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知恵と勇気と道具が生死を分ける!? 除霊ローグライク脱出ゲーム『四のの目』先行レビュー【電撃インディー#350】

まさん
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 WODANが、11月11日にアーリーアクセスを開始するPC(Steam)用脱出ゲーム『四のの目(しののめ)』。本作は、陰陽師の主人公・よのを操作してアヤカシに満ちた屋敷をさ迷うローグライクの脱出ゲームです。

 不気味な屋敷をさ迷う和風ホラーの要素と、手に入れた道具を駆使して敵に対処するローグライクの要素、部屋を行き来しながら頭を使って攻略する脱出ゲームの要素が合わさった独特なゲーム性が特徴で、何度も挑戦したくなる中毒性の高い作品となっています。

 今回は、開発途中のバージョンを特別に先行プレイ。ゲームの基本的な流れと、遊んでみた感想をお届けします。

まずは固定されたステージ「祓」で腕試し&肝試し!

 和風ローグライクで脱出ゲームと聞いて、まず「なんじゃそりゃ?」と思った自分。ローグライクは好きですが、それらが合わさったものは、あまり聞いたことがありません。いや、もう百聞は一見に如かず。これは遊んでみないとわかりませんね。

 ゲームを始めると、まずは“祓(はらへ)”というモードが出現。モード名から和風になっていますが、最初はこのモードで土御門屋敷のエリアを選択するみたいです。というわけで、チュートリアルらしき“離れ”ステージを遊んでみることにします。

  • ▲物音がカギとなるゲームなので、開始時にきちんと警告が表示されます。音が出せない環境や聞き取りにくい人でも、オプションで文字のアシストに変更できるので安心です。

 舞台となるのは慶応二年(1866年)。陰陽師の見習いである少女・よのが、師に呼ばれて土御門屋敷に足を踏み入れるものの、様子がおかしい……という導入部から始まる本作。いわゆるマス目で区切られた屋敷を探索していくのはローグライクっぽさがあります。

 しかし、じつは祓に登場するステージは完全なランダムダンジョンではありません。後述する“禊”モードだとランダムなのですが、こちらはステージ構成が固定。どちらかというと脱出ゲーム色が強くなっています。

 落ちているアイテムも固定、敵の出現位置も決まっているので、リトライしながら考えることでクリアできる作りですね。それだけに、最初のうちはよくアヤカシにやられてしまいます。

  • ▲敵の攻撃による状態異常が、いろんな意味で怖い。立て直すのが困難になるものが多いです。しょ、正気を失っている……!

 なお、時間経過で減る“腹拵え”の数値はいわゆる満腹度。そのうえにある魂のような5つのマークは体力になっています。これらが0にならないようにアヤカシをやり過ごし、屋敷から脱出することが目的です。

 ただし、よのは基本的に道具を持たないと何もできません。この子は陰陽師ですが、特殊な術や肉体による攻撃は不可能。道具が必要なのです。

 暗い部屋を歩く時は“手燭”がないと何も見えず、部屋の行灯か囲炉裏に火をつけないと危険です。“撒菱”を撒いてアヤカシの行動を妨害したり、食べ物を食べて回復したりと、とにかく道具を見つけることが先決。

 また、同時に持てる道具は3つまでなのもシビア。便利な道具でも、場合によっては地面に置いていく必要があります。

 “振分荷物”という道具を使うと最大所持数が増えますが、それでも際限なく増えるわけではないので取捨選択は必須。地面においても基本的にはなくなりませんが、食べ物の場合はアヤカシが寄ってきてバクバク食べてしまうことも……。

 逆に、そのアヤカシの習性をトラップのように利用することもできたりと、道具の使い方で意外な道が開けることもあります。

  • ▲体力や満腹度を回復できる食べ物は貴重ですが、アヤカシに食べさせればその隙にやり過ごせるかも?

 固定ステージの「祓」は、そういった意味でも本作ならではの発想が鍛えられる場所。構造が固定されているので、何度もリトライするうちに効率の良い戦い方が見えてくるんですよ。

 強そうなアヤカシでも火に弱いので上手くハメられたり、意外と簡単にやり過ごせることがわかったり、じつは無力な脱出ゲームではないのです。

 むしろ、慣れてくるとよのさんは強い。道具さえあれば滅茶苦茶強い陰陽師ですよ。ここもちょっと変わっていておもしろいところ。

 ホラー系の心霊和風脱出アクションなんて聞くと、もっと主人公が弱いと思うじゃないですか。無力じゃないのです。道具さえあれば本当に強い。

  • ▲鬼と化した僧兵であろうが、銃で何発も撃てば地面に沈むもの。逃げきれない相手なら、先手を打って倒してしまえばよいのです……!

 まず、アヤカシを倒せるデフォルトの武器が短筒ですからね。銃ですよ、銃。最初は「うわ~、逃げ回る系のホラーゲームかあ。怖そう」と思っていたのですが、道具さえあれば無敵ですねこの子。

 逆に言えば、それだけ強い道具をどう使い分けて残していくかも重要。ここら辺はすごくパズルです。調子に乗って使い切っちゃうと、とたんに高難易度ホラーゲームと化します。

 とくに、短筒はフスマの向こう側にいる敵を撃ち殺せる最強の武器。フスマに近づいて隣の部屋から声が聞こえるな~と思ったらバンバン撃って先手必勝できるし、実際に遭遇しても怪異を撃ち殺せる高性能な道具になっています。

 予備の弾丸もちゃんとあるので、無駄遣いしなければステージクリアまでに必要な量は手に入るはず。最初はどこで使うのか悩んじゃいますが、やり直すうちに「あいつとあいつは銃。あいつはワナ」と効率の良い対処法が思いつくでしょう。

  • ▲トラップなどを駆使して、いかに道具を節約できるかもカギに。解法は1つではありません。意外な抜け方があるかも?

