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『バーチャファイターeスポーツ』銀河系最強の男・とんちゃんが戴冠! セガ公式大会フォトレポート

栗田親方
公開日時
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 11月6日(日)に開催された『Virtua Fighter esports』のプロ選抜を行うセガ公式大会「VIRTUA FIGHTER esports CHALLENGE CUP SEASON_1【2nd】FINAL」で優勝したのは、“銀河系最強”ともいわれるとんちゃん選手でした!

 約170点の写真とともに、初の“有観客”で開催されたセガ公式大会の模様をレポートします。

  • ▲ついに優勝してプロライセンスを獲得したとんちゃん選手。

  • ▲準優勝ながら、こちらもプロライセンスを獲得したじゃんぬ選手。

  • ▲3on3部門は、氣志團後援会(しろ、SHENRON、氣志團Jr.)が優勝。各プレイヤーにオリジナルアーケードコントローラーが贈られました。

常に優勝候補と言われながら勝ち切れなかった最強プレイヤーがついに戴冠!

 アーケード版『バーチャファイター5FS』時代に頭角を現し、あまりの強さに“銀河系最強”という異名を持っていたとんちゃん(旧名:とんかつ)が、ついに優勝!

 優勝者&準優勝者にプロライセンスが与えられる大会が始まってから、今大会で3回目。常に優勝候補と言われながら惜しいところで敗退するという流れが続いていましたが、今回ようやく抜けた形となりました。

 プロライセンス獲得を決めたときの表情も、“歓喜”というよりは“安堵”に近いように見えましたね。

  • ▲らいおん選手との同キャラ戦に勝利し、プロライセンス獲得を決めたとんちゃん選手の笑顔。
  • ▲じゃんぬ選手との決勝戦に勝利し、優勝を決めた直後のとんちゃん選手。3タテ圧勝ということもあり、もはや涼しげな表情です。
  • ▲とはいえ試合後は満面の笑みでよろこびを表現。完敗だったじゃんぬ選手は、さすがに悔しそうでした。

大会結果まとめ

 ここからは、大会中に撮影した選手たちの写真(撮影:イトラ)とともに、試合の内容をレポートしていきます。

 大会のアーカイブは下記の公式配信ページをご覧ください。

  • ▲大会を進行するMCやゲストの豪華布陣。【MC】橘 ゆりか、石飛 恵里花/【出演】『Virtua Fighter esports』チーフプロデューサー 青木盛治/【実況解説】組長、わさこん(※敬称略)

「3on3部門」結果

  • ▲代表チーム①「氣志團後援会」。U22の氣志團Jr.選手を支えるのは、群馬のチーム“暴れ馬牧場”に所属する強豪プレイヤー2名。予選では逆3タテでチームを救ったSHENRON選手ですが、決勝当日はなんと出番なし!(笑)
  • ▲代表チーム②「最速截拳道19XX年」。U22のメタすら選手を含めて全員がジャッキー使い。しかも、とんちゃん選手&ちんぱんJ選手はジャッキー最強チーム「最速截拳道」に所属するトッププレイヤーという隙のない布陣。
結果 チーム名 選手名1 選手名2 選手名3
優勝 氣志團後援会 しろ SHENRON 氣志團Jr.
準優勝 最速截拳道19XX年 メタすら とんちゃん ちんぱんJ

 「U22の選手を必ず入れる」というルールで開催された3on3部門では、FREEのファイナリスト2名を擁するジャッキーチーム「最速截拳道19XX年」が圧倒的に有利と思われていましたが、下馬評をくつがえして「氣志團後援会」が2試合連続の勝利で一気に優勝を決めました!

  • ▲3タテ×2で優勝を決めたしろ選手。誰もが納得のガッツポーズ!

