『ソードアート・オンライン -DIVE TO STAGE-』レビュー。アスナの調理やスターバースト・ストリームの再現度は必見!

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 本日より講演を開始した、テクノロジー×アクションで体感する新たなライブ・エンターテインメントショー『ソードアート・オンライン -DIVE TO STAGE-』

 そのゲネプロ(※)を観覧することができたので、レポート記事をお届けします。

※ゲネプロ:ドイツ語で通し稽古を意味する、Generalprobe(ゲネラールプローベ)の略。本番さながらの最終リハーサルのこと。

 なお、本レポートではストーリーの致命的なネタバレはありませんが、ステージの写真などは掲載されているのでご注意ください。

アニメボイス+実写で描かれる迫力のステージ!

 『ソードアート・オンライン -DIVE TO STAGE-』は、シリーズの原点となる《アインクラッド》編の物語を描くライブ・エンターテインメントショー。

 通常の舞台と大きく異なる点は、キャラクターのセリフはTVアニメのボイスを使用(撮り下ろしアリ)し、生身のキャストによる迫力の演技で物語を演出していることです。

 なぜ“舞台”ではなく“ライブ・エンターテインメントショー”と呼称するのか……その理由は、通常の舞台では考えられないような常識外れの演出が多数採用されているため! ふだん舞台を見ない人でも楽しめる演出が満載です。

 開演してまず驚いたのは、CGと大道具を組み合わせたステージの迫力! どこまでがCGで、どこまでがリアルの大道具なのか分からないほど精巧に作りこまれた舞台は圧巻です。

 ストーリーは《アインクラッド》編をそのまま再現しているだけあって馴染み深いものでしたが、それでも「この場面をこう再現するのか!」という驚きが味わえて、原作ファンでも新鮮な気持ちで楽しめると思います。

 とくに迫力があったのは、フロアボス攻略などの戦闘シーン!

 実写化したら巨大なボスをどう再現するんだ…と思っていましたが、舞台上に設置された巨大モニターにボスの姿をアニメーションで映し出すことで再現するとは! 複数のモニターを使っているので巨大な感じも伝わってきて、しっかり原作通りの脅威度でした。

 俳優さんがボスを攻撃すると、しっかり画面上のボスの身体にも攻撃のエフェクトが発生するので、臨場感もバッチリ! 複数人で連携してボスにダメージを与えていく様子が伝わってくるようで、アニメとはまた違ったリアリティが味わえます。
 

 ボイスは基本的にアニメそのままなので、いつもの『SAO』らしさ満載。アニメファンならなじみやすいので、あまりこの手のステージなどを見たことがない人でも安心して楽しめると思います。

 実写、CG、アニメのいいところ取りといった印象で、とにかく演出が多彩で飽きさせない作りです。

ストーリーは《アインクラッド》編をほぼ全編公演!

 本ステージで描かれるストーリーは、《アインクラッド》編に準拠。キリトとアスナの出会いが攻略会議のときであるため、《プログレッシブ》編ではなく、アニメ1期《アインクラッド》編に合わせてありますね。オリジナル展開などはなく、原作再現に注力しています。

 ショーの尺は約2時間。当然《アインクラッド》編を全編収録するには尺が短いですが、意外なほどブツ切り感はなく、初見でもストーリーの大筋を理解できるようになっており、見事な構成力でした。

 やや駆け足感はあるものの、本筋に関わるシーンはしっかり押さえてある印象なので、初見の人でも安心。これが初めての『SAO』という人の入門用にも最適だと思います。

 サチやユイなど、《アインクラッド》編に登場した主要キャラクターは全員登場します。とくに原作でも印象深かったサチのエピソードがしっかり描かれていたのが、うれしいポイントでした。

 なお、残念ながらシリカやリズベットのエピソードは短縮されダイジェストに。とはいえ、2人との出会いや印象的なシーンはしっかり再現されているので、2人のファンも必見です!

 そして登場キャラクターでいうと、ヒースクリフの迫力がすごい! 物語で最重要に近いキャラクターだけあって、演出も気合が入っていました。ステージの作りを生かしてことあるごとに高所にいるあたり、原作よりもボス感が増しています(笑)。

 そして一応ネタバレ防止で詳細は伏せますが、終盤の戦闘の迫力もすさまじかったです。ステージなので、ごまかしが効かないアクション部分に関しても俳優さんたちの演技が光っており、アニメとはまた違った魅力が感じられました。

ステージならではの驚きの演出も! なかでも料理や《スターバースト・ストリーム》のシーンは必見

 実写+CGならではの演出も各所で光ります。

 とにかく役者の動きがすさまじく、キリトの剣舞はもちろん周囲のキャラクターまで当たり前のようにバク転や側転を決めて、それだけでもド迫力!

