生活系大好きゲーマーの『ハーヴェステラ』プレイレポート! 地に足つけた暮らし&冒険ができる楽しさ
- 文
- 長雨
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いよいよ本日発売日を迎えたNintendo Switch/Steam向け生活シミュレーションRPG『ハーヴェステラ』のレビューをお届けします。
※Steam版は11月5日発売
今回は農業をしたり、ダンジョンで冒険したり、美しい四季と謎めいた“死季”の生活を体験できる本作の魅力を、スローライフゲーム大好きなライターがレポートしていきます。
ストーリーのネタバレになる記述がないように注意していますが、体験版以降のスクリーンショットが含まれています。新鮮な気持ちで『ハーヴェステラ』の世界に飛び込みたい方は、ぜひ全部の“シーズライト”を巡ったあとに読んでいただけると嬉しいです。
農作業と冒険のバランスが大事!
物語は植物が枯れて、人々が出歩くことさえできない“死季”のなか、主人公がある村にたどり着いたところからスタート。そこで出会った少女に、「世界を救うことができるかもしれない」、「選択の時が来る」と謎めいたことを言葉をかけられて……。
オープニングの時点から、主人公がかなり重要な使命を背負っていることがうかがえ、どんな冒険が待っているのかワクワク感が高まります。
少女との会話のあと意識を失った主人公を助けてくれたのが、“レーテの村”で医者をしているクレス。記憶を失っていた主人公はクレスと村長のおかげで、村の近くにある“遠見の丘”にある空き家で暮らせることになります。
しかも“遠見の丘”には広い敷地があって、畑などを自由に開拓していいとのこと。寄る辺ない主人公だけに、帰るべき生活の拠点ができるのは、それだけで心強いですよね。
最初の数日は、暮らしになじむためのチュートリアルになっています。基本要素が1つずつ解放されていき、ていねいな解説も見られるので、スムーズに生活に慣れることができました。
絶対に覚えたいのは、農業のやり方! 本作は作物やアイテムを出荷箱に入れて、その売り上げでお金を得ることになります。つまり、農業が収入の基盤になるのです。
畑で使う道具はZRボタンで切り替えてYボタンで操作、種などのアイテムは十字ボタンでリュックを開いてXボタンで使用。配置を覚えるまで少し戸惑いましたが、慣れると直感操作で農作業が進められて便利です。
世話の方法は水をやるだけで、1日~数日で収穫できます。畑に作物が無事に実っている姿を見ると、何とも言えない充実感があって、もっといろいろなものを育てようという気持ちになるんですよね。
本作にはスタミナ要素があり、農作業や走って移動するとスタミナが減ってしまいます。料理を食べて、画面左下の胃袋アイコンを少しでも満たしておくと、自動でスタミナが回復。
木の実や野菜でも少しは回復しますが、心もとなく、リフォームで調理台を依頼して自給自足ができるようになるまで、スタミナとの戦いになる場面もありました。
ただ優しいクレスがときおり手紙でサンドイッチを送ってくれたので、「まったく回復手段がない!」なんてピンチはなかったです。心使いが嬉しかったし、完璧に胃袋を掴まれて、彼女のことが大好きになりました(笑)。
農業と同じく本作で重要になるのが、ダンジョン探索です。物語を進めると四季を司る“シーズライト”を調べることになるのですが、その近くは未知の敵が巣くったダンジョンと化しています。
バトルは相手や戦況に合わせて、主人公をジョブチェンジしながら戦っていくのが楽しいです。仲間が増えるほど使用できるジョブも増えていき、戦略の幅が広がっていきます。
なかには、ダンジョン突入当初では倒せない強敵“FEAR”と遭遇することも……。ギミックをクリアしたり、“FEAR”との戦闘をよけたり、力押しだけでは乗り切れない冒険を体験することができますよ。
ダンジョン内では素材の採取や、宝箱から豪華な報酬をゲットすることも可能。宝箱には作物の種が入っていることもあり、序盤の貴重な収入源になるので、すみずみまで探索して取り忘れがないようにしたいところです。
ときには、“コロネル人形”なるものを見つけることもあります。集めるといいことがあるらしいので、ぜひコンプリートしたいですね。