 この試合で大爆発したのが、相手チームと同じジャッキーを使用するしろ選手。先鋒のU22対決では、2試合とも氣志團Jr.選手がメタすら選手に負けてしまいましたが、中堅として登場したしろ選手が2試合ともに3タテを達成。このあとFREE部門で優勝を決めたとんちゃん選手さえ寄せ付けず、豪快な試合展開で全員をなぎ倒していました。

  • ▲唯一のピンチだったのが、1回戦の先鋒・メタすら選手との一戦。スマッシュアッパーからの難易度の高いコンボを決めていればメタすら選手の勝利でしたが、緊張もあってか完走できず、逆転を許してしまいました。
  • ▲優勝チームの先鋒・氣志團Jr.選手は、まだ中学生という超若手。本大会の最年少プレイヤーということで、今後の活躍にも期待したいですね!
  • ▲FREE部門の参加者2名を擁し、圧倒的に有利といわれていたジャッキーチームの面々。試合前のこの時点では、かなり余裕が見られます。
  • ▲U22の若手プレイヤー・メタすら選手の緊張をほぐすちんぱんJ選手。実はメタすら選手のお父さんはかつてのバーチャプレイヤー(人ジャッキー選手)で、若き日のちんぱんJ選手のチームメイトでした。世代を超えて受け継がれるVF遺伝子……!

「FREE部門」結果一覧

  • ▲ランダムで振り分けられた決勝トーナメントの組み合わせ。左サイド&右サイドで1人ずつプロライセンスを獲得できるので、クジ運も超重要です。
結果 選手名 メインキャラ 活動エリア
優勝 とんちゃん ジャッキー 東京都 渋谷区
準優勝 じゃんぬ ジャッキー 大阪府 大阪市
ベスト4 ハート様 タカアラシ 主にオンライン
らいおん ジャッキー 愛知県 名古屋市 千種区
ベスト8 いいとも カゲ 千葉県 千葉市
うめっち アイリーン 大阪府 大阪市
たね アキラ 大阪府 大阪市
完全二択 ウルフ 愛知県 名古屋市
ベスト16 ポメタロウ ジェフリー 日本国内
でんせつえすぴ~ ジャン 東京都 池袋
ジン カゲ 東京都 新宿区
YOU サラ 大阪府 大阪市
SHU シュン 東京都 池袋
おさげ ブラッド 東京都 池袋/板橋
しずる アキラ 大阪府 大国町
ちんぱんJ ジャッキー 東京都 板橋区/池袋
  • ▲トーナメントの左サイドに振り分けられた選手たち。
  • ▲トーナメントの右サイドに振り分けられた選手たち。

FREE部門:1回戦

 選りすぐりの16人のなかでも特に高い実力を持っているといわれる、ハート様選手ととんちゃん選手の2人は左右に分かれました。

 今大会は16人中7人が関西勢と躍進が目立ちましたが、そのうちの5人が左サイドに集中するという展開でもありました。

①ポメタロウ(ジェフリー)vs.じゃんぬ(ジャッキー)

 両者ともに公式大会は皆勤賞という実力者だけに、開幕からフルセット&フルラウンドまでもつれる熱戦でした。

 1試合目は“最強ジェフリー”と名高いポメタロウ選手がトーキックスプラッシュマウンテンのミスに苦しみつつ辛くも勝利しましたが、続く2~3試合目はじゃんぬ選手が連取。

 4試合目もあっさり2本とられたポメタロウ選手でしたが、ここから必殺のトーキックスプラッシュマウンテンが火を吹いて大逆転! 2-2に戻して最終セットに望みをかけます。

 5試合目もじゃんぬ選手が2本先行するという、ポメタロウ選手にとっては苦しい展開のなか、鬼気迫る粘りで勝負は最終ラウンドへ。ここでも一進一退の攻防が続きますが、最後は連係技を避けてからのビートナックルを確定で決めたじゃんぬ選手がギリギリで逃げ切りました。

 惜しくも敗れたものの、前大会ではあと1勝でプロライセンス獲得というところまでいったポメタロウ選手の闘いぶりに、会場からは大きな拍手が鳴り響いていました。

  • ▲ポメタロウ選手。

  • ▲じゃんぬ選手。

②でんせつえすぴ~(ジャン)vs.いいとも(カゲ)

 実績的には毎回のようにFINAL進出を果たしているでんせつえすぴ~選手が優勢と思われましたが、最近は鳴りを潜めていた千葉の強豪カゲ使い・いいとも選手が、ジャンへの高い対応力と投げどころの上手さで存在感をアピールした試合でした。

