度し難いRPG『メイドインアビス』には信念と覚悟があった。電撃とファミ通のライターが語り尽くす【前編】

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※『メイドインアビス 闇を目指した連星』は、CERO Z(18歳以上のみ対象)のソフトです。
※18歳未満の方は購入できません。

 スパイク・チュンソフトより、発売中の3DアクションRPG『メイドインアビス 闇を目指した連星』の特別企画。電撃オンラインとファミ通.comで特集記事を手掛けたライター陣による対談をお届けします。

 この記事は座談会の前編にあたります。後編はファミ通.comに掲載予定となっていますのでお楽しみに!

ライター陣が『メイドインアビス』にハマったきっかけは?

カワチ:電撃オンラインで記事を書いたカワチです。本日はよろしくお願いします。ファミ通.comで記事を書いている小林さんとは以前から知り合いなのですが、ここでは、せっかくなので自己紹介も兼ねて『メイドインアビス』という作品をいつ知ったのか、好きなキャラクターは誰なのか語っていきましょうか。

小林白菜:小林です。よろしくお願いします。自分は『メイドインアビス』自体の名前は前から知っていたのですが、TVアニメ化を機に触れ始めました。第1期の終盤でナナチが関わってくるエピソードがすごく重くて心にズシンと来て、そこから先が気になる楽しみなアニメになっていきました。

 それで劇場版も映画館まで観にいき、その後の第2期もすべて視聴しました。好きなキャラクターは、第2期に登場したヴエコですね。過去のことで後悔を抱えていますが、最後まで大事なものを自分の心に留めていた意志の強さみたいものを感じて好きです。

カワチ:第2期は第1期や劇場版で耐性が付いていたとはいえ、最初からすごかったですね。マアアがメイニャを潰すシーンで「また『メイドインアビス』がはじまったな」と(笑)。自分はアニメしか観ていないので、そこでメイニャが死んじゃったのかなと思いました!

小林白菜:僕も原作は読めてないんですけど、第2期が本当面白かったので、続きは原作で追おうと思っています(笑)。カワチさんはいかがですか?

カワチ:自分もアニメからです。もともとグロテスクな作品はニガテなのですが、ボンドルドが登場してからは先が気になって気になってとにかく楽しみに……この作品は劇薬ですよ(笑)。

小林白菜:わかります(笑)。

カワチ:ボンドルドが登場してから確実にヤバい作品だと確信しますが、ナキカバネあたりからすでに怪しいんですよね。「え? そんなにしっかり死体を映すの?」みたいな。

小林白菜:そうですね。あのあたりからグロテスクな世界観の片鱗は見え始めていますね。六層以降に潜ると戻れなくなると言われているアビスに小さい女の子が憧れているという時点で不穏な感じは受け取っていましたが、ナキカバネあたりで主人公たちが本当に生命の危機を感じるクラスの危険があると実感しますね。

カワチ:そうそう。そのあとリコが全身から出血するシーンなども出てきたりしてネットなどでもどんどん話題になっていきましたね。では、そんな『メイドインアビス』のゲーム版について語っていきましょうか。

小林白菜:あれ? 好きなキャラクターは?

カワチ:もちろん、言うまでもなくナナチです(笑)。

小林白菜:ナナチを嫌いな人はいないですよね。

カワチ:うん!

小林白菜:(笑)。

  • ▲ゲームにもしっかりナナチは出てきます。

ゲームは『メイドインアビス』世界そのものの魅力を広げてくれた

カワチ:それでは改めてゲーム版ですが、小林さんはプレイする前の第一印象はいかがでしたか?

