『Gungrave G.O.R.E』レビュー。往年のファン垂涎、破壊とケレン味たっぷりのシリーズらしさは健在!

シュー
公開日時

 PLAIONが所有するレーベル・Prime Matterが手がけるPS4/PS5/Xbox One/Xbox Series X|S/PC用ガンアクションシューティング『Gungrave G.O.R.E(ガングレイヴ ゴア)』。本日11月22日発売の本作の製品版をプレイした感想をお届けします。

 『GUNGRAVE(ガングレイヴ)』は、2002年にPS2で発売されたガンアクションシューティングゲーム。続く『GUNGRAVE O.D.(ガングレイヴ オーディー)』も2004年に同じくPS2で発売されました。漫画家の内藤泰弘氏が原作/キャラクターデザインを担当し、2003年にはアニメ化もされた人気シリーズです。

 18年の時を経て、新作の『Gungrave G.O.R.E』がマルチプラットフォームで登場! 最新トレーラーも公開され、今まさにフルスロットルで盛り上がっています。この記事では、そんな本作の製品版レビューをお届けします。

●『Gungrave G.O.R.E』ゲーム概要トレーラー

シリーズらしさは健在。むしろ愛が伝わるほど忠実!

 『ガングレイヴ』は、二丁の大型銃“ケルベロス”と棺桶型の多機能武器庫“デス・ホーラー”を武器に、あらゆる敵に対し無限の弾丸をぶっ放して進んでいくゲームです。

 “ケルベロス”にリロードという概念はなく、ただひらすらに目に映るものをぶっ壊して進んでいけるのが本シリーズの魅力と言っていいでしょう。

 主人公のグレイヴにはシールドが設定されており、このゲージが失くなるまで敵の攻撃をノーダメージで受けられるという特徴があります。

 敵の雨のような銃弾にはびくともせず、むしろ二丁拳銃の嵐のような攻撃を無慈悲に放つ。攻撃を受けながらも、100倍の力で返すのが本作のスタイル。

 つまり「素早い動きで敵を翻弄しながら華麗に銃を撃つ」ではなく、敵の攻撃を正面から受けつつ“ケルベロス”と“デス・ホーラー”を駆使して攻略していく、ステージクリア型のゲームとなっています。

 18年経った本作でもそのスタイルは崩れておらず、グレイヴの重たい回避動作やケレン味あふれる“デス・ホーラー”の必殺技“デモリッションショット”は健在。「過去作に忠実に作ってるな~!」と制作陣のシリーズに対する愛に感心しつつ、懐かしい気持ちでいっぱいになりました。

 本作で追加されたのは、グレイヴのスキルや新しい“デモリッションショット”を獲得できる強化要素。ステージクリア時の評価によって変動するポイントを消費して新しいスキルを獲得するのですが、いつでも初期状態に戻すことができ、しかもポイントも返ってくるといううれしい仕様です。

 スキルはグレイヴの基礎ステータスを強化するものから、“デス・ホーラー”による近接攻撃にバリエーションを加える新アクションまで多種多様。ステージに応じて振り直しができる、いろいろな“デモリッションショット”を試せるといった点は非常に遊びやすく感じました。ちなみに謎の決めポーズをする必要はなし!

 もちろん「強化すれば銃を撃ってるだけでクリアできちゃうゲーム」というバランスでは一切なく、敵に応じたアクションの切り替えや“デモリッションショット”使用によるHPの回復。ミサイルやロケットの反射、シールド装備の敵への対処など戦略性は大いにあります。

 とくにステージが進むにつれて、グレイヴのシールドも簡単に破壊されていくため「どう切り抜けていくか」を試行錯誤していく機会は多かったです。

 個人的にいいと思ったポイントは、死んでもステージクリアタイムが増えるだけでペナルティがないこと。ステージ内のリスタート地点も細かく設定されており、素早くやり直しができるのは非常にうれしいですね。

