『フロントミッション1st:リメイク』レビュー。クラシックながらロボ好きに刺さる要素てんこ盛り
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- Ak
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好評発売中のSwitch版『フロントミッション ザ・ファースト: リメイク』のレビューをお届けします。
なお、本作はダウンロード版が好評配信中。パッケージ版は2023年春に発売予定です。
ヴァンツァー乗りの重厚かつ骨太なストーリーが魅力的!
物語の舞台となるのは、オシアナ共同連合(O.C.U.)とニューコンチネント合衆国(U.S.N.)が国境を接する唯一の陸地“ハフマン島”。
この島で起きたある事件をきっかけに勃発した“第2次ハフマン紛争”を軸に、本作のストーリーは進行。
人型兵器“ヴァンツァー”というSF的な設定はあるものの、戦争やそれに関わる登場人物たちのドラマは非常にリアリティがあり、今見ても色あせない魅力があります。
台詞などは昔のゲームらしくアッサリしていますが、設定や物語は重厚で読み応えがありますね。
第2次ハフマン紛争のきっかけとなった事件に関わり、恋人を失った主人公のロイド。その後、O.C.U.軍特務偵察隊を除隊させられたロイドが傭兵部隊として紛争に関わっていくのが、物語の導入です。
一時はエリート軍人だったロイドも、落ちぶれて闘技場のファイターになっています。そこからはみ出し者の傭兵たちと力を合わせながら戦っていくというストーリーは、なかなか熱いものが!
行方不明になった恋人カレンを探すうちに、事件の裏側にある陰謀が明らかになっていくのも、戦記物として実に王道です。
さらに、敵対勢力であるU.S.N.に所属するケビンの視点からも物語が描かれます。
プロローグ終了時にロイドとケビン、どちらの視点から本作をプレイするかの選択があり、以後は選択した主人公の視点から物語が進行。
基本的にはロイドのストーリーのほうが難易度が低く、初心者向き。2人の主人公分のストーリーを収録しているということで、ボリュームはかなりのもの!
グラフィック自体は高精細になっているものの、テイストは昔ながらのドット絵そのままで、なつかしい雰囲気を味わえるのも魅力です。
モブキャラクターも含め、顔グラフィックも個性的で、名前の付いたキャラにはしっかり愛着が湧きます。
パーツの破壊に応じた戦略が重要になるバトル
バトルはオーソドックスなシミュレーションRPG。ロボットものでイメージするようなアクション要素はなく、あくまでクラシックな作りです。
地形によって移動に影響が出たり、固まって動くと行動しにくくなったりと、シミュレーションRPGらしい要素もしっかりあります。複雑な要素はないので、同ジャンルを好きな人であればスムーズに遊ぶことが可能。
移動時には、若干の足踏みのようなアクションもアリ。ややテンポは犠牲になっているものの、ロボット(ヴァンツァー)らしさは出ていますね。なお、移動や戦闘はオプションで簡略化可能で、その場合はワープ移動になり、少々味気ないですがテンポよく進められます。
バトルで特徴的なのが、部位(パーツ)ごとに耐久値があり、各部位を破壊することで戦況が有利になること。
脚が破壊されれば移動力が低下し、腕が破壊されるとその腕の武器が使用できなくなります。なお、胴が破壊されると撃破となるので、胴を死守するのが最重要!
狙った部位を破壊するのは難しいですが、腕を破壊した相手は脅威ではなくなるので放置する、脚を破壊したら距離をとるなど、破壊した部位に応じた戦略を練るのが楽しいです。
バトルの基本的な難易度は比較的高め。シリーズをプレイしたことがなくて、サクサクストーリーを進めたい場合は難易度を下げるのもアリですね。なお、難易度によって敵の攻撃力や耐久力が変化します。
とはいえ、部位破壊後の動きを意識する、ガードや回復の重要さを知るなどのちょっとしたコツをつかめば、戦闘を有利に進めることが可能です。
ヴァンツァーのカスタマイズが幅広い!
バトルでのユニットとなるヴァンツァーは、パーツを組み変えてカスタマイズすることが可能。
各部位ごとのパーツはもちろん、名前やカラーリングなども変えられるので、それぞれの機体に愛着が持てます。
主人公機以外の機体もカスタマイズ可能で、パーツの種類が増えて機体ごとの役割分担ができるようになると、戦略にも幅が出てきて楽しいです。
腕や脚などのパーツはデータで性能を判断できるものの、武器は実際に使ってみないと使い勝手がわかりにくいことも。
部位をばらけてダメージを与えられるか、あるいは集中攻撃ができるのかなど、武器ごとの特徴を把握しておくことが重要になります。武器は両腕および両肩に装着可能なので、幅広い相手に対応できるようにしておくのも手ですね。
ヴァンツァーの性能を試すには、実践以外に闘技場で活躍させるのもアリ。
闘技場では賞金を賭けてヴァンツァー戦を挑むことが可能で、機体の性能を試しつつお金を稼げます。どの武器を使うか選ぶだけのシンプルなルールですが、勝てる相手を吟味するのが楽しくて、妙な中毒性があります。
見た目にもこだわれる豊富なカスタイズ要素と、奥深い戦略的なバトル、そして重厚なストーリーが楽しめる本作。
よくも悪くもクラシックな作品ではありますが、ロボ好きや王道シミュレーションRPG好きには刺さる要素がてんこ盛りです!
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