 空中の布にぶら下がって技を繰り出すなど、サーカスさながらの激しいアクションもあり、一瞬実写であることを忘れるほどでした。

 空中に表示されるステータスバーは棒に薄いモニターを付けて表示。舞台ならではの工夫も満載で、次はどんな演出が見られるのだろうかとワクワク感が止まりませんでした。

 ステージが暗転して次の場面が暗がりのなかに現れたとき、「ああ、次はあのシーンだな」と予測するという、原作を知っているからこその楽しみ方も……!

 ステージならではの演出では、S級食材(ラグー・ラビットの肉)を調理するアスナのシーンが意外なほど印象的! ただの料理シーンのはずなのに、食材や炎を表現するダンサー+BGMで気合の入った演出でした。

 ほかにも、ユイとの日常シーンがミュージカル風に流れるような演出も。キリト&アスナ夫婦との楽しそうな生活が再現されており、短時間ながらも日常感がしっかり演出されていました。

 そして、原作ファンが気になるであろう《スターバースト・ストリーム》を放つシーンもド迫力!

 システムのサポートを受けて圧倒的な速度で放つ剣技をどう再現するのか気になっていましたが、まさか俳優が二人登場して速度感を表現するとは! 作中でも屈指のアクションシーンでした。ちなみに、スキル使用時には武器が光るエフェクトもしっかり再現されています。

 原作ファンにはもはやお馴染みとなった《アインクラッド》編を描いているにも関わらず、今までにない表現技法により新鮮な気持ちで楽しめる『ソードアート・オンライン -DIVE TO STAGE-』。

 初見でもストーリーを理解できる構成なので、原作未体験の方にもオススメできる作品です。逆にステージ鑑賞が初めてという方でも楽しめる内容なので、気になっている人は、ぜひステージへダイブを!

公演概要

【タイトル】「ソードアート・オンライン -DIVE TO STAGE-」
【原作】TVアニメ「ソードアート・オンライン」
【脚本・総合演出】児玉明子
【演出】神里盛仁

【STAFF】
◆振付・ステージング:西川 卓
◆美術:石原 敬
◆照明:吉枝康幸
◆音響:中島 聡(come stock)
◆音響効果:宮本和樹
◆映像:O-beron inc.
◆アクション:六本木康弘(JAE)
◆アクロバット:G-Rockets
◆エアリアル振付:川村理沙
◆ポイ演出協力:Yuta
◆小道具・造形:羽鳥健一、篠川理湖
◆衣裳:川島加菜果(とわづくり
◆ヘアメイク:水崎優里(M?s factory
◆音楽監督:大塚 茜
◆音響制作協力:ソニルード
◆演出助手:石井麻莉
◆舞台監督:中西輝彦、内田純平
◆宣伝:アニプレックス
◆宣伝美術:エリイクエ
◆宣伝写真:金山フヒト
◆制作:ゴーチ・ブラザーズ
◆主催:アニプレックス/ゴーチ・ブラザーズ

【CAST】
◆キリト(CV:松岡禎丞) 松原 凛
◆アスナ(CV:戸松 遥) 佃井皆美
◆ユイ(CV:伊藤かな恵) 及川結依
◆シリカ(CV:日高里菜) 鈴木桃子
◆リズベット(CV:高垣彩陽) 朝倉ふゆな
◆クライン(CV:平田広明) 関 修人
◆エギル(CV:安元洋貴) 宮河愛一郎
◆サチ(CV:早見沙織) 橋本彩花
◆ディアベル(CV:檜山修之) 松永有紘
◆ケイタ(CV:豊永利行) 江副貴紀
◆テツオ(CV:赤羽根健治) 光永ヒロト
◆ササマル(CV:代永 翼) 平島由章
◆ダッカー(CV:江口拓也) 渡部大稀
◆ヒースクリフ(CV:大川 透) 松川大祐
◆ゴドフリー(CV:江原正士) 潮見勇輝
◆クラディール(CV:遊佐浩二) 田中翔大
◆直葉(CV:竹達彩奈)
◆キバオウ(CV:関 智一)
◆茅場晶彦(CV:山寺宏一)
◆アンサンブル 小林由佳、知念紗耶、廣瀬水美、渡邊彩乃、金川希美、池田実桜


©川原 礫/アスキー・メディアワークス/SAO Project
© SAO Stage Project

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