 セットカウントは1-3ですが、各試合は3-0が3試合、3-1が1試合と、勢いに乗ったほうが一気に勝つというスピーディな展開だったのもインパクトがありましたね。

 特にいいとも選手の勝ち試合は、2択ポイントでの「打撃を出せば当たり、投げれば通る」という読み合いの強さが印象的でした。

 でんせつえすぴ~選手は、「自分の投げは通らず、相手の投げは抜けられない」という“VFesあるある”な負けパターンにもハマり、無念の敗退となりました。

  • ▲でんせつえすぴ~選手。

  • ▲いいとも選手。

③うめっち(アイリーン)vs.ジン(カゲ)

 全アイリーン使いの希望の星であるうめっち選手と、久々に公式大会の舞台へ帰ってきたニンジャマスター・ジン選手による関西vs.関東の対決。

 キャラパワーは低いと言われるアイリーンですが、使い手が少ないこともあり対策が難しく、その長所を生かしたトリッキーな動きでじわじわとうめっち選手がリードを広げる展開でした。

 特に、上段技や打点の高い中段技をかわしつつ攻撃できる猴子靠山(通称:マホ)、さばき技の悟空閃身などが要所で機能し、ジン選手の攻めをうまく封じていましたね。

 セットカウントは3-1ながら、1試合目と4試合目はギリギリの勝負だったので、どちらか1つでもジン選手側に運が向いていれば……というほぼ互角の接戦でした。

  • ▲うめっち選手。

  • ▲ジン選手。

④YOU(サラ)vs.ハート様(タカアラシ)

 大阪vs.奈良の関西勢対決は、最強のサラvs.最強のタカアラシという各キャラのトッププレイヤー同士の名勝負を生み出しました。

 キャラ的にはややパワーで劣るYOU選手ですが、「このキャラの最高峰のプレイ、見せれたらと思っています」という熱血マンガの主人公ばりのカッコよすぎる意気込みを語り、試合前から注目度MAXに!

 そしてその言葉通り、1試合目こそあっさりと落としたYOU選手ですが、2~3試合目では不利な状態から相手の様子見を読んで投げを繰り出す“不利投げ(投げ暴れ)”を決めるなど、堅牢なプレイを誇るハート様選手への鋭い読みを通しまくり、3-1→3-1と軽やかに連取。有言実行といえる最高峰のサラを見せてくれました。

 しかし、追い詰められた初代・公式大会覇者のハート様が、これまで負けていた“読み合い”を修正。4試合目を3-1で制して最終戦へともつれます。

 2回戦進出がかかった5試合目では、YOU選手が意地を見せて先にリーチをかけましたが、追い上げるハート様選手が2-2と追走。最後はサラのクレセントヒールをバックダッシュで避けたタカアラシの勝ち上げがスカ確で決まり、ハーフフェンスからリングアウト。激戦に終止符を打ちました。

  • ▲YOU選手。

  • ▲ハート様選手。

⑤らいおん(ジャッキー)vs.SHU(シュン)

 両者ともに連続出場している強豪プレイヤーですが、本日は“ジャッキーの日”といっても過言ではないほどジャッキーの活躍が目立った大会。東海を代表するジャッキーが、唯一のシュンを圧倒的なパワーで追い詰めていきます。

 とはいえ、超ベテランのSHU選手もただでは終わりません。キャラも最年長ならプレイヤーとしても今大会最年長の意地を見せ、セットカウント0-2と追い込まれたあとも、老獪なプレイで1試合を奪取。「これぞ酔拳!」といわんばかりの華麗なフィニッシュを見せていました。

 ただし、老人のスタミナはここが限界だったのか、4試合目を3-1で制したらいおん選手が勝ち上がりを決めました。

 シュンという特殊な対策が必要なキャラに対し、リーチの長いスピンヒールソードや低い姿勢の技も潰せるグローインキックを上手く合わせていた、らいおん選手の技チョイスが光る試合でしたね。

  • ▲らいおん選手。

  • ▲SHU選手。

⑥たね(アキラ)vs.おさげ(ブラッド)

 3度目の出場という関西トップアキラ使いのたね選手に対するは、今回が初登場となる(バーチャファイター的には)若手のブラッド使いおさげ選手。

 アーケード版『バーチャファイター5FS』後期から頭角を現しはじめたおさげ選手ですが、年季の入ったベテラン選手に気圧されたか、試合結果としては0-3でストレート負けを喫してしまいました。

 試合のポイントとしては、ブラッドが苦手とするアキラの馬歩衝靠(通称:マホ)を警戒しすぎたか、オフェンスがやや慎重すぎる形になり、アキラの2択パワーに力負けした形に見えました。

 しかし、今や関東のブラッド使いのなかでもトップクラスの実力者。モチベーションも高く、当然ながらこれで満足するようなプレイヤーではないでしょう。来月12月17日の公式大会予選に向けて、再び牙を研いでほしいですね!