 前述のスキルの振り直しが制限なくできることもあり、“デモリッションショット”やスキルを変更して再挑戦できるのもいい点です。もちろん以前のステージに戻って強化用のポイントを稼ぐことも可能。

難しさもあるが試行錯誤の余地もあり

 このように『ガングレイヴ』シリーズらしさは非常に健在ですが、「やられる前にやる」ではない撃たれ放題からどう反撃していくかの持ち味に馴染めるかどうかが本作の肝。

 難易度NORMALで最後までクリアはできましたが、後半は単純な物量だけではなく、敵の配置や強力な武器性能、ときには立ち止まってミサイルやロケットを反射しなければならない判断や立ち位置、落下しやすいステージ、そして敵の攻撃の苛烈さも相まって何度もコンティニューすることに……。

 とくにボス戦は敵の動きが速いのに対し、グレイヴの遅さや硬直の長さから倒すのには苦労しました。道中の難易度はそれほどではありませんが、強敵を前にした際や敵の構成が凶悪なステージを前に都度立ち止まったり、強化のためにポイント稼ぎに戻ったりしたほど。

 序盤は無策に突っ込んでも“デモリッションショット”でなんとかなりましたが、終盤になるにつれてどこで“デモリッションショット”を使うかの切り札感が増していく、NORMALはそのくらいの難易度だとお伝えしておきます。

 具体的な数は伏せておきますが、過去作では数えるほどだったステージも、今作では大ボリュームといっていいほどの数が用意されています。ただ、だいたいどのステージも10~15分前後でクリアできる内容なので、集中力が途切れることもなく挑むことができました。

 途中、グレイヴ以外のキャラクターを操作できるステージもあるのですが、それがまた楽しくて楽しくて……! そのキャラ専用のアクションも用意されており、なかなか遊び応えもあります。ニクい演出もあるので、ぜひともそこはプレイして感動を共有していただけたら!

最後に総評

 本作を一言で表すなら『ガングレイヴ』らしさが満載。ドアを蹴破ったり謎ポーズを決めることこそなくなりましたが、ダンスのように銃弾を放ったり、“デモリッションショット”を撃つ際に足をピーンと伸ばしたりといった“遊び心”はあいかわらずです。

 機関砲からビーム、火炎放射、ミサイル、ロケット砲にレールガンと、どんな機構してるんだってくらい“デス・ホーラー”の変形っぷりにツッコミを入れたり、一言もしゃべらない超無口な男なのに、ある人物を前にすると急に怒鳴りだしたり。

 個人的には“ケルベロス”の発射音をもっと重くしてほしかったのと、“ファイナルデモリッションショット”がなかったことがショックだったくらいです! ちゃんとボス撃破には“デモリッションショット”の演出が入りますが、システムとして欲しかったな~と。

 また過去作でのグレイヴたちの物語を辿れるヒストリーは、往年のファンとしては感動もの。一枚絵が挿入されていくスタイルで展開するのですが、細かな人物紹介からグレイヴの由来、敵の素性など、ありとあらゆるものが内包されていました。

 過去作の物語をしっかり教えてくれるので、おぼろげだった記憶が補完されて、すっと本編に入ることができましたね。ここの懐かしさで僕も一度死んで、ゲームプレイのために甦ったようなものです(?)。

 撃たれ放題から反撃していく独特なゲーム性や主人公の重さ、難易度の高い局面もありますが、試行錯誤のおもしろさがあるゲームです。難しいコンボやコマンドの必要がなく、多彩なガンアクションで敵をなぎ倒していく本作に酔いしれてみてはいかがでしょうか。


©RED / DEVELOPMENT by IGGYMOB and DIGIC PICTURES and YASUHIRO NIGHTOW. ©2022 “Prime Matter”, a Division of PLAION GmbH, Austria. All rights reserved. “Gungrave G.O.R.E.” is a registered trademark of

本記事はアフィリエイトプログラムによる収益を得ている場合があります

関連する記事一覧はこちら