小林白菜:まず、この時代にコンシューマーの1人プレイのゲームで、アニメのキャラゲーが出ること自体に驚きましたね。スパイク・チュンソフトなので、ゲーム性を大事にしたものを作ってくれるんじゃないかという期待感もありました。グラフィックに関しては、もうちょっと綺麗なほうがいいという意見もありましたが、自分はあまり気にしていなくて、ゲームとしておもしろければいいと考えていました。

カワチ:コンシューマーだとしても、いわゆるキャラゲーだと多くの場合はアドベンチャーゲームで出しますよね。3DアクションRPGであることに驚きました。

小林白菜:そうですね、お話主体にするにしたらノベルですよね。カワチさんはそこに驚きました?

カワチ:そうですね。やっぱりアクションRPGを作るのはコスト面でも大変だと思うんです。とくにアニメが流行している作品であれば発売する時期も重要で簡単には延期できないじゃないですか。それでもノベルではなくアクションRPGを作るということは、それだけやりたい自信と覚悟があったのだと思います。

小林白菜:なるほど。自分はオリジナルストーリーがあると明かされたときにワクワクしました。リコの追体験もありつつ、同じくらいオリジナルも重要視したゲームになるんだなと。キャラゲーではあるけど、“『メイドインアビス』の世界そのものの魅力”を大事にしてくれるんだろうなと思い、安易に既存のキャラの魅力に頼らないところはすごくいいなと感じました。

カワチ:原作のコミックやアニメで展開を知っているとどうしても驚きは薄れてしまいますからね。オリジナル展開で世界観を広げてくれるのはうれしいですね。

小林白菜:そうですね。オリジナル展開をやってくれたのはすごくよかったです。

カワチ:このオリジナル展開を原作のつくしあきひと先生がしっかり監修しているというのは安心感もありつつ……ある意味での不安感もありましたね(笑)。

小林白菜:そこに加えて、CERO Zという表記ですよ(笑)。

カワチ:CEROは発売前から話題になりましたね。

小林白菜:「ちゃんと描写を描いてくれるんだな」という安心感はありましたね。

カワチ:その後、実際にゲームをプレイしたわけですが、感想はいかがでしたか?

小林白菜:想像した通りに高いゲーム性の作品でした。こまかいところでは気になる点も多々ありましたが、そこもゲームの舞台がアビスであるということで許容できてしまうんですよね。アビスは理不尽なものだということをゲームで感じられるといいますか。

 嫌な目にあったときに強烈に印象に残るというのもゲームの醍醐味だと思いますし、自分はすごく楽しめました。記事を書くために発売よりも先にプレイしていましたが、これはちゃんと発売まで盛り上げたいというタイトルだと思いました。

カワチ:自分もゲームをプレイしてアビスの理解度が深まるのがよかったです。比較的安全と言われる一層も油断できないということはアニメでも解説されていましたが、実際にプレイすることでその危険が実感できますね。

小林白菜:そうですね。一層でも油断すると死んでしまうのはゲームのなかでも示してくれますね。リコは筋が良かったんだなというのが分かります。

カワチ:リコにはレグがいることも大きいでしょうね。ゲームの難易度はいかがでしたか?

小林白菜:プレイヤーの裁量で決まるところがすごく硬派なゲームだと思いました。アイテムを消費してセーブをするのか、オートセーブだけで進めていくのか自分で決められますが、オートセーブで失敗するとかなり前に戻されてしまいますよね(笑)。ただトライ&エラーで攻略法も分かりますし、途中でリタイアもできるのでストレスを感じることはありませんでした。

カワチ:とくに最初にプレイする“HELLO ABYSS(ハローアビス)”に関しては、敵の位置と攻撃パターンを覚えるのが重要でしたね。三層で吹き飛ばされたあとに落下死する洗礼は誰でも受けると思う。

小林白菜:確かに。ただ、アクションが得意だと回避の無敵時間を利用して、けっこう立ち回ったりはできますね。ただ、弱いうちに格上に挑んでも、武器が壊れたりしてしまうので戦うのは効率が悪いですね。

カワチ:本作の武器はちょっと壊れやすいですよね(苦笑)。

小林白菜:カワチさんは序盤から難しいと感じましたか?