  • ▲たね選手。

  • ▲おさげ選手。

⑦とんちゃん(ジャッキー)vs.しずる(アキラ)

 初戦の相手が“銀河系最強”ということで、試合前のしずる選手からは「むちゃくちゃキツいんですけど、弱かった頃のとんかつを思い浮かべてがんばります」というコメントが出ていました。

 構図としては関東vs.関西ながら、とんちゃん選手は出身が福岡で大阪にも馴染みがあるということで、古くからのバーチャ仲間との闘いという感慨深さも感じられるマッチングでした。

 しかし試合のほうは、しずる選手の「むちゃくちゃキツい」という言葉通り、3-0でとんちゃん選手が勝利。最後はビルジーカウンターからハイアングルアッパーキック(通称:ハイアン)につなげるコンボで豪快に勝利を飾っていました。

 しずる選手も試合が進むごとに3-0、3-1、3-2と調子を上げていただけに惜しさもありましたが、あと一歩対応が間に合わなかった形でしょうか。

  • ▲とんちゃん選手。

  • ▲しずる選手。

⑧完全二択(ウルフ)vs.ちんぱんJ(ジャッキー)

 今大会で電撃復活したかつてのウルフ最強プレイヤー・完全二択選手と、今やVF業界No.1の“お祭り男”となったちんぱんJ選手が仲良く激突!

 前口上ではダダすべりのコメントを勢いでごまかしたちんぱんJ選手でしたが、試合内容まではごまかし切れず、ウルフのハイパワーな二択の前に3-1で沈黙。残念ながらファイナルの舞台を後にしました。

 この対決のハイライトは、実況・解説陣をもうならせたフィニッシュシーン。硬化差「-16フレーム」の技をガードしたあとに発生16フレームのクイックショルダーを確定させ、強烈な壁コンボにつないで一気にK.O.した瞬間は、やはり会場がどよめきましたね。

 余談ですが、勝利を飾った直後の完全二択選手のガッツポーズに勢いがありすぎて、座っていたイスがステージの壁際まで滑っていくというハプニングが発生。気づいた完全二択選手があわててイスを取りに行くというウィニングラン(?)が見られました。

  • ▲完全二択選手。

  • ▲ちんぱんJ選手。

FREE部門:2回戦

 2回戦はなんと全4カードがすべて4試合(3-1)で決着。フルセットの接戦が多かった1回戦にくらべると力の差が出たようにも見えましたが、さすがに各試合の内容はハイレベル。濃厚なバーチャファイターを楽しむことができました。

①じゃんぬ(ジャッキー)vs.いいとも(カゲ)

 結果から言うと、1回戦でポメタロウ選手との死闘を制したじゃんぬ選手が、でんせつえすぴ~選手を倒して勝ち上がってきたいいとも選手にセットカウント3-1で勝利しました。

 じゃんぬ選手は開幕から好調で、3-1、3-2で2試合先取。3試合目は一進一退の末にいいとも選手がなんとか奪取するも、4試合目は細長いステージ(通称:カステラ)でじゃんぬ選手が3-0と圧倒。関西最強ジャッキーとしての輝きを見せつけていました。

 いいとも選手も動きは悪くなく、実力的にはそこまでの差は感じられませんでしたが、弧延落からのコンボミス×2が痛かったほか、最終セットで投げを抜けられまくったのが辛いところでしたね。

  • ▲左:じゃんぬ選手。右:いいとも選手。

②うめっち(アイリーン)vs.ハート様(タカアラシ)

 かつて「電撃バーチャ道」で開催された「第2回 電撃杯」の決勝カードが公式大会で実現! そのときはうめっち選手が勝利しましたが、今回はハート様選手が見事にリベンジを果たしました。

 うめっち選手もアイリーンの細かい連係でハート様選手を苦しめましたが、大接戦となった1試合目で下段投げからのリングアウト負けをくらうなどして、競り負けたのが痛かったように思われます。