ダンジョンの途中には、きらきらと光っているポイントがいくつも点在しています。調べると選択肢が発生し、選んだ行動によって、さまざまなイベントが発生します。体力が回復することもあれば、敵に襲われることも……。
何が起こるわからないドキドキ感も、冒険をしている感じがして楽しいですよ。
また個人的にオススメしたいのが、ダンジョンのBGM。私は特に浜辺の町シャトラから行ける“珊瑚の神殿”の音楽が大好きで、美しい景色をボーっと見ていたくなります。その間も容赦なく時間が経過してしまうので、実際にはできないんですけど(笑)。サウンドトラックが、とても欲しいです。
本作は農業をして資金を稼ぎ、冒険をして物語を進めることでできることが増えていく、両方をしっかりと遊ぶことでバランスのよい旅人ライフを満喫できると感じました。
物語が進めばできることが増えるぶん、スケジュール管理が難しくなりそうに思えます。最初のダンジョンをクリアすることで解放される“妖精オーダー”によって、時短&スタミナ温存できる便利な心得を覚えられるので、むしろ時間にはゆとりができる印象。
春の15日目くらいには資金に余裕も生まれ、移動が早くなるペットや回復アイテムが作れる調理台の増設もできたので、冒険がかなり楽になるのでご安心ください。
美しく優しいだけではない世界で主人公が選ぶもの
主人公はある事情から大妖精に依頼されて、四季を司る“シーズライト”の異変を調べるために、各地を旅することになります。季節の影響を強く受けている各エリアは景観も美しく、雰囲気もガラッと変わるので、街の中を探索するのだけでも楽しいです。
売られている種や料理のレシピも違うので、新たな町に行く際は、軍資金を多めに用意しておくのがオススメ。
各“シーズライト”のあるエリアでは、個別のエピソードが展開。それぞれの事情から“シーズライト”に関わる仲間たちと協力して、町に起こっている異変を解決していくことになります。
くわしい内容は実際にプレイしていただきたいので省略しますが、救いはあるけど優しいだけじゃない物語が、個人的にはすごく好きです。
また物語を進めていくと“死季”の原因であり、敵とされている魔族が悪い人ばかりじゃないこともわかってきます。
最初のダンジョンで一時的とはいえディアンサスが仲間になりますし、魔族の鎧を着ていた少女のアリアも仲間になりますしね。魔族にも何か、深い事情がありそうなのが気になるところです。
基本的にはファンタジー世界の本作ですが、ダンジョン内では近代文明によく似た装置や建物があるのも不思議なところ。
世界や魔族について知った主人公が、最初に出会った少女に問いかけられた答えとして、何を選び、どんな結論を出すのか、真相を見るのが楽しみすぎます。
メインストーリーだけでなく、仲間との絆を深める“キャラクターストーリー”や住人たちと交流できる“クエスト”など、サブエピソードが充実しているのも本作の見どころ。
“キャラクターストーリー”はパーティメンバーだけでなく、推しキャラのクレスのものも用意されているのが嬉しいです。各キャラクターの過去や“シーズライト”を巡る事件と向き合う姿が描かれており、進めるほどその人物がより好きになっていきます。
しかも、お気に入りの相手とは性別問わずパートナーになれるとか! 今回のプレイ範囲ではそこまで仲を深めることができなかったので、製品版では全力でクレスのストーリーを進めて行こうと誓いました。
“クエスト”は内容が面白く、報酬も豪華なので、受注できるアイコンがついた人物を見つけると話しかけてしまいます。
“レーテの村”に住んでいる元気なちびっこたちや、村長、“春の街ネメア”の孤児たち、時には魔族から手助けを求められることもあり主人公は大忙しです。
それぞれにしっかりとしたドラマが用意されていて、世界で人々がどのように暮らしているのか見守れるのが楽しいんですよ。いいお話が多くて住人達や、村や街への思い入れがドンドン深まっていきます。
本作は効率よくプレイしてスルスルとストーリーをクリアするのもよいですが、じっくりと根をはって農業をして、すみずみまで世界を堪能しながらゆったり進めるのも楽しいです。私は確実に後者になるので、発売後は何時間プレイすることになるのか今から怖いです。
みなさんもぜひ、自分のスタイルに合わせた『ハーヴェステラ』の遊び方を見つけてくださいね!
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