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独特の世界観とグラフィックを追求し、儚い美しさを表現。『メメントモリ』開発者インタビュー

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 バンク・オブ・イノベーションから10月18日にリリースされた、スマートフォン・PC向けアプリの『メメントモリ』の開発者インタビューが届きましたので、お送りします。

 今回インタビューを受けてくださったのは、プロデューサーの友永吉昭さんとディレクターの松浦知也さん。インタビュアーは、バンク・オブ・イノベーションの広報さんが務めてくれています。

  • ▲友永プロデューサー(写真左)と松浦ディレクター(写真右)。

「もののあはれ」という概念に着目し、儚い美しさを表現

――この度は『メメントモリ』のリリースおめでとうございます。簡単にお二人の自己紹介をお願いします。

友永吉昭さん(以下、敬称略):プロデューサーの友永です。僕はプロジェクトの立ち上げから、ゲームの全体設計、方針決めを行ってきました。開発後期からは主にゲームサイクルに注力しています。

松浦知也さん(以下、敬称略):ディレクターを担当している松浦です。プランナー、デザイナー、エンジニアをまとめて開発を進行し、品質とスケジュールを管理しています。

――『メメントモリ』はどのようなコンセプトで生まれたのですか。

友永:昨今素晴らしいゲームがどんどん世の中に出てくる中で、お客様に振り向いていただくためには、当社独自の強みを最大に活かしたゲームにしなければならないと考えました。

 当社の強みは、デザイン力と長期運営力だと思っているんですが、これを活かして、独特の世界観とグラフィックを追求した『メメントモリ』のプロジェクトがスタートしました。

 本作は、日本古来の独自感覚である「もののあはれ」という概念に着目しました。「もののあはれ」は儚いものを美しいと思う美的理念で、日本人は源氏物語から千年以上にわたってこの感性を受け継いでいるので、これを令和時代の表現力をもって形にしたいと思ったんです。

 儚さを伝えるために、キャラや全体のデザインを水彩調にしたり、キャラの魅力を本能的に伝えるラメント(キャラ専用曲)を作ったりと派生していきました。

  • ▲友永プロデューサー

魔女という人とは違った特別な存在としての苦悩や葛藤を描く

――本作には魔女や魔女狩りといったワードが出てきますが、改めて世界観を教えてください。

友永:罪なき少女が魔女として裁かれる「魔女狩り」に対して、主人公が魔女たちと共に立ち向かっていくという世界観になっています。人とは違った特別な存在としての苦悩や葛藤、生き辛さ、生きることへの儚さを感じ取っていただけるかと思います。

松浦:『メメントモリ』の世界では大地に呪いが広がっています。魔女狩りを指揮しているのは聖槍教会という団体なのですが、呪いは魔女のせいと考えていて、彼らも世界を救うために行動しているんです。

 ゲーム内でキャラを育成してくと、キャラごとの生い立ちや、主人公と出会うまでの過去がだんだん明らかになっていくのですが、聖槍教会や魔女狩りの謎も少しずつ明かされていきます。

――なかなかダークな印象のストーリーですが、どのような経緯でこの世界観に至ったのですか。

松浦:元々、中世ヨーロッパを舞台にしたいというのがありました。神聖ローマ帝国をヒントにしたり、史実に基づいてストーリーを考えたり。それを世界観としてわかりやすくなるように、よりキャッチーにしたり色々経て、最終的に魔女とか呪いが登場することになりました。

  • ▲松浦ディレクター

コアなゲームファンも楽しめる。自分なりの育て方、組み合わせが楽しい!

――それでは、ゲームシステムについて教えてください。

友永:自分のお気に入りの魔女を育成して、色々な編成を駆使しながらクエストを進めて、大地の呪いを解いていく、というのがメインの遊び方になります。

 レアリティによって多少上下はありますが、キャラの育成が楽しくなるように、どのキャラでも組み合わせや育成次第で活躍できるようなゲーム設計になっています。

 あとは、プレイヤー同士で戦ったり、仲間と戦うギルドバトルだったり、育成したキャラを活躍させるコンテンツを幅広く用意していますので、コアなゲームファンも間違いなく楽しめる内容になっていると思います。

松浦:オートバトルということで手軽にプレイできますが、育成や編成次第で結果が変わってくるゲームシステムなので、ガッツリとゲームをする時間はないけど戦略性の高いゲームをやりたい! という方にとても合っていると思います。

