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ドットでもゾンビゲームの怖さと面白さを両立! 『ゾンビ・オブ・ザ・ドット』のボリュームは?【電撃インディー#348】

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 電撃オンラインが注目するインディーゲームを紹介する電撃インディー。今回はイシイジロウ氏が企画・原案・監修したゾンビRPGで、ケムコからiOS/Androidで配信予定(2023年には家庭用ゲーム機に移植予定)の『ゾンビ・オブ・ザ・ドット』の開発者インタビューをお送りします。

 本記事では、『ゾンビ・オブ・ザ・ドット』のプロジェクトマネージャーの中出勝大氏(株式会社ヒットポイント)にお話を伺いました。

 なお、電撃オンラインは、尖っていてオリジナリティがあったり、作り手が作りたいゲームを形にしていたりと、インディースピリットを感じるゲームをインディーゲームと呼び、愛を持ってプッシュしていきます!

『ゾンビ・オブ・ザ・ドット』プロジェクトマネージャー中出勝大氏(株式会社ヒットポイント)にインタビュー

ドットでも怖さをしっかり表現。リアルすぎなくすることでだれでも遊べるゾンビRPGに

――『ゾンビ・オブ・ザ・ドット』の注目点を教えてください。

 ストーリー、システム、音楽など見て欲しい部分は多々ありますが、やはり隅々までこだわったドットが注目点かと思います。

 ドット絵でゾンビということで、開発当初はちゃんと恐くなるのか? とか不安が多かったですが、いざ開発が進んでいくと2等身ドットのゾンビがワラワラと群がってくるのが一見可愛くも、不気味な場面では恐く見え、抽象化されたドット絵だからこそ楽しめるゾンビゲームになっているかと思います。

――本作はマップやキャラクターなどがすべてドットで表現されていますが、ドットにしたのはどのような理由からでしょうか。

 『ゾンビ・オブ・ザ・ドット』は“だれでも遊べるゾンビRPG”をコンセプトの一つとしています。リアル過ぎるゾンビはあまりに怖くプレイできない方もおり、“ゾンビの怖さを楽しみたい”と“猟奇的ではなく安心してプレイしたい”の両立としてドットが適任と考えました。

――本作では、ゾンビとのバトルがコマンド式になっていますが、このような形にしたのはどのような理由があるのでしょうか。

 コンセプトの一つとしてアクションが苦手な人にも楽しんでもらえるようにしたいという想いはあり、限られた銃弾や回復のリソースをいかに適切に使うべきか、というサバイバルの緊張感をターン制のコマンドバトルという形に落とし込みました。



――バトル中には距離の概念があり、これでゾンビが近づいてくる恐怖のようなものを表現しているように感じましたが、導入の意図などがあれば教えてください。

 開発初期、戦闘画面のアイディアを出していた中で“赤い目のドット絵ゾンビが大量にこっちを見ている”という画面案がありまして、それが満場一致で怖くて良かったので「戦闘はこの感じでいこう!」と勢いで見た目から決まった感じでした。

 ターンごとにゾンビが近づいてくる仕様などはそこからアイディアを広げて仕様化されていった流れです。


――試遊版では、何種類かの人型のゾンビが現れましたが、本作に登場するゾンビはどれくらい種類がありますでしょうか。

 まだ開発中ではありますが、試遊版で登場した病院や市街地に加え、ショッピングモールやディスコクラブといったさまざまな場所の雰囲気に合わせて20種類以上のゾンビを用意しています。

――試遊版では、病院から街に出るまでの約15分ほどをプレイできましたが、製品版のボリュームはどれくらいでしょうか。

 マップの隅々まで探索したいユーザー、サクサクと次々クリアしたいユーザーで大きく差は出るかと思いますが、6時間~10時間のプレイ時間を想定しています。

――開発で苦労していたところを教えてください。

 病院、市街地など探索の舞台となるマップの雰囲気作りは特に苦労しました。

 “ゾンビモノ”であることはもちろん重要ですが、コンセプトの一つでもある”1970年代感”をどれだけ画面内に反映できるかを強く意識しています。

 街中の看板やネオンの雰囲気だったり、よく見ると公衆電話っぽいものが並んでいたり時代を感じさせるための認識共有は楽しいですが苦労も少なくありませんでした。

――開発をするうえで、特に気を付けている点などを教えてください。

 どんな企画でもいえることですが、開発メンバー間でのコンセプト共有でしょうか。

 本作であれば、前述の時代感の面でどういうものが置いてあるべきなのか、何が流行っていたのか、何が使われていたのかなど、デザインやテキストやデータそれぞれの担当者が認識共有できた上で開発することを常に心がけています。

――ゲームタイトルにこめた想いを教えてください。

 本作は“ゾンビ”であることと同じくらい“ドット”であることで良さが出たと思っています。

 もちろんそれだけがタイトルの意図ではありませんが、ゾンビモノをドットで表現したからこそ感じ取ってもらえる緊張感や面白さがたくさん詰まっていますので、私個人としても気に入っています。

――まだまだ先のことかと思いますが、発売後にアップデートやコンテンツの追加などの予定はあるのでしょうか。

 現状では未定です。

 リリース後のユーザー様の反応も見つつ検討していきたいです。

――今後、実現したい野望などありますでしょうか?

 近年になって大手メーカー、インディー問わずドットゲームが多くの脚光を浴びているので、ずっとノウハウを培ってきたヒットポイントとして存在感を示していけると良いなと思っています。

――ゲームの開発に携わることになったきっかけについて教えてください。

 私自身、ゲーム開発には携わりたいとずっと思っていました。

 世代的にSFCで育った根っからのドットRPGファンでして、デザインの勉強をする傍らでずっとドット絵を描き続けていました。

 当時PS3やXbox 360がメインストリームになっていたのですが、そんな頃にガラケーで昔ながらのRPGっぽいアプリが少数ながら出ていることを知って、ヒットポイント立ち上げの前身となるガラケーアプリ開発会社にドットデザイナーとして入社したのがキッカケとなります。

――ここ数年でもっとも感銘を受けた、ゲームについて教えてください。

 10年以上前の古いものになってしまいますが、『DEAD SPACE』シリーズは当時プレイしてかなり感銘を受けました。

 今でこそ珍しくないかもしれませんが、画面暗転やHUD類を排除した緊張感を途絶えさせない画面作りが徹底されていて、方向性やコンセプトこそ違いますが、本作の開発にあたって振り返った点も多かったです。

 リメイク版も発表されてずっと楽しみにしています。

――最後にユーザーに一言お願いします。

 『ゾンビ・オブ・ザ・ドット』というタイトルを見て興味を持っていただけた方には間違いなく満足していただけるゲームになっているかと思います!

 是非プレイしてみてください。


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