カワチ:そうですね。そういう世界観とゲーム性だと理解しつつ、“HELLO ABYSS”の最後のステージは苦戦しました。踏むと生えてくるタケノコみたいな罠に何度泣かされたことか(笑)。ただ、“DEEP IN ABYSS(ディープインアビス)”を遊びたかったので意地でクリアしましたが。“HELLO ABYSS”は育成要素があまりないのでプレイヤースキルが重要になりますが、ここで覚えた技術が“DEEP IN ABYSS”で役立つんですよね。

小林白菜:そうでしたね。“DEEP IN ABYSS”がゲームの本番ですが、そこにたどり着くまでのハードルが高めで、それなりにちゃんとゲームを理解しないといけない。親切なのか、厳しいのか……厳しさこそが親切っていうことなんですかね(笑)。

カワチ:そうね(笑)。ただ、ゲームライターでありながらアクションがめちゃくちゃ下手な自分でもクリアできたので、よっぽどじゃなければ詰まらないかなと思います。ちょっと難しい分、しっかり達成感を得られてよかったです。

小林白菜:そうですね。

度し難いシーンがきちんと満載で〇

カワチ:ストーリーについての感想も語っていきましょうか。“HELLO ABYSS”はオーゼンのところまでを切り取った内容でしたね。

小林白菜:原作からカットされた部分もありましたが、アビスの厳しさやワクワク感をリコが感じたシーンはちゃんと再現されていましたね。ゲームで初めて『メイドインアビス』に触れたとしてもリコたちがなぜアビスに挑んで、どんな目にあったのかを把握できる作りになっていると思います。

 それでいて、クイックタイムイベントで失敗したときの差分が用意されているのはゲームならではの体験ができてよかったですね。僕はレグの火葬砲で……あれは絶望しました……。

カワチ:そのシーンはTwitterでも話題になっていましたね(笑)。ストーリーの話とは離れてしまいますが、本作はゲームオーバーの死亡シーンが凝っていますよね。いろいろな死に方を見せつけられる。

小林白菜:ミンチにされたり、叩きつけられたり、いろいろなパターンを見せつけられますね。やはり、こういったところがZ指定の所以なんでしょうね。

カワチ:そうですね。逆に精神的にキツイ部分は少ないから『メイドインアビス』初心者にもオススメできるかもしれません。……いや、そんなこともないか(笑)。では、“DEEP IN ABYSS”に関してはいかがでしたか? このまま出ないと思っていたナナチやボンドルドが登場したのはうれしかったです。

小林白菜:人気キャラクターとはいえ、原作の設定準拠での登場でしたね。ファンを喜ばせるために序盤に出会ったりしないところにこだわりを感じました。

カワチ:そうですね。ボンドルドのファンは、彼に会うのがかなり大変ですが(笑)。

小林白菜:そこまで長いぞっていう(笑)。ただ、メインストーリーは先が気になる展開になっていて引き込まれました。個人的にはアビスに取り憑かれた人たちというのは、その取り憑かれる理由もひとりひとり別の理由であることが分かっておもしろかったです。本作は原作の話にとらわれないアビスをめぐるドラマとを、ちゃんと厚みを持って描いていたと思います。

カワチ:なるほど。

小林白菜:サブタイトルの“闇を目指した連星”も暗示的ですよね。アニメの第2期でも「せめて夢をかなえて絶望しておくれ」という意味深なセリフがありましたが、このセリフを聞いたときにちょうど本作のサブタイトルを連想しました。絶望しかないとしても、彼らにとってはアビスの魅力はそれ以上のものなのだろうなと思いましたね。

ゲームをプレイしていて大変だった原生生物は?

カワチ:印象的だったキャラクターや原生生物についてはいかがでしょうか?

