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きみたちのような若者が戦わなくともよい、そんな世界を築きたいものだな──【タクティクスオウガ リボーン名言集】

タダツグ
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 スクウェア・エニックスより発売されたタクティカルRPG『タクティクスオウガ リボーン』の名言企画がスタート。

 記念すべき第1回目となる今回紹介するのは、主人公デニムの心の師ともいえる聖騎士ランスロットのセリフをピックアップします。デニムにとって人生の転機となる“バルマムッサの町での戦い”に赴く直前、聖騎士ランスロットが彼に語った胸のうちとは……? 理想を貫こうとする聖騎士の純粋さがよくわかる名シーンを振り返っていきましょう。

※本記事内には物語のネタバレを含む表現がありますので、ご注意ください。

きみたちのような若者が戦わなくともよい、そんな世界を築きたいものだな──(聖騎士ランスロット)

●CHAPTER1_僕にその手を汚せというのか

 聖騎士ランスロットの本名はランスロット・ハミルトン。『タクティクスオウガ』の前作にあたるオウガバトルサーガ第5章『伝説のオウガバトル』にも登場し、ファンからの人気も高い男性です。

 ある不祥事を起こして祖国である新生ゼノビア王国を追放され、ウォーレン、カノープス、ギルダス、ミルディンとともに傭兵としての仕事を探してヴァレリア島にやってきたランスロット。本作の主人公であるデニムが、彼を父の仇であるローディス教国暗黒騎士ランスロットと誤認し、姉であるカチュアや幼なじみのヴァイスとともに襲撃するところから『タクティクスオウガ』の物語は始まることになります。


 誤解が解けたあと、ランスロットはデニムと行動をともにしてウォルスタ人たちの指導者であるロンウェー公爵を救出。以降はロンウェーに雇われる形で、ウォルスタ人、ガルガスタン人、そしてバクラム人による民族紛争に身を投じることになるのです。


 そんなランスロットが、夕暮れに染まるアルモリカの城下町で川の流れを見つめていたところに、ウォルスタ解放のための大きな戦いが始まるということで逸る心を押さえられないデニムが訪ねてきます。


 次の任務がとても危険であることを告げるデニムに対し「おじけづいたのかい? きみらしくもない」と返すランスロット。これは初対面時、実力に大きな差がありながらも臆さず自らに刃を向けてきたデニムの姿を知っているからこその言葉といえるでしょう。


 怯えているわけではないと否定しつつ、戦うことが怖いのかと逆に尋ね返してくるデニム。ランスロットは己の心を偽ることなく、戦いのたびに震えがくるほどの恐怖を覚えていること、そしてそのたびに“死ぬわけにはいかない”という覚悟を決めることで、恐怖を乗り越えていることを告げます。



 ランスロットの偽らざる答えに安心したのか、革命のためなら死んでもいいと思っているとしながらも、心の内では死ぬことに恐怖をおぼえていることを明かすデニム。そんな彼に対し、ランスロットは“命を懸けるということと 死ぬということは全然違うことだ”と諭します。


 戦いの行く末を見届け、民を導く覚悟を決めたのなら、安易に命を捨ててはいけないこと。何より、デニムを想うカチュアのためにも生き残らなければならないことを説くランスロット。

 その言葉を噛みしめながら、ふと心の中に疑問が思い浮かぶデニム。彼はランスロットにも死んではいけない理由となる人物がいるのかと問いかけてきます。

 そこでランスロットが懐から取り出したのが、死んだ妻の形見であるオルゴール。




 妻を失ったのち、彼女を追って幾度も命を絶とうとしたランスロットは、オルゴールの音色を聴くたびに命というものの大切さ、そして生きるということの責任の重さを実感してきたことをデニムに語ります。

 ここでランスロットが口にする“自分のまいた種の成長を、その行く末を見届けなければならない”というセリフが、とても深いんですよね。束の間行動をともにし、こうして教えを説いたデニムの戦いをランスロット自身が見届けたいという意味もあるでしょう。同時に、革命を成し遂げてからが本当の戦いであり、手に入れた平和を盤石にするまで死ぬことは許されないことをデニムに告げているようにも思えます。

 この言葉で、“革命のためなら死んでもいい”と口にしたデニムが若さゆえの蛮勇で猛進してその身を捧げることがないよう、暗に釘を差している気がするんですよね。そして次にランスロットが口にするのが今回の名言。

 “きみたちのような若者が戦わなくともよい、そんな世界を築きたいものだな──”

 これはランスロットの本意であり、未来ある若者を失いたくないという想いの現れだと思います。そしてデニムはこの言葉を重く受け止めたからこそ、戦いのなかで絶望に打ちひしがれてもあがくことを止めず、前を向き続けることができたのではないかと思うのです。

  • ▲じつはランスロットは、物語の序盤でもデニムに命の大切さを説いていたりします。命さえあれば何度でもやり直すことができるという考えこそが、彼の本質なんでしょうね。

 この後ランスロットとデニムの運命は大きく流転。2人が意志の疎通を図れたのは、実質的にこれが最後となってしまうこともあり、じつに趣き深いイベントだったり……(※本作には歴史のif的な形でランスロットがデニムの騎士団に加入するイベントも用意されています)。

 ……ということで、皆さんいかがでしたか? 『タクティクスオウガ リボーン』は名言・名シーンの宝庫といえる作品で、主人公のデニム一人にスポットを当ててもピックアップすべき言葉やシーンはたくさんあるわけですが、まずは自分が大好きな聖騎士ランスロットの言葉を紹介させていただきました。

 なお、ランスロットといえばローディス陣営に囚われた彼が暗黒騎士ランスロットの拷問を受けながら、民衆を導くことの理想と現実を突き付け合うシーンも印象的。「聖騎士ランスロットといえばこのシーンでしょ!」という方も少なくないと思いますので、もしかするとこちらもどこかでピックアップすることになるかもしれません。ランスロットファンの方はお楽しみに。それでは、今回はこのへんで!

  • ▲多くのファンの方と同様、僕は聖騎士ランスロットが大好きなので、暗黒騎士ランスロットとの舌戦には目を引きつけられました。

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