昼はダイバー、夜は寿司屋! 『デイヴ・ザ・ダイバー』はピクセルアートの青い海にいやされる良ゲー【電撃インディー#370】

柏又
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 電撃オンラインが注目するインディーゲームを紹介する電撃インディー。今回は、ネクソンのサブブランドのひとつMINTROCETよりアーリーアクセス中のアクションアドベンチャー『デイヴ・ザ・ダイバー』のレビューをお届けします。

 なお、電撃オンラインは、尖っていてオリジナリティがあったり、作り手が作りたいゲームを形にしていたりと、インディースピリットを感じるゲームをインディーゲームと呼び、愛を持ってプッシュしていきます!

昼はダイバー、夜は寿司屋を営む独特のゲームサイクルが楽しい!

 本作は、親友のコブラから寿司屋に誘われたはずの主人公デイヴが、なぜかブルーホールの桟橋に建てられた寿司屋で働くことになるアクションアドベンチャーです。

 ちなみにブルーホールとは、洞窟や洞穴などの地形が海に沈んだことによって生まれた複雑な海中地形のことで、外から見ると浅瀬に青い穴が開いているように見えることからそう呼ばれているそうです。

 ゲームは朝・昼・夜の3つに大きく分けられていて、主人公は朝と昼の計2回、ブルーホールにダイビングします。夜はダイビングで得た魚介類を使って、寿司屋を運営してお金を稼いでいきます。また、ダイビング装備を整えたり、店員を雇ったりなど、寿司屋の運営に役立てていく、というのが本作の基本的な流れとなります。

 ダイビングパートは横視点のアクションゲームで、入るたびに内部の地形や落ちているアイテムなどが変化するローグライクなシステムが特徴です。

 主人公の酸素ゲージが体力を兼ねていて、ダイビング中に減り続けるほかに敵対的な生物から攻撃を受けることでもゲージが減少します。酸素ゲージがゼロになると、それまでに入手した魚介類やアイテムのうち、選んだひとつを除いてすべてロストするあたりはローグライクらしいところ。

 なお、ローグライクなシステムはとっていますが、無理せずプレイすれば難易度はそこまで厳しくはありませんね。酸素ゲージを全回復させるタンクやその場で脱出できるポッドなどが随所に配置されているので、しっかり活用すればお店で出す寿司ネタに苦労することはないと筆者は感じました。

 夜の寿司屋パートでは、入手した魚介類からメニューを決めてお客に提供します。といっても調理は料理人のバンチョが行うので主人公の役割はホールでの給仕と雑用ですね。客が出した注文に合わせてバンチョが料理を作るので、完成したら客のところまで運ぶのが基本ルールです。ときおり寿司の前にお茶やビールを注文する客もいるので、ミニゲームでちゃんと注げば料金が加算されます。

 また料理には必ずワサビが必要となるので、様子を見てすりおろして補充しないと調理ができなくなります。さらに客をさばいていくと汚れた食器が溜まるので洗うのも主人公の仕事となります。

 調理と給仕はスタッフを雇うことで分担できるのですが、ゲームが進むとそれでもかなり手元が忙しくなります。食材がなくなったらメニューを入れ替えたりもするので、なかなか大変ですがやった分だけ儲けになるのでやりがいはあります。

ドット絵と3Dの融合した雰囲気のあるグラフィック。キャラクターも魅力的でストーリーが気になる!

 グラフィックは2Dドット絵のキャラクターと3Dの背景を組み合わせて構成されていて、コミカルだけど奥行きがある世界観が魅力的です。とくにダイビングパートで訪れるブルーホールは、スタート地点からの距離や深度に合わせて背景や泳ぐ魚が変化していくので、泳いていて楽しく美しい海中の描写にいやされるような感覚があります。

 また、登場人物のキャラクターもかなり“立っている”あたりも本作の魅力といえるでしょう。やり手だがクセのある主人公の友人コブラや、なぜか侍言葉な料理人のバンチョ、オタクな武器職人のダフなど、見た目もセリフもインパクトのある人物ぞろい。

 本作にはダイビング時に使う武器や、寿司以外の料理を開発する要素があるのですが、そのときに挿入されるデモシーンはキャラクターの個性全開の内容で一見の価値ありです。

 さらに、料理人のバンチョに某料理コミックのような味勝負を挑んでくるキャラクターも数多く登場するのでもうたまらないですね。

 本作はアーリーアクセス中で、メインのストーリーはまだ途中までしか実装されていないのですが、基本的な要素とキャラクターたちはしっかりと作られているので、中途半端な感じがほとんどないのはいいところだと思いました。

メインストリー以外にもやり込める要素がいっぱい!

 先にも挙げたとおり本作はアーリーアクセス中ですが、ゲーム内にはかなりの要素が実装済みです。

 昼にダイビングして夜に寿司屋を営みつつ、メインミッションをクリアしてストーリーを進めることが本作のコア部分ですが、それ以外にもやり込める要素が用意されているのです。

 そのひとつが武器のクラフトとアップグレード。主人公はダイビング中に敵対的な生物と戦うための武器を手に入れますが、それらは陸に上がると消滅してしまいます。しかし、武器屋のダフは入手した武器の設計図を作成、素材からクラフトすればダイビング中に持ち込めるようになります。

 さらに、クラフトした武器の強化も可能。強化することで威力がアップするだけではなく、毒や炎などの属性も付与できます。魚は眠らせたり、網で捕らえたりすると獲れる食材の量が増えるので寿司屋の運営にも役立ちます。

 寿司屋の運営面では、“クックスタ”というSNSで評価を集めてランクアップする要素が大きいです。ランクアップすると一度に出せるメニューの数や雇える従業員が増えていくほか、新しい料理が開発可能となるのでかなり大きい要素だと思います。

 また、新しい種類の料理を出すと客がクックスタに写真をアップしてくるところも凝っていておもしろいポイント。

 さらに、ゲームが進むと魚から卵と採って養殖したり、食材を畑で育てたりと寿司屋の運営を越えた自給自足の環境を整えることも可能に。システムはかなりやりごたえのあるボリュームになっています。

アーリーアクセス中でもシステム面は充実! 今後実装されるストーリーの続きも楽しみ!

 この原稿を書いている現在、本作のストーリーを実装されている部分をプレイするとだいたい10時間ちょっとで終わるでしょうか。ただしこれまで書いてきたように、メイン以外にもサブストーリーや探索要素もあるのでもう少し楽しめると思います。

 ゲーム内容はストーリーやサブミッションでもキャラクター同士のやり取りがいい感じで、ゲームプレイしていてとてもおもしろいゲームです!

 ゲーム自体もそこまで難易度が高くないと思うので、どんな人でも楽しめる間口の広さがあると筆者は感じました。とくに、ゆったり楽しめるダイビングアクションと忙しく動く寿司屋の給仕、コア要素となるこの2つに興味をひかれたのであれば買って損はないと思います!


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