『ミンサガリマスター』30年前とは思えない斬新さをベースに『サガ』ファンにブッ刺さる新要素山盛り!【冬のレビュー祭】

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 PS5/PS4/Nintendo Switch/iOS/Android版が12月1日、PC(Steam)版が12月2日に発売される『ロマンシング サガ -ミンストレルソング- リマスター』を発売に先駆けて先行プレイした感想をお届けします。

※スクリーンショットはPS4版のもの。

 なお、電撃オンラインではこの冬に遊びたい注目作に関する特別企画“電撃冬のレビュー祭”を展開中。発売前の新作タイトルや発売済みの名作タイトルなど、注目作品のレビューなら電撃オンラインにおまかせ!

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親切過ぎないからおもしろいフリーシナリオ

 本作は1992年に発売された『ロマンシング サ・ガ(ロマサガ)』をもとにして2005年に発売された『ロマンシング サガ -ミンストレルソング-(ミンサガ)』を、さらに新要素などを加えてリマスターしたタイトル。公式にうたわれている、フリーシナリオが間違いなく本作の魅力のひとつとなっています。

 このフリーシナリオは今のRPGでメジャーな表現を使うと、大小さまざまなクエストの集合体。街中などで依頼を受けたり情報を入手したりすると、さまざまなイベントへの入り口が開かれます。

 街の住民の悩みを解決することもあれば、国家間の問題にかかわることもあり。果ては世界の命運を……。プレイヤーが楽しめるクエストは非常に豊富です。

 さらに、フリーなだけあってかこういったクエストにメインクエストやサブクエストと呼ばれるような重要度の優劣はゲーム中には明示されていません。プレイヤー視点では、あくまで「これは一般家庭のできごとだから小さめのクエストだろう」、「重要そうな宝石の名前が出てきたから、ゲーム全体の進行にかかわりそう」と想像する程度。

 悪く言うと、なにをすれば物語が進むのかがわからないのですが、それが自由にクエストを選んでプレイしていると感じさせてくれます。

 また、選ぶ自由さがある一方でプレイヤーが迷いにくいようにいくつかの導線が用意されているのも印象的。まず、本作では街やダンジョン間の移動はワールドマップ上から街などを選択するだけで一部のケースを除いて目的地に到着できます。

 ですが、最初からどこへでも好きに向かえるわけではなく、主人公の知識や目的と行動範囲がしっかりとリンクしているんです。

 例えば先ほどからスクリーンショットに写っているクローディアは、物心ついたころからずっと“迷いの森”という地域で過ごしているキャラクター。

 迷いの森に迷い込んだ人物に“メルビル”という町に来るように誘われたことと、親代わりの人物からの「外の世界を見ておいで」という言葉から迷いの森を離れます。そんなクローディアには、迷いの森とメルビルとその近辺の知識しかないのが自然。ですから、ワールドマップで選択できる場所も最初はクローディアの知識に準じたものになっています。

 ほかの主人公も、オープニングのイベントに沿って、知っている場所や目的地にするのに自然な場所がワールドマップの表示されるといった具合。さまざまな人物と交流して知識を得たり、特定の場所に行く目的を得たりするとワールドマップ上の選択肢が増え、幅広いクエストを楽しめるようになっていきます。

 さらに、少々メタ的ですがキャラクターのグラフィックも導線のひとつ。冒険の途中にはプレイヤーが選ばなかった主人公7名を含めた、さまざまな固有グラフィックのキャラクターが登場します。

 とくに主人公はそれぞれのオープニングイベントで外の世界に出る理由が語られており、仲間にすればその主人公を起点としたクエストを体験できます。

 『ロマサガ』や『ミンサガ』をプレイ済みならどこに主人公たちがいるかを知っているでしょうが、前述のタイトルをプレイしていなくても選ばなかった主人公を探すのはフリーシナリオを楽しむためのひとつの手段になるでしょう。

 ちなみに、より多くのクエストをプレイヤーが自由に体験するためか、多くの主人公たちは出会って話しかければ即仲間にすることが可能。

 出会った主人公が身の上話を少ししたと思ったら仲間にするかしないかの選択肢が出るのは、少々強引さを感じますがそもそも本作は子どもに「地図をよこせ」と語りかけて街の地図を入手するなど“サガらしさ”とでもいうべき妙な外連味のある会話も特徴。

 これはこれで本作の味のひとつでしょう。

遊ぶとわかる2倍速と3倍速があるわけ

 リマスターにあたって、本作はシステム面が遊びやすくなっているのも大きなポイント。

 街中なら宮殿などの奥まった施設からボタンひとつで直前のエリアに戻れたり、技や術のヘルプテキストがわかりやすいものになっていたりとその内容はさまざまです。

 なかでも、快適さを感じたのがフィールド、バトル、イベントシーンでの倍速機能。オプションから等速、2倍速、3倍速のどの速度を採用するかを選択でき、ゲーム中ではボタンひとつで速度を切り替えられます。

 プレイした感覚では、2倍速は状況を問わず手堅く快適という印象。正直に言ってしまうと、等速でプレイすることはほぼなく自分のなかで本作のゲームスピードは2倍速が基準になるほどでした。

 一方の3倍速は文字通り2倍速の1.5倍の速度で移動できるのですが、あまりの速さに衛兵の間をうまく通れない、宝箱を開けようとして少しずれた位置に止まるなどの操作ミスが起きるスピード。

 とくに3倍速よりも、2倍速もしくは等速のほうが遊びやすいと感じたのはダンジョンなどの敵がいる場所です。

 本作は基本的にシンボルエンカウントで、こちらに気が付いた敵は接触(=戦闘開始)するように近づいてきます。

 このときの移動速度が、プレイヤー側の移動速度とほぼ同等。どこでエリアが切り替わるかを把握して地形やほかの敵シンボルなどにいっさい引っかからずに走り抜けてなお戦闘を回避できるかは敵シンボルの速度や動きしだいといったところです。

 そのため、戦闘を回避するには敵シンボルの背後や遠くを通る必要がありますが、当然ゲームスピードが速いほど敵シンボルの回避は困難になってしまいます。

 もちろん、広大なエリアを駆け抜けたり、街の奥にある施設に向かったりといったシチュエーションでは3倍速は快適。ボタンひとつで速度を切り替えられるので3倍速は目的に合わせて使っていく印象です。

 と、移動面では一長一短ある3倍速ですが、戦闘では文句なしの快適さ。

 決定ボタンを押しっぱなしにすると、直前のターンに選んだ行動を素早く選択してくれるのでキャラクターの育成や格下の敵との戦闘は、もう3倍速以外考えられません!

 あまりに戦闘が素早く進むため、強敵との戦闘で気が付いたら味方が倒れているなんてこともありましたが、それは自分の判断ミスということで(笑)。

 ちなみに、2倍速以上の速度でプレイしていてもボイスが入るシーンなどの重要なポイントは、自動的に等速でゲームが進行します。うっかり物語の根幹にかかわるセリフを聞き逃すなんてことはないので安心ですね。

 フリーシナリオの自由さとリマスターによる遊びやすさの向上により、本作は30年前のタイトルが元になっていることを感じさせません。

 また、『ロマサガ』や『ミンサガ』をプレイ済みなら倍速機能を生かして新イベント探しに集中したり、13体もの高難度ボスに向けて周回を重ねたりするのもよいでしょう。

 既存のファンも「なんか『ロマサガ』は名作らしい」というおぼろげな知識だけある人も、間違いなく楽しめますよ!


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ILLUSTRATION: TOMOMI KOBAYASHI

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