『FF14』14時間生放送インタビュー①:パッチ6.2の手応えや『新生』10周年への展望などを吉田P/D&室内氏に聞いた!
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毎年恒例となっているスクウェア・エニックスのMMORPG『ファイナルファンタジーXIV(以下FFXIV)』の14時間生放送。今年も“第73回プロデューサーLIVE”をはじめ、相当に濃いプログラムで「気づいたら14時間が終わっていた……」なんて光の戦士(プレイヤー)も多かったことでしょう。
そんな長時間イベントの合間には、さまざまなセクションのスタッフへのインタビューを敢行。14時間生放送に負けない熱気がこもった言葉を、計5回にわたってお届けします。まずは『FFXIV』プロデューサー兼ディレクターの吉田直樹氏と、グローバルコミュニティプロデューサーの室内俊夫氏へのインタビューです。
自分たちがおもしろいと感じるものを作ってきたからこその登録者アカウント数に!
――今回の放送の冒頭にて、『FFXIV』の全世界累計登録アカウント数が2700万人を突破されたと発表されました。まずはこのことについての感想をお聞かせください。
吉田直樹氏(以下敬称略)::今回は14時間生放送という機会があったため発表させていただきましたが、まだまだ大台の数字を目指していきたいと思っています。ただし、登録者数をチームとしての目標にしたことはなくて、僕たちがとにかくおもしろいものを提供し続けていれば『FFXIV』がさらに発展していくでしょうし、結果的に数字もついてくると思っていますので、今後もそこを目指していきたいですね。
とはいえ、このとんでもなく多い登録者数に到達するには、いままでの積み上げがあってこそですから、世界中の光の戦士の応援やサポート、そして『FFXIV』をプレイしてくださっていることに感謝したいですし、同時に開発・運営チームの努力にも頭が下がります。
――室内さんは運営の立場として、冒険者が増えているという実感はありますか?
室内(以下敬称略):「そうですね」と答えられるほど強く実感しているかというと、そうではないのですが、冒険者の皆さんにひとつのことを聞くにしても、以前より多種多様な意見が出てくるよになった感じはしています。マジョリティのグループがひとつだけあるのではなく、複数が大きくなっていって、「大規模なコミュニティがいっぱいあるな」というシチュエーションは前より増えた気がします。
――ひとつの大きなマジョリティがあるというよりも、それがいくつもあって多様性があると。
室内::少しずつそうなってきているという印象があります。
――ちなみにですが、今回の室内さんの衣装はどなたの発案だったんですか?(笑)
室内::"今回も"Mちゃん(『FFXIV』プロジェクトマネージャー。)発ですね。いくつか候補があったのですが、今年は"かわいい"を目指そうというテーマで、レポリットになりました(笑)。
――その結果、いろいろな意味で大きな反響がありましたね(笑)。
室内::喜んでいただけたようで何よりです……(笑)。
――プロデューサーレターLIVEではパッチ6.2のフィードバックに関していろいろと語られていましたが、ここからはそこで語られなかったことをお伺いしていきます。まずは、冒険者の数が増えているということもあって、"万魔殿パンデモニウム零式:煉獄編"に挑戦する方の数は以前よりも増えているのでしょうか?
吉田::そうですね。プレイヤーの皆さんの声の数や大きさを拝見したり、いろいろな配信を見ていたりすると、今回の"万魔殿パンデモニウム零式:煉獄編"で初めて零式難度のコンテンツに挑んだという人も少なからずいらっしゃる印象があります。
以前から零式に挑戦している人にとっては、ある程度、“零式”ならではの心構えがあるじゃないですか。最初に零式に挑戦したときに「難しすぎる」と感じたとしても、挑戦を続けていくと「“零式”だからそうだよね」と、徐々に慣れていく。
現在、ものすごく多くの方が新しく『FFXIV』を遊び始めていて、諸先輩たちが通り過ぎてきた最初の感覚が、再びくり返されている状態です。まさに"歴史はくり返す"ということを、『FFXIV』というひとつのタイトルで味わえているなという感覚があります。
――実際にパーティ募集に入って遊んでみると、さまざまなプレイ歴の方が“零式”にチャレンジしているなと肌で感じます。
吉田::そうやってくり返し新しい方を迎えるのであれば、僕らもくり返しケアしてコミュニティをひとつにしていく努力を、いままで以上にしていくことが必要だな、と感じています。チーム内でもよくそのことを話していますね。
――"万魔殿パンデモニウム零式:煉獄編"は、データセンタートラベルが実装されてからスタートした初めての"零式コンテンツ"になりますが、現在はとくにManaデータセンターに、レイドに挑戦するプレイヤーが集まっている印象を受けます。この傾向を見てのご感想をお聞かせください。
吉田::海外データセンターですと、現状では極端な偏り方はしていませんが、今回の日本データセンターの傾向は予想していたことではあります。好きなデータセンターに移動できて、そこでパーティ募集に入っていただくという考えかたでしたので、ある程度はデータセンターごとに属性はできるのだろうとは思っていました。
ですから、それをあえて分散させようとはあまり思っていません。当然、フィードバックは拝見していますが、物理的な問題により、データセンター間でコンテンツをマッチングさせることはできませんので……。