 終盤はハート様選手お得意の天破り(通称:ダブルアッパー)が冴えわたり、3試合目を3-1、4試合目を3-0と、盤石の横綱相撲を披露していました。

  • ▲左:うめっち選手。右:ハート様選手。

③らいおん(ジャッキー)vs.たね(アキラ)

 実力伯仲と思われる東海最強ジャッキーvs.関西最強アキラの闘いは、この日の“ジャッキーの流れ”に乗ったらいおん選手が終始リード。3-1、3-2、2-3、3-2と、初戦以外はフルラウンドという接戦をうまくモノにしていました。

 たね選手も底力の強さを見せて必死で食らいついていましたが、それ以上の粘りを見せたらいおん選手が辛くも逃げ切りに成功した形ですね。

 特に4試合目の最終ラウンドでは、たね選手が大幅に体力リードしていたところから、壁コンボなどをからめて見事な逆転劇を見せていました。

 これで、あと1勝でプロライセンス獲得というところまで駒を進めたらいおん選手ですが、次に立ちはだかる相手がどうしようもなく悪かったですね……。

  • ▲左:らいおん選手。右:たね選手。

④とんちゃん(ジャッキー)vs.完全二択(ウルフ)

 1回戦でちんぱんJ選手を倒した完全二択選手は、2試合連続でジャッキーとの対戦となりました。しかし、相手は3on3でちんぱんJ選手とチームを組んでいた“ジャッキーの王様”とんちゃん選手。かなりの苦戦が予想されました。

 最も盛り上がった試合は2試合目。完全二択選手がPKキャンセルを狂ったように連打し、とんちゃん選手のペースを乱しまくっていたところです。しかも、この試合は完全二択選手が3-0で圧勝し、光明が見えたかに思われました。

 しかし、キャラ相性的にも分が悪いといわれるウルフということもあり、要所のスライドシャッフルや早い展開からの投げを決めて試合をコントロールしたとんちゃん選手が盤石の勝利を収めました。

  • ▲左:とんちゃん選手。右:完全二択選手。

FREE部門:準決勝

 準決勝はプロライセンス獲得がかかっていることもあり、決勝戦以上に緊張感が高まるのがお約束。

 今回は、かつて決勝戦で相まみえたハート様選手ととんちゃん選手のリベンジマッチが見られる可能性もありましたが、左サイドを勝ち抜いたのは、同じジャッキー使いのじゃんぬ選手でした。

 ちなみに、残った4人中3人がジャッキーという偏りですが、これまでも“最強キャラ”といわれていたジャッキーがついに爆発した日となりましたね。

  • ▲この日はとにかくジャッキーの活躍が目立ちました!

①じゃんぬ(ジャッキー)vs.ハート様(タカアラシ)

 最初の2試合が3-2の接戦、残りの3試合が3-0のワンサイドという極端な展開を制したのは、1試合目の体力の削り合いを制したじゃんぬ選手でした。

 ハート様選手は、1試合目を落とすとキャラクターをタカアラシからアキラに変更。家庭用の『バーチャファイター5FS』時代はアキラをメインキャラとしていただけに、自信をもって送り出したキャラだったと思われますが、結果は惜しくも及ばずでした……。

 本作最強プレイヤーの一角としてのプレッシャーもあってか、敗北が決まった直後には机の上に前のめりにダウン。「あと1試合」の重みを感じさせる一幕となりました。

  • ▲じゃんぬ選手vs.ハート様選手。開幕から長時間のにらみ合い演出が発生!

  • ▲最強プレイヤーの一角であるハート様選手を下して喜ぶじゃんぬ選手と、思わずうなだれるハート様選手。明暗がくっきり分かれるのも、また真剣勝負の醍醐味ですね……。

②らいおん(ジャッキー)vs.とんちゃん(ジャッキー)

 ジャッキー使いのなかでも5本の指に入る両者による激戦……の予定でしたが、これが“No.1”と“その他”の差なのでしょうか?

