかぶせるようにした引くコッキングを行って初めてリロードが完了します。
古い弾倉を排出→新しい弾倉を手に取る→銃に装填→コッキングとリロードに4アクションが必要というのは、意図的に作られた本作の手間になる部分。
落ち着いて手順をこなせば難なくリロードできるのですが、リロードが必要なシーンは基本的には戦闘中です。
リロードしようとしたら敵が迫ってきたので一時的に中段して回避に専念せざるを得なくなったり、敵の攻撃を回避できたからと銃を構えてみたら弾倉が空っぽだったりと、アクション映画のやられ役のような失敗が続出!
焦って失敗することも含めてVR版ならではの楽しさですが、結構醜態をさらしていたような気がします。
『Horizon Call of the Mountain』は今だからこそ世に出せるゲーム
そして、プレイしたもう1タイトルは『Horizon Call of the Mountain』。本プレイでは、チュートリアル的なシーンと巨大な機械獣とのバトルを楽しめました。
VRで遊べるゲームには、“既存のタイトルをベースにVRで楽しめるようにしたもの”と“VRで遊ぶためにいちから作ったもの”がありますが、本作は『Horizon』シリーズでありつつも後者という印象です。
□ボタンと×ボタンを押しながら腕を前後に振ると前進、R1ボタンを押すと目の前の壁や武器などを掴むといった具合に操作はどこまでも直観的。
とくにR1ボタンを押す際は“コントローラーを握る”動作が必要になるため、プレイヤー自身の手の動きとゲーム内での挙動がマッチしています。
さらに壁を登るシーンでは、壁の上に乗りあがる際に少し手を伸ばさなければいけないというちょっと大変なポイントもあり。一度手を離せば真っ逆さまという光景が目の前に広がっていることもあって、自然と手に力が入りました。
チュートリアル的なシーンは、壁を登ったり掴んだリンゴを口元に持っていってかじったりと“本作ではどういったことができるか”が主体。
ラストに小型の機械獣との戦闘はありましたが、VRが初めてでも難なく楽しめる内容。あえて言えばVRに慣れていると少し物足りないものでした。
正直なところ、『Horizon』の世界への没入感は非情に強いものの、ここまではPSVRのタイトルと比べて極端にゲームプレイに差があるとは感じられませんでした。
ですが、大型の機械獣との戦闘で印象は一変することに!
この戦闘では、相手の攻撃を避けながら弓矢を使って相手に攻撃を仕掛けていくのですが、相手の攻撃に容赦がないんです。
初期のVRゲームに見られたような明確な攻撃タイミングが用意されているようなものではなく、続けざまに相手が仕掛けてくる攻撃をきっちり避けていかなければまともな攻撃の機会はなし。そして、うまく避けられていればそれだけ攻撃のチャンスが増加するという、プレイヤーの腕前がダイレクトに反映されるゲームプレイ。
アクションに慣れているという人でも、まず初見では倒せない難易度になっていました。
攻撃チャンスの作り方も、その場で回避する、遮蔽物の影に移動する、攻撃を仕掛けてのけぞらせてさらに追撃をするとさまざま。矢継ぎ早に飛んでくるミサイルがやむまで延々と回避行動を繰り返したり、耐久力に限りのある遮蔽物をいつ利用するかを考えたりととにかく手も頭も忙しいんです。
さらに特定の部位を破壊してその部位を使った攻撃を繰り出せなくするといった、攻撃の精度を求められる要素もあり。あえて例えるならVR空間でFPSとガンシューティングを足したような、初めての体験を味わえました。
何度も、本当に何度も……10回以上の敗北を経てこの戦闘に勝利したときの達成感と、それだけの時間VRコントローラーを動かし続けた心地よい疲労感は格別! そして、同時に感じたのは『Horizon Call of the Mountain』は、今でなければ出せないゲームだろうということです。
PSVRが発売された当時のような、まだユーザーがVRに慣れていないころに本作をプレイしたら少なからず難しすぎるゲームだと感じる人もいたでしょう。
それぐらい手ごたえのあるゲームプレイだからこそ、VRに慣れてきた今のユーザーにとっても新しい体験となってくれるはずです。
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