カードゲームだと思ったら、ダイス運も絡むTRPG風アドベンチャーだった。『Dimday Red』デモ版をレビュー!【電撃インディー#337】

まさん
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 電撃オンラインが注目するインディーゲームを紹介する電撃インディー。今回はeNVy softworksと1sickpuppyが共同開発しているインタラクティブ・フィクションRPG『Dimday Red』のデモ版を遊んだ感想をお届けします。

 なお、電撃オンラインでは尖っていてオリジナリティがあったり、作り手が作りたいゲームを形にしていたりと、インディースピリットを感じるゲームをインディーゲームと呼び、愛を持ってプッシュしていきます!

性格を選び、ダイスを振って、自分だけのキリアンを作るロールプレイ

 『Dimday Red』は、公転軌道の変化によって太陽との衝突が避けられなくなった時代の地球を舞台にした独特なRPGです。

 プレイヤーは、暗殺者の主人公“キリアン”の目を通して滅亡が近づく地球と、そこに生きる人々を見ていくことになります。

 デモ版では“CHAPTER0-1 ちょろい仕事”の冒頭がプレイ可能。選択によって変わる展開や、バトルの流れが把握できるものとなっています。

 本作は一見するとカードゲームのように見えるのですが、中身はれっきとしたRPG。カードはキャラクターが会話するときの表現や、プレイヤーの性格を選ぶときに提示されるもので、デッキを組むような要素はありませんでした。

 どちらかと言えば、いわゆるテーブルトークRPGに近く、選んだ性格によって選択肢が変化し、ダイスを振って成功判定を行いながら物語を読み進めていくことになります。

 ゲームを始めると、最初に3つのカードのなかからキリアンの性格を選び、以降はレベルアップするごとに新たな性格のカードを選んでいくことになります。

 性格によって上がるパラメータが異なり、プレイヤーキャラの倫理観なども変化。デモ版では、7つの大罪や美徳となぞらえた倫理観がどう影響してくるのかはまだわかりませんでしたが、ダイスの判定や選択肢に影響を及ぼしそうな予感が……!

 性格を選択したあとは、キリアンとスティーンが追手のプラエトリアンに追われている場面から物語が始まります。

 淡々としたナレーションと、キャラクターの会話が画面の右側で交互に流れていくのは、RPGというよりもノベルゲーム的な感覚にも近く、カードに収まったキャラクターと合わせてなかなか独特な表現です。

 読み進めていくと選択肢が出現し、ダイスを振って成否を判定します。

 自分のキリアンは“肉体”のパラメータが高かったようで、成功判定に+2の数値が。性格によってダイスに補正がかかるので、よほど運が悪くない限りは自分の性格にあった選択肢を選んでいったほうが良さそうですね。

 今回は成功したので、うまく振り切れた2人。なお、ダイスの数値によっては完全な成功ではなく“部分的成功”で中途半端になることもあります。

 たとえば、次の場面で侵入しようと透視能力を使った場合、自分は部分的成功だったのでおぼろげにしか相手を見ることができませんでした。

 部分的成功だとおおまかな判断しかできないので、その後に新たな選択肢が出ることもあります。ダイスの結果によって大きく変化していきますが、今回は失敗ではないので良しとしましょう。

 逆に、ダイスの成否が大きくかかわってきそうなのが戦闘です。キリアンが敵に見つかると戦闘が発生。もちろん、戦闘中もダイスで成否を判定します。たぶん、ここがいちばん緊張する場面ですね。

 肉弾戦ばかり仕掛けるか、それとも超能力でからめ手で戦うか……。デモ版なので敵はあまり強くありませんでしたが、戦闘に関しても自分の性格にあった行動を取らないと失敗しそうな予感が……。

 そう思っていたら、肉体の数値が高いのにうまく殴れず苦戦することに。あくまでも補正であって、必ずしも成功するとは限らないのがダイスの怖さ。ダイス運と自分の選択で、物語や展開が思ってもいない方向に転がるのもこうしたRPGの魅力でもあると言えるでしょう。

 現段階では大きく展開が変わるほどではなく、結果や途中の展開が少し変化する程度でしたが、積み重なったうえで物語がどうなっていくのか。製品版に期待したいところです。

 デモ版はなんとか脱出を果たし、ヒロインらしき人物を思い浮かべたところで終了となりました。

 ゲームの基本的な部分が遊べるものとなっています。ストアの説明文も読んでみると世界観に即したお遊びがあっておもしろく、発売予定日も現状では「Before the world ends(世界が終わる前までには出します)」というユニークなものに。

 いつ配信されるのかはわかりませんが、気になる人はデモ版をプレイしてからウィッシュリストに入れて気長に待ってみましょう!


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