 なんと、とんちゃん選手が一瞬で3試合を連取してサクッとプロライセンスを獲得。らいおん選手が3試合で取得したラウンドはたったの1ラウンドという圧倒的な結果になりました。

 同キャラ推奨の大規模5on5大会として有名な「プレビートライブカップ」ではチームメイトとしてともに闘う2人なだけに、お互いの実力や戦術も知り尽くしていたことでしょう。

 状況不利と見たらいおん選手が試合前に見せた“奇策”が通じなかった時点で、勝敗は見えていたのかもしれませんね。

  • ▲らいおん選手vs.とんちゃん選手。同じジャッキー使いで相手の強さを知っているだけに、何とか勝たせてもらえないかお願いするらいおん選手。

  • ▲なかなか首を縦に振らないとんちゃん選手に対し、粘り強く交渉するらいおん選手。2本の指は「とりあえず2ラウンドとらせて」ということでしょうか?

FREE部門:決勝

 本大会の最大の目標といえる“プロライセンス獲得”は両者ともに達成したものの、優勝の栄誉&“スタープレイヤー”の称号がかかったファイナルバトルが幕を開けます。

じゃんぬ(ジャッキー)vs.とんちゃん(ジャッキー)

 恐ろしいことに、準決勝で敗退したらいおん選手に続き、じゃんぬ選手までがとんちゃん選手に対して1試合もとれずに敗北。やはり圧倒的な力の差を見せつける結果となりました。

 ジャッキーの同キャラ戦でキーとなるのは、中段パンチ系の技をさばけるスライドシャッフル。この技を巧みに使って立ち合いを制したとんちゃん選手が、終始優位をキープしていた印象です。

 立ち上がりとなる1試合目のみ、じゃんぬ選手が惜しいところまで肉薄したのですが、最後はビルジー暴れがぶっ刺さって惜しくも2-3で敗北。その後は1-3、1-3というスコアで余裕をもってとんちゃん選手に逃げ切られてしまいました。

  • ▲最終決戦を目前にした、じゃんぬ選手の決死の表情。ラスボスに挑む勇者の心境でしょうか?

  • ▲ラスボス側のとんちゃん選手。表情にはまだまだ余裕がうかがえます。

プロライセンス獲得プレイヤーへのインタビュー

 優勝したとんちゃん選手とじゃんぬ選手への囲み取材の模様をお届け。さまざまなメディアからの質問&回答を、まとめて記載しておきます。 

とんちゃん選手へのインタビュー

  • ▲とんちゃん選手(福岡県出身/30歳)。

――どんなプロになりたいですか?

 格闘ゲームをやっている以上、強さが一番だと思っていますので、強さで目標とされるようなプレイヤーになりたいです。

 自分が世界で一番強いという状態を目指しているので、そういった部分を若い人たちにも目指してほしいなと思っています。

――バーチャ業界で「とんかつ」という名前は知らない人がいない状態だと思いますが、eスポーツだと「とんちゃん」という名前なのはなぜですか?

 かわいいじゃないですか(笑)。かわいいっぽい名前でこの見てくれっていうギャップですね。

――目標としているプレイヤーは?

 自分です。今日よりも強い自分を目指しています。自分が一番強いと思っています。

――メインタイトルに選ばれた「EVO Japan 2023」には参加しますか?

 参加したいですね。格が違うというのを見せつけたいと思っています。

――次世代の若いプレイヤーに一言もらっていいですか?

 今回の3on3でチームを組んだメタすらくんとか、まだ二十歳ぐらいなので、僕より強くなる可能性があると思っています。

 センスや才能などもあるかもしれませんが、それ以外のところでもなんとかなるのが格闘ゲームですので、そういうところを頑張ってほしいと思います。

――これまでの2大会は優勝候補といわれながら負けてしまいましたが、今回はあっさり勝ちました。これまでの敗因、そして今回の勝因などはありますか?

 前回や前々回は、普段なら7:3~8:2がつくような圧倒的な格下が相手だったので(笑)、ちょっとおごったというか、ほころびがあったんじゃないですかね。

 今回に関しては、今まで以上にこのゲームをやり込んだんで……ゲーセンなんですけど。今回はせっかくプロになったんで、ゲームを買おうと思ってます(笑)。

――「圧倒的な強さを証明したい」という話がありましたが、今のバーチャ業界にライバル的なプレイヤーはいますか?