水彩調のデザインや専用曲“ラメント”に注目を

――本作の見どころはどういったところですか。

松浦:まずはデザインですね。儚さを表現する上での水彩調のキャラデザインはかなりこだわって時間をかけて作ったものなので、そこはぜひ見てもらいたいです。

 あとは、キャラ一人一人に専用曲があるのがかなり特徴的かなと思っています。楽曲からもキャラの思いが伝わってくるので、ぜひ好きなキャラをマイページに設定して、ラメントをじっくり聞いて欲しいです。

友永:育成の楽しさもぜひ体感して欲しいですね。キャラごとに強さの特徴があって、その組み合わせ方とか、どう鍛えていくかというのも、プレイヤーによってバリエーションが出るところなので、自分なりの育て方を発掘する楽しさがあると思います。

――キャラ一人一人に専用曲というラメントのアイデアはどのようにして生まれたのでしょうか。

友永:キャラの魅力に繋がるものをとにかく考えました。

松浦:僕は初めてアイデアを聞いたときは、本音を言うと大変だなって思いました(笑)。リリースした後の運営期に入ってからも継続しなければならないし、品質を落とすわけにもいかない、そんなプレッシャーがありました。

 グローバル展開があるので多言語化も必要になってきましたからね。ただ、キャラをより魅力的に表現するという意味ではすごく良い企画だなと思ったので、形にできて良かったです。

  • ▲Daokoさんなど本格アーティスト大勢がラメントに参加。

――本作は世界同時配信ということで、日本語・英語・韓国語・繁体字に対応していますが、翻訳はどのように進めたのでしょうか。

松浦:ゲーム内翻訳は基本自社内で行いました。まずは日本語がベースとなるのですが、シナリオライターと翻訳担当者が密にコミュニケーションをとっていますので、キャラ性、世界観をしっかりと踏襲できるような形になったかなと思います。やはり世界観を正確に理解してもらうために、内製での翻訳は欠かせなかったですね。

――開発で一番大変だったことは何ですか。

松浦:儚さの表現が一番です。水彩調のタッチでいくことが決まってからも、より繊細な表現を詰めていきました。キャラの儚さと意思の強さのバランスとか、ゲームとしての視認性とか、その辺りの試行錯誤を何度も重ねて今の形に着地しました。本当に時間がかかったんですが、結果、良いものになったと考えています。

友永:僕はスキルの設計ですね。オートバトルって聞くと作り込みが浅いような印象を与えてしまうかもしれないから、そうならないようスキルの調整をすごく丁寧に、時間をかけて行っています。

 組み合わせによる勝率は全て計算しているんですが、スキルの威力を数パーセント変えるだけでそれが逆転したりするので、かなり精巧にチューニングをしました。ぜひ最強パーティの組み合わせを見つけて欲しいです。

――それでは、お二人の推し魔女を教えてください。

松浦:リーンですね。開発初期にデザイン品質の基準としたキャラなので、長く開発を共にしてきた仲間として感情移入しています。いかなる逆境でも諦めない、勇気と元気にあふれた少女という設定で、元気がもらえる魅力的なキャラです。

友永:僕はコルディです。キャラデザが好きなのと、ネタバレになるので中身は言えないんですけど、感動的なシナリオになっているキャラなので、メモリー機能でぜひストーリーも見てください。

  • ▲幼馴染を救うため旅に出るリーン(画像左)と、サーカスのガンマンコルディ(画像右)。

ワールドをまたいで遊べるコンテンツの追加を予定

――今後予定しているアップデートはありますか。

松浦:『メメントモリ』はワールド(※サーバー)が複数あって、今は一緒に遊べるのは同じワールドにいるプレイヤーのみなのですが、ワールドをまたいで一緒に遊べるコンテンツを検討しています。これが実装できたら、ワールド同士の戦いや、より高みを目指して遊べる頂上決戦ができるようになると思うので、やり込みをしたい方にとっては面白いコンテンツになるかと思っています。

友永:他にも構想しているものはたくさんあるので、楽しみにしていてください。

――最後に、これから『メメントモリ』を遊ぶ方にメッセージをお願いします。

友永:開発には約5年かかりましたが、本当に力を入れて制作したゲームです。業界一位であると言える部分が何か所もあるので、ぜひ一度プレイしていただけると幸いです。

松浦:大変お待たせしてしまいましたが、自信を持って皆さんに楽しんでいただけるゲームになったと思います。これからも制作チーム一同全力で運営して参りますので、ぜひ遊んでいただけると嬉しいです。

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