次に一歩、足を進めるときには、すべての失策が今後の世のため、他人のためと思わねばならぬ【タクティクスオウガ リボーン名言集】

タダツグ
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 スクウェア・エニックスより発売されたタクティカルRPG『タクティクスオウガ リボーン』の名言企画。第3回目となる今回紹介するのは、ローディスの暗黒騎士であるバールゼフォンのセリフをピックアップします。

 暗黒騎士ランスロットの片腕であり、騎士団の実質的なNo.2ということで、プレイヤーからのヘイトが集まりがちだと個人的には思っているこの暗黒騎士バールゼフォン。どうにも腹が立つキャラではあるのですが、その一方で彼の人を見る目だけは確かだと感じさせられたのがこのセリフ。さっそく振り返っていきましょう。

※本記事内には物語のネタバレを含む表現がありますので、ご注意ください。

次に一歩、足を進めるときには、すべての失策が今後の世のため、他人のためと思わねばならぬ(暗黒騎士バールゼフォン)

●CHAPTER3_欺き欺かれて

 民族紛争に揺れるヴァレリア島の混乱を逆手に取り、大いなる野望を遂げようとしている暗黒騎士ランスロット。彼の腹心であるバールゼフォンとは、Lルートのチャプター3で直接剣を交えることとなります。

 フィダック城に攻め寄せてきたウォルスタ解放軍の手から暗黒騎士ランスロットを逃すため、デニムたちの前に立ちはだかるバールゼフォン。彼は戦闘中、デニムに対しておもむろに話しかけてきます。



 小僧呼ばわりしておきながら満更認めていないわけではないようで、上から目線の言葉ではありつつ剣に迷いがないとまで断言しています。ここでいう上官とは騎士レオナールを、そして主君とはロンウェー公爵を指しており、Lルートということで、このときのデニムの手はバルマムッサの虐殺によって汚れているのも事実です。



 デニム自身、自らの行いで多くの血が流れたことはすでに自覚しており、それを受け止めたうえでここに立っているため、バールゼフォンのこの煽り言葉にも動揺はなし。むしろ犠牲となった人々のためにも、ヴァレリア島の混乱の裏で暗躍するローディスと戦う決意を固めていることを口にします。




 デニムの言葉を聞き、彼に覇道を歩く資格を見出すバールゼフォン。上に立つ人間というものは過去の失策に囚われてはならないことを説きはじめます。言葉尻にちょいちょい煽り言葉を入れてくるのは、この人の性格なのでしょう(苦笑)。


「次に一歩、足を進めるときには、すべての失策が今後の世のため、他人のためと思わねばならぬ。それが覇者たる資格、資格を持つ成功者! 小僧! 貴様は十分にその資質を持っているぞ!」

 自らの失策を反省し、後悔するのは仕方なし。だが、成功者となるにはそれをも踏み台にして前に進まなければならないというこの言葉。敵の言うことながら、これはひとつの真理だと感じませんか? 

 なにも民族紛争に限らず、世の中には戦いがあふれていて。たとえばビジネスの場においても、他者より優れた人間として認められ上を目指そうとするのなら、失敗を引きずり過ぎていてはならないことは多くの社会人が実際に経験したことだと思います。学生さんのテストや部活動にだって同じことがいえますよね。

 ここまで偉そうな口上を述べておきながら、窮地となると転移石で逃げだすバールゼフォンには思わず苦笑いしてしまいつつ。彼もまた暗黒騎士ランスロットの覇道に付き従う者。己の命の重みを知っているからこそ、引き際を弁えているってことなのか……。

 なんにせよ、暗黒騎士団のNo.2にここまで言わせるデニムの成長ぶりが素晴らしい。この成長には、ここまでの苛烈な戦いがあったからこそだと思えます。


  • ▲ブリガンテス城を治める騎士ディダーロと戦った際のデニムは、まだここまでの覚悟が決まっておらず、むしろ剣に迷いがあると指摘されたものです。


  • ▲その後アルモリカ城で戦った将軍ザエボスには、偽善者だなんだとめちゃくちゃに煽られましたし。

 これらすべての経験がデニムの糧となり、彼らとの戦いを乗り越えてきたからこそ今の覚悟があると思うと……このバールゼフォンの言葉はとても感慨深いところ。自分は正直、バールゼフォンは苦手なタイプの人間ですが、彼もまた己のなかに確固たる信念があることは感じられるため、憎みきれないところもありますね。

  • ▲Lルート限定で見られるオズマとバールゼフォンの確執。その結末のひとつであるこの船のシーンなんかは、解釈がとても難しくて……。とてもひと言では語れません。バールゼフォンという人間は、なかなかに底が見えない人物でもあるように思えます。

 思えばはじめてこの『タクティクスオウガ』をプレイした学生時代は、Cルートのデニムこそが僕の思い描く理想の主人公でした。ただ、あれから20年以上の時を経て遊んだ今となっては、Lルートのデニムの生きざまに感じ入ってしまう部分がとても多く。あらためてこの作品の奥深さを考えさせられる……そんな名シーンを紹介させていただきました。それでは、今回はこのへんで!


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