『旗揚！けものみち』カーミラ役の櫻庭有紗さんインタビュー。残念美人を演じるコツは？

　11月13日（水）から第7回が放送されるTVアニメ『旗揚！けものみち』について、カーミラを演じる声優の櫻庭有紗さんへのインタビューを掲載します。

　『旗揚！けものみち』は、『この素晴らしい世界に祝福を！』の原作者・暁なつめさんによる異世界ファンタジー最新作『けものみち』をアニメ化した作品です。

　異世界に召喚された覆面レスラーのケモナーマスクこと柴田源蔵（声優：小西克幸）がペットショップを営むという、爆笑必至の異色作となっています。

　なお、本作の原作となる漫画『けものみち』（原作：暁なつめ/漫画：まったくモー助・夢唄）は『月刊少年エース』で連載中で、2019年10月時点で5巻まで発売中。Webでは原作漫画が一部無料掲載されているので、アニメが気になる方はぜひ漫画版も楽しみましょう！

●動画：TVアニメ『旗揚！けものみち』PV第2弾

アドリブ＝自由時間でいかに弾けられるかが毎回勝負！

――カーミラというキャラクターへの第一印象を教えてください。

櫻庭：わぁ！　ポンコツだぁ！　……と（笑）。

　金髪ロング、真紅の瞳、ヴァンパイアの特徴である八重歯っぽい牙、豊満なお胸とそれを際立たせるセクシーなドレス……私自身すごく好みなキャラクターデザインで。

　きっと黙ってたらすっごく綺麗なんでしょうけど、いかんせん言動がアレなので（笑）。

　でもその残念さもひっくるめてカーミラの魅力ですし、とても愛情の注ぎ甲斐のある子だなぁと思いました。

　花子がカーミラを「バカな子」と言いつつ、それでもそばに置いている理由も、その辺りなんじゃないかなぁ、と、勝手に想像しています。

――実際に演じてみて、いかがでしたか？　演じやすかった部分や、逆に演じにくかった部分などはありましたか？

櫻庭：実は、カーミラはすごく演じやすいです、私……！

　もちろん、芝居をする上で難しかったシーンはあったのですが、カーミラというキャラクターを自分の中に落とし込むのは、オーディションの時から、スッと自然にできたなぁという印象です。

　なんでしょう…ヴァンパイアなのに、人間らしいというか…共感どころが多いせいかもしれません…（笑）。

　本編収録時の音響監督さんからのディレクションも、シーンごとの「もっとこんなふうに」というリクエストは頂きましたが、大元のキャラクターづくりの部分ではとても自由にやらせて頂いたように思います。

　だからこそ、演じにくいと感じる部分はほとんどなく、私が原作や台本から感じ取ったカーミラというキャラクターを、思うままに演じさせて頂けました。

――さまざまな個性派キャラクターが登場しますが、櫻庭様のお気に入りキャラクターは誰ですか？

櫻庭：本当に個性豊かすぎて、選ぶのがもったいないのですが……敢えてひとり挙げるとすれば、ズバリ、コボルトの奥さんです……!!

　もう、出番があると絶対おもしろくって！（笑）　もちろん本人たち（源蔵と奥さん）はいたって大真面目に会話しているのですが……それがおもしろさに拍車をかけていて、もう最高にツボです……！

　シグレ・花子・カーミラを差し置いて、一番“ヒロイン”してるのがコボルトの奥さんです。超絶可愛いです。推せます。

――ある意味で天敵といえる柴田源蔵というキャラクターについて、どう思いましたか？

櫻庭：櫻庭有紗としての印象だと、「わかる……わかるぞ……！」と（笑）。

　私も対動物への第二人格的なものを発動させる人種なので、源蔵のケモナーっぷりは素晴らしいと思います。

　カーミラとしては……目の上のたんこぶ、みたいな感じなのかなぁ、と。全然源蔵の方が戦闘力的にも頭脳的にも上手なんですけどね……。

　でもなんやかんや、会話しようと思えばできるし、実際共同生活は（ギリギリ）おくれているし、そこまで相性が悪いわけではないのかも、喧嘩するほど何とやらっていうし……と思って見ています（笑）

――カーミラを演じる際に意識したことや注意した部分があれば、教えてください。

櫻庭：台本にあらかじめ書かれている台詞でのポンコツっぷり、“残念美人”な見た目と中身のギャップというのはもちろん意識していたのですが……一番力を入れて臨んだのはアドリブシーンです。

　カーミラは特に、源蔵とやり合うシーンを始めとするアドリブ＝自由時間がすごく多くて。そこでいかに弾けられるか、毎回勝負でした。

　アドリブはいざやってみるまで相手が何を言うか、自分からも何が飛び出すかわからないので、最初はすごく緊張したのですが、回を重ねるごとに段々と楽しめるようになって……。

　カーミラだったらこんな時どう反応するか、どんな声をあげるかというのを瞬時に考えてしゃべっているので「わっ、こんなこと言っちゃったけど大丈夫かな!?」みたいなところもあるのですが……きっとそのまま使われているので、ぜひ隅々まで耳を澄まして楽しんでいただけたらなぁと思います！（笑）

――アニメの収録現場の雰囲気はいかがでしたか？

櫻庭：とにかく、毎話笑いをこらえるのに尽力する収録でした（笑）。

　テストの時はみんな遠慮せずに笑ったりつっこんだりしながら、和気藹々（わきあいあい）と進められるのですが、本番はもちろん笑ってはいけないので、台本で顔を覆ったり、みんな一斉に身体をくの字に折り曲げてこらえる……というのが常習化してました（笑）。

　印象に残っているのは、音響監督さんが「この作品は音楽処理とかそういった上品なことは一切しませんので、回想シーンでも全カットアドリブ入れてください」とおっしゃったことです。

　「……なるほど!!　確かに『けものみち』に上品さなんて必要ないですものね！」と妙に納得した覚えがあります（笑）。

――最後に、アニメ『旗揚！けものみち』のファンに向けたメッセージをお願いします。

櫻庭：本当にラクな気持ちで、頭を空っぽにして、「バカやってら～」と思いつつ観ていただけたらと思います！　まだまだ他にも魅力的なキャラクターが登場しては、ハチャメチャに暴れまわりますので！（笑）

　カーミラ役としては……第6話をぜひ、見届けていただきたいです。ネタバレになってしまうので多くは語れませんが……カーミラ、頑張っております……！

　私たちも全力でふざけ倒して、楽しみながら演じたので、その“大人の全力おふざけ”を、一緒になって楽しんでもらえたらすごく嬉しいです。

　『旗揚！けものみち』、どうぞよろしくお願いいたします！

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