 しわさん(※前大会でプロライセンスを獲得した赤丹しわぽ選手)ですかね。同い年だし、存在感はかなりあると思っています。しわさんのことを尊敬してる人もかなり多いと思うので。

 僕とはプレイスタイルがまったく違って、激しいタイプと静かなタイプという違いがあるのもいいですよね。両方が交わったらめちゃくちゃ強いんだろうなとも思いますし、やはりしわさんですかね。

――ハート様と闘えず残念でしたね。

 リベンジしたかったんですけど、気づいたらいなかったですね(笑)。

――当たったら勝つ自信はありました?

 もちろん! 勝つ気しかなかったですね。いろいろ考えてたこともあったので、実践してみたかったんですけどね。でもまあ、決勝戦は3-0ストレートで圧倒的な勝利ということで、結果には満足しています。

――ありがとうございます。あらためて優勝おめでとうございました!

じゃんぬ選手へのインタビュー

  • ▲じゃんぬ選手(山口県出身/33歳)。

――準優勝という結果でしたが、気持ちをあらためて聞かせてください。

 頂点はとれなかったんですけど、目標であるプロライセンスを獲得できたので、素直にめちゃめちゃうれしいです。

――どんなプロになりたいですか?

 自分は特に“華”はないかもしれませんが、今後プロとして闘っていくなかで、泥臭くともしっかりと勝ちにいければと思っています。

――一番うれしかったのは優勝候補のハート様に勝ったときですか?

 ここを乗り越えたらプロライセンスにつながるので、一番気合を入れました。僕のなかで優勝候補はとんちゃんとハート様だと思っていたので。勝ったときはすごくうれしかったですね。

――優勝おめでとうございます。先ほど「華はない」と言ってましたが、ポーカーフェイスのとんちゃん選手にくらべて、肩を震わせながらの一生懸命さが伝わるプレイを見て応援したくなりました。質問じゃないんですが、そういったファンを作る力はあると思っています。

 めっちゃうれしいです! ありがとうございます!!

――ジャッキーの魅力ってなんでしょう?

 そもそも顔がカッコいいところと、打撃を当てると大ダメージを与えられるので、読み勝ったときに気持ちがいいところですね。

 あと打撃が強いだけに相手も対策をしてくるので、なかなか打撃が当たらないんですが、その守りを崩したときの爽快感もジャッキーの魅力ですね。

――決勝はジャッキー対決になりましたが、勝てると思いましたか?

 今までとんちゃんに勝ち越したことがないので、正直不安でした。以前の試合も接戦ながら2-0で負けてしまったので、それを払拭したかったんですけど……。

 今後またどこかで当たると思うので、次の対戦に向けて対策したいと思います。

――とんちゃん選手に追い詰められたとき、メンタル的に焦りとかはありましたか?

 焦りはなかったですね。自分のどこが悪いかを探ったんですけど、明確な回答が出せずにその場しのぎになって……いっぱいいっぱいでしたね。

――相手にしていて一番頭を使うキャラはなんですか?

 ジャッキー同キャラは、主力技がスライドシャッフルでさばかれるというのがあるので、頭を使いますね。

 ほかのキャラでは、個人的にはアキラが頭を使います。攻めだけじゃなく守りのときもダメージをとらないと、アキラ戦では最終的に厳しいと思うので、押し引きというか、駆け引きに頭を使いますね。

――『EVO Japan』のメインタイトルに選ばれたことについて一言もらえますか?

 大きな大会のメインタイトルに選ばれたのは、素直にうれしいですね。

 僕も13~14年ぐらいバーチャファイターをやっていて、今回も大舞台で今までにないほど活躍できてうれしかったんですが、「EVO Japan」という大舞台でも活躍したいという思いは強いですね。

――今までの公式大会FINALは皆勤賞だったと思いますが、今までは勝てずに今回は勝てた要因はありますか?

 メガネを外したことですかね(笑)。けっこうオカルト派なんで、今までとどこか変えようと思ったときに、メガネかなあと思ったんですけど……。

 初めはドライアイなんでコンタクトはあまりやりたくなかったんですけど、ここで一回気持ちを切り替えていこうと思って。実際にいい結果が出たので、まあ正解かなと。

――ではこれからはコンタクトに?

 そうですね。目と相談します(笑)。

――がんばってください(笑)。ありがとうございました!

フォトギャラリー(撮影:イトラ)

 これまでに掲載した写真ほか、大会中の雰囲気が伝わるさまざまな写真を掲載しておきます。



































































































































































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