『SAO アリシゼーション リコリス』をレビュー。Switch版はここが変わった！

　バンダイナムコエンターテインメントは、『SWORD ART ONLINE AlicizationLycoris（ソードアート・オンライン アリシゼーション リコリス）』のNintendo Switch版を9月29日に発売しました。

　『ソードアート・オンライン アリシゼーション リコリス（以下、SAOAL）』は、小説やアニメで展開している『ソードアート・オンライン』の《アリシゼーション》編の物語を、ゲームシリーズならではのオリジナル展開で体験できる作品です。

　Nintendo Switch版には、すでにPS4やXboxOne、PC（Steam）向けにリリースされている『SAOAL』本編を移植したうえで、UIや操作などをNintendo Switch向けに対応。さらに、本編に加えて、他機種版で配信していた無料アップデートコンテンツ『古の使徒』第1～4弾も収録。1本で『SAOAL』を存分に楽しめる内容です。

　また『古の使徒』第5～8弾および、有料大型DLC前編『-Myosotis-（ミュオソティス）』と後編『-Matricaria-（マトリカリア）』も随時配信予定となっています。

　この記事では、改めて『SAOAL』の魅力をレビューしつつ、Nintendo Switch版の変更点とプレイした感想をお伝えしていきます。

オリジナル要素を加えたアリシゼーションの物語

　本作で原作小説やアニメと共通している物語の範囲は、キリトが《アンダーワールド》で目覚めてユージオと出会うところから、アドミニストレータとの決戦まで。その後はオリジナルストーリーで物語が展開していきます。

　ゲーム中では物語の重要シーンをすべて抑えてあるので、本作をプレイすれば《アリシゼーション》編前半の物語を隅々まで楽しめます。オリジナルストーリーの展開もあるので、描かれる物語のボリューム感に満足できること間違いなしです。

　物語をなぞっていると言っても、本編は展開を知っている人でも楽しめるオリジナルストーリーが用意されているのが本作のすごいところ。

　一番大きな違いとして、ゲームオリジナルキャラクターとしてメディナ・オルティナノスが登場します。

　メディナはキリトたちが出会う剣士の少女。声優は岡咲美保さんが担当します。メディナは貴族であるオルティナノス家の生まれ。しかし、オルティナノス家はある汚名を着せられており、父親の意志を継ごうとする彼女はその呪縛に捕らわれているのです。

　彼女がどう成長して、その呪縛に対してどう向き合っていくのか。キリトは彼女の進む道にどう関わっていくのか。本作のオリジナルストーリーでもっとも注目のポイントです。

　本編もアニメの展開とは違った内容を見せる部分があり、それがクリア後のオリジナル要素に大きく影響する部分も……？　アニメファンの方も本作のストーリーは一読の価値ありですよ！

シナリオライトモードでテンポよく遊べる

　すでに原作小説やアニメのストーリーを知っている人むけに、“シナリオライトモード”も搭載。原作ストーリーと同じ展開の部分をまとめた形でゲームを進められます。

　これによってテンポよくゲームを進められるわけです。ちなみに“シナリオライトモード”はいつでもオンオフ切り替えができますが、シナリオライトモードで見逃したイベントシーンを見直すことはできませんので、その点はご注意を。

アンダーワールドでの戦いを再現したバトル

　バトルはコンボを繋げて戦う爽快感溢れる作りで、ソードスキルと神聖術を組み合わせて戦う《アリシゼーション》編らしい戦闘スタイルを味わえます。『SAO』ファンであれば、まるで《アンダーワールド》の世界に入り込んだかような戦いにワクワクできるでしょう。

　スキルの使い方だったり、味方への指示の出し方だったり、戦闘中にどのキャラクターを操作して戦うかだったり……戦闘中の分岐が多く、自分好みの戦い方ができるのもポイント。個人技で押すのか、連携力を発揮するのか、人によって大きく戦い方が変わってきそうです。

　なんだか複雑そうにも見えますが、セミオート機能を使えば簡単なボタン操作でプレイできるので、ストーリーを中心に楽しみたい方もご安心を。

　本作はPS4やXboxOne、PC（Steam）向けにリリースされていますが、度重なるアップデートにより改修が行われており、Nintendo Switch版もそれらアップデートを踏まえたもの。他機種版が発売された当初よりも非常に遊びやすい形になっています。

　ネットで検索して見られる評価は発売されてから間もないタイミングのものも結構あるので、ご自身で実際に遊んでみてこのおもしろさを感じてもらいたいところ。「ここまでしっかりと作られた『SAO』の世界に入り込めるとは……」と、ゲームのボリュームと没入感に驚くはずです。

Nintendo SwitchにむけてUIや操作が変更

　東京ゲームショウの特番でも紹介されていましたが、Nintendo Switch版ではUI関係が細かく改修・調整されています。

　メニュー画面の表示が全体的に大きなサイズに変更したことをはじめ、Nintendo Switch本体でプレイした際の画面でも文字や表示を見やすくなる工夫がなされています。

　筆者はPS4版もプレイしていますが、バフリストや神聖術の詳細画面など、Nintendo Switchでは調整されていましたが、画面は見やすくなっていると思います。こういったプレイヤーの快適な操作を意識した調整はありがたい限りです。

　また、装備のマイセット機能も追加。これはバトルをガッツリやり込みたい人にとっては、いろいろな装備バリエーションを使い分けられる嬉しい機能ですね。

　他にも、会話中のキャラクターとの親密度が今どのくらいなのか確認できるゲージ。レイドパーティー画面での属性表示追加など、細かい部分で「あったらいいな」の要素が追加されています。これにより、さらに快適なゲームプレイができそうです。

　もちろん、操作方法もNintendo Switchのボタン配置に再設定が行われています。特に良い印象を受けたのは、フィールドを駆けまわる際のカメラ操作です。

　本作はフィールドを歩いている最中にロードを挟むことなく戦闘が始まるシームレスなバトルへの導入となっています。そのため、カメラを操作してすぐにボタンで攻撃に移る……ということも必要になります。

　Nintendo Switchでは、右手の親指で攻撃コマンドを操作しつつ、同じ親指の付け根でカメラ操作、という入力がしやすくなっている印象です。

　あとは言わずもがなですが、Nintendo Switchでプレイできるようになったことで、屋外でもプレイできるようになったことは大きな変更ですね。本作は、空き時間も使ってコツコツプレイしたくなるほどのボリューム量となっていますので、純粋に携帯可能になったのは嬉しいポイントです。

　Nintendo Switch版で、さらに多くの方が手に取れるようになった本作。携帯型のハードということもあり、プレイのお手軽さも増しています。『SAO』ファンであれば満足いくこと間違いなしの作品なので、まだプレイしていない方は、ぜひこのタイミングで手に取っていただきたいですね。

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