『アライアンス・アライブ HDリマスター』レポ後編。自由度の高い育成とアツい戦闘システムが魅力【電撃PS】

電撃PlayStation
公開日時

 フリューから発売中のPS4/Nintendo Switch用ソフト『アライアンス・アライブ HDリマスター』。本作を3DS版からプッシュし続けた担当ライターによるプレイレポートの後編をお届けします。

 2017年にニンテンドー3DS用ソフトとして発売された『アライアンス・アライブ』のグラフィックを高画質に対応し、1画面でも遊びやすいUIに変えるといった改良が施された『アライアンス・アライブ HDリマスター(以下、3DS版をアラアラ、リマスター版をアラアラHD)』。

 本作は、細かな選択肢が用意された物語から奥深い戦略性のあるバトルまで、やり応えのある要素が大量に用意されており、RPGが好きな人も満足できるタイトルになっています。

 ストーリーやキャラクターの魅力を掘り下げた前回に引き続き、今回は、バトルや育成などのシステム面、やり込み要素などのゲーム部分を解説。RPGとして作り込まれた『アラアラHD』の魅力をお伝えしていきます。

強敵との戦いも自分で選べる! 難しすぎず、ほどよいバトル

 いや~、みなさん。待望の『アラアラHD』がついに発売されました。すでに遊んでいる人も多いと思いますが、いろいろとおもしろいゲームが同時に出た時期だったので、まだ遊んでいない人もいるかもしれませんね。

 もし、まだ遊んでいないとしたら本当にもったいない! 近年まれにみる傑作RPGといっても過言ではなく、SFCや初代PSのころにあったワールドマップを大冒険できる王道なRPGとしても、ここ最近ではめずらしいタイプのRPGなんですよ。

 自分のようなストーリー重視の人だけではなく、バトルや育成。縛りプレイなどのやり込み要素を楽しみたい人にもオススメ。バトルを含めたシステム部分は、RPGファンなら知る人ぞ知る小泉今日治氏が担当しているので、絶妙なバランスの戦いを楽しめます。

  • ▲イベント戦闘などでは、戦闘前に敵のザコ兵がひと言しゃべる演出も。こういうさりげなさも素敵。

 小泉さんはザコ戦でも手に汗握るどころか、思考をしっかりめぐらせないと勝てない難易度の高いバトルを作る方で知られており、前作の『レジェンド オブ レガシー』では、泣く子も黙って鍛え始めるほどの高難易度なバランスのバトルを作り上げていました。そちらも悪くなかったのですが、今回は一転して理不尽を感じるほどの難易度ではありません。

 全体的に万人受けをする方向性の難易度曲線になっており、ゲームを普通に進めていくだけならば小泉氏ならではの戦略性を適度に感じ取れるくらいの、ほどよい難易度。強敵と手に汗握る戦いを楽しみたい人は、各地に戦わなくてもよい強敵が用意されているなど、さまざまな遊び方ができるようになっています。

  • ▲ほかの敵よりも大きなサイズの固定敵を見かけたら、戦わずにスルーしてもOK。強敵と激しく戦いたい人は、セーブして挑んでみましょう!
  • ▲基本的にそのシンボルを初めて見つけた時点では、かなり鍛えていないと返り討ちにあうことも……。強くなってから戻ってきて、リベンジすることも可能です。

新しい技にバンバン覚醒! それが『アラアラ』!!

 バトルそのものは、誰でもわかりやすいオーソドックスなコマンドバトル。5人のパーティメンバーに好きな武器を装備させて、技や術を使い分けながら戦っていくわかりやすいバトルになっています。

  • ▲ターン性のコマンドバトルなので、アクションなどのテクニックも必要ありません。じっくり考えながら戦うことが好きな人にも向いています。

 3DS版のときからテンポのよさも魅力的だったのですが、本作でも最大4倍速にできる戦闘の高速化は健在。テンポよくサクサクと戦えます。“秩序の石”というアイテムを拾っておけば、撤退できない戦闘で負けてもゲームオーバーにならずに、再戦や撤退が可能です。

 ストレスなく戦えるのもウリではあるのですが、かといって戦闘が単調になるかと言えばそうでもありません。本作は戦闘中に技を覚える“覚醒”と、技そのものがレベルアップするという要素が存在しており、常に同じ状況にはならないので、常に驚きのある戦いが楽しめます。

  • ▲戦っていると、突然新しい技を覚えて使用。その戦闘から、新たな技を使えるようになります。ボスのような強敵ほど覚醒しやすくなるので、一発逆転の大技を覚えることも……!

 覚醒することを祈って強敵に挑むもよし。既存の技をじっくり強化してから戦うもよし。“覚醒”システムの存在が、バトルに良い意味でランダム性を持たせて緊張感を生んでいます。

誰を育成するのもどんな武器を使うのも自由!