 途中で鍵を手に入れたら、それを持つためにあえて道具を置いていかないといけませんし、常に短筒と予備の弾を持てるわけではありません。とにかく、困ったらぶっ放していい道具です。

 アヤカシといえど、銃には勝てない。もちろん、銃以外にも攻撃に使える道具から回復に使う道具まで、便利なものはたくさん落ちています。

  • ▲世界観にあった回復アイテムも見どころ。九里四里(栗より)うまい十三里。サツマイモや焼き芋じゃなくて、十三里の名前で出てくるなんて珍しいですね。

 お札をフスマに張ると相手が入ってくるのを阻害できたり、幽霊のように浮いている敵を除霊できたりと、相手によって使い分けることも肝心です。

 見取り図を入手すればミニマップも表示されるので、敵の位置と構造を把握しながら何度もリトライするゲームになっていますね。そう、何度もリトライするんですよ。結構、初見殺しのワナや敵が多い。

 調子に乗って踏み込んだら落とし穴のトラップがあったり、襲ってくる敵がやたらと強かったり、マップ全体がまずこちらを倒そうとしてきます。

 でも、嫌な気持ちにはなりません。たぶん、自分が失敗したのは自分のせいだと思えるからかな。あそこで、あの道具を取っておけば……という気持ちになれるんですよね。

ローグライクはこちらが本番。姿を変える迷宮「禊」に挑め

 「祓」のステージをいくつかクリアすると、別のモード「禊(みそぎ)」が解禁されます。こちらは、いわゆるローグライク。それまでの「祓」で培った知識を駆使して、ランダムで構成される館を抜けていくスタイルになっています。

 慣れてくると「祓」は覚えゲーになってくるので、おそらく延々とやり込むのはこちらでしょう。足音などの扉の向こうから聞こえてくる物音にしっかり気を配って移動しないと、悲惨な目にあいます。

 なお「禊」には、“番号を入力することで他人が訪れた迷宮を再現し、挑戦する”といった要素もあります。これを使って、配信者などが遊んだ迷宮に自分で挑戦するといった楽しみもありそうです。

  • ▲プレイ中の場合、“夢番号”と呼ばれる番号は画面右上の端に表示されます。
  • ▲「禊」にはランキング要素もあり、そこでランキング入りしているプレイヤーの夢番号を確認することもできます。

進めば進むほど手ごわくなる探索とパズル的な発想にハマる!

 本作は道具を駆使して戦う完全な実力勝負。ゲームを進めていくと、敵の種類やトラップ。アイテムも増えてどんどん手ごわくなっていきます。「祓」のステージもどんどん難しくなっていくので、とっさの判断が重要になることも。

 たとえば、ネズミのようなアヤカシがうるさくて隣の部屋の物音が聞こえなかったり、ただでさえ強いのに出血状態にしてこちらをピンチにしてくる強敵が出たりと、簡単にはクリアできません。

 道具の使い方を間違えればアッサリやられますし、落とし穴にヒューンと落っこちてしまうこともあれば、減らしきれなかったアヤカシの大群にぼっこぼこにされることも。

 しかし、それがむしろ楽しい! とにかく、何かしらの解決策が存在しています。しかも、1つではありません。強敵に対しても戦わずにやり過ごしてしまえばいいですし、戦って銃で撃ち殺してもいい。ワナにはめて倒してもいい。火で焼いちゃうのもよし。わざと食べ物を置いて、そちらに気を向かせるのもアリ。遊べば遊ぶほど、戦い方がこなれていく自分に気が付くと思います。

  • ▲そして脱出へ……。うまくやり過ごして出口が見えたときの開放感がたまりません。

 制限されたローグライクだからこそ、自分の知識と実力が反映される仕組みですし、リトライすれば着実に先へ進めるようになっていく。ホラーではあるのですが、ただ怖くて逃げ惑うだけではなく、対処の仕方を覚えていくのが楽しい作品となっています。まるで、“戦えるお化け屋敷”です。現実でお化け屋敷のお化けを殴ったら怒られますが。

 怖いだけじゃなくて対抗策もあるのが安心感に繋がっていますね。やられてしまったステージに対処法がわかってからリベンジするのも楽しいですし、ランダムダンジョンでランキングを競うのも楽しそう。

 ローグライクとしても新しさがあるので、ホラーに興味がある人も、ちょっと変わった和風ローグライクを遊んでみたい人も、ぜひプレイしてみてください!

©2022 wodan-inc

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四のの目(Shinonome)

  • メーカー: WODAN
  • 開発: WODAN
  • 対応機種: Steam
  • ジャンル: ローグライク脱出ゲーム
  • 発売日: 2022年11月11日
  • 価格: 1,950円(ローンチ後1週間は1,658円)

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