小林白菜:たくさんいるのですが、いちばん印象に残っているのは二層に出てくるコオロギみたいな原生生物(ヨモツビ)ですかね。風みたいなものを発射してくるのですが、突き飛ばされて落下死したことがやっぱり何回もありました(笑)。

カワチ:ですよね。自分も相当やられました(笑)。

小林白菜:しかもフィールドの終盤とかに配置されているから嫌らしい。

カワチ:二層は大変でしたね~。木を登っているときも虫にやられて落ちて落下死するし。

小林白菜:その次の三層も途中でスタミナが切れたら絶対に即死するようなところを行ったり来たりさせられるので緊張感がありました。

カワチ:本作では原生生物だけではなくマップも敵として立ちはだかるイメージです。

小林白菜:そうですね。空腹でスタミナも回復できずに詰むということもありますし、いろいな罠が待ち受けているところが、おもしろいところでもあり、『メイドインアビス』らしいところでもあるなと思いました。

カワチ:奥に進んでいけば危険であるのは『メイドインアビス』の世界観にも合っていてよかったですね。本作には“HELLO ABYSS”と“DEEP IN ABYSS”がありましたが、それぞれで印象深かったことなどはありますか? 自分は“HELLO ABYSS”だとオーゼンが大きいことに驚きましたね。アニメでも大きかったですが、リコ目線だと見上げることになるので、さらに大きく感じました(笑)。

小林白菜:“HELLO ABYSS”はレグが頼りになりますよね。戦闘で身代わりになってくれますし、彼のおかげでロープが必要ないのもすごく助かります。リコは本当にいい仲間と出会えたんだなということが肌身に感じました。

カワチ:自分は、たまに気づかないうちにレグがやられてしまっていて、一気にリコがピンチになることもありました(笑)。ただ、“HELLO ABYSS”は回復アイテムの包帯がたくさんあったので、それを使えばわりとゴリ押しでも進めました。

小林白菜:そうですね。ただ、リュックの重量制限もあるので、なんだかんだでバランスは考えなきゃいけない印象があります。武器の耐久度が無くなると敵と戦うこともできなくなってしまいますからね。カワチさんはいかがでしたか?

カワチ:“HELLO ABYSS”に関しては遺物を持って帰る必要がないので、重量で困ることは無かったかなぁ。

小林白菜:ああ、確かに。

カワチ:苦戦したのは最後のマップに出てきたタケノコみたいなトラップです。見つけづらくて何度も踏んでしまって瀕死になりました。しかも、編集部でプレイしていたからタケノコを踏んで叫び声をあげるたびに周囲に笑われるんですよ。その状況にイライラしちゃって(笑)。

小林白菜:なるほど(笑)。あのトラップは何度も引っかかるから大変ですよね。

カワチ:とはいえ、何度か挑戦していくうちにルートが分かってきてちゃんと攻略できましたね。

小林白菜:“HELLO ABYSS”はここを通れば目的地に行けるという順序がしっかり決まっていますよね。そこが取っつきやすい要因なのかなと思います。

カワチ:だからこそ逆に“DEEP IN ABYSS”をプレイしたとき、アビスがこんなに広いのかとビックリしましたけどね。

小林白菜:序盤から“HELLO ABYSS”で進んだルートとは別のルートで帰ったほうがいいという判断もできたりして、とてもやりがいがありましたね。

カワチ:では、この流れのまま“DEEP IN ABYSS”について語っていきましょうか。

後編に続く

ゲームスペック

タイトル:メイドインアビス 闇を目指した連星
機種:PlayStation4 / Nintendo Switch / Steam
発売日:2022年9月1日 Steam版は2022年9月3日
希望小売価格:7,200円+税/パッケージ版・ダウンロード版
ジャンル:度し難いアクションRPG
プレイ人数:1人
CERO:Z 18歳以上のみ対象


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©つくしあきひと・竹書房/メイドインアビス「深き魂の黎明」製作委員会
Licensed to and Published by Spike Chunsoft Co., Ltd.

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