たとえば、パーティ募集だけデータセンター間を超えて行えるようになったとしても、裏でデータセンタートラベルを実施する処理になりますので、いざ人数がそろってコンテンツに突入となっても、そこから5分待たないといけないという状況になりかねません。
また、"零式"をご自身のホームデータセンターでしか突入できないようにしてほしいという意見も見られますが、プレイヤーの皆さん全員がそれを望んでいるわけではないと思います。ですので、もう少し様子を見ていくつもりです。たとえば、いまの動きはあくまで一過性で、また程よく分散していくかもしれない。いまの段階で急いで何かをしようとしても、逆に皆さんの利便性を落とすだけになってしまいかねません。
――今後、"零式"が実装されないパッチ6.3での状態や、そのさらに先まで見て、という感じでしょうか。
吉田::そうですね。いまはデータセンタートラベルというものが定着して、遊びかたがまた一段変わったタイミングです。以前、ワールド間テレポが実装されたときも同じようなことは起きました。
でも、プレイヤーの皆さんの中でルールができあがっていったじゃないですか。僕は、今回もそういったような流れで落ち着いていくと思っていて、現時点でここに開発が介入しすぎるとよくないなと。何か手を入れるにしても、状況をもう少し見定めてみてからかなと思います。
――つぎに"無人島開拓"に関してですが、庭具の設置も検討されているとお話しされていましたが、大まかにどのぐらいのスパンでアップデートをしていく予定なのでしょうか?
吉田::UIをさらに使いやすくするといった細かいものを含めると、パッチごとに何かしらあると思います。建物の種類が増える、庭具が置けるようになるといった大きなアップデートは、おそらくですが、2パッチに1回ぐらいの頻度になっていくかと思います。
――そのアップデートは7.x以降も続いていくのでしょうか?
吉田::それはプレイヤーの皆さんの反応次第で決めようと思っています。「もっといまの島を拡張してほしい」という声が多ければそのまま継続コンテンツとして広げていきますし、「つぎの島が欲しい」と言われたらふたつ目の無人島が見つかるんじゃないかなと……(笑)。
――今日はつぎの"ファンフェスティバル"の発表もありました。従来のパッチのスパンや『暁月のフィナーレ』の発売がコロナの影響で後ろ倒しになったことを考えると、もう少し後になるのかなという予想をしていましたが、意外と早いなという印象を受けました。
吉田::以前にメジャーアップデートの間隔を4ヵ月にさせていただくとお話させていただきましたが、それをすべて加味したスケジュールになっています。皆さんの予想より、さほど大きなズレがないなと思っていただけたら幸いです。
"ファンフェスティバル"のスケジュールが出てくると、どうしても「きっとこのあたりに何かがあるだろう」と想像してしまうとは思いますが……(笑)。
――そうですね。いまは明言できないと思いますが、「"ファンフェスティバル"があるということは……」と、きっと光の戦士の皆さんも想像していると思います。そこは期待してもいいでしょうか?
吉田::せっかくの"ファンフェスティバル"に手土産がないのはつらいので、何かしらの驚き、その先に待っている楽しさなども同時にお伝えしていくイベントにするつもりですから、いろいろと期待していただいてもいいかなと思います。
――来年は『新生エオルゼア』10周年という節目でもありますよね。"ファンフェスティバル"もそうですが、おそらく来年も実施されるであろう14時間生放送など、来年の『新生エオルゼア』10周年をどのように盛り上げていくかという展望をお聞かせください。
室内::運営チームでは、3ヵ月ぐらい前から宣伝チームとの定例会議のたびにこの話題が挙がっています。その会議で夢を積みに積みまくった結果、「これを全部はやれっこないな……」ということに気づいたのが最近でございます……(笑)。
もちろん"ファンフェスティバル"に関しては、発表されたとおり開催が決定していて、14時間生放送も「10周年だから盛大にやりたいね」という話はしています。それを実現するためにも、スケジュールのどこにどれをはめればいいかという精密なパズルをやらなければという感じです。
10周年イヤーですので、『新生エオルゼア』の正式サービスがスタートした8月27日だけが10周年ではなく、それを中心として年間を通じて盛大に展開していければいいなと思っていますし、そのフィナーレとして2024年初頭に日本で"ファンフェスティバル"が開催される予定です。そこで何か派手なことをやれるべくがんばりたいところです。
吉田::"10周年という単位でありながら、まだまだ先に向かっていて、それにお客様もついてきてくださっているコンテンツ"に携われるというタイミングはなかなかないと思います。そういった機会に恵まれて、たくさんのプレイヤーの皆さんからいろいろなものをいただいているからこそ、派手に"お返し"をする1年間にできればなと。「10年目なのに景気がいいね」と思われるぐらいのことをできればいいですね。
運営・宣伝チームには、それぐらいの意気込みでやっていいよと話しています。彼らはいま夢をたくさん語った後に、「本当にこれができるのか?」となっている段階だと思うので、僕は我に返った彼らのアイデアを待っているという感じです(笑)。
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