 RPGなら、やはり自分の好きなキャラクターを最後まで使いたいもの。そんな人にも本作は向いています。本作は育成の選択肢が豊富で自由度も高く、好きなキャラクターを好きなように育てられます。

 キャラクターのパラメータによって得意な武器や戦法はありますが、専用武器を使うティギーとロビンス以外なら、どの武器でも装備できます。回復術を使いそうなアーシュラを体術の使い手にしてもいいですし、おっとりとしたビビアンに大剣をもたせるのもアリ。プレイヤーの自由です。

  • ▲ペンギンなので武器が持てないロビンスと、専用のスーツに乗って戦うティギーは武器も特殊。ティギーに至っては、とある戦闘以外で姿が見えない! かわいいのに!!

 さらに本作では、戦闘中に手に入れた“タレントポイント”を使ってキャラクターを育成できます。狙った武器の“資質”を取っていけば技もガンガン覚えますし、どんどん強くなっていくので、本当に誰を使ってもクリア可能です。

  • ▲基本的には、使いたい武器とSPが回復する“臨戦態勢”を覚えていくと進めやすいかも。使わないキャラクターに移動系の資質を集中して覚えさせるのもアリです。

 位置や役割によって能力の補正値が変わるキャラのポジションレベルや、陣形といった要素もありますが……複雑に考える必要はゼロ! もちろん、ちゃんと考えて戦ったほうが効率よくクリアできますが、何も考えずに戦っても、育成していけばちゃんと勝てます。頭を使ってギリギリの戦いに勝つのも、限界まで育てて無双するのも、どんな遊び方も許容している懐の広さが、本作の魅力の1つです。

  • ▲強敵にどうしても勝てない……。そんなときは、陣形を変えてみるか、育成してからリベンジ!

 そして、最後の切り札にして強力過ぎる抜け道として“イグニッション”というシステムも。これは、敵にダメージを与えたり、仲間がやられたりしたときにたまるゲージが最大までたまると発動できるシステムです。

 イグニッション中は技を覚醒しやすくなったり、強力な大技である“ファイナルストライク”を発動可能。ファイナルストライクを使うと武器が壊れてしまいますが、拠点で修理できるようになるので、出し惜しみする必要はありません。

 はっきり言ってしまえば、ファイナルストライクは救済措置です。本作では1人につき2つまで武器を持てるので、1本はファイナルストライク用としてガンガン発動していけば、手ごわいボスにも大ダメージを与えて攻略しやすくなります。

 逆に、ファイナルストライクを使わないで戦うとギリギリの死闘になることも。プレイヤーに与えられた要素が多く、何をどう使うのかも自由なゲームなので、縛りプレイや2周目のやり込みが燃えますよ!

世界を回ってガッツリ楽しむ! やり込み要素盛りだくさん!!

 じつのところ、まだまだ話していない要素はたくさんあります。ゲームを進めていけば、城の防衛戦や空中戦などの特殊なバトルも発生しますし、四天王的な存在(戦わなくても進めるのがアラアラっぽい)との対決など、熱いシチュエーションややり込み要素がどんどん出てくるんですよ。とはいえ、楽しみを奪ってしまうのもアレですし、今回はここまでということで……。

  • ▲世界のどこかにいる魔竜相手に腕試し! 戦わなくてもいい敵に挑むのもRPGの醍醐味です。
  • ▲特殊な交換アイテムを集めて強力な武器をゲット! やり込めばやり込むほど楽しくなる!

 ストーリーもバトルも、王道でじっくり遊べる本作。今時めずらしいくらい真っすぐなRPGでありながら、現代的な快適さと作り込みで何周も楽しめる作品になっています。もちろん、1周だけガッツリ遊ぶのも自由。

 世界を冒険できるRPGを求めている方、育成が好きな方、激しいバトルを求めている方、いろいろな方にオススメです! ぜひ、遊んでみてください。

  • ▲ちなみに、PS4版ではセーブデータを99個作れることを確認。好きな場面やバトルの前にセーブし放題ですよ!

(C) FURYU Corporation.

本記事はアフィリエイトプログラムによる収益を得ている場合があります

アライアンス・アライブ HDリマスター

  • メーカー: フリュー
  • 対応機種: PS4
  • ジャンル: RPG
  • 発売日: 2019年10月10日
  • 希望小売価格: 6,280円+税

アライアンス・アライブ HDリマスター

  • メーカー: フリュー
  • 対応機種: Switch
  • ジャンル: RPG
  • 発売日: 2019年10月10日
  • 希望小売価格: 6,280円+税

関連する記事一覧はこちら